一緒の時間

(商品市況概況)
「落ち着いて考えてみる」
 昨日の商品価格は軒並み上昇した。企業決算の好転や、経済統計の好転を受けた株価の上昇、ドル安の進行に伴うセンチメントの好転で買いが続いた。しかし、足許の水準は多くのコモディティで今年の最高値であった6月11日の水準に近づいており、徐々に頭は重くなってきている。ある意味、センチメント要因のみで買い上がる限界水準に差し掛かっているといえる。更なる上昇が正当化されるには、実需の回復または株価の大幅な上昇に伴うセンチメントの更なる好転が必要であるが、少なくとも米石油在庫統計を見ている限りでは米国内の輸送需要は回復しておらず、依然として景気回復局面入りしているとは言いにくい。ネガティブなことばかり言っていても仕方がないのだが、エネルギー需要は端的に物の動きが活発であるか否かを示す指標であり、明らかに最悪期は脱したものの楽観的になれるような環境ではないことも事実であろう。
 いずれにしても、今回の相場上昇が継続するためには米GDPと7月分の米雇用統計が良い内容となることが「必要条件」になると考えている。



(経済関連ニュース)
・8月独消費者信頼感指数 3.5(前月改定3.0)、市場予想2.9。
・6月ユーロ圏マネーサプライ 前年比+1.5%(前月改定+1.8%)、拡大M3 前年比+3.5%(前月改定+3.7%)。
・6月米新築住宅販売 前月比+11.0%の38.4万戸(前月改定+2.4%の34.6万戸)、在庫率8.8ヶ月(前月改定10.2ヶ月)。

NY Dow  :9,108.51(+15.27)
S&P500   :982.18(+2.92)
NIKKEI225 :10,088.66(+144.11)
JPY/USD :95.27(+0.43)
USD/EUR :1.422(+0.0003)

・ドルは対ユーロで下落。景気悪化懸念が後退する中、ドルから高金利通貨へのシフトが起きた。同様に円もキャリートレードの復活で円安に振れている。
日本株は大幅に上昇し、1万円台を回復。企業決算の好転や、日立グループのグループ5社完全子会社化報道が好感された。米株は小幅続伸。新築住宅販売が好調な内容であったことから、企業決算の悪化が打ち消された格好。



穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :520.50(+4.25)
Cbot Corn :322.25(+6)
CSCE Sugar :18.45(+0.02)



(金属関連ニュース)
Comex Gold :953.50(+0.4)
Nymex Platinum :1,217.9(+31)

・NY金は小幅上昇。経済統計や企業決算の好転に伴いドル安が進行したことを受けて。但し株が引き続き堅調であることから金の高値に対する警戒感は強く、小幅な上昇に留まった。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易いが、足許、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、金の保有比率を増加させる動きが見られること、ETFを通じた資金流入(=金の場合には上げ材料)が定常化したことが下げ余地を限定している。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 953.50(+0.4)。
 銀価格は大幅に上昇。ドル安の進行と株高という2つの買い材料を受けて堅調な推移が続いている。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,398.50(+11.5)。
・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。経済統計の好転や企業決算の改善に伴う株価上昇で地合いが好転する中、Anglo Platinumの強気な需要見通し(宝飾、触媒需要の増加。2009年上半期は前年比+400キロオンス)を受けて大幅な上昇となり、一気に1,200ドルを回復するに至った。昨日の引け(東京時間0:00)は1,217.9(+31)。
 パラジウムもプラチナの上昇を受けて大幅に上昇。昨日の引け(東京時間0:00)は263.95(+2.5)。

・Vale 中国の鉄鉱石価格値下げ要請に抵抗。

Copper 3M :5,600.00(+78:4.5C)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫が大幅に増加したものの、株高、ドル安の進行が続いていることや、経済統計の好転、企業決算特に金融機関決算の好転が市場参加者のセンチメントを好転ささせた。ファンダメンタルズについては引き続き中国の在庫積み増し意欲が旺盛であることや、コンセントレートが継続的に不足する環境になる可能性が高いことから、中長期的には上昇トレンド入りしたと考えている。しかし企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良くなっているという程度であり、このまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したい。LME在庫は+3,475Mt増加、(FSCは58.9日)、(キャンセルワラント率は5.8%)。売買高は9,259枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は5ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは5,600.00(+78:4.5C)。

Zinc 3M   :1,710.00(+18:25.5C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。企業決算の好転や経済統計の好転を受けた株高の影響で一時年初来高値の1,720ドルを上抜けしたが、引き続き週末の統計の内容を見極めたいとの動きから、引けにかけては上げ幅を削る動きとなった。今後に関しては、企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良いという程度であり、このまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したい。LME在庫は+7,650Mt増加、FSCは12.2日(キャンセルワラント率は1.9%)。売買高は5,557枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,710.00(+18:25.5C)。

Lead 3M   :1,797.00(+52:20.75C)
 昨日の鉛価格は上昇した。企業決算や経済統計の改善を受けてこちらも堅調な推移となった。亜鉛と同様、6月11日の高値1,833.50ドルを上回る局面もあったが、週末の経済統計を見極めたいとの向きも多く、この水準を下回って引けている。LME在庫の増加に見られるように需給は緩和傾向にあるが、市場参加者のセンチメント好転が相場を後押ししているようだ。しかし企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良くなっているという程度であり、今後もこのまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したい。LME在庫は+150Mt増加、(FSCは4.2日、キャンセルワラント率は2.2%。)。売買高は1,292枚。イールドカーブはパラレルに上昇。C-3は21ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,797.00(+52:20.75C)。

Aluminum 3M :1,826.00(+19:23.5C)
 昨日のアルミ価格は10営業日連続で上昇した。経済統計の好転(新築住宅販売)や、企業決算(金融機関決算)が好調であることから株価の上昇が続いており、リスク資産への資金シフトでドル安も進行したこと、実質使用可能な取引所在庫が少ないこともあって現物需給はタイトであり、大幅な上昇が続いている。年初に懸念していた「1,750ドル程度までの速やかな価格修正」が、信用不安の後退と共に発生しているものと見られる。しかし企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良くなっているという程度であり、このまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したいが、一般に意識されている1,750ドルを上抜けしていることから、2,000ドルまでの価格上昇を意識せねばならない状態となった。ある意味「戻れない川を渡った」可能性があると見ている。LME在庫は+1,950Mt増加、(FSCは44.8日)。(キャンセルワラント率は3.8%)。売買高は15,065枚。イールドカーブは期先が上昇し、ブルスティープニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,826.00(+19:23.5C)。

Nickel 3M :16,950.00(+200:67C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫の減少継続、経済統計の好転、中国のニッケル輸入の大幅な増加を受けて。LME在庫の絶対水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ておらず、ここまでの上昇はセンチメントの好転に伴う投機的な動きによるものである可能性が高い。企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良くなっているという程度である。このまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したい。尚、下落した場合の下値は、50日移動平均線(15,000ドル)が意識されよう。LME在庫は▲24Mt減少、(FSCは28.7日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,507枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は67ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは16,950.00(+200:67C)。

Tin 3M   :14,600.00(+50:266B)
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の減少や経済統計の好転、株価の上昇が支援材料となり一目均衡表の雲の上限を試す動きとなったが、この水準は上回れずに引けた。企業決算の内容は良くなったとは言っても市場予想よりも良くなっているという程度であり、このまま相場が一本調子で上昇するかどうかに関しては、引き続き7月末〜8月初にかけての米GDPや雇用統計の内容を見極めてからのスタンスを維持したい。LME在庫は▲65Mt減少、(FSCは17.7日)、P596は3.29%。売買高は290枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。C-3は266ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,600.00(+50:266B)。



(エネルギー関連ニュース)
WTI :68.38(+0.33)
Brent :70.81(+0.49)

・米在庫統計市場予想 原油▲1.6MB、ガソリン▲0.7MB、ディスティレート+1.0MB、稼働率±0.0%

 昨日のNY原油は上昇した。ドル安の進行、株高の進行が続いていることから市場参加者のセンチメントが好転しており、投機資金による買いに加え、価格上昇を受けて実需のヘッジ買いも見られ、一目均衡表の雲を上抜けした。イールドカーブは期近のみ上昇し、期先は下落している。直近限月の騰落率は+0.5%。昨日の引けは68.38(+0.33)。 Brentも期近が上昇、期先が低下している。直近限月の騰落率は+0.7%。昨日の引けは70.81(+0.49)。 WTI/Brentのネガティブスプレッドは大幅に拡大。以前説明したとおりであるが現在の経済環境ではBrentの価格がより正確に原油市場動向を反映していると考えられる。
 石油製品も上昇。RBOBは原油価格の上昇に連れ高となったが、一目均衡表の雲を上抜けできずに引けている。需給はタイトではなく、需要の回復も緩慢であることから更なる上昇は実需のみでは正当化できない環境にあるのは変らない。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+1.0%。昨日の引けは193.47(+1.88)。 ヒーティングオイルも上昇。原油価格の上昇を受けて。しかし、在庫統計でも確認できているが、在庫の水準が著しく高いことから原油価格の上昇がない限りヒーティングオイルは上昇しにくく、上値は徐々に重くなっている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+0.8%。昨日の引けは179.66(+1.53)。 ICEガスオイルも上昇。期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.1%。昨日の引けは575.00(+6.5)。


(ひとりごと)
我が子が私の漫画を読んでいた
当然文字はまだ読めないので、絵を見ているだけであるが

で。

聞いてみた。
なんて書いてあるか。

私「なんて書いてあるの?」
息子「パパは会社に行きますって書いてあります」
私「他には?」
息子「パパは会社に行かないと、レーズンパンが買えなくなるって書いてあります」
私「他には?」
息子「パパはずっと会社に行かないで、お家に居ます、って書いてあります」


涙...
ごめん、息子よ。
もう少し一緒の時間を割いてあげるべきなんだろうなぁ...