リレー小説-第26話

【商品市況概況】

「欧州危機への懸念後退、景気循環銘柄買い戻される」

昨日の商品価格は景気循環系商品の価格が上昇し、非循環系商品価格が下落した。ポルトガル・ショックの影響で上昇していた安全資産需要が減少、マクロ経済統計に大きな波乱がなかったことや株高を受けて市場参加者のリスクテイク意欲が回復したことが背景。


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【雑感】

【リレー小説-第26話】

美紅が立ち止ったのは「きぬた」という暖簾がかかった居酒屋の前であった。
吉田類の酒場放浪記にでも出て来そうな場末感の漂う渋い店だ。
既に扉の隙間から魚介類を炙ったような臭いが漏れている。

「えっ、ここ?」
「そう。その日女将が釣って来たものを目の前の囲炉裏で焼いてくれるの。美味しいわよ。」
「前にも来たことあるの?」
「ものすごく久しぶりだけど、年に1〜2回は来てるかな」

美紅は「こんばんはー」と迷わず扉を開けた。
見た目からの想像どおり、中はそれほど広くなく、
業連とおぼしき客が何組もカウンターに座っていた。
男同士で居酒屋に行くことはしょっちゅうだが
こんな美人と二人きりで飲むなんて何年ぶりだろうか。
小洒落た店しか好まない茉実とは
少なくともここ数年こんなところに一緒に行った記憶がない。

「そう言えば、今夜はどこかに泊まるの?」

と思った瞬間、龍太郎は今夜の宿泊先を確保していないということに気がついた。
東京行きの最終のこだまは10時半ぐらいだろうか。
これに乗って帰ろうと思えば帰れなくもない。

少し躊躇いながら美紅に聞いてみた。

「明日は土曜でしょ?せっかくだから知り合いの家に泊まろうと思って」
「そ、そうなんだ」

龍太郎の淡い期待が砕かれた。

「あなたも一緒に泊めてくれるって」
「ええっ、いつの間にそんな約束したの?!」
「さっき、メールでこっそりね」
「いきなり俺も行ったら悪いだろ」
「お客さん用の布団、たくさんあるから大丈夫だって」
「いや、そういう問題じゃなくて…」

「で、その知り合いってどんな人?」
「実は黙ってたんだけど、この店で待ち合わせしてるの」
「えっ、ここで?」

その時、店の扉がガラリと開き、一人の男が入って来た。
「あっ、来た来た。こっちよー」
美紅が笑顔で手を振った。
(続く)