神様

(商品市況概況)
「悪材料をむしろ好感?」
 昨日のコモディティ価格はエネルギーとソフト以外は上昇した。朝方相当悲観的な日銀短観が発表され、直後にGMクライスラーの破産法申請が最も良い方法、とオバマ大統領がコメントしたと伝えられたこと(後に政府は否定)、から混乱の様相を呈しつつのアジアオープンであったが、市場の受け止め方は逆に悪材料の出尽くし感が強かったようで、夜間の米住宅統計の好転もあって堅調な推移となった。もし、昨年の秋の段階でGMを破産法を以って処理していた場合には、目も当てられない事態になったと予想されるが、この半年間で景気悪化の場合のセーフティネットは整いつつあり、むしろGM等を破たん処理せずに存続させた場合の追加負担の増加の懸念がなくなったことの判断が市場では働いたようだ。
 とはいってももし本当にGMクライスラーが破綻すればその影響は系列企業に及ぶことは必須であり、そのタイミングでは株の下落や商品価格の下落の可能性は十分あるのであるが、持続的な下落にはならないものと考えている。

(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+3.0%の1,194.4、借換指数 前週比+3.7%の6,600.1、購入指数 前週比+0.1%の268.0。
・3月米ADP民間雇用統計 前月比▲742千人(前月改定▲706千人(速報比▲9千人))、市場予想▲663千人。
・3月米ISM非製造業景況指数 36.3(前月改定35.8)、市場予想36.0。
・2月米建設支出 前月比▲0.9%(前月改定 ▲3.5%(速報比▲0.2%))、市場予想▲1.9%。
・2月米中古住宅販売 前月比+2.1%(前月改定▲7.7%)、市場予想±0.0%。
・2月ユーロ圏失業率 8.5%

・ドルは対ユーロで上昇。ユーロ圏の失業率が悪化したことから。円は対ドルで上昇。日銀短観の悪化やGMクライスラー問題を受けてドル円相場は乱高下し、結果的に円が上昇している。
日本株は上昇。短観の大幅な悪化を受けて逆に悪材料出尽くしの感もあり、新年度入りした資金による積極的な買いが入り上昇した。米国株は上昇。夜間に発表された米経済統計の好転を受けて、リセッション回避への期待感が高まった。GMクライスラー問題の先行きは予断を許さない状態であるものの、政府の景気対策に伴い昨年のリーマンショックの時のように市場がそこまでヒステリックになっておらず、市場はむしろ好感したようだ。


非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇した。日銀短観の大幅悪化やユーロ圏の失業者数の増加を受けて「質への逃避」で上昇したが、50日移動平均線を上抜けできなかったこと、夜間に発表された米住宅関連統計が好転したことから引けに掛けて売られた。GMクライスラーに破綻の懸念が出てくるなど、安全資産としてのニーズは引き続き褪せることがないものと見られる。銀価格は一昨日と同様、行ってこいで小幅続落。ドルの上昇と、米株の上昇の綱引きとなった。

・NYプラチナ価格は上昇した。日銀短観の悪化や、ユーロ圏の失業率上昇といったマイナス材料はあったものの、むしろ悪材料出尽くし感が広がり、NY時間の住宅関連統計の好転を受けて上げ幅を拡大した。足許、10日移動平均線を下値に堅調な推移が続いている。パラジウムも上昇。

・コデルコ アレジャノCEO「米国の銅需要は底入れした可能性。中国の需要は力強い」

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+2.8MB(市場予想+3.0MB)、ガソリン+2.2MB(▲1.5MB)、ディスティレート+0.2MB(▲1.2MB)、稼働率▲0.3%(+0.3%)。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。日銀短観が戦後最悪の水準になったことやGMクライスラー問題の噴出を受けて欧州時間に掛けてジリ安の展開であったが、夜間に発表された米住宅関連統計が好転したことから買い戻しが優勢となり、10日移動平均線を維持して引けた。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しておりしばらくは堅調な推移が続こう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないと考える。LME在庫は+2,150Mt増加、(FSCは10.1日)、(キャンセルワラント率は5.9%)。売買高は9,352枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。銅と同じく、日銀短観の悪化やGM問題等を受けてジリ下がりの展開となったが、NY時間の経済統計の好転で反転上昇し、下げ幅を削る展開となった。そもそも50パーセンタイルコスト近辺まで価格が低下していたことから割安感も強く、加えて中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて需給は改善しつつあることから、比較的堅調な推移が続いている。チャート的には各種移動平均線を上抜け、上値としては1月12日の高値1,322ドルを上抜けしたため、一旦下値を固める動きになると考えるが、10日移動平均線でサポートされれば徐々に水準を切り上げる動きとなろうか。LME在庫は▲450Mt減少、FSCは11.0日(キャンセルワラント率は5.3%)。売買高は3,697枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は28ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。GM問題の噴出や日銀短観の悪化、冬場の需要期終了、といったマイナス材料を受けて下落した。豪州生産者が生産・輸出再開していることも需給緩和でマイナス材料となっている。足許は、一時的に50日移動平均線近辺(1,200ドル)まで調整するとする見通し通りの動きとなっている。LME在庫は▲400Mt減少、(FSCは2.6日、キャンセルワラント率は4.9%。)。売買高は1,665枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は12ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。日銀短観の悪化や米GMフィアット問題を受けて軟調な推移となり、LME在庫の増加もあって一気に30日移動平均線のサポートラインを試す動きとなったが、NY時間の住宅関連統計の改善を受けて引けに掛けて急速に買い戻しが入った。今後はコストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくいこと、今回のFOMCや米政府による不良債権買取構想が実現する可能性が高まってきたことで相場の雰囲気が好転しており、実際発表される経済統計も「最悪期を脱した可能性」を示唆する内容のものが多く、景気は回復していないものの上値余地を探る動きになると考えている。LME在庫は+8,325Mt増加、(FSCは32.4日)。(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は10,519枚。イールドカーブは期先が低下しベアフラットニングしている。C-3は37ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。日銀短観GM問題等を受けて軟調な推移であったが、そもそもコストベース(2009年のニッケルの限界生産コスト予想は7,289〜9,729ドル)まで水準がきり下がっていることから下値余地は限られ、夜間の米住宅関連統計の好転を受けて引けに掛けて大幅に上昇し、10,000ドルの心理的レジスタンスを上抜けた。LME在庫は+984Mt増加、(FSCは29.6日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,385枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は95ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日の錫価格は上昇した。短観やGM問題を受けて地合いが悪かったものの、株価が上昇するなどのプラス材料もあってアジア時間は激しくもみ合い、NY時間の経済統計好転を受けて上昇して引けた。そもそもの需給はバックになっていることからも分かるようにタイトであり、10,000ドルの節目を意識しながら堅調な推移となっている。LME在庫は+175Mt増加、(FSCは10.6日)、キャンセルワラント率は2.89%。売買高は195枚。イールドカーブは期先が上昇し、ブルフラットニングしている。C-3は220ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
" 昨日のNY原油は下落後、上昇した。日銀短観の大幅悪化やユーロ圏の失業率悪化を受けたドル高の進行でNY時間に向けて水準を下げる動きとなり、夜間に発表された在庫統計でも石油製品在庫が予想よりも増加したことから水準を切り下げた。しかし同時に米経済統計は住宅関連を中心に好転しており、株価が上昇したこともあって引けにかけては上昇し、下げ幅を大きく削った。結果的に30日移動平均線でサポートされて堅調な推移となった。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲2.7%。Brentも下落。イールドカーブはパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲1.7%。WTI/Brentは再びネガティブスプレッドとなった。
 石油製品は下落。RBOBも原油価格の下落を受けてジリ安の展開となり、夜間の在庫統計で更に下げ幅を拡大したが、30日移動平均線でサポートされたことや株上昇を受けて原油価格が引けに掛けて切り返したことから下げ幅を削る展開となった。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲3.8%。ヒーティングオイルも下落。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲1.7%。ICEガスオイルも低下。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲1.4%。"

(ひとりごと)
猛烈な風が吹いてます。
あっという間に桜は散ってしまうのでしょうか?
本当に毎年不思議に思うのですが、桜が咲いたとたんに

猛烈な雨と猛烈な風

で、大体東京の桜って本当に1週間ぐらいで散ってしまうのである。
ぱっとさいて、ぱっと散る、潔さが身上の日本人に合っている花、といわれているが

「自然に咲いて自然に散る」

というのではなく、ここ数年は

「外部環境によって強制的に散っている」

感が強い。

まるで、今の日本がおかれている状況みたいだ
温暖化による異常気象のせいです、といってしまえばそれまでであるが
なんとなく、「桜が散らないで、そのまま2〜3週間咲きっぱなし」
の状態になったとき、日本の景気が良くなるような気がしてならない。


と、毎年思うのである。
なんとなく、神様がいるのではないか?
と、思ってしまう。

日本の復活にはまだまだ時間がかかるのだろうか。