反撃ののろし-その2

【商品市況概況】

「雇用統計を控えたポジション調整」

昨日の商品市場は総じて堅調な推移となった。一昨日発表された米ADP雇用報告が好調な内容であったことや、欧米の経済統計の改善
が継続していることが材料となった。


しかし、トリシェ総裁がインフレ抑制に対してトーンを若干後退させたことや、今晩発表予定の米雇用統計の内容を見極めたいとする動き、素材の一大消費国である中国が春節で不参加、ということもあり、ポジション調整に関連する取引が主であったと推察される。唯一明確な上昇を見せたのが貴金属。これはエジプト情勢が再度緊迫化していることに伴う有事の買いによるものである。



「雇用統計のインパクト」

今晩発表予定の米雇用統計は、14万5,000人程度の増加が予想されている(合計、民間部門、ともに同じ見通し)。


過去データを元にした簡単な回帰分析の結果では、米民間部門雇用者数とWTIの価格、銅価格の間には高い相関性が見られる。もし雇用統計が市場予想通りとなれば、銅は140ドル、WTIは1.2ドル程度上昇してもおかしくない。商品価格の上昇は各国の金融政策の変更を促す可能性があるが、今のところ米国は商品価格の上昇によるインフレの兆候は見られていない。よって、今回の統計が好調な内容になったとしても、FRBは恐らく金融政策を変更することはないと予想される。


一方でECBや新興国等は今晩の統計の内容が良かった場合に金融政策の変更を余儀なくされる可能性があることは否定できない。特に以前から利上げ観測が台頭している中国の金融政策が変更される可能性は高い。その際、中国の消費比率が4割と高い非鉄金属は、上値を抑えられることになるだろう。

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コモディティインデックス】
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):26.09(+0.46)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):313.94(+3.08)



【雑感】
「反撃の狼煙」について書いたところ
思いのほか反応が多くて、いろいろなご意見を頂いた。
そうしたら、相当詳しく調べて下さった方がいらっしゃいました。
折角ですので、このコラムで紹介させて下さい。

匿名のTさんからです。
Tさんは非常に博学な方なので、この意見の信ぴょう性は高いと思ってます。
ちなみに、複数回に分けて意見を頂いてます。
全部一度に乗せられないので、数回に分割させていただきました。

(以下、メールからの引用)
この件についての私の考えは以下の通りです。



まずは、このフレーズが用いられる状況を考えてみましょう。



通常の戦闘においては、攻撃に対しては、
反撃するのはあたりまえなわけですから、
「反撃ののろし」がなくても反撃しているはずです。



この言葉が用いられるということは、
「反撃ののろし」を受信する人たちは、
「反撃せよ」という合図(のろし)があるまでは、
あえて、反撃できるのにしていない、
反撃に備えて待機している状況であることが想像されます。



従って、これは、
敵の退路を攻撃する準備を整えるまでは、
反撃を控えて、敵にある程度攻撃させ、
敵を自陣深くまでおびき寄せた後に、
一斉に反撃に出て、一網打尽に敵を殲滅しようとする
相当に広域的かつ戦略的な作戦が指揮されている
戦闘状況だと思われます。



そのような広域的な作戦指令においては、
鐘、ラッパ、ドラ、ホラ貝の類では、
距離や風向きによっては聞こえない
あるいは、戦闘モードの変更を敵に気づかれる
というリスクがある、そのため、「のろし」を
通信手段として選択している、ということだと推測されます。



のろしは新たに上げることも当然あるのでしょうが、
常時、上げておいて、煙のパターンを変更することで
メッセージを伝える、というようにも用いられていた
ということを読んだことがあるような気がします。
(あまり自信はないが…)



以上は、私の全くの想像ですが、



このフレーズが、スポーツの場で用いられることが多く、
「十分に反撃する力があるチームが先行を許していたが、
機を見て反撃に転じた」という趣旨で使われている
ということから考えてもつじつまが合うように思います。



...と返答を頂いたのですが、私の「語源は?」の問いに対し
翌日回答がきました(第二回に続く)