謎の店-その5

(商品市況概況)
バーナンキガイトナー発言を受けて一旦下落」
 昨日のコモディティ価格は一旦調整売りに押された。バーナンキガイトナーの両交換が、AIGの救済での教訓を踏まえ、金融機関の清算権限が必要である、とコメントしたことから再び金融機関の経営懸念がクローズアップされることとなった。FOMCでの量的緩和不良債権買取案発表を受けて相場は大幅に上昇していたが、一旦あく抜けの目的もあってこのタイミングでこういった発言があったものと見られる。
 二大消費大国であるアメリカでの金融機関の機能回復期待と、殆どの工業製品の最大需要国である中国の輸入量増加、FOMCでの大幅な量的緩和実施が、昨年秋からマイナス一辺倒であった相場のセンチメントを改善させた可能性が高い。今後については景気が回復したわけではないので一本調子の相場上昇にはならないと考えてはいるものの「行き過ぎた下落に伴う経済活動の停滞」のマイナス面が市場参加者の中で意識され始めていることから、少なくとも非鉄金属はコストベース、原油に関しては最大生産国サウジアラビアが財政黒字を維持できる水準(WTIベースで55ドルと言われる)までの回復の可能性は高いと考えている。

(経済関連ニュース)
・ECBトリシェ総裁「世界的な景気減速に対処するため、更に政策金利を引き下げる可能性がある」
ドイツ銀行 アッカーマンCEO「2009年は良好なスタートを切った。世界経済と金融市場、法規制の環境、競争環境が予想通り展開すれば2009年は黒字に」
「現時点においていかなる外部の資金源からの追加資本調達の必要性を感じていない」
オバマ大統領「リセッションからの回復には時間と忍耐が必要。」
バーナンキ議長、ガイトナー財務長官「AIG救済で生じた問題を考慮し、経営危機に陥った金融機関を管理下において清算する権限が必要だ」

・ドルは対ユーロで上昇。リトアニアの債券格付け引き下げや、チェコの首相の辞任の可能性等を受けてユーロが売られるなかドルが買われた。ドルは対円でも上昇している。
日本株は大幅に上昇。米政府による不良債権買取案発表を受けて株が上昇したことから金融株を中心に買われた。米株は下落。バーナンキ議長やガイトナー財務長官が、金融機関に対する新たな清算顕現の必要性を訴えたことが悪材料視された。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅続落。ユーロ圏のソブリン債格付け引き下げ等を受けたユーロ安の進行により、ドルが上昇したため、金も下落することとなった。但し50日移動平均線でサポートされて引けている。米政府の積極的な財政・金融政策の影響で安全資産としての金ニーズは減少する可能性は高いものの、景気回復や金融システム不安が完全に払拭されたわけではないことから、当面堅調な推移が続くことになると考える。銀価格は大幅に下落。株安、ドル高の影響を受けて下値を探る動きとなった。

・NYプラチナ価格は下落。ドル高・株安の影響を受けて下値を探る動きとなったが、1,100ドルラインが心理的なサポートとなり、この水準を下回らずに引けている。パラジウムも他の貴金属の下落に連れる形で下落した。

・2月中国精錬銅輸入 279.48KMt、前月比50%の増加。
・中国(アジア)最大の鉛・亜鉛鉱脈を雲南省で発見。埋蔵量は15百万Mt。今後100年は採掘が可能。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+1.1MB、ガソリン▲0.5MB、ディスティレート▲0.5MB、稼働率±0.0%。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は大幅に下落した。3月中旬からの価格上昇が大きかったことやドル高の進行、バーナンキガイトナー発言を受けて株が調整したことなどがマイナス材料となり、LME在庫の大幅な減少はあったものの一旦下値を探る動きとなった。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しておりしばらくは堅調な推移が続こう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないと考える。LME在庫は▲2,900Mt減少、(FSCは10.1日)、(キャンセルワラント率は4.5%)。売買高は9,336枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は40ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。前日の流れを受けて上値を試す動きとなったが前日高値を越えられなかった上、ドル高の進行や株の下落と言ったマイナス材料を受けて一旦下値余地を探る動きとなり、10日移動平均線でサポートされたことから下げ幅を大きく削り前日比マイナスで引けた。亜鉛はそもそもコスト割れ水準で取引されていたことから、上昇時の上げ幅が大きくなる傾向にある。コスト割れの状態が続く中生産調整が進捗し、加えて中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて、需給が改善しつつある。チャート的には各種移動平均線を上抜け、上値としては1月12日の高値1,322ドルが次のシーリングとして意識されることになりそうだ。LME在庫は+650Mt増加、FSCは11.1日(キャンセルワラント率は4.2%)。売買高は4,626枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいが、略パラレルに上昇している。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。前日の流れを受けて値から弱く推移し、ドル高・株安の影響を受けて調整、10日移動平均線のサポートを割り込む展開となった。冬場の終了に伴いバッテリー向け需要が一旦落ち着くタイミングであることもあって、一時の力強さは見られなかった。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は6.1%。)。売買高は1,839枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は13ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は小幅下落した。LME在庫がアジア回りで減少に転じたことから取引序盤は堅調な推移となったものの、ドル高の進行や株安の進行を受けて地合いが悪化、一旦10日移動平均線のサポートラインをトライする動きとなった。但しエネルギー価格が堅調に推移していることもあり、下げ幅は限定されている。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくいこと、今回のFOMCや米政府によるバッドバンク構想が実現する可能性が高まってきたことで相場の雰囲気がドラマチックに転換したことから、一旦底を打ったと見ている。LME在庫は▲4,475Mt減少、(FSCは32.2日)。(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は12,181枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は38ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。前日引けレベルで寄り付いた後、欧州地区でLME在庫が大幅に増加したことを確認した後ジリ安の展開となり、ドル高の進行や株安の進行で水準を切り下げる動きとなった、但し、ニッケルの限界生産コスト(弊社はニッケル価格の限界コストを7,289〜9,729ドルと予想している)に近づくレベルでは買いも入り、比較的下値は限定された。LME在庫は+1,116Mt増加、(FSCは28.1日)、キャンセルワラント率は0.7%。売買高は995枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は87ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫の減少もあって小高く推移したが、ドルが大幅に上昇したことや株が下落したこともあって水準を切り下げる動きとなった。引き続き10,000ドルの心理的サポートは維持している。LME在庫は▲20Mt減少、(FSCは10.4日)、キャンセルワラント率は6.46%。売買高は183枚。イールドカーブは期近の下げ幅大きく、ベアフラットニングしている。C-3は225ドルバックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。ドル高の進行や株安の進行を受けて一旦利食い売りに押される形で下落したが、期近について言えば前日比プラスとなった。但し、株安・ドル高の影響もあって期先は売られベアフラットニングしている。直近限月の騰落率は+0.3%。Brentも期近のみ小幅上昇。イールドカーブは期先が売られベアフラットニングしている。直近限月の騰落率は+0.1%。WTI/Brentはポジティブスプレッドは小幅拡大。
 石油製品も上昇。RBOBはFSCベースの在庫水準の低さの影響から、株安・ドル高はあったものの150セントラインを挟んでもみ合い推移することとなった。イールドカーブは略pられるに上昇している。直近限月の騰落率は+1.0%。ヒーティングオイルも大幅に上昇した。FSCの水準が過去5年の上限レンジを大幅に上回る状態であり、ファンダメンタルズは良好ではないものの、100日移動平均線を上回って寄り付いたことからテクニカルに上値余地を探る動きとなった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.9%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブの形状は略変わらず。直近限月の騰落率は+0.2%。

(ひとりごと)
この前、謎の店についつい行ってしまった
このコラムで紹介した責任もあり、客の入りがどうであったかを確認する目的である


しかしながら


やはり、相当皆さん二の足を踏むのか、あるいはビルのどこにあるのかがさっぱり分からないからか
あるいは、既に行ったんだけど魂を抜かれ、お店の人も気づかない状態で店にいるとか


ということもあって、殆ど客はきていないらしい。
世の中不景気なので仕方ないが、このコラムを読みました、といって来店するといろいろサービスする、といっていました。
でも、そんなことをして本当に大丈夫なんだろうか。
そのサービスの影響で、更に経営状態が悪化しないのだろうか。

と、気にしながらも書いている自分を客観的にみると
私も魂を抜かれた一人であると自覚せざるを得ない