司馬江漢

【商品市況概況】

「強弱材料混在。もみ合い」

昨日の商品市場は高安まちまちであった。EFSF拡充案の独議会の承認、欧州企業景況感の悪化、米失業保険申請件数の減少、米GDPの改善、リスク回避の流れ継続、といった強弱材料が混在する中、期末間際ということもあって積極的な売買は手控えられたようだ。


エネルギーは原油が上昇している。アジア時間から独議会のEFSF承認への期待が高まりリスク資産が物色される流れの中で原油も買い戻しが入って上昇することとなった。その後、米失業保険申請件数が雇用環境の良否を判断する上での節目となる40万人を下回ったこと(しかし米労働省は同統計が季節調整がうまくいかず、エラー値である可能性があることを示唆)、過去の統計であるが米GDPが市場予想を上回る改善となったことから上昇幅を拡大する展開となった。しかし、中古住宅販売は不冴えであり、欧州問題も引き続き予断を許さない状況が続いていることもあり、上値は重かった。石油製品も略同様の展開となったが、やはり最終消費の減少観測が根強く、昨日は殆どの製品が下落している。現在の最終需要動向は、石油製品価格を見るのが最も適当だろう。


ベースメタルは高安まちまち。欧州問題の進捗とドル安進行を受けて総じて堅調な推移であったが、欧州景況指数の悪化で下落、米GDP改善で上昇と、統計を細かく折り込む展開であった。しかしながら中国政府当局はインフレ抑制スタンスを大きく変更しておらず、更に10月の大型連休を控えて買い手不在の中、頭重い推移となった。貴金属も高安まちまち。強弱材料が混在する中、期末を控えたポジション調整取引に終始したものと見られる。


今のところ「欧州危機」懸念は若干とおのいているようであり、市場は落ち着きを取り戻しつつあるが、10月のギリシャ国債償還を乗り越えても12月には償還のこぶがあるため、結局のところ欧州問題は年内一杯、相場のかく乱要因となることが予想され相場は極めて高い変動性を維持し続けるものと考えられる。



「ダウンサイドのリスクは大きく」

商品価格は欧州不安の若干の後退で戻りを試す展開となっている。しかしながら...


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コモディティインデックス】

MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):35.49(+0.30)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):293.50(+0.29)




【雑感】

義父から本を借りた。
経済関連の本ではなく、「安藤広重」の話だ。



なんでも、「安藤広重東海道五十三次は、他人の模写である」という衝撃的な内容のものだ。
読んでいる本によれば、原版は司馬江漢という人の書いた洋画らしい。
江漢は江戸時代の後期の、いわゆる知識人で
絵画のみならず探鉱や天文等、全ての分野に精通した人物である。
イメージ、平賀源内に近い。
恐らく広重好きな人からすると、全く認めたくない意見だとは思うが
少なくとも本を読んでいる限りでは、著者の人が言っていることの方が正しいように思う。



でも。



その本には、江漢の絵と広重の版画が並べて掲載されているのだが
個人的な好みを言えば「広重の勝ち」である。



圧倒的な透明感と空間の広がり
色の濃淡の付け方の妙
活き活きとした江戸時代の人々の息吹



どちらも感じることができるのは広重の方だ。
構図はそっくりだが、全くの別物という印象である
何となく、「オリジナルを超える物を造ることのできる日本人の本質」を見たような気がした。
長らく景気が良くないが、餅は餅屋の発想で日本人の原点に戻ってみるのも良いかも知れない



しかし、江漢とか平賀源内とかダビンチとか
天は一物も二物も与えてたんだなぁ、ということもなんだか考えさせられるものがあった。