おめでとう

(商品市況概況)
「大幅調整」
 昨日の商品価格は大幅に調整した。景気回復を先取りして上昇していた株式市場がここに来て急に「金融機関の信用懸念」が再び取り沙汰され、大幅に株価が調整したことが背景。但し金融機関の不良債権処理問題は以前からこのコラムで指摘しているとおりであり、正直、ここに来て急に材料としてクローズアップされるのも不思議な感じがする。相場全体は、景気底打ちが略確実な情勢となる中、金融機関の不良債権処理や、超量的緩和の終了のタイミングが次の材料として注目されており、やはり一旦、相場は調整すると見ておくべきであろう(但し中長期的に相場が再び上昇局面入りしている、という見通しに大きな変更はない)。
 週末のコラムでもコメントしたが、現在の相場は為替や株、商品各々が「隣の芝生ならぬ隣の市場」を睨みながらの取引が継続することに伴う、極端なトレンドが出易い環境になっていると考えている。当面はこうした動きを受けて不安定な動きが続くことになると考えている(高いボラティリティ時代の到来)。現在の経済状況を鑑みると、本当にあるべき価格ははもう少し下の水準なのだろう。


(経済関連ニュース)
・Q209インドGDP改定 前期比+6.1%(前期+5.8%)、市場予想+6.2%。
・8月シカゴ購買部協会指数 50.0(前月改定43.4)、市場予想48.0。
・8月中国製造業購買担当者指数(PMI) 54.0(前月53.3)。
・8月独失業者数 3,460千人(前月改定3,461千人)。
・7月ユーロ圏失業率 9.5%(前月改定9.4%)、市場予想9.5%。
・8月米ISM製造業景況指数 52.9(前月改定48.9)、市場予想50.5。
・7月米建設支出 前月比▲0.2%(前月改定+0.1%(速報比▲0.2%))、市場予想±0.0%。
・7月米中古住宅販売 前月比+3.2%(前月改定+3.6%(速報比変わらず))、市場予想+1.5%。
・8月米自動車販売 126万台(前年比+1%)。
IMF 2010年の経済成長を3%をわずかに下回る水準、に変更する方針。

NY Dow  :9,310.60(▲185.68)
S&P500   :998.04(▲22.58)
NIKKEI225 :10,530.06(+37.53)
JPY/USD :93.08(+0.25)
USD/EUR :1.423(▲0.011)

・ドルは対ユーロで上昇。株価が大幅に調整されたことから再び安全資産としてドルが買われる(というよりも、ドルキャリーのアンワインドか)展開となった。円は同様の理由で大幅に上昇した。
日本株は小幅反発。中国株の下げ止まりと円高の一服で。米国株は大幅に下落。過剰に景気回復を先取りして上昇を続けてきた株式市場であるが、金融機関の不良債権問題が解決していないことなどが改めて材料視され始めたことから大幅な調整となった。尚、経済統計は景気の回復を示唆しており、以前の「マインドの好転による上げ相場」が逆になっている様子である。


穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :459.25(▲11.75)
Cbot Corn :312.25(▲14)
CSCE Sugar :24.24(▲0.15)



(金属関連ニュース)
Comex Gold :955.20(+3)
Nymex Platinum :1,226.8(▲17.2)

・NY金は小幅上昇した。金融不安の再燃(とってつけたような理由ですが...)を背景に株が大幅に調整したことから、再び安全資産として金が物色された。中期的にはソブリンリスクの高まりや、各国が金の保有比率を増加させる動きが見られることが金価格を高止まらせると見ている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 955.20(+3)。
 銀価格は上昇。金価格の上昇に連れ高となった。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,503.50(+13.7)。
・NYプラチナ価格は下落。ドル高の進行と、株式市場の大幅調整を受けて。昨日の引け(東京時間0:00)は1,226.8(▲17.2)。
 パラジウムも小幅下落している。小幅安。昨日の引け(東京時間0:00)は288.6(▲3.2)。


(非鉄金属)
Copper 3M :6,200.00(▲275:264B)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤こそ、中国株の下げ止まりや米経済指標の好転を受けて上昇したものの、NY時間に株が大幅に調整したことから地合いが悪化し、水準を切り下げる展開となった。ファンダメンタルズについては引き続き中国の在庫積み増し意欲が旺盛であることや、コンセントレートが継続的に不足する環境になる可能性が高いことから、中長期的にも上昇トレンド入りしたと考えている。景気は徐々に回復していると見られるが、更なる価格の上昇は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。秋口にかけて10〜15%程度の調整売りがあってもおかしくないと見る。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。LME在庫は+1,375Mt増加、(FSCは63.4日)、(キャンセルワラント率は2.4%)。売買高は11,860枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は264ドルバックコンタンゴからバックに転じた。昨日の引けは6,200.00(▲275:264B)。

Zinc 3M   :1,854.00(▲27:26C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。取引序盤は中国株の下げ止まりや経済統計の好転を好感して上昇したものの、米株が大幅に調整したことから急速に地合いが悪化し、引けに掛けて上げ幅を大きく削る展開となった。景気は徐々に回復していると見られるが、実体経済の回復の伴わない更なる価格の上昇は結局株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。秋口にかけて10〜15%程度の調整売りがあってもおかしくないと見る。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。LME在庫は+50Mt増加、FSCは14.7日(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は5,523枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,854.00(▲27:26C)。

Lead 3M   :2,076.00(▲31:13C)
 昨日の鉛価格は下落した。中国生産者の生産停止報道、中国株の下げ止まりを受けて上昇したものの、NY株の大幅調整に伴う地合いの悪化で引けにかけて上げ幅を削る動きとなった。しばらくは中国の生産停止を材料に上値余地を探る展開にならざるを得ないと見るが、そもそもLME在庫の水準も高く、この状態が長く続くとは考えにくい。景気は徐々に回復していると見られるが、実体経済の回復の伴わない更なる価格の上昇は結局株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。秋口にかけて10〜15%程度の調整売りがあってもおかしくないと見る。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。LME在庫は+275Mt増加、(FSCは5.4日、キャンセルワラント率は1.3%。)。売買高は3,072枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は13ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,076.00(▲31:13C)。

Aluminum 3M :1,845.00(▲54.5:22B)
 昨日のアルミ価格は下落した。アジア時間は中国株の下げ止まり等を好感して堅調な推移となっていたが、欧州時間から下落に転じた。その後米経済統計の好転を受けて株が上昇したことから連れ高となるが、最終的に株が調整したことからアルミも引けにかけて大幅に水準を切り下げる展開となった。欧州や米国でLME在庫が減少するなど、実質的に利用可能な在庫が少ないことから需給は在庫水準に関わらずタイトであり、ロシア生産者の生産減少といった新規材料もあって堅調な推移が続いている。景気は徐々に回復していると見られるが、実体経済の回復の伴わない更なる価格の上昇は結局株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。秋口にかけて10〜15%程度の調整売りがあってもおかしくないと見る。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。LME在庫は▲1,400Mt減少、(FSCは45.4日)。(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は12,945枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は22ドルバックコンタンゴからバックに転じた。昨日の引けは1,845.00(▲54.5:22B)。

Nickel 3M :18,250.00(▲780:27B)
 昨日のニッケル価格は下落した。アジア時間は中国株の下げ止まりを受けて堅調な推移となったものの、欧州時間から下げに展示したね余地を探った。その後、米経済統計の好転に伴う株価の上昇で水準を切り上げたが、最終的に株が下落したことからニッケルも調整することとなった。LME在庫の絶対水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ていないが、株価の上昇に伴う投機的な買いと、昨年から年初にかけての極端な在庫調整の影響で在庫積み増しがQ3までずれ込んでいること、加生産者のストライキが継続していることによって高値圏での推移が続いているが、足許、株や為替の影響に左右されやすく、不安定な値動きが続いている。景気は徐々に回復していると見られるが、実体経済の回復の伴わない更なる価格の上昇は結局株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。秋口にかけて10〜15%程度の調整売りがあってもおかしくないと見る。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。また一方で在庫積み増しの動きはしばらく続くと見られることや生産者のストライキで比較的高い水準での推移を余儀なくされよう。LME在庫は+2,826Mt増加、(FSCは31.2日)、キャンセルワラント率は1.3%。売買高は2,632枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は27ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは18,250.00(▲780:27B)。

Tin 3M   :13,700.00(▲350:232B)
 昨日の錫価格は下落した。中国株の下げ止まりでアジア時間は堅調な推移となったが、欧州時間から下落に転じ100日移動平均線をあっさりと割り込んでしまった。その後NY時間の株上昇で戻りを試したが、株が調整してしまったことから最終的に100日移動平均線を下回って引けることとなった。流動性の観点から錫市場に投機資金が積極的に入っているとは考えにくく、比較的現状を反映した価格水準で取引されているものと考えられる。景気は徐々に回復していると見られるが、実体経済の回復の伴わない更なる価格の上昇は結局株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになろう。当面のサポートとみられた100日移動平均線を下抜けしたことから、足許株価との相関が高まっていることから、株が復調しない限りはしばらく下値余地を探る動きとなりやすい。今晩のNY株に注目したい。LME在庫は+140Mt増加、(FSCは19.2日)、P596は4.33%。売買高は512枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は232ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは13,700.00(▲350:232B)。



(エネルギー関連ニュース)
WTI :68.05(▲1.91)
Brent :67.73(▲1.92)

・米在庫統計市場予想 原油▲0.9MB、ガソリン▲0.9MB、ディスティレート+0.8MB、稼働率±0.0%

 昨日のNY原油は大幅に続落した。景気回復を先取りする形で相場が上昇していたが、ここ数ヶ月の価格決定の最大要因である株価がNY時間にかけて調整したことが市場参加者のマインドを冷やし、水準を切り下げる事となった。結果50日移動平均線一杯まで水準を切り下げている。引き続き相場のメインドライバーはドル・ユーロレート、株式相場の変動であると思われ、今晩のNY株の動向が特に注目されることになると見ている。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.9%。昨日の引けは68.05(▲1.91)。 Brentも大幅に続落し、50日移動平均線を大きく割り込むこととなった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲2.9%。昨日の引けは67.73(▲1.92)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドに転換。
 石油製品も下落。RBOBも株価の下落を受けた原油価格の調整を受けて水準を切り下げた。イールドカーブはまちまち。直近限月の騰落率は▲1.6%。昨日の引けは178.22(▲2.77)。 ヒーティングオイルも下落。原油の下落を受けて。引き続きFSCは高くファンダメンタルズは弱いことから原油の動きに連れ易い。イールドカーブは総じてパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲2.9%。昨日の引けは175.89(▲4.96)。 ICEガスオイルは小幅上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+0.6%。昨日の引けは566.25(+3.5)。


(ひとりごと)
今日はカミさんの誕生日。
早く帰ってお祝いしてあげたいと思います。
この数年、ろくすっぽお祝いしてあげていないので...ってでも帰れるんだろうか。


ニュージーランドでワイン造りをしている友人のサイトも宜しくお願いします。
http://ameblo.jp/satowines/