叩いてみる

(商品市況概況)
「金融安定化法案を巡って不安定な推移か」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した(金は上昇)。米金融安定化法案の成立が難航しているほか、米貯蓄大手ワシントン・ミューチュアルの破綻報道を受けて再び信用懸念が再燃、米GDPの下方修正もあり水準を切り下げる動きとなった。フォルティスの経営悪化懸念報道も、地合いを悪化させている。足許の商品価格への影響の度合いをまとめると、「金融安定化策」>「為替レート」≧「ファンダメンタルズ」、といったイメージである。引き続き政策リスクが商品相場に大きな影響を与えると考えておきたい。

(経済関連ニュース)
・Q208仏GDP確定 前期比▲0.3%。5年ぶりのマイナス成長。
・Q208米GDP確定 前期比+2.8%(前期改定+0.9%)、市場予想+3.3%。
・9月独CPI 前年比+3.0%(前月改定+3.3%)、市場予想+2.9%。
・9月ミシガン大学消費者マインド指数確定 70.3(速報比▲2.8)、前月改定63、市場予想70.8。
・中山国交大臣辞任。
・米ワコビアの身売り問題、シティとウェルズ・ファーゴが名乗り。
・英住宅金融大手B&B、国有化。
・米金融安定化法案、28日未明に大筋合意。但し当初の7,000億?一括投入ではなく、分割投入の方式となった。金融機関の役員報酬に一部制限も。

・ドルは対ユーロで略変わらず。NY時間早朝は金融安定化法案成立が難航していることや、米最大の貯蓄・貸付組合であるワシントン・ミューチュアルが破綻したことなどからドルが弱含んでいたが、欧州金融機関の一部にも悪影響が出ていることから引けに掛けてはドルが買い戻された。こうした海外の混乱を背景に円はキャリートレードアンワインド等で上昇した。
日本株は下落。世界景気の減速懸念に加え、中国がValeからの鉄鉱石購入をしばらく見送ると決定したことなどからばら積船運賃が大幅下落したこと等が嫌気された。米国株は上昇。金融安定化策の協議で合意が近いと見られたことが材料視された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は続落。米ワシントン・ミューチュアルの破綻や米GDPの悪化、大豆育成が順調であることを背景としてファンダメンタルズの弱さを映じて軟調な推移となり、10日移動平均線を割り込んで引けた。引き続き11?を下値として小動きが続いている。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。
・トウモロコシ価格も続落。大豆と同様、GDPの悪化や金融機関の破綻等で地合いが悪い中、引けに掛けてドルが買い戻しにより強含んだことから軟調な推移となった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。
・小麦価格も下落。米金融安定化策の合意難航や金融機関の破綻等で地合いが悪い中、米GDPの悪化、週末を控えたドルの買い戻しといったマイナス材料の噴出で水準を切り下げる動きとなった。これにより10日移動平均線のサポートラインを割り込むこととなった。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。米金融安定化策の成立が難航していることや、ワシントン・ミューチュアルの破綻、ユーロ高が進行したことを材料に買われたが、引けに掛けてドルが買い戻されたことから上げ幅を削る展開となった。政治的な問題の解決に相場が左右され易いため、レンジワークが継続している。
 米国の金融危機は最悪期は脱したと見られるものの、根本的な解決には未だ時間を要する見込みであり、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることによる極端なドル安が修正される動きがあったのだが、再びドルは安値権での取引を余儀なくされている。米追加利下げ観測もドルを弱含ませる材料となっている。不良債権処理に関わる公的機関の設立とその詳細に焦点が当たる中、引き続き不安定な推移が続くことになろうか。また同時に地政学的リスクの高まり、原油価格が依然高止まっていることなどから安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は質への逃避で物色され易く、下値は堅いと見ておきたい。
 NY銀も上昇。金の上昇を受けて連れ高となった。足許30日移動平均線をサポートラインとして比較的堅調な推移が続いている。

・NYプラチナは続落。ドル安の進行や金の上昇を受けて一時1,200?を回復したが、工業品需要の色彩の強いプラチナは、米GDP発表を受けて先行きの需要減少観測が再び台頭し10日移動平均線を割り込んで引けることとなった。短期的には10日移動平均線のサポートを割り込んだため、1,000?〜10日移動平均線の小幅な値動きが予想される。
 中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。しかしながら南アフリカの生産が安定しない環境下、環境に配慮した自動車の需要は堅調であることも鑑みれば大幅な調整にはなりにくいと考える。また、プラチナ価格が大きく下落したことから、代替品としてのパラジウム需要の増加が期待ほどには増加しないことが予想されることも、プラチナ価格の下支え要因となろう。
 NYパラジウムも下落した。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。"

・中国鉄鋼メーカー、Valeの鉄鉱石値上げに対し「短期間、Valeから鉄鉱石を輸入しない」と発表。
・8月アルミ圧延品生産 前年比▲3.2%の170,289Mt、出荷前年比▲6.5%の170,856Mt(日本アルミニウム協会)。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。米GDPの悪化や米金融安定化策が難航していることなどが世界経済に悪影響を与えるとの見方から、軟調な推移となった。この結果、10日移動平均線を割り込むこととなった。米国発の景気悪化が続いている状況下、足許銅価格は下げ圧力を受けているが、同時にコンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調である等のファンダメンタルズの強さもあって、高い水準を維持している状態に大きな変化はない。引き続き各国政府の対応には要注意である。LME在庫は▲350Mt減少、(FSCは3.8日)、(キャンセルワラント率は3.2%)。売買高は16,525枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は37?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇後下落した。取引序盤はドルの弱含みなどを材料に上昇する局面もあったのだが、米GDPの下方修正や米金融安定化法案成立が難航していることなどが嫌気された。結果、亜鉛は水準を切り下げ、一目均衡表の雲の下限でサポートされて引けている。繰り返しであるがコスト割れの生産者が増加していると考えられることから下値も堅く、1,600?を下回る水準までの下落は現時点では考えにくい状態。景気悪化観測の影響もあって上にも下にも行きにくい相場展開である。LME在庫は▲100Mt減少、FSCは4.7日(キャンセルワラント率は3.8%)。売買高は4,212枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は27?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。取引序盤はドル安の影響で小幅高となる局面もあったのだが、米GDPの悪化や米金融安定化法案の成立が難航していることの方がフォーカスされ、さらに引けに掛けては週末を控えたドルの買い戻しでドルが上昇したことから軟調な推移となった。LME在庫が減少を継続していることも相場を堅調にさせている。今後も景気の悪化とともに自動車向け需要が減退すると予想される一方で、在庫の減少が続いていることから現状水準での高止まりが続くことになりそうだ。LME在庫は▲875Mt減少、(FSCは2.8日、キャンセルワラント率は6.3%。)。売買高は2,539枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は17?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。エネルギー価格の調整や、米GDPの下方修正、米金融安定化法案の成立が難航していることなどが経済に悪影響を与えるとの見方から水準を切り下げる動きとなった。この結果、足許のコストベースと考えられる2,500?を割り込むこととなった。しかし将来の中国からのアウトフローの明確な減少懸念もあって、下落局面では安値拾いの買いも入りやすく一本調子の下落にはならないだろうとのスタンスである。ただし商品相場自体に力強い反発の兆しが見られず、ここまで水準がきり下がると昨年複数回トライしている2,400?ラインを試す動きにならざるを得なさそうだ。しかしいずれにしても米金融不安が拡大する可能性が高い中、予断を許さない状況が続くことになろう。LME在庫は+1,650Mt増加、(FSCは11.9日)。(キャンセルワラント率は1.4%)。売買高は11,990枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニング。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫が大幅に増加する中、価格下落に伴う生産者の生産調整の思惑もあり、10日移動平均線レジスタンスとして小動きであった。LME在庫は+546Mt増加、(FSCは12.6日)、キャンセルワラント率は1.7%。売買高は1,594枚。イールドカーブは略パラレルに全ゾーン低下している。C-3は225?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。10日移動平均線を上回って寄り付いた後、ドル安の進行もあって前日に続き続伸となった。特段の個別新規材料のない中、テクニカルなトレードに終始した、という感じである。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、ファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くと考えている。足許の極端なベアセンチメントは米金融安定化策の進捗を受けて一旦落ち着いた格好。LME在庫は+155Mt増加、(FSCは5.9日)、キャンセルワラント率は8.03%。売買高は985枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。C-3は90?バックと前日と変わらず。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。米金融安定化法案が暗礁に乗り上げたこと(日本時間の28日未明に大筋合意に至るが)や米GDP確定値の下方修正、といったマイナス材料を受けて10日移動平均線のサポートラインを試す動きとなった。しかしながらこのコラムで指摘しているように米国内の原油・石油製品需給の逼迫の影響から10日移動平均線を割り込むことはなく、10日〜30日移動平均線のレンジワークとなっている。イールドカーブは期近が低下しベアスティープニングしている。Brentも期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率はWTIは▲1.1%、Brentは▲1.0%。
 石油製品も下落。RBOBも米金融安定化法案の難航やGDPの下方修正といったマイナス材料を受けて10日移動平均線をトライする動きとなったが、米金融安定化法案の成立見通しが不透明なことから下げ渋り、引けに掛けては買い戻しが入った。尚、在庫水準が危機的なレベル(FSCベース)にあることから価格は高止まりし易い。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいが全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲1.2%。ヒーティングオイルも下落。こちらもRBOBと同様の相場展開であったが、10日移動平均線でやはりサポートされて引けた。足許10日移動平均線〜30日移動平均線のレンジワークとなっている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいが全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲1.0%。ICEガスオイルは下落。イールドカーブは期間ごとにまちまち。直近限月の騰落率は▲0.2%。

(ひとりごと)
急に寒くなりましたね。
ここ数年、夏は暑く、冬は寒いので(日本は)なんとなく温暖化による異常気象が本当に起きているのか不思議に思うことがあります。

さて。

週末、コンピューターが壊れた。
といっても、コンピュータ自身が壊れたのではなく、インターネットに繋がらなくなったのだ。
困った。
しかも、ウィルス駆除ソフトが「***がインターネットエクスプローラーの設定を変更しようとしています。危険度 高」
なんてメッセージが出てるじゃないですか。
何か、まずいものをインストールしたんだろうか。
いや、少なくとも夏に購入してからは健全な使い方しかしていない(って、書いていて情けなくなった)ので、そんなことはない。
悩んだ結果、「ユーザーサポート」という項目があったので早速クリック。

当然何も起きない。

そりゃそうですよね。インターネットに繋がらないんだから、オンラインでサポートなんかできる訳ないのだ。
なので、電話でヘルプセンターに連絡をし、事情を説明したところ

「直せません」

とのこと。
ちょっとあんた。安全、安心のサポート、って書いてあるのに全然安心できないじゃないのッ!!
そのときに思ったが、「インターネットに繋がらない、といったトラブルの場合には結局のところ自分で処理しなければならない」のだ。
仕方なく、ファイルを一つ一つ調べたのだが、良く分からない。
ちょっと作業をするとすぐ「サポートデスクに電話」というメッセージが出てくる。

「だから、サポートできないんだっつの」

と思いながら途方に暮れ、タバコを一本。
さて、どうしたものか...

で、結局原始的な「電源On/Off」を試みることにした。
そうしたら...。


あっさり直っちゃいました。


インターネットの設定を変更しようとしています、っていう相当ドキドキもののメッセージも出なくなったし。

結論。
困ったときは基礎に立ち返る。
って、ついつい昔の家電製品みたいに「叩いて」みようと思ったりしたんですよね。実は。絶対にそれでは直んないんだけど。