熊谷先生

(商品市況概況)
「ケ・セラ・セラ」
 昨日の商品価格は大幅に上昇した。懸念のGM問題がChpter11申請で決着したこと、またこれは既に市場に折り込み済みであった上、中国や米国の経済統計が好転したことから楽観論が広がったためである。年初からあまり言い話を聞かなかった商品市場にも活況が戻ってきている。一応こうした商品価格の上昇はFOMCや各国金融当局の量的緩和や政府による経済対策の効果によってある程度予想できたことであるが、どうも価格上昇の速度が速すぎる感がある。チャート的には殆どの商品がゴールデンクロスとなっており、CTAを始めとするシステム売買を行う市場参加者は買いを入れ易い環境になっていること、すべての商品の発射台となる原油価格がOPECの減産や新型インフルエンザ禍の終息を受けて上昇していることから、この価格上昇は頷けなくもないのだが、「景気回復局面における急速な商品価格の上昇は景気回復の足枷となり、需要の減少を引き起こす」可能性が高いことから、夏場以降の下落の可能性をはらんでの上昇であることは指摘しておきたい。デフレ局面では商品価格の変動性が低くなることが指摘されているが、個人的には今年は年初にもコメントしたとおり、変動性の高い相場となることを予想している。

 株等の価格上昇は嬉しいが、欧米の市場参加者は我々が思う以上に楽観的なようだ。少し心配しすぎかも知れないが、なるようになるんだろう。


(経済関連ニュース)
GM Chapter11申請。米政府・カナダ政府は新生GMの大株主に。実質国有化。
・5月中国製造業購買担当者指数(PMI) 53.1(前月53.5)と、3ヶ月連続で50を上回る。
・5月米ISM製造業景況指数 42.8(前月40.1)、市場予想42.3。
・4月米建設支出 前月比+0.8%(前月改定+0.4%(速報比+0.1%))、市場予想▲1.5%。
エールフランス機、大西洋上で突如消息を絶つ。


・ドルは対ユーロで下落した。GM問題の終息や、経済統計の好転、金融機関の業況改善といった正常化の流れの中で、質への逃避が終了すると同時にリスク資産への投資が活発化したと見られることから。円は対ドルで大幅に下落。海外市場の安定化を受けて高金利通貨への投資が活発化した模様。
日本株は大幅に上昇し、年初来高値を更新。中国PMIが好調な内容を維持していることや、海外商品市場の上昇等を背景に資源株が物色された。米国株は大幅に上昇。米経済統計の好転と、GM処理が一旦目処を迎えたことも好感された。


非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に上昇後下落。ドル安の進行で上値を試したが、NY時間の株の大幅上昇を受けて下落に転じ、行って来いの展開であった。株式市場はGM問題をこなして堅調な推移となっているものの、財政収支の悪化に伴うドル安進行懸念は根強く、加えて機軸通貨への信認低下に伴い、中国政府の金買い増し観測なども相場を押し上げる材料となっている。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易い。但し過剰な質への逃避への動きが終了した後に、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくない。但しQ209の間は金価格の急落は想定していない。昨日の引けは 978.60(▲0.2)。
 銀価格は金と同様、上昇後下落。ただし株価が大幅に上昇していることから、工業品としての色彩の強い銀は下げ幅を限定させた。当面は10日移動平均線を下値に堅調な推移が予想される。昨日の引けは 1,573.50(+12.5)。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。GM問題がとりあえず一段落したことから自動車向け脱硫触媒として用いられるプラチナには買い安心感が広がり、上昇。目先上回ることは難しいと見られていた1,200ドルを上抜けしたところから上げが加速している。プラチナは環境面で触媒として用いられる一方、宝飾品として中国・日本からの需要が旺盛であることも支援材料となっているようだ。昨日の引けは1,220.6(+24.6)。
 パラジウムはプラチナの上昇を受けて、大幅に上昇している。目先は5月7日の高値248.9ドルが意識されよう。昨日の引けは242.9(+6.85)。


(非鉄金属)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。LME在庫の減少と中国PMIの好調、GMのChapter11申請で懸念材料が一段落したことから暴騰、一気に5,000ドルの心理的な上値を抜けてしまった。チャート的には中期的な上昇局面入りした可能性が出てきた。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打った可能性が高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、上値は限定されよう。200日移動平均線を結局維持していることから、5,000ドルが視野に入り始めたと見るが、現時点において5,000ドルを更に上回るほどの強い材料は存在しない。LME在庫は▲300Mt減少、(FSCは66.2日)、(キャンセルワラント率は11.8%)。売買高は11,733枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が大幅に上昇し、ブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は15ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは5,075.00(+245:14.75C)。
 昨日の亜鉛価格は大幅に上昇した。LME在庫の減少とGM問題の一旦の終息、中国の経済統計の好調といったプラス材料が重なり、大幅な上昇となった。株式市場が堅調に推移していることが買い安心感を広げている。需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、更なる上昇にはやや材料不足の感は否めないものの、主要な移動平均線が200日移動平均線に対してゴールデンクロスとなっており、チャート的には買いが入り易い環境になっている。LME在庫は▲175Mt減少、FSCは10.9日(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は5,516枚。イールドカーブは期近を中心に上昇しブルフラットニングしている。C-3は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,610.00(+43:25.75C)。
 昨日の鉛価格は大幅に上昇した。懸念であったGM問題が略市場が予想している通りの方法で処理されることとなったことや、中国経済統計の好調といったプラス材料を受けて大幅な上昇となった。しかしながらLME在庫は大幅に増加しており、正直なところ現在の価格水準はファンダメンタルズ的観点からは正当化できないレベルであるとも言える。尚、この状況においても大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから、上値は限られるとの見方は変更したくはないのだが、相場がオーバーシュートする中で大幅に上昇することは多く、1,700ドル程度まで上昇することは否定できない。LME在庫は+1,525Mt増加、(FSCは3.5日、キャンセルワラント率は0.4%。)。売買高は3,267枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は16ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,660.00(+90:15.5C)。
 昨日のアルミ価格は上昇した。懸案のGM問題が政府国有化という形で収束、多くの金融商品価格が上昇する中、アルミ価格も上昇することとなった。但し大手生産者のLME倉庫への現物大量搬入の噂もあり、LME在庫の水準が引き続き高止まり推移していることが嫌気され上値は限定された。今後はGMのChapter11申請後の関連業種への影響を見極めながら神経質な動きが予想される。しかしながらアルミの主要用途である輸送機器や住宅セクターの戻りが緩慢な中、急速に価格が上昇する可能性は低いと考えている。しかしながらコストベースとして一般に意識されている1,750ドルまでの価格上昇は、金融市場の安定もあってその可能性はあると考えている。尚、コストベースで見た場合の限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を大きく下回る環境にはない。LME在庫は+3,575Mt増加、(FSCは41.7日)。(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は15,800枚。イールドカーブの形状は期先の上げ幅が若干大きい。C-3は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,474.00(+34:35.25C)。
 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。季節的な企業在庫積み増し時期であることを受けたLME在庫の大幅減少に加え、中国PMIの好調や株価が堅調に推移していることを受けて大幅な上昇となった。ニッケルは銅と並び、景気回復局面で価格が上昇し易い非鉄金属であり、景気の底割れ回避への期待感が高まっていることや、季節的に在庫積み増し時期であること、景気後退の比較的早い段階から生産調整が行われていたことから大幅な上昇となった。LME在庫は▲1,032Mt減少、(FSCは29.3日)、キャンセルワラント率は4.9%。売買高は2,898枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は75ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは14,650.00(+705:75C)。
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の増加はあったが、GM問題の一旦の終息、中国経済統計の好調、株価の堅調といったプラス材料が目白押しであったことから、他の商品と同じく大幅な上昇となった。需給は依然としてタイトであり、バックが継続している。LME在庫は+75Mt増加、(FSCは14.1日)、P596は2.21%。売買高は549枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は275ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,650.00(+350:275B)。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲1.8MB、ガソリン+0.1MB、ディスティレート+0.9MB、稼働率+0.4%
・IEA リチャード事務次長「米ドライブシーズンの需要は予想を上回る可能性がある」


(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。GMの破産法適用申請が略確定する中、「目先の悪材料出尽くし」で株価が上昇、加えて中国PMIが好調を維持したことから株価が堅調に推移し、原油価格も上値余地を探った。NY時間にかけてドル高が進行したため一旦下値を探る動きも見せたが、総じて堅調な推移となりNY時間の株価の上昇を受けて更に上昇に弾みがつき、70ドルに迫った。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.2%。昨日の引けは68.58(+2.27)。 Brentも上昇し70ドルをトライした。10日移動平均線が200日移動平均線に対してゴールデンクロスとなっており、CTA等を中心にテクニカルにも買いが入り易い環境に。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.5%。昨日の引けは67.97(+2.45)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは縮小。
 石油製品も上昇。RBOBも米経済統計の好転とGM問題の終息に伴う株価上昇を受けた原油上昇を受けて上昇した。しかし200セントの心理的節目が目前であり、さすがにこの水準を上回っての上昇はなかった。新型インフルエンザ禍が終息しつつある中、本来のドライブシーズンの需要が戻ってきたようである。イールドカーブはまちまち。直近限月の騰落率は+1.5%。昨日の引けは192.43(+2.9)。 ヒーティングオイルも上昇。チャート上は限月交代の影響で前日比大幅プラスで寄り付き、その後200日移動平均線を目指して値を飛ばしたが、ヒーティングオイル在庫の水準は極めて高く、積極的に上値を狙える環境にないことから200日移動平均線を上抜けできずに引けた。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+5.3%。昨日の引けは177.65(+9.89)。 ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期先の上げが大きくブルスティープニング。直近限月の騰落率は+2.8%。昨日の引けは538.25(+15.25)。


(ひとりごと)
この前、家族で飛行機に乗っていたら
通路を挟んで反対側に座っている眼鏡をかけたおじさんと、目が合った。

50歳前後のおじさんで
頭には白いモノが混じっている

まあ、普通のおじさんである。
ところが、私が立ち上がってそっちの方を見ると
にっこり笑ってうなづくのだ


ひょっとして、ヘンな人なのではないだろうか


との疑念が沸いてくる
最近は、ちょっと気に食わないと、タクシーとかでも運転手さんが刺されてしまう時代。
いくら飛行機の中だとはいえ
もし、彼の気分を損ねたら大変だ
我が子、我妻もろとも、大変なことになってしまうかも知れない。


なので


目が合うたびに私も、にっこりと笑うように心がけた
その数、飛行機に乗っている1時間の間で5回。
ちょっとやりすぎだ。
でも、家族の平和のためには仕方がない。
強いココロで笑い続けた。
無事、飛行場に到着。


助かった


と、思ったら、シートベルト着用のサインが消えるや否や
彼が電光石火の速さで私に近寄ってきたのだ!!


やられるッ!!


おじさん「熊谷先生ですね」
私「へ?」


どうも、知り合いにとても似ていたらしく、間違えられたのだ。
でも、自分で言うのもなんですが
私にそっくりの人、しかも恐らく大学か何かの先生だと思うのだが


いるんですね


きっと彼も、言われなき差別を受けて生きているのだろうと思うと
何故か、胸が熱くなった。