コンニチハ

【商品市況概況】
「リスク回避の動き加速」
昨日の商品価格は暴落した。QE2(量的緩和)の資金が新興国流入し、新興国でバブルの懸念が強まっている中、オーストラリア、中国に加え今度は韓国も利上げに踏み切ったことから、「更に新興国の金融引き締めが行われるのではないか」との見方が強まり、リスクテイクで商品を物色していた向きの手仕舞い売りに押される形となった。このような流れだと、貴金属等も例外ではなく、キャッシュ化の動きを受けて下落することになる(通貨の動向が不安定なため「安全資産だから」といってもドル建資産であることから、自国通貨回帰の動きが出やすい)。



「ダウンサイドリスク」
以前からこのコラムで主張しているが、欧州問題、米国の住宅市場の回復の遅れ、新興国のバブル懸念、といったマイナス材料は全く解決していないものの、「過剰流動性が全てを覆い隠す」ことにより、商品価格は上昇してきた。今回の下落は「FRBの追加緩和はインフレ醸成をある程度企図したものであるが、その効果が予想以上に早く出てきてしまっていることに対する、市場の警戒感が強まっている」ことが背景にある。裏を返せば、インフレにはならないという前提で、量的緩和が継続することを理由にこれ等の商品を購入していた市場参加者が、手仕舞い売りをしただけ、と整理できる。
尚、このコラムで説明したことがあるが、昨年の夏ごろのレベルが市場が正常に機能している場合の下限価格であると考えられ、流動性供給の上乗せ分がなければ常にその価格までの下落はあってもおかしくない(それを暴落と言うか、言わないかは)。弊社C-VIX(コモディティ恐怖指数)は相場急変の危険水域である30を超えている。

とはいえ、金融緩和を終了させると特に信用リスクの高まりを映じて金融市場が混乱するため、緩和は継続しなければならないのは事実であり、そのことが相場を下支えするであろうとの見方は、大きく変更する必要はないだろう。


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コモディティインデックス】
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):30.86(+3.16)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):304.05(+2.19)



【ひとりごと】
以前働いていた会社のこと。
随分昔になるが初めて天然ガスのトレードをすることになったことがある。
その頃は海外デスクもなかったので東京でトレードがある人が待機する
という体制であった。



誰が残るか?
で若干議論になったが
結局Yさん(私の先輩)と営業のYさん(両方Yだな)が残ることになった。



NY在住の取引の相手方は当然外国人。
しかもその頃はわざわざ東京で天然ガスの取引をする日本人なんて少なかったので
日本人との会話に興奮していたようだ。



「コンニチハ」



カタコトの日本語で挨拶をするトレーダー。
先輩は「こっちは夜なので、コンバンハが正しいよ」と教えてあげたらしい。
実際のディールはもっと夜中なので、トレード実施時の注意点を確認して先輩は仮眠をとった。



2〜3時間後、さて実際の取引だ、
と思って先輩がそのトレーダーに電話をかけたところ



「ハーイ、コンニチバーン!!」



...混ざってますね。
やる気に満ちていた先輩2名は相当脱力して、やる気がなくなったらしい。



しかし思うが、外国の人って嬉しそうに外国の言葉を使いますよね。
なんだかこんな感じで楽しく話してたら、日本人の英語ももっと上達すると思うんですけどね。