ちらし

【商品市況概況】
ドバイ・ショック〜リスク資産への投資不安」
 昨日の商品価格は軒並み下落している。中東、ドバイの政府系投資会社が支払い延滞を起こしたことに伴い新興国株を含むリスク資産への投資リスクが認識されたため。ここまで各国の経済対策の効果によって景気の二番底は回避されたとみる市場参加者が、ドル安を背景に新興国株と、新興国の需要拡大観測に伴うコモディティに資金を振り向けていたが、その過剰なまでの価格上昇を再び警戒せねばならない状況になってきているようである。また、年末ということもあって良い利食い売りのきっかけになったともいえる。

 このコラムでは、ファンダメンタルズがそこまで付いてきてるわけではないが、ドル安と莫大な流動性供給に伴うインフレ政策の影響で価格は上昇する可能性が高い、という立場をとってきたが、昨日のドバイのニュースで私が秋口まで維持していた中東を含む欧州地区の景気悪化懸念が再び議論の俎上に乗せられる可能性が出てきた。今後は本件がドバイ特有の問題なのか、氷山の一角なのかを見極めていく必要性があるが、極端に進むドル安→各国通貨高は域内の物価押し下げに伴うデフレを誘発、ないしは製造業国の輸出競争力を削ぐ可能性があると考えられ、急速な通貨変動に伴い経済対策で何とか持ちこたえてきた相場(コモディティのみならず、不動産等も)が再び下落に転じる可能性はゼロではないとみる(とはいえ、デフレはインフレよりも質が悪いということは世界の共通認識であり、こうした極端な相場変動に伴う経済バランスの悪化は政府・金融当局主導で修正されると予想されますけどね...)。


【経済関連ニュース】
ベトナム・ドンが最安値更新。貿易赤字抑制に向けて通貨切り下げを発表したため。
・10月ユーロ圏民間向け融資額 前年比▲0.8%(前月改定▲0.3%)。
・11月独消費者物価指数速報 前年比+0.4%(前月改定▲0.1%)。
・円が14年ぶり高値。ドバイの政府系投資会社ドバイ・ワールドの支払い延期を受けて、新興国向けの投資のアンワインドが起きたことから。

NY Dow  :Close
S&P500   :Close
NIKKEI225 :9,383.24(▲58.4)
JPY/USD :86.52(▲1.16)
USD/EUR :1.501(▲0.0069)

・ドルは対ユーロで下落。FOMCでの低金利長期化容認発言の余波で。円も同様の材料で大幅に上昇。また、藤井財務大臣の介入示唆、鳩山首相の介入示唆が全く材料とされなかったことも円の上げを加速させたようだ。
日本株は下落。円高の急速な進行が、製造業の業況を圧迫するとの見方から。米国は休場。



非鉄金属・貴金属】
・BHP Billiton、鉄鋼会社に対し原料端の値決めを市場連動型にするよう要請。

Copper 3M :6,821.00(▲164:28C)
 昨日の銅価格は下落した。ドル安の進行はあったものの、ドバイ政府系投資会社の経営悪化を受けた新興国を含むリスク資産への投資リスクが再認識されたことから、そもそもの買い持ちポジション解消に伴う売りが入ったものとみられる。LMEとは直接関係ないが、CFTCの投機家ポジションは2年ぶりのネットロングの状態であり、年末を控えこれらのポジションのクローズが入り易く、LMEにも波及するとみている。今後は、経済対策の効果剥落に伴う需要減少で一旦下落する可能性はあるが、景気回復が持続すると見られることから中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するものと見られる。また、生産者側の問題(鉱石の品質劣化、掘削可能地域の不安定さ、開発に要する時間が長いこと)を受けて長期的にはさらに強いパフォーマンスになるものと考えている。LME在庫は+475Mt増加、(FSCは8.8日)、(キャンセルワラント率は0.4%)。売買高は10,036枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。

Zinc 3M   :2,256.00(▲52:29.75C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。材料は銅と略同じく、新興国株の下落である。ただしドル安が同時に進行していることもあって、下げ幅は限定されたとの印象。中期的には亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。最大需要国である中国の鉄鉱石輸入の増加に伴う亜鉛需要の増加観測、同時に中国国内の環境面を意識した精錬キャパシティの縮小が需給をタイトにさせると予想されるためである。ただし、在庫投資を含めた中国の需要は頭打ちの状態が続いており現時点においては急速な上昇は見込み難い環境にある。LME在庫は+1,500Mt増加、FSCは15.4日(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は2,544枚。

Lead 3M   :2,340.00(▲50:28.25C)
 昨日の鉛価格は下落した。新興国株の下落によるリスク資産全体への手じまい売りが入ったため。他の金属と同様であるが、一方で進んでいるドル安が下げ幅を限定させた。今後は鉛需給は均衡すると考えられることから、在庫水準の高さを映じて徐々に水準を切り下げると見ている。また、中国国内の生産回復で一時の鉛不足が解消し、LME/上海のスプレッドも縮小しており、ファンダメンタルズ的には下値を試しやすい環境にある。自動車買い替えプログラムの終了と、中国政府の環境に配慮した生産減少の影響は緩和してきている。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは6.1日、キャンセルワラント率は0.2%。)。売買高は984枚。

Aluminum 3M :2,009.00(▲38:31.5C)
 昨日のアルミ価格は下落した。新興国株を含むリスク資産への投資リスクが意識されたことから。ただしドル安の進行を受けて節目である2,000ドルは維持して引けている。基本、中国の需要が堅調であればアルミ価格は2,000ドル前後で安定するが、中国の需要が低調になった場合にはこの水準を下回る。今回のドバイ政府関連投資会社の支払い延滞発生は、しばらく封印されていた新興国の需要が経済対策の効果で持続するのかどうか、といった問題が再び市場で材料になることを意味し、さらに言えば民間の純粋な需要が継続できるのかどうかということも再び議論する必要が出てくる可能性があるといえる。基本、このコラムで主張している大幅な調整はないが年末に向けたポジションクローズの売りで一旦弱含むというスタンスを現時点で変更する必要はないと考えている。LME在庫は+8,100Mt増加、(FSCは48.6日)。(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は10,002枚。


Nickel 3M :16,575.00(▲425:59C)
 昨日のニッケル価格は下落した。材料は他の非鉄金属と同様、新興国やリスク資産への投資懸念が高まったことに伴う手仕舞売りで。中国の在庫積み増しの動きが一巡、他国にも広がると見ていたが思ったよりもその動きが緩慢であるとみられ、ニッケルは力なく下値余地を探る動きを継続ししている。200日移動平均線を試すものとみている。ここに特段の理由はない。ただし、中期的には景気回復に伴うOECD諸国の在庫積み増しの動きを受けて需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き生産を見送っており、需給はニュートラルになるとみられ、中期的には景気回復に伴い価格は上昇することになろう。LME在庫は+390Mt増加、(FSCは39.0日)、キャンセルワラント率は1.2%。売買高は968枚。

Tin 3M   :14,975.00(▲75:0B)
 昨日の錫価格は下落した。新興国株の下落が材料となった。今後は最大生産国であるインドネシアの動向に大きく影響を受ける状況が続くと見られ、需給はタイトに推移することになろう。この夏の違法生産者のとりしまりの影響で、錫は生産・輸出とも減少(輸出はどちらかといえば低位横ばい)を続けている。中国需要の減少に伴う裁定取引機会の縮小が需中国の需要を減少させようが、供給の不安定さが引き続きイールドカーブの形状をバックワーデーションに維持することが予想される。LME在庫は▲15Mt減少、(FSCは26.1日)、P596は1.92%。売買高は237枚。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :76.35(▲0.59)
Brent :76.99(▲1.45)

 昨日のNY原油は下落した。FOMCでの低金利政策継続を材料とするドル安が進行したが、広範にわたってドル安が進行したことから輸出国(製造業国)の輸出採算悪化懸念が台頭、ドル安効果よりもリスク資産への投資リスクが認識されたことがそもそもロングとなっている投機筋のポジションクローズ売りを誘発したようだ。ただしドル安が進行していることもあって、下落幅は限定された。イールドカーブは期近が下落し、ベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲0.8%。昨日の引けは76.35(▲0.59)。
 Brentは下落した。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲1.9%。昨日の引けは76.99(▲1.45)。
 WTI/Brentのスプレッドは-0.64のポジティブスプレッドとなっている。"
 RBOBは下落した。原油価格の下落を受けて。そもそも在庫水準の高さと需要の弱さからファンダメンタルズは弱く、かねてからコメントしている通りガソリンを高止まらせる唯一の理由は原油価格の上昇である。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇している。直近限月の騰落率は▲2.2%。昨日の引けは195.50(▲4.26)。
 ヒーティングオイルは下落した。原油価格の下落を受けて。イールドカーブはまちまち。直近限月の騰落率は▲1.8%。昨日の引けは195.58(▲3.43)。
 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブは期近と期先が小幅上昇している。直近限月の騰落率は+0.2%。昨日の引けは610.75(+1.5)。



【ひとりごと】
最近、自宅のポストに
女性をあっせんするピンクチラシが入るようになった
本当に困る。

子供がそれを見て、これは何?
って聞かれたら、なんと答えて良いか。
まあ、私も男なので女性に興味はあるが
一般住宅のポストに、誰でも見れるような状態でそういったものを入れるのは本当に止めて欲しい


でも。


そんなことからも分かるんですが
要はまだ景気は悪いってことですよ
法律詳しく知りませんが、確かそういったチラシってポストに投げ込んだり
貼ったりしちゃ、いけなかったと思うんですよね
それを、結構警官が巡回してるような住宅地で普通にやってしまってるんですから
こうした欲望ビジネスを見る頻度が増えると、景気が悪くなったんだなぁと思ってしまいます。

早く何とかならんもんでしょうか。