【商品市況概況】
「引き続き雇用統計待ち」
昨日の商品価格は軒並み下落している。年末から発表されている経済統計の好転、寒波の襲来に伴うエネルギー価格の上昇によって殆どの商品が高値圏で推移していたが、朝方からドル高が進行したことから今晩の雇用統計を控えて一旦ポジション調整と思われる売りが入ったためと考えられる。
言うまでもなく今晩の雇用統計は今週発表される経済統計の中で最も重要であると言えるが、著しい改善が見られなければ金利上昇に伴うドル高が商品価格を下押しすることになると考えている(ただしベースラインとなる価格は中期的には上昇)。
【経済関連ニュース】
・12月ユーロ圏景況感指数速報 91.3(前月改定88.8)。リーマンショック前の水準に。
・11月独製造業新規受注 前月比+0.2%(前月改定▲1.9%(速報比+0.2%))。
・英中銀 資産買取プログラムの規模を2,000億ポンドに据え置き。政策金利のレポ金利も0.5%に据え置き。
・米週間新規失業保険申請者数 434千人(前週改定433千人(速報比+1千人))。
・管財務大臣、「円は90円台半ばが望ましい」
【為替・株】
NY Dow :10,606.86(+33.18)
S&P500 :1,141.69(+4.55)
NIKKEI225 :10,681.66(▲49.79)
Dax :6,019.36(▲14.97)
FT250 :9,630.38(+40.85)
Sensex :17,615.72(▲85.41)
Shanghai A :3,348.66(▲64.499)
Brazil Bovespa :70,451.1172(▲278.227)
JPY/USD :93.16(+0.66)
USD/EUR :1.432(▲0.008)
・ドルは対ユーロで上昇。雇用統計発表前のポジション調整と思われる買いが入った。以前は景気回復に伴うドルキャリートレードの活発化が材料で経済統計の好転はドル安に繋がっていたが、今回は景気回復に伴う低金利解除の可能性が高まることから、良い経済統計(期待)がドル高に繋がる環境となっている。円は対ドルで下落。管財務大臣の円安誘導発言で。
・日本株は下落。年初からの上昇が大きかったことに対する警戒感から。米株はしっかり。雇用統計発表前に、強弱織り交ぜた経済統計が発表されていることなどが様子見気分を強めた。
【穀物】
Cbot Wheat :557.75(▲9.5)
Cbot Corn :417.50(▲4.25)
CSCE Sugar :28.00(▲0.41)
【貴金属・非鉄金属】
Comex Gold :1,131.90(▲4.6)
Comex Silver :1,833.30(+17)
Nymex Platinum :1,553.0(+0.8)
Nymex Palladium :424.55(▲2.65)
・NY金は下落した。ドル安が進行していたため、雇用統計を前に若干ドル安が修正されたことから、金も下落することとなった。金もポイントは今晩の雇用統計になると考える。ターゲットプライスである1,400ドル程度まで上昇すると考えている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,131.90(▲4.6)。
銀価格は上昇した。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,833.30(+17)。
・NYプラチナ価格は上昇した。ETF認可に伴うマネーフローの変化期待による買いが継続している。この動きが現時点において変ってしまう可能性は極めて低いと考えておくべきであろう。1,800ドル程度までの上昇はあると考えている。昨日の引け(東京時間0:00)は1,553.0(+0.8)。
パラジウムは下落した。昨日の引け(東京時間0:00)は424.55(▲2.65)。
Copper 3M :7,535.00(▲125:28.5C)
昨日の銅価格は下落した。中国の投資抑制の可能性で下落、との論調が目立つが、単純に朝方から進行したドル高が材料になったものと考えられる。まあ、節目の7,500ドルを上回って上昇していたため、利食いが入り安いタイミングであったことも事実であろう。中期的には景気回復が持続すると見られること、銅鉱山(Mine)からの供給には少なくとも5年程度掛かると見られることから、中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。LME在庫は+75Mt増加、(FSCは10.3日)、(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は13,171枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は29ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは7,535.00(▲125:28.5C)。
Zinc 3M :2,607.00(▲111:31.75C)
昨日の亜鉛価格は大幅に下落した。ドル高が朝方から進行したため、利益確定の売りに押された。今晩の雇用統計を前にポジション調整意欲が高かったためと考えている。今後も亜鉛価格は最大需要国、中国の鉄鋼需要が堅調に推移すると見られ、高値での推移が続くと考えている。昨年も経験したが、豪雪に伴う現物のデリバリーリスク等も高く、特に生産国としてのポジションが高い中国の豪雪は結果的に買い材料となる。しかし、夏ごろにかけて経済対策が息切れすると見られるため、年後半は一旦調整することになろう。LME在庫は+500Mt増加、FSCは16.6日(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は6,286枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は32ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは2,607.00(▲111:31.75C)。
Lead 3M :2,599.00(▲81:26.75C)
昨日の鉛価格は大幅に下落した。他の非鉄金属と同様、朝方から進行したドル高を受けて利食い売りに押された。今後は第二の寒波が中国に襲来する見込みであることから、高値での推移が続くことになろう。しかしその後は在庫水準の高さから価格水準を切り下げると見ている。中期的には中国、インドといった新興国の需要が増加すると見られることからやはり他の非鉄金属同様堅調な推移になると考えている。LME在庫は+1,300Mt増加、(FSCは6.6日、キャンセルワラント率は0.1%。)。売買高は2,895枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は27ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,599.00(▲81:26.75C)。
Aluminum 3M :2,310.00(▲67:34.75C)
昨日のアルミ価格は大幅に下落した。価格上昇要因の1つであるドルが昨日は上昇したため、調整売りに押された。ただし10日移動平均線を割り込む下落とはなっておらず、トレンドが変るまでには至っていない。今後も2,000ドルラインを維持できるか否かがポイントとなるが、景気悪化に伴う生産調整圧力の影響と寒波の影響でこの水準を下回っての下落の可能性は極めて低い。LME在庫は▲4,450Mt減少、(FSCは48.8日)。(キャンセルワラント率は4.5%)。売買高は11,137枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は35ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,310.00(▲67:34.75C)。
Nickel 3M :18,455.00(▲700:69C)
昨日のニッケル価格は下落した。ドル高の進行が材料。中国の在庫積み増し需要は減退しているものの、中国以外のOECD諸国での在庫積み増しの動きが見られると予想されることから世界需要は向こう1年半程度横ばいであり、大手生産者は引き続き増産に慎重でありトータルで需給はニュートラルであると見られるが、世界景気の回復に伴い価格は上昇することになると考えている。LME在庫は+426Mt増加、(FSCは46.4日)、キャンセルワラント率は0.6%。売買高は1,827枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は69ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは18,455.00(▲700:69C)。
Tin 3M :17,475.00(▲350:71C)
昨日の錫価格は下落した。ドル高の進行で。今後は、最大生産国インドネシアの生産が安定しないことから需給環境はタイトに推移しやすく、当面堅調な推移が続くと考えている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。LME在庫は+65Mt増加、(FSCは26.1日)、キャンセルワラント率は2.14%。売買高は254枚。C-3は71ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは17,475.00(▲350:71C)。
【エネルギー】
WTI :82.66(▲0.52)
Brent :81.51(▲0.38)
昨日のNY原油は下落した。ドル高の進行が材料となった。但し基本は寒波の影響を背景に高値での推移が続いており、為替の動向を睨んで小幅なレンジで一喜一憂の展開となっている。今後も寒波の影響が長引いていることと経済統計の料睨みの展開で基本、高値でのもみ合いになると考えている。中期的には景気回復(GDPプラス成長への回復)に伴う需要増加観測を受けて水準を切り上げる動きになるだろう。また、大手投資銀行の価格予想上方修正の動きを受け、思惑的な買いが入りやすくなっていることも相場の上げ材料となる。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲0.6%。昨日の引けは82.66(▲0.52)。 Brentは下落した。直近限月の騰落率は▲0.5%昨日の引けは81.51(▲0.38)。 WTI/Brentは+1.15のポジティブスプレッドに。
RBOBは下落した。ドル高の進行を受けて原油価格が調整したことから。繰り返しになるが需給環境、需要動向を見るに需給はタイトではなく、年末からの上昇は寒波襲来に伴う一次的なものであると考えている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.1%。昨日の引けは213.49(▲0.17)。 ヒーティングオイルは下落した。原油価格の下落を受けて。昨日の引けは218.36(▲1.96)。イールドカーブはパラレルに低下。昨日の引けは218.36(▲1.96)。 ICEガスオイルは下落した。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲0.2%。昨日の引けは660.25(▲1.5)。
【ひとりごと】
今日は「勝負事の日」らしい。
由来は「いちかばちか」から来ているとか。
でも、日本では賭博って競馬等でしか認められてないので
わざわざこんな日を設定する意味が良くわからない。
あ、別になくせ、といっているわけではないのです。
しかし、最近このいちかばちか、という言葉に非常に敏感に反応してしまう
なぜかというと、私が生業としているデリバティブはすぐに「いちかばちかの商品ですね」といわれてしまうからだ
それは私は違うと思うわけです。
基本的にデリバティブは、「いちかばちか」の選択を迫られてしまうような状況になる前に価格リスクマネジメントをしておくためのツール」
なのであって、ピンチに陥ったときのみに使うべきものではないのです
まあ、デリバティブを使って意図的にリスクを取ることも可能ではありますが
経営が厳しくなった会社が、ぎりぎりの状態に陥ったときにこうしたデリバティブの使い方をするので
結果的に、倒産の引き金になってしまったりするわけで
そうすると、必ずデリバティブは悪いものである、という点ばかりが強調される結果となるのだ
あぁ。何か今日、朝から真面目なことを書いてるぞ。
まぁいいか。
こういった誤解は時間を掛けて解いていかねばならない。
デリバティブ自体は悪くないのだが、使い方に問題があったのではないか、ということを。
併せて正しい使い方を広めていく必要もあるだろう。
でも。
今日はバクチの日なので、夜の雇用統計に賭けてみたらどうでしょう?
って。
バクチに誘導しちゃいけませんね。
失礼いたしました...