あと5分

(商品市況概況)
「まちまち」
 昨日のコモディティ価格は新規材料に乏しい中、まちまちの展開となった。各国経済統計の悪化と在庫の増加を受けて非鉄金属が売られ貴金属が変れる流れには大きな変化はなく、エネルギーが「そろそろ底入れ」感が強まっていることから下げ幅が限定されている、という流れにも大きな変化はない。
 在庫の整理の進捗と大企業の破綻が発生していないことから徐々に商品にも買い安心感が広がっていると考えるべきだろう。しかしながら「景気は底割れを回避できる可能性が高まってきた」ものの、「今すぐ需要が回復して再び2年前の状態に戻るか」といわれると、それには時間がかかるといえ、現時点において相場が昨年見たような水準に急騰することは難しいと予想される。但しクライシスが回避されれば、「割安と考える水準」ないしは「コストベース」まで価格が上昇すると考えることは自然であり、その観点からすると原油で60ドル前後、アルミで1,700ドル前後までの上昇があってもおかしくなかろう。Q109の決算終了後の相場展開には十分に注意をしておきたいところである。

(経済関連ニュース)
・1月ユーロ圏小売業景気指数 44(前月41.4)。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+3千人の588千人(前週改定588千人(速報比▲1千人))、市場予想575千人。
・12月米耐久財受注 前月比▲2.6%(前月改定▲3.7%(速報比▲2.7%))、市場予想▲2.0%。
・12月米新築住宅販売 前月比▲15%の33.1万戸(前月改定38.8万戸(速報比▲1.9万戸))、市場予想39.7万戸。
・12月日本鉱工業生産速報 前月比▲9.6%(前月改定▲11.9%)。
・12月日本失業率 4.4%(前月改定3.9%)。

・ユーロは対ドルで続落。夜間に発表された米経済統計の悪化を受けてユーロが強含む局面もあったが、安全資産としてのドルの需要が強まりドルが上昇することとなった(多くのコメントがドルが安全資産なので物色された、としているのだが個人的には全くそう思わないのだが...市場参加者がそのように感じていればそれが正しいのが市場の常ではあるが)。円は対ドルで上昇。明確に米経済統計の悪化を受けて円が買い戻された形。
日本株は上昇。前日の米国株高と、米国の金融安定化策への期待感から上昇した。米国株は下落。夜間に発表された米経済統計が軒並み悪化したことが嫌気された。前日の米国株高を受けて上昇した。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に上昇。夜間に発表された米経済統計の悪化を受けてそれこそ安全資産である金が物色されることとなった。現状200日移動平均線を下値に高値での推移が続いている。銀価格も上昇。金価格の急騰を受けて10日移動平均線のサポートラインを確認した後、大幅な上昇となった。

・NYプラチナ価格は上昇。株価の下落やドル上昇はあったが、100日移動平均線を下値として堅調な推移が続いており、テクニカルに物色されたものと見ている。パラジウムは小幅安。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。欧州時間のLME在庫の増加とドル高の進行で水準を切り下げる動きとなった。NY時間にはいってから発表された経済統計は悪い内容のものが多かったものの景気対策への期待感が高まり、かつ価格水準が低いことからむしろ買い戻しが入る展開となり、下げ幅を削った。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の急速な在庫調整圧力を受けてLME在庫が激増、短期的な需給がルーズになってきていることや中国政府や米国の経済対策が実体経済に影響を及ぼし始めるのは春先以降になると見られることから、しばらくは冴えない展開が続くこととなろう。LME在庫は+22,750Mt増加、(FSCは9.6日)、(キャンセルワラント率は1.5%)。売買高は9,455枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は37ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫の増加、ドルの上昇を受けて軟調に推移し、NY時間で買い戻されるという銅と同様の相場展開となった。生産者の生産抑制の動きに対する警戒感がある一方で、足許の需要の急速な減少に伴うアップサイドへの警戒感は根強く、比較的狭いレンジでの推移が続いている。LME在庫は+925Mt増加、FSCは10.3日(キャンセルワラント率は2.4%)。売買高は5,120枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫の増加、為替のドル高といったマイナス材料はあったものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要はシーズン中でもあって旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは相対的に強く、10日移動平均線でサポートされて小動きとなった。基本的に景気が回復したわけではないため上値は限られると考えておいたほうが良い。LME在庫は+350Mt増加、(FSCは2.2日、キャンセルワラント率は1.7%。)。売買高は1,659枚。イールドカーブは期近が下落し、ベアスティープニングしている。C-3は4ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は前日比変わらずであった。LME在庫の激増、ドル高の進行で下値を探る動きとなったが、先週から何回かトライしている1,300ドルが下値として強く意識され、NY時間に買い戻しが入り、10日移動平均線レジスタンスを確認した後に小幅下落して引けた。現状、1,300ドルと10日移動平均線となる1,375ドルの極めて狭いレンジでの推移が続いている。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落していることからこれ以上の下落には追加の材料(大企業の破綻等)が必要であると考えており、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れするのではなかろうか。LME在庫は+59,750Mt増加、(FSCは26.0日)。(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は10,575枚。イールドカーブは期近が小幅低下、期先が上昇している。C-3は33ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫の大幅増加継続とドル高の進行を受けて下値余地を探る動きとなった。足許、11,000ドルの下値が意識される一方、100日移動平均線レジスタンスラインとして意識されている状況。LME在庫は+954Mt増加、(FSCは23.0日)、キャンセルワラント率は0.5%。売買高は1,287枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は51ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。LME在庫の増加やドル高の進行といったマイナス材料を受けて取引序盤から軟調な推移となり、30日移動平均線のサポートラインを大きく割り込む展開となった。インドネシアや中国の生産輸出が増加しているものの需給がルーズになっている感じもない。イールドカーブバックワーデーションの状態が続いていることが、需給が逼迫していることを示しているが、アジア周りの在庫が増加を続けており以前程の力強さは感じられない。LME在庫は+150Mt増加、(FSCは8.9日)、キャンセルワラント率は7.72%。売買高は314枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は45ドルバックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は期近のみ下落した。特段目立った新規材料がない中、前日引けレベルでのもみ合いに終始し、結果的に前日比マイナスであった、という程度である。足許きりの良い40ドルが下値として意識されている形に。イールドカーブは期近のみ下落し、期先は上昇している。直近限月の騰落率は▲1.8%。Brentは上昇。値ごろ感からの買いが継続している。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+1.1%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは継続しており、昨晩はまた拡大した。
 石油製品は上昇。RBOBは特段の新規材料がない中、10日移動平均線のサポートを確認しながら堅調な推移となった。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下し、ツイストする形でフラットニング。直近限月の騰落率は+3.7%。ヒーティングオイルは30日移動平均線近辺でもみ合い略前日と変わらず。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下し、ツイストする形でフラットニングしている。直近限月の騰落率は+0.5%。ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.1%。

(ひとりごと)
寒い朝に寝ていて

「あと5分!」

自ら布団から出る時間に短い目標を設定することで
自分が通常よりも長く寝ていることを正当化するのは、殆どの人が用いている手法であると思うが
昨晩、寝る前にカミさんと遊んでいた我が子(1歳11ヶ月)が、遊び足りない我が子は同様の手法を用いてカミさんにねだってきた

「あと50分」

....ちょっと贅沢じゃないすか?アンタ。