【商品市況概況】
「欧州の火薬庫」
昨日の商品価格は軒並み暴落した。というよりも一部の債券を除く殆どの商品が暴落している。材料は明確に欧州の財政危機。ギリシャ一国で済めば良いのだが、ポルトガル、スペイン、アイルランドといった欧州諸国の財政危機が叫ばれており、これに伴う信用不安の再度拡大が欧州通貨を軒並み押し下げ、ドルを押し上げることとなった。結果、ドル建資産に売り圧力(保有していた買い持ちポジションの解消)が掛かったと見られ、殆どの商品が下落している。
今回の欧州諸国の財政悪化は、域内の信用不安が高まることを示唆しており、転じて欧州金融機関の不良債権拡大に伴う信用不安の拡大を意味し、いくら低金利が継続されているとは言え、安心してリスク資産への投資(貸し出しを含む)が出来なくなる可能性があることを意味している。週の初めは経済統計がどこまで改善し、ファンダメンタルズの回復度合いを確かめる週になると考えていたが、それを完全に吹き飛ばしてしまう状態となっている。そういった意味で今週末のG20は重要な会合になるといえる。また、同時に「政策」が価格に与える度合いが高まっていることから、今晩の雇用統計は以前程の重要性を持たないと考えている。一応整理すると、昨年の悪天候の影響で雇用者数が大幅に減少した12月からの戻りや、10年に1度の国勢調査に関わる雇用需要発生に伴い、今晩の統計はプラスになることが予想されているが、皆さんご存知の通りで統計がよければ金利引き上げ(欧州の話もあるのでしばらくありませんが...)によるドル高進行で商品価格にはマイナスのインパクト、統計自体が悪ければやはりマイナスのインパクト、と整理できる。
しかしながら総じて景気は新興国中心に回復していること、かつ、国が破綻した場合の世界経済に与える影響が甚大であることを考えると、ECBはなんとしてもこの問題を食い止めるものと予想されるため、下落は一時的なものになると考えている。
【経済関連ニュース】
・12月独製造業受注 前月比▲2.3%(前月改定+2.7%(速報比▲0.1%))。
・英中銀、2,000億ポンドの資産買取プログラムを停止。政策金利のレポ金利を0.5%に据え置き。
・Q409米労働生産性速報 前期比年率+6.2%(前期改定+7.2%)。単位労働コスト指数 ▲4.4%(前期改定+5.5%)。
・12月米製造業受注額 前月比+1.0%(前月改定+1.0%(速報比▲0.1%))。
・米週間新規失業保険申請者数 480千人(前週改定472千人(速報比+2千人))。
・ECG 政策金利を1%で据え置き。
・スペイン ザパテロ首相「スペインの財政赤字は景気刺激策の結果であり、妥当なものである」
・ポルトガル テイシェイラ財務相「財政赤字のし憂い準を、ユーロの基準である3%に引き下げる計画の実施に尽力している」
・米ガイトナー財務長官「ファンドに対する課税強化を推進」
【株・為替】
NY Dow :10,002.18(▲268.37)
S&P500 :1,063.11(▲34.17)
NIKKEI225 :10,355.98(▲48.35)
Dax :5,533.24(▲138.85)
FT250 :9,223.84(▲193.97)
Sensex :16,224.95(▲271.1)
Shanghai A :3,140.975(▲9.029)
Brazil Bovespa :63,934.0117(▲3,174.551)
JPY/USD :89.11(▲2.01)
USD/EUR :1.376(▲0.0154)
・ドルは対ユーロで急上昇。ギリシャに端を発する欧州諸国の財政危機問題の拡大を受けて。ギリシャの後にはポルトガル、スペイン、アイルランドなどが控えており、ECBによる火消しが追いついていない状態。また、円も対ドルで大幅に上昇。キャリートレードの撒き戻しによって。
・日本株は下落。トヨタ自動車のリコール問題の拡大や、各国の財政不安の高まりといった材料を受けて。米株は大暴落。欧州諸国の財政不安の高まりに伴う再度の信用不安の高まりや、米失業保険申請者数の増加、米労働生産性の改善が確認されたものの、単位あたりコストは低下しており、依然として労働環境は厳しい等のマイナス材料も多く、辛うじて1万ドルを維持したが、一時1万ドルを下回るレベルまで水準を下げる展開となった。
【穀物】
Cbot Wheat :475.75(+6.75)
Cbot Corn :354.00(+1)
CSCE Sugar :27.64(▲0.94)
【貴金属・非鉄金属】
Comex Gold :1,062.40(▲49)
Comex Silver :1,535.00(▲96.7)
Nymex Platinum :1,515.3(▲60.9)
Nymex Palladium :408.4(▲28.4)
Copper 3M :6,390.00(▲200:22.5C)
昨日の銅価格は下落した。LME在庫は▲1,050Mt減少、(FSCは10.9日)、(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は23,717枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。
Zinc 3M :2,021.00(▲71:11.5C)
昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫は▲25Mt減少、FSCは16.9日(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は7,304枚。
Lead 3M :1,964.50(▲56.5:19C)
昨日の鉛価格は下落した。LME在庫は+50Mt増加、(FSCは7.0日、キャンセルワラント率は9.8%。)。売買高は2,976枚。
Aluminum 3M :2,044.00(▲39:31.75C)
昨日のアルミ価格は下落した。LME在庫は▲6,050Mt減少、(FSCは48.6日)。(キャンセルワラント率は5.5%)。売買高は11,548枚。
Nickel 3M :17,725.00(▲625:73C)
昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫は+498Mt増加、(FSCは48.5日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は4,216枚。
Tin 3M :16,175.00(▲425:59C)
昨日の錫価格は下落した。LME在庫は▲55Mt減少、(FSCは26.6日)、キャンセルワラント率は8.23%。売買高は517枚。
【エネルギー】
WTI :73.14(▲3.84)
Brent :72.13(▲3.79)
【ひとりごと】
朝青龍が引退してしまいましたね。
今回の件は、一般の人に被害を与えてしまった(事実は良く分かりませんが...)ということで
止むを得ないと思っているが
彼の評価は賛否両論あるが
個人的には大好きな力士だったので、非常に残念である。
確かに、相当勝手なことをしていたわけだが
彼の登場で相撲は俄然面白くなったと思う
土俵の上でも下でも態度は悪かったけど
相撲の一番一番には命を掛けていたので
本当に面白かったし、見ごたえがあった。
あんなに沢山の技を持った力士もいなかったと思うし。
今後も日本の相撲のために協力して欲しいけど
多分、無理だろうなぁ。
この記事書いたときに書かなかったんだが、コモディティ的な視点で見たとき
結構この問題は大きいと思っている。
日本では実はあまり知られていないが、モンゴルは資源が豊富で、銅、石炭、金、タングステン、ウラン等の埋蔵量は多いのだ。
希少金属も豊富に取れる。
しかも日本から近い。
よく言われているが、朝青龍はモンゴルの英雄でもし彼が言っていたように本当に帰国して大統領になったとしたら、どうなるだろうか?
ハイテク製品の生産に必要な希少金属の供給国の1つになる可能性が高いモンゴルと、関係が悪化したとしたら...
実は大変なことになるのではないだろうか。
今回の騒動は、経済的に小さなことにならないかもしれない。
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今年の年末の原油、金、非鉄金属の価格はいくらになると思いますか?
このブログの読者の方はどう思っていらっしゃるのでしょうか?
是非、コメントでご投稿下さい。
「ブログ内コンセンサス」を作ったら面白いかな、と思いまして...
この問いかけに何名かの方が回答をしてきてくださっています。
私の予想も加え以下にコンセンサスを毎日掲載することにします。
どしどし投稿下さい。
2010年末 ブログ・コンセンサス
原油 93
金 1,358
銅 7,250
アルミ 2,600
亜鉛 2,300
ニッケル 20,000
鉛 2,100
錫 15,000