リレー小説-第54話

【商品市況概況】

「高安まちまち〜米雇用統計の悪化の影響は限定?」

昨日の商品価格は引き続き欧州・中国市場が休場だったため、取引薄い中神経質な推移となった。米雇用統計の結果は米国が容易に利上げができない可能性が有ることを示唆する内容であり再び金融相場に商品市場が戻った可能性もある。



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【雑感】

【リレー小説-第54話】

リレー小説ですよ。

リッチーは深い眠りから覚めた。
だいたい、面倒なことがあった後ほど危険なのだが、
いつもトラブルの後は深い眠りについてしまう。

「またあの黒い服の男が出てくるとは...」

何とも忌々しそうにひとりごとを言う。
と、言った瞬間に部屋の中を探ってしまった。

「さすがにこの部屋まで、盗聴器は仕掛けられていないか...」

普段は適当そうに見える男であるが、
軍の特殊部隊に所属していたこともあり、
こうした調査には抜かりがない。
基本的に全く知見のない土地に潜入調査するのが彼の専門だからだ。
俗にいう、スパイと似たような役割である。

「あの秘密基地はすでに廃棄したしな...
証拠が残るようなヘマはしていないはずだ」

そう呟きながらリッチーは机の上にあるファイルを開いた。
黄色い表紙のファイルであるが、右上には極秘の刻印が押されている。

リッチーは顎をさすりながらページをめくる。
複雑な化学式が何十ページにもわたって書かれている。
ちょっと化学をかじった程度では理解できるはずがない、
複雑な内容だが、リッチーはすばやくその数か所に赤いペンで
何か書き込みを入れた。

「ここも間違えてやがる...」

そしてページをめくったそこには、1枚の写真が添付されていた。

そこには赤い殻をまとった、エビのような物体が写っている。
そしてその殻から生えるべき足は生えておらず、軟体動物のもの。
そう。
赤い足が複数本生えている。
しかも、良く見ればバッタのような足もついているようだ。
これはいったい何なのか。

「Xデーは近い」

リッチーは極秘資料を閉じた。