耳なし芳一

(市況)

昨日の原油・石油製品相場は大幅に下落した。欧米がイランに対して経済制裁をしない可能性が高くなってきたためである。でも、アフマディネジャド(最近すらすら言えるようになってきた....)は核開発を継続すると言っており、イラン問題勃発前のレベルに下落する理由は余りない。月が変わって新しい資金も入ってくるし。

非鉄金属は上昇。FRBの利上げ観測を受けた金上昇、ファンダメンタルの強さ等からファンドの買いが旺盛な様子。暫くこのトレンドは続きそうだ。

つくづく思うが最近の商品市場は、「ヴィトンのバッグを求める人々の動き」によく似ている。初めは皆「割安でよい品物を見つけたよ」ぐらいの勢いで一部の人しか買わないわけだが、だんだんその商品情報が広まると、どんどん買いが入ってきて、価格が高騰することになるわけだ。

そしてついには「生産が出来たら受け渡してくれ」という予約まで入ってしまう状況になり、金利や倉庫の保管料とブランドプレミアムが乗っかって、先の価格も高くなるわけである。

で、受け渡しが1年後以降になると「新しいブランドが出るかも」と思う人が増えて、またバックになるわけである。うーむ。こんなに原油相場が単純だとは思わないが、当たらずとも遠からず。

(ひとりごと)

はいみなさん。お待たせしました。第三部です。

昨日までは般若心経を使って男を口説こうとして失敗、この女性が源氏物語に活路を見出そうと、大きく話題を転換したところまでお話しました。これから二人の会話は佳境に入ります。 

女「ねえ、源氏物語ってしってる?」

男「...え?源氏物語って、あの枕草子の?」

女「あんた本当にバカね。枕草子吉田兼好でしょう」

男「ああ、そうか」

女「そうよ。源氏物語源平合戦の話を書いた話なの」

男「ふーん。そうなんだ。」

女「源氏物語は、琵琶法師が源平の合戦の話を歌に乗せて説明したのよ」

男「え、琵琶法師って?」

女「あんたバカね。琵琶法師は、琵琶を弾く法師のことでしょ」

男「あーあー、あれね。耳なし芳一か」

女「そうそう、耳なし芳一よ。それで彼が源氏と平家の話を皆に伝えるわけ」 

男「なるほど」

それも違います。ここまでくると、この男女、実は相当...いやいや差別になるんで止めましょう。琵琶法師の所まではいいですが、耳なし芳一は怪談で作り話である。といっても「琵琶を弾く法師」とは、野球選手って何?って聞かれて「野球をする選手」というのと同じで、全く説明になっていない。

ちなみに耳なし芳一はどういう話かというと、平家の怨霊に取り付かれた琵琶法師の芳一が平家の怨霊に毎晩琵琶を弾くことを強要され、このままでは芳一の命がなくなってしまうと感じた寺の住職が、芳一の体中に経文を書いて助けようとするが、芳一の耳にまで経文を書くことが出来なかったため、その両耳を平家の武士の怨霊に持っていかれてしまい、「耳なし芳一」と呼ばれるようになる、という小泉八雲Lafcadio Hearn18501904年イギリス人)原作の怪談である。

しかし、プレイボーイ、光源氏のコイバナを琵琶法師が歌に乗せて説明する...。どうも雰囲気が出ないし、紫式部も草葉の陰でないているだろう。この雑感も、もし口伝に広まったら、どういうふうに伝わるんだろうか?やはり吟遊詩人や琵琶法師が歌ってくれるんだろうか?吟遊詩人て見たことないが、いったいどういう人だろう?町で路上ライブをやっている人は皆、吟遊詩人に分類されるのだろうか。

さあ、来週はいよいよ感動の最終回です。お楽しみに。