(商品市況概況)
「中国の利下げ報道で軒並み上昇」
昨日のコモディティ価格は軒並み上昇した。中国政府が景気刺激を目的として金利を引き下げたことが素直に好感された。そもそも夏場からの下落幅が大きく各商品とも値ごろ感が出始めている中、「買い戻す良いきっかけ」となったようだ。今後、さらに追加で買いが入るか否かは、大手企業の支援と11月、12月の欧米主要企業決算が無事に乗り越えられた後、ということになり来年以降となる可能性が高いと見る。しかし、今後更なる大手企業の経営悪化や政治の混乱といった材料が出てくればこの限りではない。
(経済関連ニュース)
・米FRB、中小企業支援等を目的として8,000億?に上る経済対策を発表。
・Q308米GDP改定 前期比年率▲0.5%(速報比▲0.2%)、市場予想▲0.5%。前期+2.8%。
・米S&Pケース・シラー住宅価格指数 前月比▲17.4%(前月改定▲16.6%)、市場予想▲16.9%。
・11月米消費者信頼感指数 44.9(前月改定38.8(速報比+0.8))、市場予想38.0。
・Q308英GDP改定 前期比▲0.5%(速報比変わらず)、市場予想▲0.5%。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+1.5%の404.4、購入指数前週比+5.3%の261.6、借換指数前週比▲2.1%の1,254。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲14千人の529千人(前週改定 +27千人の543千人)。
・10月米個人消費支出 前月比▲1.0%(前月改定▲0.3%)、市場予想▲1.0%。
・10月米製造業耐久財受注 前月比▲6.2%(前月改定▲0.2%(速報比▲1.3%))、市場予想▲3.0%。
・11月独消費者物価指数 前年比+1・5%(前月改定+2.5%)、市場予想+1.7%。
・10月米新築住宅販売 前月比▲5.3%の43.3万戸(前月改定45.7万戸(速報比▲0.7万戸))、市場予想44.1万戸。
・11月シカゴ購買部協会指数 33.8(前月改定37.8)、市場予想37.0。
・中国政府、景気刺激を目的に金利を引き下げ。
・ドルは対ユーロで4営業日ぶりに上昇。FRBの追加経済対策や次期政権の経済対策推進が期待され、株価が上昇したことなどが材料となっている。尚、昨晩発表された米経済統計は良いと言えるものがなく、ドルが買われる要因にはなりにくいものばかりであった。対円でもドルは上昇している。
・日本株は下落。格付け会社フィッチがトヨタ自動車の格付けを2段階引き下げたこと等が嫌気された。米株は大幅に上昇。政府による経済対策期待が相場を押し上げた。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は続伸。世界最大の大豆輸入国である中国の景気刺激策(利下げ)を好感した買いが入り続伸、10日移動平均線を回復した。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。
・トウモロコシ価格も上昇。中国の利下げが最大の材料。但し10日移動平均線を上回って上昇する感じではなかった。イールドカーブの形状は略変わらず。
・小麦価格は10日移動平均線を挟んで小動き。中国の経済対策の一環である金利引下げが好感され、堅調な推移となった。イールドカーブの形状は略変わらず。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。この5営業日の間の上昇幅が大きかったが、100日移動平均線のレジスタンスを上抜けできなかったことやドル高の進行を受けて下落した。
今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
NY銀も下落。金価格の上昇に連れる形で上昇していたが、景気の先行きの不透明感が強いことから50日移動平均線のレジスタンスを上抜けできなかった。"
先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが111,063(前週比 ▲5,288)、ショートが46,234(前週比 ▲6,158)となったことから、ネットで64,829(前週比 +870)となった。銀はロングが29,678(前週比 ▲5,288)、ショートが10,603(前週比 ▲6,158)となったことから、ネットで16,457(前週比 ▲2,388)となった。
・NYプラチナも小幅下落。ドル高の進行と、中国の金利引下げの強弱材料が混在する中、比較的狭いレンジでの推移となった。しかし、10日移動平均線が30日移動平均線を下から上に抜ける形となり、短期的には上値を追い易い環境になってきている。
急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
NYパラジウムも下落。一目均衡表の雲厚く上値を追いにくい一方、絶対価格水準の低さから買いも入りやすく、比較的狭いレンジでのもみ合いとなっている。
今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強い上、チャート的には10日移動平均線が30日、50日移動平均線を下から上に抜けており、チャート的にも買いサインが出ているためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。
・BHPによるRio Tinto買収断念。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+7.3MB、ガソリン+1.8MB、ディスティレート▲0.2MB、稼働率+1.3%
・米WSJ 「原油相場が50?近辺で推移する中、米メジャーは配当を維持したりプロジェクト資金を確保するため現金を保持したり借り入れを増やす可能性がある。一部の石油会社はプロジェクトへの投資計画を縮小し、自社株の買い戻しを減らす企業も出てくる」
(非鉄金属)
昨日の銅価格は上昇した。中国政府の金利大幅引き下げを好感した買いが入り大幅に上昇、10日移動平均線を固める展開となった。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は▲875Mt減少、(FSCは5.7日)、(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は9,569枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇し、ブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は32?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日の亜鉛価格は上昇した。中国政府による金利引下げに伴う投資加速期待と、コスト割れ水準まで価格が下落していることを材料にした買いが入り上昇した。10日移動平均線が30日移動平均線を下から上に抜ける格好となり、短期的には買いが入り易い地合いとなった。しばらくは(限定的ながら)上値を試す動きになると考える。目処は50日移動平均線となる1,350?辺りか。LME在庫は前日比変わらず。FSCは5.9日(キャンセルワラント率は1.4%)。売買高は4,343枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇。C-3は2?バックとコンタンゴからバックに転じた。
昨日の鉛価格は下落した。中国政府の金利引下げが買い材料となり上昇したものの、10日移動平均線が上値として意識され、頭重い推移となった。鉛は足許10月24日の安値である1,145?を下値に堅調な推移が続いている。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いためだ。今後も(市場のセンチメントを決定付けるため株式市場次第ではあるが)堅調な推移が続くことになろう。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは1.7日、キャンセルワラント率は2.3%。)。売買高は1,349枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は13?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のアルミ価格は下落した。中国政府の金利引下げを受けて大幅に上昇したが、夜間に発表された米住宅関連統計や機械受注の悪化を受けて地合いが悪化、引けに掛けて水準を切り下げる動きとなった。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。また、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+9,500Mt増加、(FSCは15.9日)。(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は7,533枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は47?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のニッケル価格は上昇した。中国政府による金利引下げが域内の投資を促進すると期待されたことや、コストの下限と考えられる11,000?を下回っていることから買いが入った。当面は、限界コストと見られる11,000?、心理的節目である10,000?を意識しながら比較的狭いレンジでの取引が続くことになると考える。LME在庫は+486Mt増加、(FSCは16.2日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は873枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は115?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の錫価格は上昇した。材料は他のコモディティと変わらず、中国政府による金利の引き下げと、キャンセルワラント率の上昇である。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めている可能性が出てきたことから、今後はまず、中国の輸出入統計に注目する必要があろう。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。LME在庫は▲5Mt減少、(FSCは4.2日)、キャンセルワラント率は12.95%。売買高は298枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下し、ツイストする形でスティープニングしている。C-3は282?バックとバック幅を拡大した。
(エネルギー)
昨日のNY原油は上昇した。夜間に発表された米在庫統計は原油にとっては明確にベアなない様であったものの、中国の景気刺激を目的とした大幅な利下げや、先々の米経済対策への期待から株価が上昇したこと、OPECの追加減産観測を受けて大幅に上昇し10日移動平均線を回復するに至った。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率はWTIは+6.3%、Brentは+6.2%。
石油製品も大幅に上昇。RBOBは夜間の在庫統計はベアな内容であったものの、統計発表後の下落幅が限られたことや、中国の金利引下げといった景気刺激策を好感する買いが入り、10日移動平均線のレジスタンスを上抜けして引けた。イールドカーブは期先を中心に上昇している。直近限月の騰落率は+6.7%。ヒーティングオイルも上昇したが、FSCが5年平均を大きく上回るレベルまで上昇していることから、上げ幅は限定され10日移動平均線を上値に頭重い推移となった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+2.1%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+2.2%。
(ひとりごと)
赤ちゃんの本を読んでみると、面白いことが書いてある。
「生まれる前はどこにいたのか?」
という項目に非常に興味を持った。
どうも、いろいろな赤ちゃんのコメント(といっても、母親のコメントですが)を見てみると
「空の上から見ていて、ママが一番優しそうだから選んだ」
とか
「空の上から見ていて、世界中でママが一番優しそうだったから選んだ」
とか。
いずれも「空の上から」というキーワードがあることが非常に興味深い。
私の義理の姉も子供2人からそういわれた、と言っていた。
丹波哲郎が言うように、「死後の世界」は地球と宇宙の中間に存在していて、そこから皆下界を見ているのであろうか
と、言うよりは。
人が亡くなると空の星になるのよ、といった説明を無意識に子供にしているのであろう
というのが私の意見。
皆さんどう思われます?