マインド改善のために

【商品市況概況】
「マインドの悪化」
 昨日の商品価格は穀物を除き、大幅な下落となった。そもそもFRBが景気先行き見通しを下方修正した中、夜間に発表された米消費者マインド指数が悪化したため、市場参加者のセンチメントが悪化し、一気に手じまい売りが入ったためである。この手じまい売りの動き(キャッシュ化の動き)は貴金属にも見られ、金は久しぶりの大幅下落となり1,200ドルを大きく割り込むこととなった。米企業決算は良い内容のものが多かったが相場を押し上げる材料とならなかった。

 市場の方向性を決める上でその重要度が増しているマインド指標の大幅悪化が、昨日の相場の全てであったと言っても言い過ぎではないだろう。このコラムでも何回か採り上げているが、期待と不安とショックと安心が相場を決定している。ただし、夏場以降は経済対策の効果剥落と新興国の金融引き締めの動き、ワールドカップや上海万博の特需終了を受けて「一時的な調整局面入り」する可能性が高いことは、以前から指摘している通りであり、現在の相場下落をそこまで悲観する必要はないだろう。問題は景気が悪化し本当に二番底をつけるのかどうか、ということであるが、現在の景気のけん引役である新興国経済の拡大ペースは鈍化しておらず(中国は鈍化したと言っても二ケタ成長を続けている)、その可能性は低いと考えている。まとめれば、短期的な調整局面に入っていると考えらえ、相場は秋口以降上昇に転じることになるだろう。


【経済関連ニュース】
・6月米消費者物価指数 前月比▲0.1%(前月改定▲0.2%)。コア指数 前月比+0.2%。
・5月対米中長期証券投資 354億ドルの買い越し(前月改定815億ドルの買い越し)。
・7月ミシガン大学消費者マインド指数 66.5(前月改定76.0)。
・6月東京地区百貨店売上高 前年比▲5.5%(前月改定▲1.8%)。
・6月全国百貨店売上高 前年比▲6.0%(前月改定▲2.1%)。
・Q210 BofA決算 減収減益。1株当たり利益は28セントと市場予想は上回った。
・Q210シティ決算 1株当たり利益9セントと市場予想を上回った。



【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,097.90(▲261.41)
S&P500   :1,064.88(▲31.6)
NIKKEI225 :9,408.36(▲277.17)
JPY/USD :86.57(▲0.83)
USD/EUR :1.293(▲0.002)
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):27.91(+0.4)

・ユーロは対ドルで続伸。FRBの景気先行き見通し変更と経済統計の悪化が材料になった。欧州問題は今のところ棚上げされており売買材料となるようなニュースが出ていない。円は上昇。米景気の失速懸念から。
日本株は大幅に続落。米経済統計の悪化と円高の進行で。米経済統計の悪化やそれに伴う大幅な円高進行が輸出関連株の売りを促した。米株は大幅に下落。米銀決算は市場予想を上回る内容であったものの、FRBの景気先行きに関する見通しの変更や、消費者マインド指数の大幅悪化と言ったマイナス材料を受けて大幅な下落となった。



穀物市場サマリー】
Cbot Soybean :1,019.50(+0.5)
Cbot Wheat :587.25(▲9)
Cbot Corn :394.75(+2.25)
CSCE Sugar :17.11(▲0.28)

・大豆価格は上昇した。
 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが297,391(前週比 +41,088)、ショートが146,818(前週比 ▲36,168)となったことから、ネットで150,573(前週比 +77,256)となった。インデックスファンドのポジションは466,822(前週比 ▲5,232)となっている。

・トウモロコシ価格は上昇。
 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが116,454(前週比 +19,584)、ショートが52,918(前週比 ▲30,929)となったことから、ネットで63,536(前週比 +50,513)となった。インデックスファンドのポジションは175,212(前週比 +5,932)となっている。

・小麦価格は小幅下落。
 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが87,494(前週比 +5,517)、ショートが104,421(前週比 ▲12,773)となったことから、ネットで▲16,927(前週比 +18,290)となった。インデックスファンドのポジションは215,407(前週比 +2,377)となっている。



非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,188.20(▲20.1)
Nymex Platinum :1,508.4(▲21.5)
Baltic Dry Inex :1,720.00(+20)
Iron Ore :117.9(+0.1)
Chrome(クロム) :10,600(UC)



Copper 3M :6,485.00(▲195:16.25C)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫は▲1,300Mt減少、(FSCは8.3日)、(キャンセルワラント率は7.6%)。売買高は13,376枚。C-3(Cash vs 3M Fwd)は16ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、銅はロングが31,820(前週比 +200)、ショートが27,462(前週比 ▲1,973)となったことから、ネットで4,358(前週比 +2,173)となった。
Zinc 3M   :1,796.50(▲11.5:26C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫は+800Mt増加、FSCは18.8日(キャンセルワラント率は3.7%)。売買高は5,961枚。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
Lead 3M   :1,770.00(▲28:18.25C)
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫は▲725Mt減少、(FSCは7.6日、キャンセルワラント率は6.9%。)。売買高は2,020枚。C-3は18ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
Aluminum 3M :1,978.00(▲38:18.5C)
 昨日のアルミ価格は下落した。LME在庫は▲6,575Mt減少、(FSCは42.2日)。(キャンセルワラント率は6.0%)。売買高は11,024枚。C-3は19ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
Nickel 3M :18,950.00(▲450:64.5C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫は▲492Mt減少、(FSCは32.4日)、キャンセルワラント率は4.5%。売買高は2,018枚。C-3は65ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
Tin 3M   :17,750.00(▲180:15.5C)
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫は▲115Mt減少、(FSCは14.6日)、キャンセルワラント率は7.36%。売買高は176枚。C-3は16ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :76.01(▲0.61)
Brent :75.37(▲0.3)



【ひとりごと】
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現在、堅調に推移していた株価や商品価格が再び下落に転じている。
要は先行き不安によるもの、ってことなのだが
この時期に相場が調整する可能性があるのは、以前から言われていたことだ
なので、あまり神経質になる必要はないように思う。
(相場の変動で神経質になりたくないので、持っている人が売っているとも言えるんですけど)。



相場の見通しを語るようになってもう長くなるが
最近少し思うのが、「株が上がって困る人はあんまりいない」ということである。
さらに思うことは、株価が上がると世界中の人々のマインドが好転して、景気が良くなるってことである。



ってことは、やっぱりコメントは前向きというか、ブル目のコメントをしていた方がよいのだろうか?
いや、相場が上がりますよというよりは「こうすれば良くなります」的なコメントをしていると、結果的に相場にプラスのインパクトを与えられるんじゃないだろうか?
と、思ったりする訳です。
下げに不思議の下げなしの格言通り、下がる時の材料を探すのは結構簡単なんですよね。
ですが、上がるための材料を探すのって結構大変なのです。どんな時でも。



日本経済のためには前向きなコメント!
と、思うんだけど、私そもそも相当悲観主義なので、前向きなコメント苦手なんですよね...
でも、頑張って前向きなコメントできるように心がけますです。
と、マインド指標が相場を動かしているので、ちょっと思ったことを書いちゃいました。



今週もお疲れさまでした。
来週も暑いですが頑張りましょう!
お父さんは家族サービスの月が始まりますね。こちらも頑張りましょう!