ケンタッキー

(商品市況概況)
「株がここまで下がってしまうと...」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。夜間に米AIGの政府支援が発表されると金融不安の拡大を受けて株が大幅に調整、株が大幅に調整することに伴う損失をカバーするための利益確定売りや、金融不安長期化観測を背景とする需要減少懸念を受けて商品価格は調整を余儀なくされた。質への逃避で物色されていた金や銀といった貴金属も利益確定売りに押されることとなった。週末の詳細版でもコメントしたがこの金融不安の拡大が続くようであると、昨年秋から年初に掛けて見られた「現金化できるものの現金化」の流れが加速し、商品価格も下落圧力がかかる可能性がある。また同時に殆どのコモディティがドル建で取引されていることから、再びドル需給が逼迫してドル高になる可能性もゼロではない。
 景気回復の足取りが重い中、商品価格が高騰することは景気のマイナス材料になりえるが、「著しく低い商品価格」が景気に与えるマイナスの影響も大きいといえ(生産者が生産できなくなり、将来の急騰リスクの種が蒔かれる)、コストベースといわれる水準までの価格回復はあっても良いと考えている。

(経済関連ニュース)
・米政府、AIGに対し最大300億ドルの追加資本を注入する計画を発表。
・1月米個人消費支出 前月比+0.6%(前月改定▲1.0%)、市場予想+0.4%。
・2月米製造業景況指数 35.8(前月改定35.6)、市場予想33.8。新規受注は33.1(前月33.2)、輸出は37.5で変わらず、在庫は37.0(37.5)、雇用は26.1(29.9)。
・1月米建設支出 前月比▲3.3%(前月改定▲2.4%(速報比▲1.0%))、市場予想▲1.5%。

・ドルは対ユーロで上昇。米AIG公的資金を注入する計画が発表されたことで、週末のシティグループの政府救済案発表と相俟って再び金融不安が高まった(更なる国有化があるのでは、ということ)。これに伴いドル需給逼迫観測が台頭、ドルが続伸した。ドルは対円では下落している。
日本株は下落 。シティグループ公的支援発表を受けた金融不安の拡大から、金融株を中心に売られた。また円高が進行したこともあって輸出関連株も安。米国株は急落。AIGが米企業史上で次第の損失を計上したことが嫌気された。著名投資家のバフェット氏が米景気の状況を「ひどい状態」とコメントしたことも投資家心理を悪化させたようだ。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は続落。株式相場の悪化に伴い、利の乗った金を売却し損失をカバーする動きが見られたことや、ドル高の進行が地合いを悪化させた。しかしながらAIGの業績悪化に伴い引き続き「質への逃避」の流れに変化はなく、引けに掛けては大幅に買い戻され、略行って来いの展開となった。引き続き30日移動平均線でサポートされている。銀も同様に行って来いの展開。一時30日移動平均線を割り込んだが、総じて30日〜200日をコアレンジとする取引となっている。

・NYプラチナ価格は小幅安。ドル高の進行、金の下落、株の暴落を受けて下落した。繰り返しになえるが工業品であるプラチナは金のような代替通貨としての色彩が薄く、工業品としての需要動向も価格に大きな影響を与える。しかしながら依然として10日移動平均線を挟んで堅調な推移となっている。パラジウムは小幅安。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+1.0MB、ガソリン▲0.8MB、ディスティレート▲1.4MB、稼働率+0.5%
・ヘリル アルジェリア鉱業相「OPECの減産実施率は100%近く、追加減産は必要」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。AIGグループの業績悪化懸念と政府による資本注入の動きを受けて、金融不安が再燃、株が大幅に調整したことを受けてコモディティにも利益確定の売りが相次いだ。ただしLME在庫の大幅減少もあって大幅な価格調整とはなっていない。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、中国政府や米国の経済対策の「効果期待」が強まっていることからチャート的には100日移動平均線となる3,650ドルを見てもおかしくない環境になっている。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、頭重い推移になると考えている。LME在庫は▲5,625Mt減少、(FSCは10.8日)、(キャンセルワラント率は7.6%)。売買高は7,067枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。AIG報道を受けた株の大幅調整が地合いを悪化させ、従来から意識されていた30日移動平均線を上値に調整した。ただしLME在庫が大幅に在庫が減少したことから、銅と同じく大幅な調整とはなっていない。チャート的には各種移動平均線が全て現在の亜鉛価格を上回っており、アップサイドに行きにくい展開となっている。LME在庫は▲2,375Mt減少、FSCは11.4日(キャンセルワラント率は9.6%)。売買高は3,218枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫が久しぶりに減少したことから比較的しっかりの推移だったものの、AIGの米政府支援の発表を受けて金融不安が再燃、下落を余儀なくされた。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは2.6日、キャンセルワラント率は3.9%。)。売買高は781枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は10ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。週末のシティグループ支援に続き、AIGの米政府による支援が発表されたことから株価が大幅に下落、需要減少観測と市場参加者のマインド悪化を映じてアルミ価格も調整を余儀なくされた。結果、10日移動平均線でかろうじてサポートされて引けた。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れすると考えている。期先は引き続き高い水準での推移が続いている。LME在庫は+18,075Mt増加、(FSCは30.1日)。(キャンセルワラント率は0.9%)。売買高は6,156枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は36ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。前日引けレベルで寄り付いた後、LME在庫の増加、NY時間のAIGの報道を受けて株が大幅調整したことに伴い、ニッケルも調整を余儀なくされた。ニッケル価格は限界コスト近辺まで水準が低下しており(弊社は2009年のニッケルの限界生産コスト水準を7,289〜9,729ドルと想定)、この水準が下値として意識されよう。LME在庫は+222Mt増加、(FSCは27.1日)、キャンセルワラント率は1.2%。売買高は676枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は82ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫の減少を受けて比較的小高く始まったものの、AIGの救済報道を受けた金融不安の広がりから株価が大幅に調整、錫は投機の対象になりにくい商品であり、実需の減少観測を受けて水準を切り下げた。但しイールドカーブがバックになっている状況であり、足許の需給は数値上はタイトであると言え、10日移動平均線でサポートされて引けた。LME在庫は▲40Mt減少、(FSCは8.5日)、キャンセルワラント率は5.74%。売買高は130枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は268ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に下落した。米AIGの業績の悪化、政府の資本注入といった金融不安の再燃に伴い株が大幅に下落、NYダウ、SP500とも大幅に調整したことから需要減少、ならびに損失カバーの取引が入り売られた。この結果、一目均衡表の雲の下限ならびに50日移動平均線のサポート一杯まで水準を切り下げる動きとなった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲13.0%。Brentも大幅に下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲10.9%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは小幅拡大している。
 石油製品も下落。RBOBも株が大幅に調整する中、水準を切り下げた。ただし需要の回復傾向もあって100日移動平均線を割り込むまでには至らず、この水準を結果的に固める動きとなった。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲7.2%。ヒーティングオイルも下落。AIG報道を受けた株安の影響で大幅に下落し、10日移動平均線を割り込んだ。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲11.2%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲5.9%。

(ひとりごと)
本日付の某新聞に、デリバティブに関して間違った記載がなされていた。
ヘッジが上手くいかなかったときだけ記事にする、というのは問題だろう。
価格高騰時にリスクヘッジを行い、うまくリスク回避ができていた企業が正等に評価されないことも問題だと思う。
この記事に出てくるいずれの例も、繰り延べヘッジを行っており、損失が発生したわけではない。
読者のミスリードを誘うような表現は回避して欲しいものである。

さて。

昔学生の頃、ケンタッキーで昼飯を食べていたときに、マンガのようなことをしてしまったことがある。
友人と話しながら楽しいランチ。
社会人になるとどうも仕事の話になってしまうけれど、学生だとそんな話もしない。
話すのは趣味のこと、恋愛のこと。そんな話をしてぼんやりしていたら、突然とんでもないことが起きた。

食べていたのはコンボか何かのチキン+フライドフィッシュの組み合わせ。
ケンタッキーの場合、私は個人的には魚のフライよりもフライドチキンの方が好きである。それも鳥のモモのところを使った
ドラムスティックではなく、胸肉のヤツが好きだ。何故って皮が多くて(皮、好きなんですよ。)、骨も少なく、食べやすいから。
しかも、大きいのではなく、小さいの。何故って、一口で綺麗に食べられるから。
その小さいのを口にほおばって、飲み込んだらその中に小指の第一間接ぐらいの長さの小骨が混じっていた。
通常はなんてことなくそのまま飲み込んでしまうのだが、この小骨はそうではなかった。
ノドを通り過ぎていわゆる食道に入ったあたりで、「つっかえてしまった」のだ。
どういう形にノドにつっかえたか、というと、そう「サザエさん」とかで、カツオが押入れに閉じ込められるときに用いられる竹の棒
のような形で骨がノドにつかえたのだ。

私は突如立ち上がり、手を振り回して暴れまわった。一緒にいた友人は何が起きたか分からないようで、相当動揺している。
知らない人がみたら、突如気がふれてしまった人間のように見えたはずだ。
でも、あまりに痛いので説明が出来ない。
そのときふと、「ノドにモノが詰ったら、水を飲む」という基本動作を思い出した。で、飲んでみた。

当然水は、食道と、つっかえている骨の間をするするとすり抜けて行く。のれんに腕押し、豆腐に鎹(かすがい)。手ごたえがない、
とはまさにこのこと。

次にトライしたのは、「ノドにモノが詰ったら、ご飯を飲み込む」方法。コンボにはフライドポテトがセットで付いていたので、これで代用した。

「!!!!」

つっかえ棒状態になっていた骨が、さらに深くノドに食い込む。
(具体的な状況をもっと分かり易く説明すると、地面に対して45度の角度でノドに詰っていたホネの角度が、0度になった、ということ)

もう。だめだ。

結局、逆転の発想で食べたものをすべて出し、それと共に骨もろとも外に出す、という手法を思いつき、何とか助かった。

それ以来、フライドチキンは中ぐらいのを選んで食べている。