顔で量産

(商品市況概況)
「急上昇〜でもそこまで景気は回復していないのでは?」
 昨日の商品価格は概ね上昇した。懸念のGM問題がChpter11申請で決着しそうな状況になっており、これは略市場の予想したとおりの処理であることから株式市場があまり反応しなかったことや、ドル安の進行が続いていることが相場の支援材料となった。しかし、経済統計は「悪化が止まったとはいえマイナスのもの」も多く、ここまで幅広く買いが入るのはやや解せないところである。とはいっても、各国政府は金融緩和、量的緩和によって「小さなインフレ」を起こそうとしていたわけであり、ある意味その効果が素直に出始めていると、いえなくもない。私は商品相場に対しては比較的ブル(「売られすぎが修正される形でのブル」)なのだが、ちょっと足許の相場は「相当急速に」将来の価格上昇を織り込んでいるとの印象である。

 商品価格の急な上昇は体力が戻りつつある実体経済にマイナスの影響をもたらすため、もう少し緩やかな上昇になって欲しいところである。

(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲14.0%の786.0、借換指数 前週比▲19.0%の3,890.4、購入指数 前週比+1.0%の256.6。
・5月独消費者物価指数 前年比▲0.1%(前月改定+0.8%)、市場予想+0.2%。
・4月米中古住宅販売 前月比+2.9%の468万戸(前月改定455万戸(速報比▲2万戸))、市場予想466万戸。
・独政府、2009年に476億ユーロの借り入れを決定。シュタインブリュック財務相「独は第二次大戦後で最悪の経済危機に直面している」
・Q109比GDP 前年比+0.4%、市場予想+2.4%。
・5月ユーロ圏小売業景気指数 47.1(前月改定48.4)。
・4月米製造業耐久財受注 前月比+1.9%(前月改定▲2.1%(速報比▲1.3%))、市場予想+0.5%。
・4月米新築住宅販売 前月比+0.3%の35.2万戸(前月改定35.1万戸(速報比▲0.5万戸))、市場予想36万戸。
・4月日本鉱工業生産 前月比+5.2%(前月改定+1.6%)。
・Q109印GDP 前年比+5.8%(前期改定+5.8%)、市場予想+5.0%。
・5月ユーロ圏消費者物価指数速報 前年比変わらず(前月改定+0.6%)、市場予想+0.2%。
・Q109米GDP改定 前期比年率▲5.7%(速報比+0.4%)、市場予想▲5.5%。市場予想は下回るが、速報からは改善。
・5月シカゴ購買部協会製造業景況指数 34.9(前月40.1)、市場予想42。
・5月米消費者マインド指数確定 68.7(速報比+0.8、前月65.1)、市場予想68.0。
・独政府、オペル買収の優先交渉権をカナダのマグナを選定。約2,000億円の繋ぎ融資も実施。


・ドルは対ユーロで下落した。グローバルリセッションが収まりつつある中、安全通貨としてのドル需要が減少したことが背景。ドルは対円でも大幅に下落。双子の赤字問題再燃懸念などで、ドル売り円買いが進んだ。
日本株は上昇し、年初来高値を更新。各国の経済対策の効果もあって株式市場が安定、素材価格が景気回復を先取りする形で上昇していることから、資源関連株が物色されることとなった。米国株は続伸。経済統計がまちまちながらも良い内容のものが散見されるようになってきたことや、素材価格の上昇で資源関連株が買われた。実際に破綻した場合にはその影響は出るものと思われるが、GMがChapter11を申請する可能性が極めて高くなっていることは、積極的に材料にしていないようだ。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。USDA統計で大豆在庫が1億3,000万Bu(前年比▲75百万Bu)となる見通しであることや、作付の遅れから大幅に上昇してきたが、中国の輸入量が一時的に鈍化するのではとの見方から一旦調整した。しかしながら週末株価が上昇したことやドル安が進行していることが材料視され、結局買い戻しが優勢となった。結果的に12ドルが上値として意識されている。イールドカーブは略パラレルに上昇している。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが280,407(前週比 +22,928)、ショートが86,227(前週比 ▲1,244)となったことから、ネットで194,180(前週比 +24,172)となった。インデックスファンドのポジションは276,073(前週比 +4,364)となっている。
・トウモロコシ価格は上昇。USDA発表の在庫統計で2010年のトウモロコシ在庫が11億4,500万Bu(前年比▲455百万Bu)となる見込みであることや、作付進捗の遅れ、株高、ドル安、エネルギー高といったプラス材料を受けて、10日移動平均線を下値として堅調な推移となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが150,799(前週比 +4,677)、ショートが25,332(前週比 ▲1,360)となったことから、ネットで125,467(前週比 +6,037)となった。インデックスファンドのポジションは129,455(前週比 +2,770)となっている。
・小麦価格も続伸。米輸出統計の増加に伴う域内需給の逼迫懸念や、ドル安の進行に伴う更なる輸出の増加の可能性がプラス材料となった。また、株価の上昇も好感されたようである。イールドカーブはパラレルに上昇している。 先週のCFTC Non-Commercialポジションは、ロングが87,795(前週比 +4,577)、ショートが78,124(前週比 +1,124)となったことから、ネットで9,671(前週比 +3,453)となった。インデックスファンドのポジションは136,897(前週比 +1,868)となっている。


非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に上昇。ドルが下落したことが材料となった。株式市場は堅調な推移となっているものの、財政収支の悪化に伴うドル安進行懸念は根強く、加えて機軸通貨への信認低下に伴い、中国政府の金買い増し観測なども相場を押し上げる材料となっている。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易い。但し過剰な質への逃避への動きが終了した後に、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくない。但しQ209の間は金価格の急落は想定していない。昨日の引けは 978.80(+17.3)。
 銀価格は金の上昇と株の上昇を受けて暴騰している。直近半年の高値である5月22日にマークした14.76ドルを木曜日に上抜けていることから買いが買いを呼んでいる状況。昨日の引けは 1,561.00(+45)。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。株価が堅調に推移していることや、懸案だった米自動車2社の問題が解決することへの期待感から買われた、ということになるのだろうがここまで大幅に上昇するような材料はあまり見当たらないのが正直なところ。しかしいずれにしてもプラチナは環境面で触媒として用いられる一方、宝飾品として中国・日本からの需要が旺盛であるのは事実である。但し更に上昇するか否かは月曜日のGM問題の期限を待つ必要があると見ている。昨日の引けは1,196.0(+46.2)。
 パラジウムはプラチナの上昇を受けて、大幅に上昇している。昨日の引けは236.05(+4.05)。


(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫の減少と上海在庫の減少でファンダメンタルズが改善している上、株式市場がGMのChapter11申請の可能性が高まっているにも関わらず、各種経済統計に改善を受けて上昇していることから、銅にも買い安心感が広がった。チャート的にもゴールデンクロスでシステム売買等による買いも入り易い環境にあることも相場を押し上げたようだ。チャート的には中期的な上昇局面入りした可能性が出てきた。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打った可能性が高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、上値は限定されよう。200日移動平均線を結局維持していることから、5,000ドルが視野に入り始めたと見るが、現時点において5,000ドルを更に上回るほどの強い材料は存在しない。LME在庫は▲4,850Mt減少、(FSCは66.3日)、(キャンセルワラント率は12.4%)。売買高は10,269枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が大幅に上昇し、ブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は14ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは4,830.00(+80:14.25C)。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。LME在庫の減少が続く中、コールオプションの溜まる1,500ドルを上抜けたところから上げが加速した。その後も株式市場が堅調な推移を続けたことから買い安心感が更に広がり、略一貫して水準を切り上げて引けている。需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、更なる上昇にはやや材料不足の感は否めないものの、主要な移動平均線が200日移動平均線に対してゴールデンクロスとなっており、チャート的には買いが入り易い環境になっている。LME在庫は▲250Mt減少、FSCは10.9日(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は6,209枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は25ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,567.00(+92:25.25C)。
 昨日の鉛価格は大幅に上昇した。経済統計の好転や株式市場の堅調推移といったプラス材料を受けて大幅な上昇となった。中国の輸入が堅調に推移していることなどが、プラスの材料として強く認識されたようである。しかしながらLME在庫は大幅に増加しており、正直なところ現在の価格水準はファンダメンタルズ的観点からは正当化できないレベルであるとも言える。尚、この状況においても大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから、上値は限られるとの見方は変更していない。LME在庫は+1,375Mt増加、(FSCは3.4日、キャンセルワラント率は0.5%。)。売買高は3,136枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は15ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,570.00(+92:14.5C)。
 昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫や上海在庫の増加が止まらない環境下、下値を探る動きとなってたが、経済統計の好転に伴う株価の上昇を受けてさすがに買い戻しが入ったようだ。今後はGMのChapter11申請後(今のところその可能性が高い)の株式市場動向を睨み、神経質な動きが予想される。しかしながらアルミの主要用途である輸送機器や住宅セクターの戻りが緩慢な中、急速に価格が上昇する可能性は低いと考えている。しかしながらコストベースとして一般に意識されている1,750ドルまでの価格上昇は、金融市場の安定もあってその可能性はあると考えている。尚、コストベースで見た場合の限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を大きく下回る環境にはない。LME在庫は+5,125Mt増加、(FSCは41.7日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は15,119枚。イールドカーブの形状は略変わっていない。C-3は34ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,440.00(+25:33.5C)。
 昨日のニッケル価格は上昇した。前日比プラスで寄り付いた後、各国株式市場が堅調に推移していることを材料に、大幅な上昇となった。但しLME在庫は減少しておらず、どちらかといえばインデックス系ファンド等の投機的な買いである可能性は否定できない。尚、ニッケルは銅と並び、景気回復局面で価格が上昇し易い非鉄金属であり、景気の底割れ回避への期待感が高まっていることや、季節的に在庫積み増し時期であることも支援材料となった。LME在庫は+486Mt増加、(FSCは29.6日)、キャンセルワラント率は5.9%。売買高は2,063枚。イールドカーブは期近と期先の下げ幅が大きく、イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は79ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは13,945.00(+445:79C)。
 昨日の錫価格は上昇した。前日比プラスで寄り付いた後、株の上昇を受けたセンチメントの改善を受けて大幅な上昇となった。5月8日の高値である14,250ドルを上抜けたことも買いを助長した。需給は依然としてタイトであり、バックが継続している。LME在庫は+225Mt増加、(FSCは14.0日)、P596は1.18%。売買高は463枚。イールドカーブは期近が上昇しブルスティープニング。C-3は253ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,300.00(+650:253B)。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲5.4MB(市場予想±0.0MB)、ガソリン▲0.5MB(▲1.7MB)、ディスティレート+0.2MB(+1.0MB)、稼働率+3.3%(+0.3%)。
OPEC生産枠を据え置き。バドリ事務局長「加盟国はよりいっそう、生産枠を遵守するように」
新日本石油、6月の原油処理量306万キロリットルに。定修の規模が例年よりも大きかったことから。


(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。この数日間の価格上昇で200日移動平均線を上抜けしていることから、テクニカルに買いが入り易い環境にある中、ドル安の進行や株の上昇が更にセンチメントを好転させたようだ。イールドカーブは期近と期先の上げ幅が大きく、フラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.8%。昨日の引けは66.31(+1.23)。 Brentも上昇し200日移動平均線をブレイクしている。10日移動平均線が200日移動平均線に対してゴールデンクロスとなっており、更に買いが入り易い。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.7%。昨日の引けは65.52(+1.13)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは拡大。
 石油製品も上昇。RBOBも10日移動平均線が200日移動平均線を下から上に抜けるゴールデンクロスになっていることもあって、原油価格の上昇を受けて大幅に水準を切り上げた。新型インフルエンザ禍が終息しつつある中、本来のドライブシーズンの需要が戻ってきたようである。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.1%。昨日の引けは193.10(+2.05)。 ヒーティングオイルも上昇。原油価格上昇を受けて連れ高となった。しかしながらヒーティングオイル在庫の水準は極めて高く、頭重い推移が続いている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+2.4%。昨日の引けは164.19(+4.05)。 ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期先の上げが大きくブルスティープニング。直近限月の騰落率は+3.4%。昨日の引けは523.00(+18.5)。


(ひとりごと)
この前、半そで・短パンで家で料理をしていたら
子供が近寄ってきて、私の足許にしゃがんだ


そして


私の足の甲に生えている毛を指でつまみ、こういった


子供「パパのおひげが落っこちて、こんなところについちゃったんだ」


...あのね。
おひげじゃないのよ
それは足の甲から生えているものなのよ
彼は私の体に生えている毛は、顔で量産されていると思っているらしい。


そんな人間、嫌だ。