リレー小説-第63話

【商品市況概況】

「過剰な悲観論後退、投機買戻しで上昇」

昨日の商品市場は上昇した。英国市場が休場だったが、米国市場では引き続き原油に買い戻しが入り上昇、商品全体のベンチマークである原油価格の上昇を受け、商品全体に買戻し機運が強まった。



※グラフはこちらのリンクからどうぞ。
http://www.marketrisk.co.jp/topics/

※MRA's Eyeは月・水・金の週3回の更新となります。"

...続きは、以下のリンクからメルマガ(有料)にご登録頂くことでバックナンバーでご確認いただけます。


※市場分析に役立つチャート類はこちらから(随時更新)→ http://www.marketrisk.co.jp/topics/
※詳細なレポートは、MRAリサーチ作成の、「MRA商品レポート for PRO」でご確認いただけます。
 お申込みはこちらから→http://www.mra-research.co.jp/report/#pro
 バックナンバーはこちらから→http://www.mra-research.co.jp/backnumber/
※無料メールマガジンの登録はこちらから
⇒ http://www.mra-research.co.jp/contact/#mm
ツィッターも始めました NaohiroNiimura


【雑感】

【リレー小説-第63話】

早いもんです。リレー小説です。

「私が、私ではないときがある」

茉実は自分で再び確認するように、思春期に入ってから何度も
自問自答してきた言葉を繰り返した。
それに気が付いたのは高校生になってからのことだ。
たしか高校1年の春の部活の帰り、華道部に所属していたのだが、
部活の帰りに記憶がなくなり、気が付くと家にいた。

しかも体中、あちこちが痛む。華道部では集中力を高めるために
体力は必要、との初代部長の考えが今でも残っており、
ランニングなどのトレーニングが練習の中に組み込まれているが、
明らかにそれによる筋肉痛とは違う。
自分の身に覚えがない体の痛みは、比較的定期的に訪れるので、
何か体の不調によるものかと思い、医者にもかかった。
しかし診断結果は「ただの筋肉痛」だった。


しかし自分としては納得がいかない。
明らかにこんなところが筋肉痛になるはずがないのだ。
しかし、記憶が飛ぶ瞬間が頻繁に訪れるようになると、
自分の体に変化が起きていることに気付いた。
明らかに身体能力が改善している。
いや、体つきが以前よりも精悍、というのだろうかがっしりと
してきているのだ。
しかし、だからといって足が速くなったりした訳ではない。
昔の自分と違う、ムダの少ない体になっているのだが、
自分の感覚と体が一致しないのだ。


そしてあの事件は起きた。完全に行き詰まり、
精神的にも追い込まれていた茉実は、ネットで調べてカウンセラーに
診てもらうことにした。
場所は新宿の歌舞伎町の奥まったところにある。
ここであれば普段の私を知る人はいないはずだ。


「どうしましたか」
「記憶が飛ぶときがあって、その後は決まって筋肉痛がひどいんです。
原因が分からなくて、もう精神的にもいっぱいで...」
「そうですか...ウチのカウンセリングでは催眠術を掛けて、記憶が
ない時の記憶を探ることができます」
「そんなことができるんですか?」
「やってみましょう」

いうが早いか、カウンセラーは目の前に懐中時計をぶら下げた。
それが左右に揺れる中で茉実は深い眠りに落ちた。

30分ぐらいだろうか。茉実は深い眠りから目を覚ました。

「先生?」

カウンセラーが見当たらない。

「先生?」

と、立ち上がると何かに躓いた。

「先生!!」

そこには先ほどまで話をしていた先生が、
二度と口をきけない状態になって横たわっていた。
あり得ない方向に首を曲げて。

「...何!?」
(続く)