新・飛行機に乗るとツイてない-その1

【商品市況概況】
「なんもいえねぇ」
 昨日の商品価格は上昇している。注目の米雇用統計が発表されたが、雇用者数の減少幅が市場予想を下回ったこと、失業率も市場予想を下回ったことからこれを好感して買いが入った。しかし同時に、雇用者数が水面上に出てきておらず失業率も結局のところ前月と変わらないことから「良い統計」とはいえず、米低金利政策が継続するであろうとの見通しが強まったことから結局ドル安が進行、商品価格の押し上げ材料となった。まとめれば、昨晩の米雇用統計の内容を受けてファンダメンタルズの相場にはまだ戻れない、ということである。今回の雇用統計のポイントは、米異常気象の雇用への影響度合いが不明なところである。おそらく来月の統計で今月の速報値は修正され、正しい水準が提示されることになるだろうが、今回の統計だけでは「なんもいえねぇ」状態であったと言える。よって、金融相場が継続していると言え、商品価格のさらなる上昇をサポートできるような材料にはならなかった。原油非鉄金属価格は、金融材料だけで高値で推移するのは難しく再び下値余地を探る動きとなるのではないだろうか。ただし一転。上下動を繰り返しながら商品相場はその水準を切り上げていること、亀井の日銀の国債直接購入発言等を受けて日本の金利は低下、ドル安が進む可能性があること、は強く指摘しておきたい。


【経済関連ニュース】
・中国温家宝首相、GDP8%成長、インフレ率3%を目標に。不動産の投機取引取り締まり強化を表明。
・1月独製造業新規受注 前月比+4.3%(前月改定▲1.6%(速報比+0.7%))。
・2月米雇用統計 非農業部門雇用者数 前月比▲36千人(前月改定▲26千人(速報比▲6千人))。失業率9.7%(前月改定9.7%)。不完全雇用率16.8%(前月改定16.5%)。
・1月米消費者信用残高 前月比+50億ドル(前月改定▲46億ドル(速報比▲29億ドル))。
・ECBトリシェ総裁、「出口戦略は政策金利の変更を意味するものではない」


【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,566.20(+122.06)
S&P500   :1,138.70(+15.73)
NIKKEI225 :10,368.96(+223.24)
JPY/USD :90.4(+1.29)
USD/EUR :1.361(+0.0026)


・ドルは対ユーロで下落。注目の雇用統計が市場予想を上回る内容であったことから統計直後はドルが上昇したものの。が材料となり、ドルは上昇した。円は雇用統計を受けて大幅に下落している。
日本株は大幅に上昇。政府要人の発言に伴う日銀のさらなる金融緩和実施観測が強まったことや、米企業決算の好転が材料となった。米国株は大幅に上昇。注目の雇用統計が市場予想を若干上回ったことや、やはりさほど良い内容ではないことから低金利政策が継続するとの見方から大幅な上昇となった。


穀物市場サマリー】
Cbot Wheat :482.25(▲8.25)
Cbot Corn :364.75(▲7.25)
CSCE Sugar :22.19(+0.52)




非鉄金属・貴金属】
・チリCodelco、El Teniente鉱山の銅運搬再開。鉄道被害の影響でトラックを使用。
JFE、Q210の原料炭価格、55%値上げでBHPと合意。

Comex Gold :1,135.20(+2.1)
Nymex Platinum :1,579.1(▲4.5)

・NY金は上昇した。注目の雇用統計は市場予想を上回る内容であったものの、やはり良い内容であるとはいえず、米低金利政策継続観測の強まりから上昇。その後、引けにかけて若干ドルが強含んだことから水準を切り下げる動きとなった。今後も投機資金の買いが続くとみられ、足元のドル高はあるものの、政府保有の金増加によって1,400ドルを目指すとみている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,135.20(+2.1)。
 銀価格は大幅に上昇した。金と同様、ドル安と株高の影響を受けた。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,736.20(+20.6)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが239,765(前週比 +6,659)、ショートが32,393(前週比 ▲91)となったことから、ネットで207,372(前週比 +6,750)となった。銀はロングが36,721(前週比 +6,659)、ショートが5,663(前週比 ▲91)となったことから、ネットで16,388(前週比 +5,344)となった。



・NYプラチナ価格は下落した。米雇用統計を受けたドル安の進行で上昇したが、1,600ドルの心理的節目が意識されて結局前日比マイナスで引けた。中期的には、自動車向け触媒需要の回復期待、生産者サイドの生産障害(特に南アフリカは電力事情を背景に回復は緩慢)、の強弱材料が混在するが、総じて需給は供給不足の状態が続くとみられることから上昇すると考えている。ターゲットは1,800ドル。価格の下振れリスクは金融政策急速な変更の可能性と、スクラップの増加であるが、景気悪化に伴う車の使用年限の長期化を材料に、十分な回収品がマーケットに出てくるには時間がかかると予想され、おそらく5〜7年後には大きな規模を締めることになるだろう。昨日の引け(東京時間0:00)は1,579.1(▲4.5)。
 パラジウムは上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は475.4(+13.65)。
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、プラチナはロングが23,711(前週比 ▲119)、ショートが2,608(前週比 ▲22)となったことから、ネットで21,103(前週比 ▲97)となった。パラジウムはロングが38,872(前週比 ▲119)、ショートが23,005(前週比 ▲22)となったことから、ネットで14,371(前週比 ▲1,052)となった。


Copper 3M :7,545.00(+147:31C)
 昨日の銅価格は上昇した。注目の米雇用統計が市場予想を若干上回ったことと、よくよく考えると対して良い内容ではなかったことに伴うドル安の進行が材料となった。上海在庫、LME在庫の大幅な減少、チリ地震の影響が見定め切れていないことも買い支援材料となったようだ。今のところチリの銅山は生産に影響なし、輸送再開、といった声が聞こえているが鉱山内の安全が確認できたわけではないことから当面はアップサイドに振れやすい展開になるだろう。中長期的にも中国国内の需要は堅調に増加するとみられ、生産者側の問題(鉱石の品質劣化、掘削可能地域の不安定さ、開発に要する時間が長いこと)もあり高値での推移となるだろう。ただし、チリ地震の影響終了後は、中国の需要、特に固定資産投資の鈍化の動きが相場を短期的に下押しすると考えている。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは11.0日)、(キャンセルワラント率は5.7%)。売買高は12,745枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。C-3(Cash vs 3M Fwd)は31ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは7,545.00(+147:31C)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、銅はロングが38,872(前週比 ▲119)、ショートが23,005(前週比 ▲22)となったことから、ネットで15,867(前週比 ▲97)となった。


Zinc 3M   :2,349.00(+90:26C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。注目の米雇用統計が市場予想を上回る内容であったこと、引けにかけてのドル安進行が材料となった。この結果、2月末に割り込んだ100日移動平均線を回復するにいたった。中期的には中国の鉄鉱石輸入量増加、鉄鋼製品生産量の増加が見込まれるため、亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。LME在庫は▲350Mt減少、FSCは18.3日(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は6,927枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,349.00(+90:26C)。


Lead 3M   :2,230.00(+60:22.75C)
 昨日の鉛価格は上昇した。雇用統計が市場予想を上回ったことと、ドル安の進行が背景。ただし100日移動平均線を上回る上昇とはなっておらず、在庫水準の高さが価格の頭を押さえているようだ。LME在庫は+1,300Mt増加、(FSCは7.6日、キャンセルワラント率は7.9%。)。売買高は2,697枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は23ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,230.00(+60:22.75C)。


Aluminum 3M :2,230.00(+11:30.25C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。注目の雇用統計は市場予想を上回る内容であったことから統計発表直後に上昇、しかし統計の内容は改めてみてみると良いと言える内容ではなかったことから米低金利政策の継続観測に伴うドル安の進行が相場を押し上げた可能性の方が高いとみている。今後はエネルギー価格の上昇に伴うコスト要因からさらに上昇すると考えている。アルミの主要生産地区である中国、南アフリカ、欧州はエネルギー価格の上昇によって生産コストが上昇(主に電力料金の引き上げや、原材料のアルミナ価格の上昇)しており、生産コストは足元1,900ドル〜2,000ドル程度になっていると考えられる。LME在庫は▲6,850Mt減少、(FSCは45.2日)。(キャンセルワラント率は6.6%)。売買高は10,165枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は30ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,230.00(+11:30.25C)。


Nickel 3M :22,395.00(+95:75C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。材料は他の非鉄金属と変わらず、米雇用統計が市場予想よりも良かったことやドル安の進行。また、カナダ生産者の生産が再開していないことや、ステンレス需要の低迷に伴うファイナンストレードの活発化による実質使用可能在庫の減少も相場の押し上げ材料となっている。LME在庫は▲714Mt減少、(FSCは47.0日)、キャンセルワラント率は1.9%。売買高は1,854枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は75ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは22,395.00(+95:75C)。


Tin 3M   :17,405.00(+150:77C)
 昨日の錫価格は上昇した。雇用統計の若干の改善とドル安進行が材料となった。今後は各国の金融政策動向がが最大の材料であるが、最大生産国インドネシアの生産動向をにらみながら神経質な相場展開になると考えている。尚、LME在庫は年初をピークに減少に転じており、加えてキャンセルワラント率も上昇している。こうしたファンダメンタルズが錫の支援材料になるだろう。LME在庫は+30Mt増加、(FSCは23.7日)、キャンセルワラント率は5.7%。売買高は246枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。C-3は77ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは17,405.00(+150:77C)。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :81.50(+1.29)
Brent :79.89(+1.35)


 昨日のNY原油価格は上昇した。注目の米経済統計が市場予想を上回る内容であったことから統計発表直後に急上昇、結果、今まで抜け切れていなかった81ドルのレジスタンスを上抜けした。ただ、むしろ統計は落ち着いて見てみると雇用環境が改善していることを示すような内容ではなく、引けにかけてドルが弱含み推移したことが相場の支援材料になったと考えている。ただ、今回の雇用統計で失業率が市場予想よりも低めであったことから景気は緩やかに改善しているといえ、相場にとっては緩やかにプラスの材料となるだろう。イールドカーブは期近が上昇しブルフラットニング。直近限月の騰落率は+1.6%。昨日の引けは81.50(+1.29)。
 Brentは上昇した。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.7%。昨日の引けは79.89(+1.35)。
 WTI/Brentのスプレッドは1.61のポジティブスプレッドとなっている。"

 RBOBは上昇した。原油価格の上昇を受けて。ただ、ここ数週間の米ガソリン需要の回復のペースが速く、FSCが徐々に5年レンジに近づいてきており、ファンダメンタルズが改善してきているようだ。RBOBは当面強いパフォーマンスを維持することになるだろう。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.6%。昨日の引けは227.10(+3.73)。
 ヒーティングオイルは上昇した。イールドカーブはパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.3%。昨日の引けは209.74(+2.87)。
 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+1.4%。昨日の引けは651.50(+9.5)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、原油はロングが255,659(前週比 +7,936)、ショートが164,242(前週比 +1,871)となったことから、ネットで91,417(前週比 +6,065)となった。RBOBは、ロングが80,253(前週比 ▲612)、ショートが9,926(前週比 +3,564)となったことから、ネットで70,327(前週比 ▲4,176)となった。ヒーティングオイルは、ロングが48,779(前週比 ▲874)、ショートが24,944(前週比 +3,514)となったことから、ネットで23,835(前週比 ▲4,388)となった。天然ガスは、ロングが86,997(前週比 +10,453)、ショートが257,664(前週比 +14,829)となったことから、ネットで▲170,667(前週比 ▲4,376)となった。



【ひとりごと】
またしても飛行場でやってしまった。
いつだったか、会社の出張でタイに行ったときのこと。
出かける前にカミさんに



「帰りの航空券をなくさないように」



と忠告された。
そう、そうなのです。私よくチケットなくすんです。なぜか帰りの。
別の会社で働いていたときも、北陸に出張して帰りの航空券をなくしたことがあったし。
なので、今回こそはなくさないようにと十分注意を払うことにした。

ところが、である。
チェックインを済ませ、手荷物検査場に。
小職、知らなかったのだが飛行機の中に液体を持ち込むときはなにやらビニール袋に入れなければならない、とのこと。
私が持ち込んだ携帯用髭剃りクリームが引っかかった。
空港の係員に呼び止められる。



係員「手荷物空けますね」
私「はい」
係員「液体物は持っていますか」
私「ええと...髭剃りのクリームが」
係員「そうですか...」



で?
どうすればいいの?
(後で知ったけど)袋が必要ならそうと早く言って欲しい。
しかし彼は神妙そうな面持ちで髭剃りクリームを手にし、私とクリームを交互交互に見ている。
そりゃね、Shickの髭剃りのおじさん並にヒゲが生えてますけどね
そんなに交互交互に見ないでもいいんじゃないの!?


で?
どうすりゃいいの。



私「どうすればいいですか?」
係員「外でビニール袋を買ってきてください。1枚40円」



ンもう。
そうならそうと早く言えッ!


で。


外でビニール袋を買って、今回は咎めはないだろうと颯爽と手荷物検査場を通過。
私、小人物なのでさっきの係員とは目もあわせたくないので、別のゲートを通ってそそくさと出国手続場に。

出国手続き場には、今年入ったと思われる新人と教官が現場を見せている。
運悪く私はその新人が鈴なりになっているカウンターに誘導された。



係員「パスポートと搭乗券をお願いします」
私「はい。...ハイッ!?」



そう。ないんです。何がないって航空券が。
さっきまで持っていたのに...
(続く)