キリン・フリー

【商品市況概況】
「リスク回避の動きが穏やかに?」
 昨日の商品価格は貴金属、穀物が上昇、それ以外は軟調な推移となった。先進国の景気回復への懸念から「新たな対策が実施されるまで、または、今後の方向性が見えるまで」の間のリスクテイク回避の動きが商品市場では継続した。そもそも流動性が低い商品であることから、そういった流れができると影響を受けやすい。その一方でもう一つのリスク資産である新興国株は軒並み上昇している。
 市場は悪い材料に反応し易くなっているものの、深刻な景気の二番底入りの可能性は低いと見ているため下がったとしても結局しっかりとした買いが入っているようだ。また、FRBの金融緩和継続に伴う資金調達不安の後退が、投機の買いを誘発している可能性は否定できない。まとめれば「リスク回避の動きは見られるものの、穏やかになってきている可能性が高い」ということである。
 穀物はロシアの作付面積大幅減少の見通しと、12月以降も輸出が再開されないかもしれないとするメドベージェフ大統領の声明を受け、特に投機筋が買い持ちを急速に増加させている。また、在庫の減少が継続している銅のCFTC投機家ポジションが急速に買い持ち幅を拡大させている点には注目したい。恐らくこの数日間の市場のリスク回避の動きを受けて、この買い持ちポジションは売り閉じられることになると思うが、「ミクロ(≒個別需給要因)」が投機筋に買いを促すと見られることから下値は堅いだろう。

 今後については引き続き、新興国需要のバロメーターである新興国株の動きに注目したい。中国は固定資産投資や工業生産の鈍化が確認されているが、あくまで鈍化でありマイナスではない。このあたりの意見は相当分かれるところであるが、悲観するほどのマイナスにはまだならないであろう。このコラムでは人口ボーナス論の考え方を支持しているが、中国の人口ボーナスは既に2010年でピークを迎えている。そのため経済成長が鈍化するのはある意味自然であるが、人口ボーナスの効果が期待できなくなるなくなるのは2030年(労働人口が老年人口の2倍を下回るタイミング)と予想されており、そこまでは潜在的な経済成長率はプラスの状態が続き、商品相場にプラスの影響をもたらし続けるだろう。ちなみにインドは2040年に「ピーク」を、ブラジル、メキシコ、トルコ、インドネシアベトナムは2020年にピークを迎える見込みである。各国のピーク時に、商品需要の顕著な増加がみられると考えている。ちなみに米国は今年で2倍を下回り低成長時代に突入する可能性が高い。さらにちなみに日本は1990年でピークを過ぎ、2倍を大きく下回る1.80となっている(そりゃ低成長ですよね...)。
※過去の人口ボーナスの記述に若干誤りがございましたので、今回のコメントで修正させていただきます。


【経済関連ニュース】
・Q210香港GDP 前年比+6.5%(前期改定+8.0%(速報比▲0.2%))。
・Q210独GDP 前期比+2.2%(前期改定+0.5%(速報比+0.3%))。輸出好調で。
・Q210仏GDP 前期比+0.6%。
・Q210スペインGDP 前期比+0.2%。
・Q210ユーロ圏GDP 前期比+1.0%(前期改定+0.2%)。
・7月米小売売上高 前月比+0.4%(前月改定▲0.3%(速報比+0.2%))。
・7月米CPI 前月比+0.3%(前月改定▲0.1%)。コア指数 +0.1%(前月改定+0.2%)。
・8月米ミシガン大学消費者マインド指数 69.6(前月改定67.8)。先行指数 64.1(前月改定62.3)。
・6月米企業在庫 前月比+0.3%(前月改定+0.2%(速報比+0.1%))。
・6月米企業売上高 前月比▲0.6%(前月改定▲1.2%)。売上高在庫比率1.26ヶ月(前月改定1.25ヶ月)。


【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,303.15(▲16.8)
S&P500   :1,079.25(▲4.36)
NIKKEI225 :9,253.46(+40.87)
JPY/USD :86.2(+0.3)
USD/EUR :1.275(▲0.0075)
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):23.22(▲0.4)

・ユーロは対ドルで上昇。欧州オープンからリスク回避の動きでドルが物色され、ユーロは下落した。その間発表された欧州経済統計の好転は略無視された格好。円は対ドルで下落。当局の介入に関するコメントが嫌気された。
日本株は反発。円高を材料に激しく売り込まれてきたことから、円の反落を材料に値ごろ感からの買いが入った。米株は結果的に小幅安。景気刺激策と経済統計の悪化/好転と言った強弱材料が混在、方向感なくもみ合った結果前日比マイナスであった。


穀物市場サマリー】
Cbot Soybean :1,052.00(▲5)
Cbot Wheat :702.50(▲10.5)
Cbot Corn :411.75(+5.5)
CSCE Sugar :19.42(+0.45)

・大豆価格は小幅上昇した。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが424,807(前週比 +37,502)、ショートが114,341(前週比 ▲13,313)となったことから、ネットで310,466(前週比 +50,815)となった。インデックスファンドのポジションは503,637(前週比 ▲300)となっている。
・トウモロコシ価格も下落。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが166,523(前週比 +14,208)、ショートが38,449(前週比 ▲2,211)となったことから、ネットで128,074(前週比 +16,419)となった。インデックスファンドのポジションは191,074(前週比 +3,977)となっている。
・小麦価格は下落。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが116,453(前週比 +3,193)、ショートが89,496(前週比 ▲3,222)となったことから、ネットで26,957(前週比 +6,415)となった。インデックスファンドのポジションは205,931(前週比 ▲3,423)となっている。

非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,214.90(+0.1)
Nymex Platinum :1,526.2(▲5.4)
Baltic Dry Inex :2,468.00(+31)
Iron Ore :148.3(UC)
Chrome(クロム) :10,800(+300)
Cobalt(コバルト) :19.0(▲0.75)


 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが224,485(前週比 +1,781)、ショートが33,798(前週比 ▲3,391)となったことから、ネットで190,687(前週比 +5,172)となった。銀はロングが42,597(前週比 ▲588)、ショートが6,863(前週比 +133)となったことから、ネットで22,540(前週比 ▲834)となった。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、プラチナはロングが19,445(前週比 +2,248)、ショートが1,879(前週比 ▲1,438)となったことから、ネットで17,566(前週比 +3,686)となった。パラジウムはロングが40,232(前週比 +2,248)、ショートが23,586(前週比 ▲1,438)となったことから、ネットで18,274(前週比 ▲3,945)となった。


Copper 3M :7,156.00(▲99:23.75C)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫は▲525Mt減少、(FSCは8.0日)、(キャンセルワラント率は5.0%)。売買高は12,440枚。C-3(Cash vs 3M Fwd)は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、銅はロングが40,232(前週比 +2,248)、ショートが23,586(前週比 ▲1,438)となったことから、ネットで16,646(前週比 +3,686)となった。

Zinc 3M   :2,047.00(▲9:28.75C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫は▲125Mt減少、FSCは18.8日(キャンセルワラント率は10.4%)。売買高は5,878枚。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。

Lead 3M   :2,057.00(▲43:26C)
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫は▲175Mt減少、(FSCは7.7日、キャンセルワラント率は1.7%。)。売買高は2,188枚。C-3は26ドルコンタンゴと前日と変わらず。

Aluminum 3M :2,110.00(▲53.5:8.75C)
 昨日のアルミ価格は下落した。LME在庫は▲1,850Mt減少、(FSCは42.3日)。(キャンセルワラント率は4.4%)。売買高は10,580枚。C-3は9ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。

Nickel 3M :21,275.00(▲150:67.5C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫は+306Mt増加、(FSCは31.9日)、キャンセルワラント率は5.0%。売買高は1,900枚。C-3は68ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。

Tin 3M   :20,800.00(+250:200B)
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫は▲265Mt減少、(FSCは12.7日)、キャンセルワラント率は4.0%。売買高は280枚。C-3は200ドルバックとバック幅を拡大した。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :75.39(▲0.35)
Brent :75.11(▲0.41)

IEA月報
2010年石油需要 86.6MBD(前年比+2.2%、+1.8MBD)、2011年(前年比+1.5%、+1.3MBD)。景気見通しの見直しで。もしベースケースを下回れば、2010年、2011年の需要増加は+290KBD、+1.2MBDとなる見込み。
7月原油生産 87.2MBD(前月比+850KBD)。ノルウェー油田のメンテナンス終了とOPEC増産で。
2010年Non-OPEC供給 52.6MBD、2011年52.9MBD。
7月OPEC供給 29.2MBD(前月比+220KBD)。ナイジェリア、UAEの増産で。Call on OPECは2010年が28.8MBD、2011年が29.1MBDの見込み。NGLsは2011年が5.9MBD(前回調査時比+600KBD)。
Q210製油所処理量 73.9MBD(前期比+425KBD)。欧州の稼働率改善で。Q310の処理量は74.7MBD(前年比+1.1MBD)の見込み。
6月OECD在庫 2,760MB(前月比▲0.8MB)。7月は+21.5MBの見込み(季節要因で)。



【ひとりごと】
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朝からキリンのフリーを飲んでいるのだが
ビールじゃないんだけど、なんだかすごい罪悪感がある



わが相棒はこのフリーとからあげくんを食べるのが好きだ
業務時間中に



別に何も悪いことしてないんですけど
ビール風味飲料だって言うだけで、個人的にはすごい罪悪感を感じる
これって皆おんなじ何だろうか?



社則に厳しい日本の企業(うちも日本企業ですけど)は
朝からフリーをデスクで飲んでたら
やっぱり部長さんとか課長さんに怒られるんでしょうか?



ま、いいや。今は自宅なので、もう一本飲もうっと。
え?別に一本じゃなくても良いんじゃないかって?
そりゃそうですね。じゃあ二本飲んどきます。