〇〇マン-その2

(商品市況概況)
「W字の回復を予想してはいるが...」
 昨日の商品価格は軒並み大幅に上昇している。昨年のリーマンショックから信用収縮、実態経済の悪化を通じて商品相場は大幅に調整を続けてきたが、今年3月以降の金融緩和・財政出動を材料に大幅に上昇してきた。これはある意味経済の血液である金融機能の回復に伴い、「行き過ぎた価格下落」が修正される形での価格上昇であり、有る意味あるべき価格上昇であった。しかしながらここに来て価格は実態経済と大きく乖離して上昇している感がするのは否めない。これはもちろん、経済や市場の環境が正常化する中で上昇してきたということが最大の材料ではあるものの、この価格上昇の過程で多くの商品にいわゆるチャート上の買いサインが出ており、主にシステム売買を行うCTA等の投機筋が買いを入れているのもまた否めない事実であろう。
 ではこの相場が長続きするかというと、難しいと考えている。理由は端的に「景気はまだ回復していないから」である。引き続き、景気回復のメインシナリオは各国の経済対策の影響で一旦景気が上ぶれ、その後二番底をつけて本格的な景気回復になる、という展開を想定しているが、FRBバーナンキ議長が年後半の景気回復に自信を示したり、今まで各国の経済対策に対して辛口のコメントをしていたクルーグマン教授が米経済は9月に底を打つ、といったコメントを出すなど、徐々に市場を取り巻く環境が変ってきたこともまた事実であり、「調整局面での下落幅」が限られる可能性も高くなってきた(但し商品価格がこのままのペースで急騰し、インフレリスクが高まればこの限りではない)。

(経済関連ニュース)
・4月米卸売在庫 前月比▲1.4%(前月改定▲1.8%(速報比▲0.2%))、市場予想▲1.2%。在庫比率 1.31ヶ月(前月改定1.32ヶ月)。在庫調整進捗。
ガイトナー米財務長官「世界的な嵐は和らぎつつある」
・5月中国固定資産投資 前年比+37%。
・5月中国工業生産 前年比+8.9%(前月改定7.3%)、市場予想+7.7%。
・5月中国CPI 前年比▲1.4%。PPI 前年比▲7.2%。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲7.2%の611.0、借換指数 前週比▲12%の2,605.7、購入指数 前週比+1.1%の270.7。
・4月米貿易赤字 292億ドル、前月比+2.2%(前月改定285億ドル(速報比+9億ドルの赤字幅の拡大))、市場予想290億ドル。
・5月財政赤字 1,897億ドル(前年同月1,659億ドル)、市場予想1,810億ドル。
・ブラジル中銀 政策金利を1%引き下げ、9.25%に。
・5月中国 貿易黒字134億ドル、1-5月 888億ドル。
・1-5月中国固定資産投資 前年比+32.9%(1-4月 +30.5%)、市場予想+31.0%。
・米週間新規失業保険申請者数 601千人(前週改定625千人(速報比+4千人))、市場予想 615千人。
・5月米小売売上高 前月比+0.5%(前月改定▲0.2%(速報比+0.2%))、市場予想+0.5%。
・4月米企業在庫 前月比▲1.1%(前月改定▲1.3%(速報比▲0.3%))、市場予想▲1.0%。在庫比率1.43ヶ月。
・5月中国新規融資 6,645億元と前年比2倍超に増加。
・5月中国 小売売上高 前年比+15.2%(前月改定+14.8%)、市場予想+15.0%。

NY Dow  :8,770.92(+31.9)
S&P500   :944.89(+5.74)
NIKKEI225 :9,981.33(▲10.16)
JPY/USD :97.86(▲0.35)
USD/EUR :1.41(+0.0104)

・ドルは対ユーロで下落。米経済統計が徐々に改善していることを受け、安全資産としてのドル選好度合いが低下、リスク資産への選好が高まったため。ドルは対円でも下落している。
日本株は小幅下落。但し場中に10,000円を超える局面もあり、景気底割れ回避に伴う個人資金の流入が指摘されていた。米株は小幅上昇。米金利の低下に伴う企業の調達コスト低下期待等が材料となった。商品高を受けて資源関連も高い。


穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :594.75(▲1.25)
Cbot Corn :441.00(+5.25)
CSCE Sugar :15.35(▲0.03)


非鉄金属関連ニュース)
Comex Gold :961.30(+7.3)
Nymex Platinum :1,273.1(▲0.1)

・NY金は上昇した。一時ドル高の進行や株高の進行で下値余地を探ったが10日移動平均線でサポートされたこともあり、商品に幅広く買いが入る中金も上昇して引けることとなった。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易い。但し過剰な質への逃避への動きが終了した後に、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると900ドル程度までの下落はあってもおかしくない。但し足許の商品価格の上昇幅が大きすぎると景気に悪材料となり先々の株価の急落を誘発する可能性もあるため、こうした環境になると再び金が物色されやすくなることには注意したいところ。今のところQ209の間は金価格の急落は想定していない。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 961.30(+7.3)。
 銀価格は金と同様、上昇した。経済統計の好転や株価の上昇といったプラス材料が相場を押し上げた。但し10日移動平均線は比較的強いレジスタンスとして意識されており、どんどん上昇する、という感じではなくなっている。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,549.30(+26.8)。"
"・NYプラチナ価格は小幅下落した。商品相場の上昇にあわせてプラチナも物色されたが、先週1,300ドルの心理的節目を上抜けできなかったことや、「急速な商品価格上昇に伴う景気の悪化懸念」が台頭、プラチナも調整を余儀なくされた。とはいえ、大手自動車メーカーの経営問題が一旦終息したことから自動車向け脱硫触媒として用いられるプラチナには買い安心感が広がっているのも事実であり、堅調な推移が続いている。プラチナは比較的ドルユーロとの相関が高いが、今のところ一次回帰線上に価格が安定しており。昨日の引け(東京時間0:00)は1,273.1(▲0.1)。
 パラジウムも下落。プラチナ価格の上昇で代替品としてのパラジウム需要が増加していたが、さすがに昨晩のプラチナの下げが大きく、パラジウムも連れ安となた。昨日の引け(東京時間0:00)は254.95(▲2.75)。


・5月中国精錬銅輸入 前月比+6%の422,666Mtに。


(非鉄金属)
Copper 3M :5,376.00(+206:22C)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。LME在庫の減少継続に加え、中国の5月の精錬銅輸入が大幅な増加となったことが材料となった。景気対策の効果等で同国内での需要が回復している可能性が高まってきた。また中国固定資産投資の水準が高水準なことも端的に材料となった。足許10日移動平均線でサポートされながら堅調な推移となっている。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打ったと考えられ、当面5,000ドルを挟んで高い水準での推移となろう。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、夏場に掛けて一旦調整で下落すると見ているが、その下落は、年後半以降の価格上昇の前の調整と見ておくべきだろう。LME在庫は▲1,100Mt減少、(FSCは62.2日)、(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は11,282枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が大幅に上昇し、ブルスティープニング。まちまち。C-3(Cash vs 3M Fwd)は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは5,376.00(+206:22C)。

Zinc 3M   :1,720.00(+95:29C)
 昨日の亜鉛価格は大幅に上昇した。LME在庫の増加はあったが、中国の輸入増加に伴い銅価格が暴騰したことや、同日発表になった各国経済統計が好転していたことから買い安心感が広がり、オプションの権利行使も相俟って大幅な上昇と也、1,700ドルを上抜ける暴騰となった。需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、更なる上昇にはやや材料不足の感は否めないものの、当面は現状の高い水準でのもみ合いが継続しそうだ。LME在庫は+1,275Mt増加、FSCは11.1日(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は5,838枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,720.00(+95:29C)。

Lead 3M   :1,820.00(+66:24C)
 昨日の鉛価格は大幅に上昇した。最大消費国中国の銅輸入増加を受けた銅価格の上昇もあり、同セクターである鉛は結果的に物色されることとなった。何回か指摘しているが、そもそもLME在庫の水準は決して低くなく現在の価格水準はファンダメンタルズ的観点からは正当化できないレベルであるが、商品市場の上げトレンドをフォローしての上昇が続いている。尚、この状況においても大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから、上値は限られるとの見方は変更したくはないのだが、相場がオーバーシュートする中で大幅に上昇することは多く、1,700ドル程度まで上昇する可能性を指摘していたが、あっさりこの水準を抜け、1,800ドルを上回ってしまった。相場がオーバーシュートしやすいことを鑑みれば1,900ドルまでの上昇も否定できなくなってきた。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは3.6日、キャンセルワラント率は0.3%。)。売買高は2,571枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,820.00(+66:24C)。

Aluminum 3M :1,694.00(+49:28.1C)
 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。露生産者の経営悪化に伴う供給不足観測から相場は大幅に上昇を始めており、LME在庫も景気悪化が指摘されていた米国で減少を始めている等も材料となり、他の非鉄金属同様200日移動平均線レジスタンスを試す展開となっている。結果きりの良い1,700ドルが意識されこの水準を下回って引けている。今後はGMのChapter11申請後の関連業種への影響、大手生産者の生産動向を見極めながら神経質な動きが予想されるが、景気底打ち期待感から多くの商品価格が上昇している環境下、コストベースとして一般に意識されている1,750ドル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)までの価格上昇は、金融市場の安定もあってその可能性は高いと考えている(というか、目前ですが...)。LME在庫は▲1,675Mt減少、(FSCは42.1日)。(キャンセルワラント率は2.8%)。売買高は11,381枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は28ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,694.00(+49:28.1C)。

Nickel 3M :15,800.00(+875:93C)
 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。LME在庫の大幅減少、経済統計の好転、中国の銅輸入増加の波及効果により、15,000ドルの心理的節目を上回って寄り付いた後、大幅な上昇となった。LME在庫は▲276Mt減少、(FSCは29.1日)、キャンセルワラント率は3.7%。売買高は1,746枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は93ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは15,800.00(+875:93C)。

Tin 3M   :15,750.00(UC0:40B)
 昨日の錫価格は前日比変わらずであった。非鉄金属にとってはプラスの材料が多かったものの、投機の対象となりにくい錫に更に買いが入る余地は少なく、16,000円の節目を上値として小動きとなった。比較的現在の純粋な需給を反映した価格で取引されやすいのだが、足許のバック形状が示唆する需給のタイトさを反映して堅調な推移となっている。LME在庫は+220Mt増加、(FSCは15.5日)、P596は3.81%。売買高は626枚。イールドカーブは期近が小幅下落期先が小幅上昇しているが殆ど変化していない。C-3は40ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは15,750.00(UC0:40B)。

(エネルギー関連ニュース)
WTI :72.68(+1.35)
Brent :71.79(+0.99)

IEA月報
2009年原油需要 83.3MBD(前年比▲2.5MBD、前回発表時比+120KBD)。
2009年 Non-OPEC生産 50.5MBD(前年比▲100KBD、前回発表時比較+170KBD)、ロシア、北海、コロンビアの生産増加で。
5月 OPEC生産 28.4MBD(前月比+160KBD)、OPEC11生産 26.0MBD(前月比+110KBD) :目標枠 24.85MBD。
2009年のCall on OPECは27.7MBD(前回発表時比▲0.2MBD)。
Q209 原油処理量 71.3MBD(前回発表時比+0.2MBD)。Q309は72.8MBD(前年比▲1.2MBD)。
4月OECD在庫 2,753MB(前年比+7.5%)。北米の高水準在庫が、欧州と環太平洋の低い在庫水準を相殺。FSCは62.0日(前年比+7.5日)。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に上昇した。週半ばの在庫統計で原油在庫の大幅減少が確認された上、景気底割れ回避への期待感が高まる中、IEAの2009年需要見通しが上方修正されたことが好感された。ここしばらくの価格上昇は明らかな売られすぎが金融緩和や経済対策の影響を受けて修正される形での上昇であったが、チャート的に買いをいれ易い環境になっていることがCTA等の投機筋の買い(買い戻し)を促していることも否定できない。イールドカーブは期近が大幅に上昇し、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.8%。昨日の引けは72.68(+1.35)。 Brentも同様の相場展開で大幅に上昇している。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.4%。昨日の引けは71.79(+0.99)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは拡大。
 石油製品も上昇。RBOBは週半ばの統計で需要が回復していることやFSCの低下もあって、200セントの節目を上回って寄り付いた後、大幅な上昇となった。新型インフルエンザ問題が北半球で落ち着く中、ドライブシーズンであることもあって、総じて堅調な推移となっている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+2.3%。昨日の引けは206.49(+4.96)。 ヒーティングオイルも上昇。週半ばの統計でも別に需要が回復しているわけでもなく、FSC水準も悪化しているのだが、チャート的には200日移動平均線をとうとう上抜けしていることもあって買い安心感が広がり上昇している。そもそもヒーティングオイル在庫の水準は極めて高い状態が続いており、原油価格の上昇がないと積極的に上値を狙える環境にはない。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+1.1%。昨日の引けは185.34(+2.08)。 ICEガスオイルも上昇。イールドカーブはパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は±0.0%。昨日の引けは564.50(UC)。"





(ひとりごと)
「〇〇マン」
の話を書いたら、結構反応があった。

そうなのか、と思ったのが

「電線会社に働いている人と話をしていたら、『我々電線マンは』と言っていた人がいました」

という話。
電線マン、ていったら、ほら。
テレビでやってた電線マン思い出しますよね。

そのほかにも

鉄鋼マン

ともいいますね。といっている人がいた。
はた、ここで気が付いた。
〇〇マンには明確な共通点があることに。
それは

「全部で6文字」

なんですね。

こうぎんまん
でんせんまん
てっこうまん
しょうしゃまん
しょうけんまん
ぎんこうまん

ね。
日本人だと、5・7・5の文字の並びが一番すわりが良いはずなのに
〇〇マンの場合は6文字なんですよ。
下らんネタだったんですが、思いがけず深い話になってきた気がするぞ。


と、今日は時間の関係でここまで。
続きは明日にします。



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