問題

(商品市況概況)
「三番底に向けて」
 昨日の商品価格は上昇している。米金融機関やハイテク関連企業の決算が好調であったことや、「やや作られたものである」可能性は否定できないものの、中国の経済統計が景気対策の影響で好調な内容となっていることから買い安心感が広がった。実需も徐々に回復してきているようであるが、主要金融市場が落ち着きを取り戻す中でリスクマネーのリスク許容度が増したことに伴う上昇であると言える。
 しかし、FOMCで経済の先行きに関する否定的な見方が示されるなど、先行きの不透明感は強く、今月末に予定されているQ209米GDPと来月初の米雇用統計の内容を見極めてからのスタンスに大きな変更はない。もしこれらの統計がさほど悪い内容出なければ年末に向けて相場は上昇することになると考えるが、それは来年の夏頃に一旦訪れると予想される「三番底」に向けての上昇であると考えている(尚、この底は今年予想されていた二番底よりも高い水準の底になろう)。


(経済関連ニュース)
・6月中国固定資産投資 前年比+35.3%、1-6月は前年比+33.5%。
・6月中国工業生産 前年比+10.7%。
・1-6月中国都市部可処分所得 前年比+9.8%の8,856元(名目ベース)、実質ベース前年比+11.2%。農村部 前年比+8.1%の2,733元(名目)、+8.1%(実質)。
・米週間新規失業保険申請者数 522千人(前週改定569千人(速報比+4千人))、市場予想553千人。
・5月対米証券投資 198億ドルの売り越し(前月改定115億ドルの買い越し(速報比3億ドルの買い越し幅拡大))、市場予想165億ドルの買い越し。
・7月フィラデルフィア連銀指数 ▲7.5(前月▲2.2)、市場予想▲4.5。
・7月米ホームビルダー協会指数 17(前月15)、市場予想16。
・ゴルフ全英オープン石川遼選手、2アンダーで21位タイスタート。
ジャカルタのカールトン、マリオットホテルで爆発。
・ルービニ教授「米経済は年末までにリセッションを脱却する可能性がある」
・米CITグループ、政府との支援交渉決裂。


NY Dow  :8,711.82(+95.61)
S&P500   :940.74(+8.06)
NIKKEI225 :9,344.16(+74.91)
JPY/USD :93.61(▲0.71)
USD/EUR :1.412(+0.0023)

・ドルは対ユーロで下落。CITグループの政府支援決裂を受けて。ドルは円でも売られている。
日本株は続伸。企業の四半期決算が発表されているが「さほど悪くないこと」から買い安心感が広がり、海外市況の回復を受けて輸出関連株が買われた。米株は続伸。JPモルガン等の金融機関決算の好転を受けて信用不安が後退したことが背景。


穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :533.25(▲1.5)
Cbot Corn :316.75(▲12.75)
CSCE Sugar :17.39(▲0.38)



(金属関連ニュース)
Comex Gold :935.40(▲4)
Nymex Platinum :1,162.7(+11.4)

・NY金は小幅下落。株高の進行とドル安の進行という強弱材料が混在する中でもみ合い推移した結果、前日比マイナスで引けている。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易いが、足許、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、金の保有比率を増加させる動きが見られることが下げ余地を限定している。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 935.40(▲4)。
 銀価格は小幅上昇幅。一昨日10日移動平均線を回復していたことから株高の進行、ドル安の進行を受けて堅調な推移となった。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,323.00(+2.7)。"

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。ドル安の進行と株高の進行を受けて。この上昇で100日移動平均線を回復している。昨日の引け(東京時間0:00)は1,162.7(+11.4)。
 パラジウムもプラチナの上昇を受けて上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は250.25(+1.85)。"

Copper 3M :5,260.00(UC0:10.5B)
 昨日の銅価格は前日比変わらずであった。過去2営業日の上げ幅が大きかったことに対する調整売りで一旦下落したが、ドル安の進行や株高の進行といったセンチメントの好転材料を受けて買い戻しが入り、前日比変わらずで引けた。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い価格は底を打ったと考えられ、中長期的には上昇トレンド入りしたと考えている。しかし、実態経済の悪化速度が鈍化はしたものの引き続き回復しているわけではないことから、7月の統計を確認しながら、一旦調整する動きになると考えている(但し、その下落幅は年初に見込んでいたような大幅なものではなく小幅なものに留まる見込み)。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは55.4日)、(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は10,452枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は11ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは5,260.00(UC0:10.5B)。

Zinc 3M   :1,550.00(+8:24C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。過去2営業日の上げ幅が大きかったことから一旦調整売りで売られたが、夜間にかけてのドル安、株高を受けて上昇し10日移動平均線をトライ。この水準で引けた。引き続き経済統計、企業決算睨みの状態には変わりは無いが、中国のGDPが予想を上回る内容であったことといったプラス材料もあり堅調な推移になる可能性が出てきた。LME在庫は▲325Mt減少、FSCは11.9日(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は4,126枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,550.00(+8:24C)。

Lead 3M   :1,620.00(▲15:22C)
 昨日の鉛価格は下落した。他の非鉄金属同様に一旦調整売りで下落したが、ドル安、株高の進行を受けて買い戻しが優勢となり前日比プラスで引けた。LME在庫の増加に見られるように需給は緩和傾向にあり、個別のファンダメンタルズはマイナスの材料が多いのだが、株価の上昇に伴う市場参加者のセンチメントの好転といったプラス材料もあり、現状レベルでのもみ合いが続いている。LME在庫は+675Mt増加、(FSCは4.2日、キャンセルワラント率は1.8%。)。売買高は2,221枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,620.00(▲15:22C)。

Aluminum 3M :1,695.00(+40:27.75C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。200日移動平均線を上抜けした前日の流れを受けて、一気に1,700ドルを試す動きとなった。中国のGDPが予想よりも良かったことも材料となった。LME在庫は大幅に増加しているものの実際に活用できる在庫数量が限られていると見られることが、現物需給をタイト化させている。LME在庫の大半を一部の業者が保有しているとの噂や、企業ファイナンスの担保として用いられる等の動きもあって在庫水準の高さにも関わらず現物市場ではタイト感が出ており、高値での推移が続いている。7月末の米GDPと翌月の米雇用統計の内容を見極めてから、というスタンスを維持したいが一般に意識されている1,750ドルまでの上昇は十分にありえる環境になってきた。LME在庫は+550Mt増加、(FSCは44.4日)。(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は16,972枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は28ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,695.00(+40:27.75C)。

Nickel 3M :16,100.00(+160:79C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫の減少やドル安、株高、中国の経済統計好転が材料となった。LME在庫の水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ておらず、ここまでの上昇は投機的な動きによるものである可能性が高いが、企業決算や経済統計がさほど悪くないことから再びこうした投機の動きが実需に乗る形で相場を押し上げる可能性が出てきた。但し、引き続き経済統計睨みの展開に変更はない。ニッケルの今年の限界生産コストは7,000〜10,000ドル程度であると見込んでいるが、そこに至るまでには50日移動平均線(14,000ドル)、200日移動平均線(12,000ドル)を割り込む必要があるが、この移動平均線を2つとも割り込むようなマイナス材料は見当たらず調整したとしても14,000ドルが目標となろうか。LME在庫は▲660Mt減少、(FSCは29.0日)、キャンセルワラント率は2.0%。売買高は1,571枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は79ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは16,100.00(+160:79C)。

Tin 3M   :13,025.00(▲275:103B)
 昨日の錫価格は下落した。周辺材料は価格にとってプラスの物が多かったが、昨日は10日移動平均線を上値に頭重い推移となった。錫はイールドカーブの形状が示すように需給がタイトな非鉄金属であるが、バックの度合いが徐々に落ち着いてきている。今後に関しては引き続き経済統計、企業決算睨みの展開に変りは無い。LME在庫は▲45Mt減少、(FSCは17.3日)、P596は3.79%。売買高は425枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は103ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは13,025.00(▲275:103B)。


(エネルギー関連ニュース)
WTI :62.02(+0.48)
Brent :62.75(▲0.34)

 昨日のNY原油は上昇した。株価の上昇とドル安という支援材料を受けて。金融機関を中心に企業決算は比較的好調であり、大幅な下落と成っていたこともあり安値拾いの買いが入っているようだ。この結果、10日移動平均線を回復して引けている。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は+0.8%。昨日の引けは62.02(+0.48)。 Brentは直近限月のみ下落、その他のゾーンは上昇している。材料はWTIを略同じ。直近限月の騰落率は▲0.5%。昨日の引けは62.75(▲0.34)。 WTI/Brentのネガティブスプレッドは縮小。
 石油製品も上昇。RBOBは上昇した。目立った新規材料はないものの、原油価格が株高、ドル安を受けて上昇したことから連れ高となった。この結果10日移動平均線を回復している。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+0.3%。昨日の引けは171.35(+0.54)。 ヒーティングオイルも上昇。RBOBと同じく原油の上昇に連れる形となった。しかし、在庫水準の高さ、需要の弱さから200日移動平均線を上回って上昇する環境になく、頭重い推移であった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は+1.1%。昨日の引けは159.94(+1.73)。 ICEガスオイルも上昇。期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+2.4%。昨日の引けは515.50(+12.75)。


(ひとりごと)
書きため続けたネタの在庫が本当に20日を切った。
考えなければ。

さて。

毎日レポート書いてるけど、はたして何人の人が読んでるんだろうか。
と、以前働いていた会社の後輩と話をしていてふと思ったのだが、今後こういった形式でレポートを配信したらどうだろう。


「以下の空白に最も適当な言葉を入れ、文章を完成しなさい」

7月10日の記事。
 昨日の( A )価格は下落した。( B )の減少や( C )の減少もあってアジア時間は高止まりしていたが、
欧州時間以降に進んだ( D )、( E )の影響を受けて地合いが悪化し、もみ合いながら水準を切り下げた。
予想通りここまでの価格高騰が許容できる環境ではなかったが、株高が非鉄金属価格を高止まらせていたため、
株の調整を受けて市場は調整モードに入っていると見られる。引き続き7月以降の( F )を受けて上がりすぎの修正によって
相場水準は低下すると見る。( C )は▲250Mt減少、FSCは11.9日(キャンセルワラント率は2.1%)。
売買高は3,758枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく( G )している。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。


はたして何人の人が合格点となる80%を取れるのか。
答えはまた明日。