100年に一度

(商品市況概況)
「最終消費の担い手となれるか」
 昨日のコモディティ価格は軒並み続伸した。温家宝首相が全人代(現在開催中)で更なる景気刺激策を発表すると見られたことを受けて、株が上昇、商品価格も株の戻りに伴う消費回復期待、センチメントの好転を受けて上昇することとなった。2002年からの商品価格の上昇は、急速に増加した中国を始めとする新興国のインフラ需要によるものであることを鑑みると、新興国の雄である中国の追加景気対策は素直に好感されることになる。中国は政治的にも共産党の一党支配となっており、政策がスムースに執行される可能性が高いことも買い安心感を広げた。実際、中国政府の国家備蓄としての市中在庫買取の影響等で非鉄金属在庫が減少していることはその一端であるといえる。
 但し、中国のみで最終需要を担うことは難しいと言わざるを得ず、こういった動きが中国のみに留まらず、周辺国まで拡大していかないと景気の底打ち→回復のシナリオは描けない。景気対策が進んでいる欧米と同様に、日本も有効な景気対策を速やかに執行していく必要性があるだろう。

(経済関連ニュース)
・1月米中古住宅販売 前月比▲7.7%の80.4(前月改定+4.8%(速報比▲1.5%))、市場予想▲3.5%。
・Q408豪GDP 前月比▲0.5%(前期改定+0.1%)、市場予想+0.2%。
・中国政府 インフラ整備や国内製造業の支援を目的として追加資金を拠出、昨年の4兆元の景気刺激策を拡大する方針。
・元中国国家統計局局長 李徳水氏「温家宝首相、全人代の年次演説で新たな景気刺激策を表明するだろう」
・米MBA住宅ローン申請指数 ▲13.0%の649.7、借り換え指数 前週比▲15.0%の3,063.4、購入指数 ▲5.6%の236.4。
・2月米ADP民間雇用者数 前月比▲697千人(前月改定▲614千人(速報比▲92千人))、市場予想▲630千人。
・2月米ISM非製造業総合景気指数 41.6(前月42.9)、市場予想41.0。
・Q408日本法人企業統計 前年比▲17.3%。
・2月ユーロ圏 サービス業景気指数改定 39.2(速報比+0.3)。
・中国PMI 49.0(前月改定45.3)。3ヶ月連続で上昇。
小沢民主代表の公設第一秘書逮捕。

・ドルは対ユーロで下落。中国の景気刺激策への期待感から殆どの金融商品価格が上昇、ドル需給逼迫観測が和らいだ。円は海外市況の回復を受けて売られることとなり、ドル円は100円に迫った。
日本株は上昇。中国政府による追加景気対策への期待感からそもそも水準が低くなっていた日本株は買い戻しが入った。円安が進捗したことも輸出関連株を押し上げたようだ。米国株も大幅に上昇。中国の追加刺激策への期待感から買われた。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅下落。中国の景気対策期待を受けて安値に放置された株等の金融商品が物色される中、金には利益確定売りの圧力が強まった。しかしながら同時にドル安が進行したことや、そもそも景気回復「期待」でその他の商品が上昇していることもあって、安全資産としての金の需要が落ちたわけではなく比較的底堅い推移が続いている。銀は上昇。安全資産(というよりも貧者の金といったほうが良いか)として金と同様に同様に物色され、下落していたが同時に工業品としての色彩が強いことから株の上昇に素直に反応することとなった。

・NYプラチナ価格は上昇。中国の経済対策期待を受けて株等が上昇したことから、工業品であるプラチナは小幅上昇となった。しかしながら依然として10日移動平均線を挟んで堅調な推移となっている。パラジウムも上昇。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲0.8MB(市場予想+1.0MB)、ガソリン+0.1MB(▲0.8MB)、ディスティレート+1.7MB(▲1.4MB)、稼働率+1.8%(+0.5%)。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。中国政府による追加景気刺激策への期待感から2日続伸となった。結果、とうとう100日移動平均線レジスタンスラインを上抜けすることとなった。LME在庫が減少を始めている(欧州・アジア)ことやドル安が進んだことも支援材料となった。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、中国政府の追加経済対策への「期待」が強まっていることからしばらく上値を探る動きになってもおかしくない。4,000ドルラインがまずは意識されることになろう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、頭重い推移になることには変りはない。LME在庫は▲4,850Mt減少、(FSCは10.5日)、(キャンセルワラント率は12.2%)。売買高は16,621枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は20ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は2日連続で大幅に上昇した。中国政府の追加景気対策への期待感からコスト割れ水準まで低下している亜鉛にも買い戻しが入り、一気に主要チャートポイントを上抜けした。中国政府の亜鉛購入を受けてLME在庫がアジア周りで減少を始めていることも地合いを好転させた。チャート的には各種移動平均線をこの2日であっさり上抜けしてしまい、上値としては1月12日の高値1,322ドルが次のシーリングとして意識されることになりそうだ。LME在庫は▲2,075Mt減少、FSCは11.3日(キャンセルワラント率は10.4%)。売買高は8,168枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。LME在庫がアジアで減少したことに加え、中国の追加景気対策への期待感の高まりから大幅な上昇となり、100日移動平均線をあっさりと回復するに至った。そもそもの価格水準が1,000ドル割れとなっていたことから、久しぶりの買い材料に素直に反応したようだ。LME在庫は▲1,025Mt減少、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は4.3%。)。売買高は2,519枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は6ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。中国の景気対策への期待感から株や商品が幅広く買い戻される中、アルミにも買い戻しが入った。しかしながらLME在庫の増加は継続しており上げ幅は限定された。結果、30日移動平均線で頭を押さえられて引けた。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れすると考えている。期先は引き続き高い水準での推移が続いている。LME在庫は+11,700Mt増加、(FSCは30.3日)。(キャンセルワラント率は1.1%)。売買高は13,024枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は36ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫の小幅減少と中国の追加景気対策期待を受けて買い戻しが優勢となった。ニッケル価格は限界コスト近辺まで水準が低下しており(弊社は2009年のニッケルの限界生産コスト水準を7,289〜9,729ドルと想定)、この水準が下値として意識されよう。LME在庫は▲84Mt減少、(FSCは27.2日)、キャンセルワラント率は1.1%。売買高は975枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は71ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。中国政府の経済対策への期待感から株等の金融商品全体に買い戻しが入る中、LME在庫が増加したものの錫も上昇することとなった。LME在庫は+125Mt増加、(FSCは9.0日)、キャンセルワラント率は8.31%。売買高は364枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は255ドルバックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に上昇した。世界第二位の消費国である中国が、更なる追加景気刺激策を全人代で発表するとの報道を受けて株や非鉄金属といった商品に買い戻しが入る中、原油も買い戻しが優勢となった。夜間に発表された在庫統計で原油在庫が減少していることも支援材料となった。この結果、一目均衡表の雲の雲の上限一杯まで価格は上昇し、引けている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+7.6%。Brentも大幅に上し、一目均衡表の雲の上限一杯まで上昇した。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+5.0%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは縮小している。
 石油製品も上昇。RBOBは続伸。株の上昇を受けて金融商品全体に買い戻しが入る中、夜間に発表された統計でガソリン需要が前年比プラスを回復したことが好感された。結果、100日移動平均線を下値に堅調な推移となっている。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+4.3%。ヒーティングオイルも上昇。ただし夜間の統計でガソリンとは裏腹に需要が大幅に減少していたことや在庫が積みあがっていることが嫌気され、10日移動平均線を上値に頭重い推移となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+2.8%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+5.2%。

(ひとりごと)
この前久しぶりに、怪しい店以外の店に飲みに行った
殆ど半年ぐらい行っていなかったので、マスターが元気にしているかどうか気になったのである。
カントリーウェスタンの生演奏が聞ける店だ
川島なお美がママをやっているスナックとして、ドラマにも使われたりしている店で
界隈では長くやっている店として有名である
店の年齢は私と同じ37歳。

ところが昨年、マスターが還暦を迎えたことを機に
夜2時までやっていた営業を、夜の12時までに変更してしまった
何でも「細く長くやりたいので、営業時間を短くしている」とのこと。
同時にこの不況で、一時は大繁盛していたこの店もお客さんの影がまばらになり
10年前に初めて店に足を踏み入れたときの盛り上がりはもう既にない
毎夜、なんとも言いがたい不思議な盛り上がりを見せているあの謎の店とは正反対である
あの頃はお客さんの飛び入りのセッションなんかがあったりして、楽しかったのだが
とりあえず、まだ長く続いて欲しいと思い、バーボンのボトルを入れた。

ここにも一つ、100年に一度の不況で一つの時代が終ろうとしている店がある