リレー小説-第19話

【商品市況概況】

「材料乏しく高値圏でのもみ合い継続」

昨日の商品価格は総じて高値圏でのもみ合いとなった。手掛かりとなる経済統計等の発表が無く、今まで材料とされていた材料が改めて材料視され、商品毎、個別の値動きとなったが、今までの取引レンジを脱するには至らなかった...


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【雑感】

【リレー小説-第19話】

東海エビ研究所を後にし、龍太郎の会社の子会社に立ち寄ったが、
購買課長に

「あれ、エビ研行ってきたの?
何度も本社の方には言っているんだけど、行くだけ無駄だよ。
昔は助けてもらったこともあるけど、
今のエビ研は何の役にも立たないんだから...
本社でちゃんと考えてよ。」

と、呆れ顔で言われてしまった。

確かに、封筒を渡された後もエビ価格の話をしようとする龍太郎を
田中は右から左に受け流すだけの対応で、
妙案どころか有益な話は全く得られなかった。

というか、龍太郎の頭の中は、田中からここに行けと渡された封筒に
「たぬきや」と4文字書かれていたのを見てから、
エビの話どころではなくなってしまったのだ。


あの狸屋のことだろうか...?


餡ものが苦手な龍太郎は狸屋のどら焼きを食べたことが無い。
ただ行ったことが無いわけでもなく、一度手土産を買いに狸屋に入った
ことはある。
社会人一年目、帰省した茉実に会いに茉実の実家に遊びに行く際、
何か手土産を買っていこうと思って、
そのとき知ったばかりの狸屋に入ったのである。
でも肝心のどら焼きは買わず

「平家の落人伝説」

というお菓子を買った。


それまで龍太郎はきちんとした手土産を
茉実の家に持って行ったことが無かった。
しかし社会人になったんだし、これまでとは違って
ちょっと気の利いたもの(有名店の手土産)を持っていこうと
思い立ち、それを携えているという満足感に浸りつつ、
茉実の家に向かった。


ところが包みを見て

「まぁありがとう、狸屋ね。ここのどら焼き美味しいわよね。
大好き。よく買えたわねぇ。
コーヒー…じゃなくてお茶入れるから待ってて」

と小躍り気味にキッチンに消えて行くお母さんに
「それは平家の落人伝説でして…」とも言えず、
茉実にこっそり言うと「狸屋でどら焼きじゃないなんて」と
あきれられたほろ苦い記憶がある。
(お母さんは「ごめんね龍太郎君、早とちりしちゃって!」と
平家の落人伝説を美味しそうに食べてくれたが)

美紅の件もある。いずれにしても早く狸屋に行ってみなくては!
(続く)