想像は無料よ

(商品市況概況)
「Buy Rumor Sell Fact Again」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。市場の期待が集まっていた中国の景気対策の規模拡大が見送られたことが材料。中国が景気対策の規模を拡大するであろうという噂を受けて買われ、何も行われないという事実で売られる、「buy rumor, sell fact」を地で行く相場展開であった。しかしながら商品相場はこうした経済対策の見送りを受けても下げ幅は限定されており、下げ余地がなくなりつつあることを示している。今後もこうした景気対策への「期待」で上昇することはあると思うが、実際に景気対策が「事実」であった場合には、相場が反転する大きな切っ掛けになると考えている。但し、中国のみで最終需要を担うことは難しいと言わざるを得ず、追加経済対策を中国のみに頼ってはならない。

(経済関連ニュース)
・中国 温家宝首相「4兆元の景気刺激策で2009年のGDP成長率は8%が達成可能。景気刺激策の増額は不要」
・1月独小売売上高 前月比▲0.6%(前月改定+0.5%)、市場予想+0.2%。
・Q408ユーロ圏GDP改定 前期比▲1.5%(速報比変わらず)。
・英中銀、政策金利のレポ金利を0.5%引き下げ、0.5%に。リセッション対策として、1,500億ポンドの国債社債の買取も開始。
・ECB、政策金利を0.5%引き下げ1.5%に。トリシェ総裁「1.5%が最低の金利ではない」と利下げに含み。
・Q408米労働生産性確定 前期比年率▲0.4%(速報比▲3.6%)、市場予想+1.0%。単位労働コスト指数 前期比年率+5.7%(速報比+3.9%)、市場予想+3.8%。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲31千人の639千人(前週改定670千人(3千人))、650千人。
・1月米製造業受注 前月比▲1.9%(前月改定▲4.9%(速報比▲1.0%))、市場予想▲3.5%。

・ドルは対ユーロで上昇。欧州中銀の利下げと、さらに先々の利下げに含みを持たせる発言がなされたことが好感された。ドルは対円では下落。ドル円で円を大きく買い進む要素は、景気悪化と政治への不信という環境下、余り見当たらないが90円を下回る水準から100円近辺までの急速な円安に対する警戒感から買い戻しが入ったようだ。
日本株は上昇。中国政府による追加景気対策への期待感から続伸した。米国株は急落。中国が追加景気対策を打ち出さなかったことから失望売りで売られた。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に上昇。中国が追加で景気対策を実施しないことを表明したことに伴い、一昨日上昇した金融商品が下落に転じる中、金は逆に安全資産として物色された。昨日もコメントしたが、安全資産としての金の需要が落ちたわけではなく比較的底堅い推移が続くことになると考える。銀も上昇。昨日は工業品として物色されたというよりも、安全資産(貧者の金)として物色された側面が大きい。金銀とも、ドルユーロの水準からは乖離している状態となっている。

・NYプラチナ価格も上昇。中国の経済対策への失望感から株が売られる中、貴金属が再度物色される流れを受けてプラチナも上昇、10日移動平均線で頭を抑えられて引けた。パラジウムは変わらず。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。中国政府の景気刺激策の増額が見送られたことから、失望売りで幅広く金融商品が売られる中、銅も水準を切り下げる動きとなった。但しLME在庫の減少(欧州・アジア)が続いていることから地合いは大きく悪化せず、100日移動平均線を割り込むまでの下落にはならなかった。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待が高まっていることからしばらく上値を探る動きになってもおかしくない。4,000ドルラインがまずは意識されることになろう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、現時点での大幅な上昇は想定していない。LME在庫は▲825Mt減少、(FSCは10.5日)、(キャンセルワラント率は11.6%)。売買高は10,958枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。中国政府が追加景気対策を見送ったことから失望売りで売られたが、100日移動平均線を割り込まなかったことや、LME在庫の減少といったプラス材料を受けて結局買い戻しが優勢となった。やはりコスト割れ水準まで低下している亜鉛には買いが入り安いということだろう。チャート的には各種移動平均線を上抜け、上値としては1月12日の高値1,322ドルが次のシーリングとして意識されることになりそうだ。LME在庫は▲675Mt減少、FSCは11.3日(キャンセルワラント率は12.0%)。売買高は6,945枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。中国の景気対策の規模拡大が見送られたことから失望売りで売られる局面もあったが、LME在庫が欧州で減少したこともあり、100日移動平均線の水準を回復して引けた。LME在庫は▲200Mt減少、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は4.2%。)。売買高は2,721枚。イールドカーブは期中の上げ幅が大きく、イールドカーブは大きく上に凸の形となった。C-3は8ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。中国の景気対策の規模が拡大されなかったことが嫌気され株が調整、エネルギー価格も調整したことからアルミにも売り圧力が強まった。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく(といってもう2ヶ月経ちますが...)、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れすると考えている。期先は引き続き高い水準での推移が続いている。LME在庫は+4,700Mt増加、(FSCは30.4日)。(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は8,792枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は34ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。中国政府の景気対策の規模拡大が見送られたことやLME在庫の増加、株の下落といったマイナス材料を受けて、一昨日の上げを吐き出す形で下落した。ただ、ニッケル価格は限界コスト近辺まで水準が低下しており(弊社は2009年のニッケルの限界生産コスト水準を7,289〜9,729ドルと想定)、下げ余地は限定された。LME在庫は+30Mt増加、(FSCは27.3日)、キャンセルワラント率は1.1%。売買高は828枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は73ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。中国政府の経済対策の規模拡大が見送られたことから失望売りに押されたが、10日移動平均線を下値、50日移動平均線を上値とする極めて狭いレンジでの推移は変わらず、小幅な調整に留まった。ちなみに下落したのは期近のみであり、期先は小幅上昇している。LME在庫は+140Mt増加、(FSCは9.1日)、キャンセルワラント率は8.51%。売買高は165枚。イールドカーブの形状は殆ど変化していないが期近が下落、期先が上昇。C-3は261ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
" 昨日のNY原油は下落した。注目の中国全人代温家宝首相が追加景気対策を行わない旨説明したことが嫌気され、失望売りを誘った。これに伴い株も下落、センチメントの悪化を映じて原油価格も水準を切り下げる動きとなった。WTIは終始じり安の展開となった。但し10日移動平均線ではサポートされており、比較的小動きであったといえる。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲4.2%。Brentも下落。材料はWTIと同じであるが、昨日の下げで一昨日の上昇分を完全に吐き出す形となり、WTIとのスプレッドを大幅に縮小させた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲6.0%。
 石油製品も下落。RBOBは下落。材料は明確に中国。但し下落幅は一昨日の「中国の景気対策期待分」で上昇した分と同じだけの下落である。但し引き続き需要が回復しつつあることや、FSCベース在庫の水準が低いこともあって、100日移動平均線を割り込むような下落にはならなかった。イールドカーブは期近が低下し、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲5.5%。ヒーティングオイルも下落。材料は中国。また、週半ばの統計でガソリンとは裏腹に需要が減少していたことや在庫が積みあがっていることが嫌気され、10日移動平均線を上値に頭重い推移となった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲4.9%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲4.6%。

(ひとりごと)
時々テレビでご一緒しているモーニングサテライトの本村キャスター、今月で番組卒業とのこと。
お世話になりました。


さて。


最近
レストラン、そう特にファミリーレストラン系のお店に行くと


「メニューを見るのが楽しい」


ということに気づいた。
昔は自分が食べたいものだけ、というよりも「どれを食べるか、選択する目的で」メニューを見ていたのだが
最近はどうも自分の中でメニューの使い方が変ってきたらしく


「食べ物の説明に何が書かれているか」


が、自分の中で重要な要素を占め始めている。
結構短い文章の中にいろいろなエッセンスが詰まっている



例えば、デニーズの「ひとくちロースステーキ&帆立のグリルレア仕立て」


"デニーズの人気の「ひとくちロースステーキ」と帆立が一緒に楽しめるお得なメニューが登場
今年は帆立をフライから卒業させて、グリルでお召し上がりいただきます。"


どうも、フライを卒業すると、グリルになるらしい。
となると、えびフライは卒業するとえびグリルになるのだろうか?
と、思いつつ次を読むと


"帆立のグリルは鮮度の良い、北海道産の帆立を使用しています。帆立の旨味をさらに引き出すために
サッとグリル、表面はこんがり、中はレアに仕立てました。もちろん鮮度にこだわった帆立だからこその調理です。
シンプルに黒酢ジュレでさっぱりお召し上がり下さい"


なるほど、ここまで書かれると確かに卒業。二度とフライには戻れなさそうだぞ...
なんて考えながら読んでいると、自分が頼んだ和風ハンバーグ以外の味も楽しめるような気がするのだ。
正直、ご飯が運ばれてくるまで、何分でも読んでいたい。
特に今週や今月のお勧めで、従来見たことのないメニューがあるときは更に楽しい。


そう。


結構年齢を重ねていろいろなものを食べてしまうと
想像が最大のご馳走だったりする。
頭の中で想像するのは無料だし。