ビール

(商品市況概況)
「商品相場は力強さを取り戻す」
 昨日のコモディティ価格は概ね上昇した。最大の材料は米政府による不良債権買取策の発表によって金融機関の機能回復が期待され、株価が暴騰したことである。また、非鉄金属については中国の貿易統計で殆どの非鉄金属の輸入量が前月比大幅なプラスとなったことである。二大消費大国であるアメリカでの金融機関の機能回復期待と、殆どの工業製品の最大需要国である中国の輸入量増加、FOMCでの大幅な量的緩和実施が、昨年秋からマイナス一辺倒であった相場のセンチメントを改善させた可能性が高い。今後については景気が回復したわけではないので一本調子の相場上昇にはならないと考えてはいるものの「行き過ぎた下落に伴う経済活動の停滞」のマイナス面が市場参加者の中で意識され始めていることから、少なくとも非鉄金属はコストベース、原油に関しては最大生産国サウジアラビアが財政黒字を維持できる水準(WTIベースで55ドルと言われる)までは速やかに価格は回復するものと考えている。
 加工貿易を生業とする日本は、海外の経済環境の変化が良い影響も悪い影響も遅れて顕現化する傾向が強いため、もし短期的にでも海外の市況が回復した場合にはそのタイムラグの影響を受ける可能性があるため、景気が停滞している今、不慮の価格上昇に備えるタイミングに来ているのではないかと考えている。

(経済関連ニュース)
・2月米中古住宅販売 前月比+5.1%の472万戸(前月改定449万戸)、市場予想445万戸。予想に反し大幅な伸び。在庫比率は9.7ヶ月で前月比変わらず。
・米財務省は最大1兆ドル規模の不良債権買取計画(官民合同)を発表。
藤原紀香、離婚届けを提出。

・ドルは対ユーロで下落。米政府による不良債権買取策の発表で、ドル需給の逼迫懸念が薄らいだことが背景。ドルは対円では大幅に上昇している。米株高の進行が材料となった。円は対ユーロで大幅に下落し130円台を突破した。
日本株は大幅に上昇。米政府の不良債権買取期待を更に前取りする形で上昇した。資源価格の上昇で石油関連株も上昇している。米国株は大幅に上昇。米政府による不良債権買取計画が発表されたことや、米中古住宅販売が予想と裏腹に前月比プラスに転じたことが好感され、大幅な上昇となった。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅続落。米政府による不良債権買取策発表により株が暴騰したことから安全資産として物色されていた金に手仕舞い売りが出た。しかしその一方でドル安が進行したこともあって引けに掛けては下げ幅を削る動きとなった。米政府の積極的な財政・金融政策の影響で安全資産としての金ニーズは減少する可能性は高いものの、しばらくはその需要が大幅に落ち込むことがないと見られることから、当面堅調な推移が続くことになると考える。銀価格は上昇。工業品としての色彩の強い銀は株高がプラス材料として働きやすく、昨日の金の大幅下落を受けた強弱材料の綱引きの結果、前日比プラスで引けた。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇。欧州時間からじりじりと進行したドル安を受けてプラチナも欧州時間からジリ高の展開となったが、NY時間に発表された米政府の不良債権買取策の影響で株高・ドル安が進行したことからプラチナにも買いが入った。工業品としての色彩が強いプラチナは、株高の影響を受け易い。パラジウムも続伸している。

・2月中国精錬銅輸入 279.48KMt、前月比50%の増加。
・中国(アジア)最大の鉛・亜鉛鉱脈を雲南省で発見。埋蔵量は15百万Mt。今後100年は採掘が可能。









(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+1.1MB、ガソリン▲0.5MB、ディスティレート▲0.5MB、稼働率±0.0%。















(非鉄金属)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。中国の精錬銅輸入が大幅に増加したことを受けて買いが入り、4,000ドルを大きく上回って上昇、その後LME在庫の増加を切っ掛けにジリ安の展開となったが、NY時間に発表された米政府の不良債権買取計画を好感した株の上昇を受けて引けに掛けて買い戻しが入り、高値で引けた。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しておりしばらくは堅調な推移が続こう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないと考える。LME在庫は+4,375Mt増加、(FSCは10.2日)、(キャンセルワラント率は4.5%)。売買高は10,234枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。。C-3(Cash vs 3M Fwd)は40ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。中国の輸入統計で精錬亜鉛の輸入量が前月比+340%の増加となったことからアジア時間に急騰、その後LME在庫の増加を受けてジリ安の展開となったが、NY時間の米政府による不良債権買取案発表に伴い株が上昇したため、下げ幅を削った。亜鉛はそもそもコスト割れ水準で取引されていたことから、上昇時の上げ幅が大きくなる傾向にある。コスト割れの状態が続く中生産調整が進捗し、加えて中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて、需給が改善しつつある。チャート的には各種移動平均線を上抜け、上値としては1月12日の高値1,322ドルが次のシーリングとして意識されることになりそうだ。LME在庫は+3,475Mt増加、FSCは11.0日(キャンセルワラント率は4.7%)。売買高は3,964枚。イールドカーブは期近を除き、略パラレルに上昇している。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。銅や亜鉛と同じく、精錬鉛の輸入が増加したこと(前月比+227%)やLME在庫の減少を受けて小高く推移したが、1,400ドルの節目が意識される中上げ渋り、NY時間にかけて逆に下値を試す動きとなった。その後米不良債権買取策の発表に伴って株価が高騰したことから、下げ幅を削り結局前日比プラスで引けている。LME在庫は▲1,225Mt減少、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は6.1%。)。売買高は1,013枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は12ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は小幅下落した。中国の輸入統計が前月比大幅な増加となったことからアジア時間に上昇したが、その後のドル高の進行を受けてジリ安の展開となり、NY時間の米政府による不良債権買取構想発表に伴って株が暴騰したことから下げ幅を削り、前日比若干マイナスで引けることとなった。やはりLME在庫の増加が継続していることが価格上昇を抑制しているようだ。しかしながらエネルギー価格が堅調に推移していることもあり、下げ幅は限定されている。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくいこと、今回のFOMCや米政府によるバッドバンク構想が実現する可能性が高まってきたことで相場の雰囲気がドラマチックに転換したことから、一旦底を打ったと見ている。LME在庫は+7,450Mt増加、(FSCは32.2日)。(キャンセルワラント率は2.3%)。売買高は11,670枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は38ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。中国の貿易統計を受けてアジア時間に上昇したものの、銅等に比べると中国の輸入量自体が大きくなく、ドル高の進行を受けてむしろNY時間にかけて水準を切り下げる動きとなた。しかしながら弊社がコストの上限と考える9,800ドル近辺では安値拾いの買いもあり、加えて米政府の不良債権買取策発表に伴う安心感から引けに掛けては下げ渋る展開となった。弊社はニッケル価格の限界コストを7,289〜9,729ドルと予想しており、この価格水準がニッケル価格の下値として意識されると考えている。LME在庫は▲180Mt減少、(FSCは27.8日)、キャンセルワラント率は0.9%。売買高は799枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は87ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。中国の貿易統計による輸入量の増加やLME在庫の減少を受けて小高く寄り付いたものの、その後のドル高の進行を受けて引けにかけては水準を切り下げる動きとなった。引き続き10,000ドルの心理的サポートは維持している。LME在庫は▲35Mt減少、(FSCは10.4日)、キャンセルワラント率は5.33%。売買高は181枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は240ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
" 昨日のNY原油は上昇した。米政府の不良債権買取策を好感し、米国株が大幅高となったことに伴うセンチメントの好転と、株価上昇に伴う景気回復による先々の需要回復観測でNY時間昼頃から急騰した。そもそもOPECの減産の効果が徐々に出始めている中、金融市場に対してプラスの材料が目白押しとなっていることがセンチメントの転換を促しているようである。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+4.8%。Brentも上昇。米不良債権買取計画を好感し、買いが入り50ドルを固める動きとなった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+4.0%。WTI/Brentはポジティブスプレッドに戻る。
 石油製品も上昇。RBOBも米株高を受けて上昇することとなったが、150セントが心理的な上値として意識されこの水準を下回って引けた。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+2.0%。ヒーティングオイルも大幅に上昇した。FSCの水準が過去5年の上限レンジを大幅に上回る状態であるものの、本日に関しては原油高・株高の影響もあって買いが優勢となり、テクニカルに100日移動平均線の中期的なレジスタンスラインをトライする動きとなった。ファンダメンタルズは決して強くないものの、全体のセンチメントの好転に連れる形での上昇となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+5.6%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期先の上げ幅大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+6.4%。

(ひとりごと)
コモディティデリバティブのすべて、是非宜しくお願いいたします。
現在Amazonでは品切れらしいですが、紀伊国屋On Lineやジュンク堂書店ではまだ在庫があるようです。


さて。


最近歳を取ったな、と思う。
どういうときに歳を取ったな、と思うかというと。
ビールを飲んでいるときである。


正直


学生の頃って、何かの罰ゲームで小さいコップに入ったビールを一気飲みさせられることがあったりしたが
今って、別に中ジョッキぐらいだったら、一気にのめるんですよね。
むしろ、罰なんていわないでくれ、と思うし
中ジョッキ一気に空けた後で、もう一杯頼んでそれも飲むのも苦ではないし


不思議ですよね。


あれって結局「一気に飲まなければいけない」というプレッシャーがかかるからつらいんであって
別に好きなだけ飲んでいいよ、と言われれば実はいくらでものめるのではないだろうか
と、思うときすらある。


私が大好きな東海林さだおのエッセーでは


"ビールはキンキンに冷えたのをウグウグ飲むのが楽しみであり
余りの冷たさにもう飲めなくなるまで、何ウグできるかがその醍醐味である"


と解説されており、むしろ一気に飲み干すことが前提にされているようだ。



でも



きっともう少し歳を取ると「冷えているうちに飲みきれるように」
小瓶でビールを飲むようになるんだろうな...
なぜ、小瓶なるビールが存在しているのかを肌で実感できるようになったのも
歳を取ってきたせいであろうか....