飛行機に乗るとツイてない-そのA

(商品市況概況)
「期近が急落」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落している。GEの格付け見通しがネガティブになるなど、引き続き米景気の減速感が強まったためである。景気の長期低迷は期先の価格を押し下げることになり、こうした悪いニュースが続くと昨日指摘したようにイールドカーブのフラット化が進行することになろう。

(経済関連ニュース)
・12月独Ifo企業景況感 82.6(前月改定85.8)、市場予想84.0。
・11月英小売売上高 前月比+0.3%(前月改定▲0.3%(速報比▲0.2%))、市場予想▲0.6%。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲21千人の554千人(前週改定575千人(速報比+2千人))、市場予想558千人。
・12月米フィラデルフィア連銀景況感指数 ▲32.9(前月改定▲39.3)、市場予想▲40.5。
・11月米景気先行指数 前月比▲0.4%(前月改定▲0.9%(速報比▲0.1%))、市場予想▲0.4%。

・ドルは対ユーロで反発。FOMCでの利下げの影響で大幅にドルが弱含んでいたが、下げピッチが早かったこともあってドルが買い戻されることとなった。ドルは対円で上昇。急ピッチに進む円高に対し、当局が円売り介入をおこなうのではとの見方が強まったため。
日本株は小幅続伸。価格諮詢の安さを背景に内需関連株が買われた。米国株は大幅に下落。S&PがGEの格付けを見直し、ネガティブウォッチとしたことから景気悪化懸念が強まった。OPECの減産を受けても相場が大きく調整していることからエネルギー、資源関連株も売られた。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。5営業日ぶりにドルが反発したことから利益確定の売りに押された。結果、200日移動平均線のサポートラインを再び割り込むこととなった。
 今後については、ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね120ドル程理論値から高い状態であることから、730ドル近辺まで下落する可能性があると考えているが、安全資産としての金の需要は高まっており下げ幅は限定されることとなろう。100日移動平均線である810ドルが目安になると考える。
 NY銀も下落。前日の上げ幅が大きすぎたことやドル高の進行もあって調整的に売られた。

・NYプラチナは小幅下落。ドル高の進行と南ア生産者の生産削減報道といった強弱材料が混在したため、小幅な値動きに留まった。
 急速な実体経済の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な調整後、冴えない展開が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政府の救済策が合意に至らない等、混迷の度合いを強めておりこのリスクシナリオの蓋然性が高まってきた。
 NYパラジウムは小幅上昇。今後パラジウムの価格は低位安定すると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まり需給の改善が期待されるものの、予想を上回る経済状態の悪化が需給を緩和させる可能性が出てきているためである。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、自動車会社の救済策が迷走していることが上値を重くしよう。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫の増加、株価の続落、ドルの反発といったマイナス材料を受けて大きく水準を切り下げた。WBMSが1-10月の需給が30.6KMtの供給超過になっていることも嫌気されたようだ。結果、長らく維持してきた3,000ドルのサポートラインを割り込みとうとう2,000ドル台に水準を切り下げている。ファンダメンタルズは大幅に悪化している。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化し始めている可能性が高まってきているためだ。中期的には中国政府の経済対策や米政府の景気対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+2,275Mt増加、(FSCは6.4日)、(キャンセルワラント率は1.5%)。売買高は6,219枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。株の下落やLME在庫の減少といったマイナス材料を受けて水準を切り下げたが、繰り返しコメントしているようにコスト割れの生産者の減産圧力も強く、下値では相応に買いが入り10日移動平均線を回復して引けている。但し、景気悪化に伴う需要の減少観測は根強く上値は限られてしまっている状態。LME在庫は+1,450Mt増加、FSCは7.2日(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は3,334枚。イールドカーブは略パラレルに上昇。C-3は21ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。10日移動平均線のサポートラインを割り込んで寄り付いた後、株安やドル高の影響を受けて力なく水準を切り下げる動きとなった。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは相対的に強いのだが、景気低迷が長期化する可能性が高まったことや、中国が課してきた精錬鉛の輸出関税が撤廃されるのではとの憶測記事が市場参加者を疑心暗鬼にさせており総じて軟調な相場展開となっている。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は2.7%。)。売買高は1,246枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに大幅に低下している。C-3は8ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のアルミ価格は下落した。OPECの減産効果が限定的であると見られていることから原油価格が大幅に下落したため、アルミ価格も水準を切り下げる動きとなった。しかし、中国が来年アルミの輸出関税を据え置く見通しであると発表されたことがプラス材料となり、下げ幅を大きく削る展開となった。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落していることから下げ余地は限られると予想する。但し、12月の欧米企業決算を超えるまでは企業の資金繰り負担が重く、新たな買いが入りにくい環境にあることからしばらくは冴えない展開が続こう。LME在庫は+27,100Mt増加、(FSCは18.8日)。(キャンセルワラント率は0.6%)。売買高は9,131枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は37ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。ドル高・原油安・株安・LME在庫激増(欧州)といった売り材料を受けて10日移動平均線を上値に頭重い推移となった。足許、コスト割れ生産者の生産調整が下値余地を限らせているものの、実態経済の悪化に伴う需要の著しい減少観測で上値も限られている。LME在庫は+2,214Mt増加、(FSCは18.7日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は951枚。イールドカーブは期先を中心に低下し、ベアフラットニングしている。C-3は117ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。ドル高進行と、アジア周りでの錫在庫の増加を受けて水準を切り下げた。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めているようであり、アジア域内の錫在庫は増加傾向にある。依然としてイールドカーブバックワーデーションの状態であることを見るに不況下においても需給が逼迫していることが伺えるが、アジア周りの在庫増加はイールドカーブのフラット化を進行させる可能性があるため、引き続きLME在庫には注目したい。LME在庫は+750Mt増加、(FSCは7.1日)、キャンセルワラント率は5.91%。売買高は366枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく。ブルフラットニングしている。C-3は165ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に下落した。OPECの減産による価格下支え効果が見込めない中(減産は1月実施、実際に減産の効果が出るまで少なくとも減産修了から3ヶ月はかかるため)、限月交代であることもあり、引けに掛けて大幅に水準を切り下げる展開となった。WTIイールドカーブは期近の下げ幅が大きい。Brentも期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIは▲11.9%、Brentは▲5.3%。
 石油製品も下落。RBOBも引け際の原油価格急落を受けて大幅に水準を切り下げた。この結果、10日移動平均線を割り込むこととなった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲4.6%。ヒーティングオイルもNY時間の引け際にかけて下落した。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲5.3%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.4%。

(ひとりごと)
飛行機に乗るとツイていない。
ちょっと前に黒人の話を書いたと思う。
今日はフランス人の話。
ちょっと前にカミさんとシンガポールからフランスに行った事がある。
使った飛行機は、エア・フランス。
そのとき、飛行機は完全な満席ではなかった。
そういう時、「少しでも広々と座れる席」
に移動したいものだ。
我々は真ん中の列の、通路側から2席であった。
人間強欲なので、「満席じゃなければ、4席使いたい」と思うもの。
と、思っていたら、最後尾の座席の前が4席空いていた。トイレの前の席である。
いまだ、他の乗客が来る気配がない。
結局無事、離陸。

「やった!!」

と、思った。
が、それもつかの間。水平飛行に移った瞬間、席をリクライニングさせようと思ったら、

全く動かない

のである。すぐトイレのある部屋の壁にシートがぶつかってしまうのである。
なんてこと。
当然のことながら、私に不幸な事が起きるとき、これだけではすまない。
(続く)