政権交代

【商品市況概況】
「経済統計の好転や、当局発言で堅調な推移に」
 昨日の商品価格は軒並み大幅な上昇となった。足許の最大の価格変動要因と考えられる「ドル安」の進行が相場水準を押し上げることになったと考えられる。バーナンキ議長の「米景気は回復している」発言も、特に投機筋の買いを誘ったと見ている。繰り返しになるが、エネルギー、非鉄金属とも需要の回復は見られず、徐々に経済対策の効果が薄れることから更なる需要の回復には懐疑的である。ところが、LME非鉄金属の価格はLME在庫が著しく増加しているにも関わらず、大幅な上昇を記録するにいたり、アルミ以外はその殆どがバック形状になりつつあるなど非常に違和感を覚える状態である。これは在庫統計では高い水準の取引所在庫が積み上がっているが、(1)担保融資の担保として用いられる、(2)特定の投機家が投機目的で現物を保有している、(3)CFTCの規制を回避するために資金が流入している、といった材料に拠るものであると考えればどうにか納得ができるが、詳細は定かではない。

 昨晩発表された米CPIは比較的安定しておりインフレの兆候は見られないとの声が大勢であり、確かに米国は緩やかな景気回復過程に入った可能性が高い。しかし米国向けに製品を輸出せねばならない工業国(日本や中国、ドイツ等)は、この商品価格の高騰(特に非鉄金属・貴金属)に対する対応に苦慮することになろう。米国経済がどうなるか?がここ数ヶ月の市場の話題であったが、製品生産者側がコスト上昇リスクに対していかに対応していくかが重要なポイントになるような気がしてならない。


【経済関連ニュース】
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲8.6%の592.8、購入指数 前週比▲10.0%の272.9、借換指数 前週比▲7.4%の2,454.5。
・8月米消費者物価指数 前月比+0.4%(前月改定±0.0%)。コア指数 前月比+0.1%。
・Q209米経常収支赤字 988億?(前月改定1,045億?(速報比+30億?))。
・7月対米証券投資 153億?の買い越し(前月改定902億?の買い越し)。
・8月米鉱工業生産 前月比+0.8%(前月改定+1.0%(速報比+0.5%))。
・9月米NAHB指数 19(前月18)。3ヶ月連続でプラス。
鳩山内閣誕生。

NY Dow  :9,791.71(+108.3)
S&P500   :1,068.76(+16.13)
NIKKEI225 :10,270.77(+53.15)
Dax :5,700.26(+71.28)
FT250 :9,305.24(+141)
Sensex  :16,677.04(+222.59)
Shanghai A :3,148.212(▲35.768)
Brazil Bovespa :60,410.6602(+1,146.801)

JPY/USD :90.83(▲0.07)
USD/EUR :1.47(+0.0065)


・ドルは対ユーロで大幅に続落した。米経済指標の好転に伴い、ドルキャリートレードが活発化した。円も小幅安となっている。
日本株は小幅上昇。米株の上昇等から。米株は大幅に上昇。米経済統計の改善を受けて市場のセンチメントが好転したことから。


穀物
Cbot Wheat :467.25(▲3.25)
Cbot Corn :336.25(▲10.25)
CSCE Sugar :22.49(+0.71)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,019.20(+13.9)
Comex Silver :1,740.80(+43)
Nymex Platinum :1,350.1(+29.8)
Nymex Palladium :299.6(+4.25)

・NY金は上昇した。米経済統計の好転が続き、ドル安が大幅に進行したことが背景。中国等のソブリン銘柄による金積み増しの意向も、中期的な支援材料となりえることから下げ幅は限定されている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,019.20(+13.9)。
 銀価格は上昇した。株価の大幅な上昇、ドル安の進行を受けてとうとう17?のシーリングを上抜けした。当局規制の対象になりにくいことから、今後も堅調な推移が続くと見るが10日移動平均線からの乖離幅も大きく、一旦調整があるだろう。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,740.80(+43)。
・NYプラチナ価格は上昇した。米経済統計の好転と株価の上昇、ドル安の進行で。足許、貴金属物色の流れの影響が強く出ている。昨日の引け(東京時間0:00)は1,350.1(+29.8)。
 パラジウムは上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は299.6(+4.25)。


Copper 3M :6,420.00(+215:20.5C)
 昨日の銅価格は上昇した。ドル安の大幅な進行と株高が背景。結果夏場から複数回トライしている6,500?ラインを試す動きとなった。LME在庫は+675Mt増加、(FSCは68.6日)、(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は9,807枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は21?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは6,420.00(+215:20.5C)。

Zinc 3M   :1,936.00(+78:23.75C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。30日移動平均線を上回って寄り付いた後、ドル安の進行と株高で大幅な上昇となった。LME在庫は▲350Mt減少、FSCは14.7日(キャンセルワラント率は2.3%)。売買高は3,814枚。イールドカーブは期近と期先が上昇し、フラットニング。C-3は24?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,936.00(+78:23.75C)。

Lead 3M   :2,293.00(+126.5:28.5C)
 昨日の鉛価格は上昇した。ドル安、株高が進行する中、連れ高となった。中国の環境規制強化の影響や、Doe Runの精錬所再開に更に時間がかかるとの見方で堅調な推移が続いているが、どちらかといえば株やドル安、過剰流動性の影響の方が大きいといえる。LME在庫は+575Mt増加、(FSCは5.4日、キャンセルワラント率は0.5%。)。売買高は3,012枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は29?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,293.00(+126.5:28.5C)。

Aluminum 3M :1,927.00(+72:33.25C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。特段、個別の新規材料があったわけではないが(むしろLME在庫は大幅な増加に)、ドル安・株高の影響で大幅な反発となった。LME在庫は+11,100Mt増加、(FSCは45.6日)。(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は12,700枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は33?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,927.00(+72:33.25C)。

Nickel 3M :17,300.00(+550:83C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。LMえ在庫の減少や、株高、ドル安が材料となった。LME在庫は▲126Mt減少、(FSCは31.9日)、キャンセルワラント率は1.8%。売買高は1,208枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は83?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは17,300.00(+550:83C)。

Tin 3M   :14,650.00(+400:275B)
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の大幅な増加はあったものの、ドル安や株高の進行が支援材料となった。LME在庫は+385Mt増加、(FSCは22.0日)、P596は1.63%。売買高は323枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は275?バックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,650.00(+400:275B)。



【エネルギー】
WTI :72.51(+1.58)
Brent :71.67(+4.32)

・米在庫統計 原油▲4.7MB(市場予想▲2.5MB)、ガソリン+0.5MB(+0.7MB)、ディスティレート+2.2MB(+1.5MB)、稼働率▲0.26%(▲0.50%)。

 昨日のNY原油は上昇した。米経済統計が再び好調であったことや、これに伴う株価上昇、ドル安の進行が材料となった。夜間発表の在庫統計では大幅な在庫の減少が確認されたが、FSCを過去5年レンジに留めるオペレーションによる輸入減少の影響が大きく、前向きな在庫減少ではなかったがこれも材料となったようだ。政府高官や金融当局者の景気に前向きなコメントが増える中、かつ量的緩和も継続されていることから再び上値をトライしやすいが、現物需要が付いてきているわけではないことから、非常にボラタイルな展開が続くことになると予想している。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+2.1%。昨日の引けは72.51(+1.58)。 Brentは上昇した。直近限月の騰落率は+5.7%昨日の引けは71.67(+4.32)。 WTI/Brentは+0.84のポジティブスプレッドに。
 RBOBは上昇した。在庫統計では需要の減少が確認され、FSCも過去5年レンジを上抜けるなどファンダメンタルズは弱いが、原油価格の上昇に連れ高となる中、10日移動平均線を上抜けしたあたりから上げが加速し、100日移動平均線レジスタンスを試す動きとなった。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+3.1%。昨日の引けは184.83(+5.91)。 ヒーティングオイルも上昇した。在庫統計の内容とは関係なく(需要は弱い)原油価格が上昇したことから連れ高となり、50日移動平均線を上抜けしたところから上げが加速した。冬のピークシーズン到来前の在庫減少(入れ替え)観測も支援材料になっているようだが、基本ファンダメンタルズは弱い。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+2.4%。昨日の引けは182.58(+4.57)。 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.8%。昨日の引けは562.50(+10.5)。



(ひとりごと)
新しい内閣になりましたが。
予想もしてなかった人が大臣になったりしてますが。
皆頑張っていただいて、日本を立ち直らせてもらいたいものです。

どこの新聞の社説にも書かれてますけど、時計の針を元に戻す政策は止めて欲しいですよね。
時計の針を戻すのは、時計の針を進めるのと同じぐらい大変だと思うし
戻した結果、どうなるか分からないし
期待はしてんですが、まぁ、心配ですよね。


なんだか、「許せん」とか「徹底的な粛清」みたいなことが言われているが
もっと前向きに何か皆が興奮できるようなことがあればいいのにな、と思います。


「おもしろき こともなき世を おもしろく(高杉晋作)」