ちょっと怖い話

(経済関連ニュース)
・7月独PPI 前年比+1.1%(前月+1.7%)。市場予想+1.4%。3年ぶりの低い伸び。
・8月米消費マインド指数速報 83.3(7月確定90.4)、市場予想88.0。先行指数74.1(前月81.5)。
FRBFOMCの緊急会議で公定歩合の0.5%引き下げを決定、5.75%に。一方FF金利の誘導目標は5.25%で据え置き。
FRB「金融市場の秩序ある機能を支援するため、必要な資金を供給する方針。連銀窓口を通じた直接の資金供給も実施している」

非鉄金属関連ニュース)
・Grupo MixicoのSan Martin鉱山労働者はスト続行の認可を裁判所より受ける。
・BHP Billiton 豪Olympic Dam鉱山(銅かソード生産量182,500Mt/年)、事故が発生したが生産には影響なし。

(エネルギー関連ニュース)
・Coffeyville Kansas製油所(108KBD)の殆どのユニットを再稼動
・Chevron Pascagoula製油所(330KBD)、火災のため稼動停止。
・ハリケーンディーンが、カテゴリー3に。

(商品市況概況)
「上昇」
 週末の商品価格は概ね上昇した。予想外であったがFRBが緊急会合を開催し、公定歩合を50bp引き下げた事から信用収縮の動きに一旦歯止めが掛かるのではとの期待感から買い戻しが優勢となった。
 先週もコメントしたが、グリーンスパンは以前、ITバブル崩壊時に完全にバブルが消滅するまで安直に利下げを行っておらず(バブルが消滅する前に利下げを行えば、しぼみかけたバブルがまた膨らんでしまうため)、今回もバーナンキ議長はグリーンスパン議長と同様の手法を取るものと考えていたが、思ったよりも相当早いタイミングで対応策を打ち出してきた。この事はハードランディングを回避し、時間を掛けてバブルを収束させたいとの意思の現れであると考えられ、どの道バブルつぶしには今年一杯架かることになろう。但し危機的な大幅な価格の下落&景気後退は何とか回避できそうである。
 昨日のセクター別のパフォーマンスは良い方から順に、ソフト、貴金属、非鉄となっており、最も悪かったのが新興国株となっている。週次のセクター別のパフォーマンスは、良い方から順に、新興国株、株式、ソフト、最も悪かったのが非鉄となっている(但し株式・新興国株以外は全て下落)。商品別では、天然ガス、上海A株、トウモロコシ、最も悪いのが鉛であった。

(非鉄金属)
 週末の銅価格は大幅に上昇した。当面見送られると思われた米FRBの金融政策変更が実施され、公定歩合が0.5%引き下げられた事が好感された。但し引き続きFF金利は変更されておらず、今の所効果は限定的との見方もある。LME在庫は+1,200Mt増加、(FSCは2.4日)、(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は14,554枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブはパラレルに全ゾーン上昇。C-3は98㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き各国金融当局の金融政策動向に振らされる展開になろう。今の所FRBは信用収縮問題の収束に対して小職の予想よりも早いタイミングで手を打ってきており、価格下げの速度は鈍化すると見られるものの逆に問題解決に時間を要する可能性があると見ている(とにかくハードランディングだけは回避したい、という思惑であろう)。基本的に足元の下落はファンダメンタルに変化がない中、ファンド等の運用資金が当該市場から退場している事に伴うものであり、問題が長期化した場合には幾つかのファンドや金融機関の破綻とともに需要が減少する「悪い意味での価格下落」の可能性があるため要注意である。但し今の所、需給面は依然としてタイトであり、金融当局の方針が変更されたことから下値も限られると見ておいたほうがよいだろう。売買材料を整理すると以下の通りである。1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、2つ目は生産国のストライキ懸念が継続していること、3つ目はLME在庫水準の低さ・キャンセルワラント率の高止まりである。このように供給サイドに関する問題は根本的に解決していない。但し足元は上記の通り下値を探る動きのほうが優勢になると考えている。理由の1つ目は繰り返しになるが、信用収縮の動きが加速し低流動性市場における投機筋の手仕舞い売りが継続すると見られることである。もし株価の低迷が長期化し、景気が減速した場合に「悪い形での」価格下落を引き起こす可能性があるため予断を許さない。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局が更なる利上げに動く可能性があることである。但し、利上げが実際に需要減少を促すまでには時間がかかると考えている。尚、9月オプションの建玉は8,000㌦コールが1,189枚、7,800㌦コールが970枚、7,700㌦プットが750枚、7600㌦プットが455枚、7,500㌦プットが705枚となっている。

 週末の亜鉛価格は上昇した。材料は端的にFRB公定歩合引き下げに伴う信用収縮問題の収束期待である。結果、3,000㌦の心理的な節目を回復して引けている。LME在庫は▲500Mt減少、FSCは1.9日(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は7,341枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、スティープニング。C-3は1㌦バックとコンタンゴからバックに転じた。 今後については各国金融当局の信用収縮問題に対する対応方針に振らされ、ワイドなレンジでチョッピーな展開になると考えている。以前このコラムで指摘した通り、株価低迷が長期化した場合の影響が大きく出始めている(実際に景気が低迷して実需が減少)。ファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながら信用収縮問題が解決しておらず、このマイナス材料がファンダメンタルの強材料を凌駕すると見られることから上値ではしっかりと売りが入らざるを得ない。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している(3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は低いと見ていたが一連の価格下落の過程でこの水準は一旦下回ってしまった。しかしながらこのタイミングでFRBの金融政策の変更があったため、当面は2,990㌦が下値の目途となろう)。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということである。但し、今回の連鎖株安が長期化した場合、実需の減速を伴って価格が下落する可能性があるため、価格低下が長期化する恐れもあるため要注意である。目先の上値は10日移動平均線となる3,300㌦、下値の目途は上記の通り2,990㌦、セカンドサポートは昨年6月20日にマークした2,810㌦を挙げておきたい。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,500㌦コールが535枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,030枚、3,000㌦プットが874枚となっており、下落への警戒感が強いようだ。

 週末の鉛価格は上昇した。やはりFRB政策金利引下げの影響が大きかったが、この信用収縮の動きの中で鉛価格はさほど影響を受けていなかったことから戻り幅の比率も大きなものではなかった。但しこの上昇で以前、短期的な下値の目途であった50日移動平均線を回復している。LME在庫は▲700Mt減少、(FSCは1.2日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は12.5%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は2,337枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇、フラットニング。C-3は47㌦バックとバック幅を拡大した。 今後については(他の非鉄金属よりも影響は小さいとは言え)各国金融当局の対応を受けた株価動向に振らされ、レンジワークが継続すると考えている。また、株価低迷が長期化の様相を呈してきているため、実需の減少を通じて価格に下押し圧力がかかる可能性は依然、否定できない。ところが今の所ファンダメンタルは、中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないこと、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(7月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCはとうとう1.3日に)こと、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなどから、極めて強い状態が継続している。但し、繰り返しになるが、株価が不安定な状況が続いている事や中国の利上げ観測等(中国の利上げは中国国内実需のマイナス要因となり得る)のマイナスもあり、著しい高値を維持することが難しい環境になっている事も注意すべきであろう。本日は週末のFRB政策金利引下げの影響もあって一旦上値を試す動きとなろう。

 週末のアルミ価格は上昇した。米FRB公定歩合引き下げにより、信用収縮の動きに一時的に歯止めが掛かる中、買い戻しが優勢となった。但し心理的な目途である2,500㌦ラインは回復できずに引けている。LME在庫は▲600Mt減少、(FSCは8.3日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトではない。(キャンセルワラント率は2.3%)。売買高は17,822枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下。C-3は61㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、他メタルと同様、各国金融当局の信用収縮問題への対応に大きく影響を受ける展開が予想され、非常にワイドなレンジでのもみ合いとなろう。但し小職が予想していたよりも早いタイミングでの金融政策変更であったことから、ハードランディングが回避され、問題解決に時間が掛かる(インパクトは小さく)展開が予想される。ファンダメンタル的にはベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として利上げを検討していることである(今回の信用収縮問題とはやや趣が異なる)、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは他メタル比で低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が欧州・中国で低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる(但し現時点において低流動性市場からの資金退避の動きが継続しているため、エネルギー価格は低下している)。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。
 今週は日銀の政策会合の結果がポイントになるが、恐らく市場に織り込ませてきた利上げは実施できまい。よってFRB政策金利引下げもあり一旦上昇すると考えている。但し月次チャートで見た場合、今年6月にやや潮目が変わった可能性が高く、明確なサポートラインもない中、昨年9月にマークした2,405㌦が次の下値の目途となろう。上値の目途は10日移動平均線となる2,600㌦を挙げておきたい。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,750㌦コールが3,153枚、2,700㌦コールが625枚、2,700㌦プットが1,200枚、2,650㌦プットが4,450枚、2,450㌦プットが930枚となっており、下落への警戒感が強い。

 週末のニッケル価格は上昇した。LME在庫は引き続き大幅に増加しているのだが、米FRB公定歩合引き下げに伴い一旦信用収縮問題が落ち着いたためである。但しニッケルは今年5月頃から運用資金の退場が既に始まっており、この下げ局面でもそれほど大きな影響を受けていなかったことから他メタルに比べると戻りはあまり大きくない、との印象である。LME在庫は+552Mt増加、(FSCは5.1日)、キャンセルワラント率は3.2%。売買高は811枚。イールドカーブは全ゾーン上昇しているが、期近の上げが大きかった。C-3は195㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、FRBの金融政策の変更により一旦買い戻しが優勢になると見ているが、ニッケルは現在、どちらかといえばLME在庫の増加基調が継続していることに象徴されるファンダメンタルが売買材料とされている可能性が高く、上昇幅は限定されると考える。ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも5日を回復しており危機的状態は脱したといってよい。一時期の相場の主役から転落した感がある。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。
 小職が目標に挙げていた昨年8月の25,350㌦もとうとう下回ってしまった。ここ先週ぐらいからこのコラムでコメントしている通り、価格が今の水準以上に下落するかどうかは、信用収縮関連の問題がどうなるか、LME在庫の状況に拠ると考える。信用収縮関連の問題の根本的な解決には時間を要すると見られるため、FRB公定歩合引き下げを発表したがやはり少なくとも年末までは下げ材料になり続けると考えている。LME在庫動向は通常、LMEニッケル在庫は春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすいため、やはり同様に下げ材料となろう。よって、更に下落する可能性は高いといえる。一応、次の下値の目途は昨年7月にマークした21,800㌦を挙げておきたい。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良い、という見方をしていたが、株価低迷が長期化した場合、本当に実需にマイナスのインパクトを与える可能性が高いためこの見方は現時点では今回のクレジットクランチが落ち着くまで一旦凍結したい。"

 週末の錫価格は前日比変わらずであった。信用収縮問題を受けて手仕舞い売りの動きが継続していたが、FRBの利下げを受けて買い戻しも入り比較的ワイドなレンジでのもみ合いの結果、前日比変わらずで引けた。LME在庫は+130Mt増加、(FSCは14.8日)、キャンセルワラント率は3.89%。売買高は605枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は70㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、錫も信用不安の拡大を受けて下落余地を探る展開が継続すると見ている。但し、FRB政策金利引下げの影響や、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、インドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から思惑的な買いを誘いやすく、基本、下値は限られると考えている。とにかく他非鉄金属と同様、米国株式の調整に伴うセンチメントの悪化、中国当局の連続利上げが実際に行われた場合の実需減速の可能性に注意すべき時期にきたといえる。ここ数日の価格下落で主要なチャートポイントを全て下にブレイクしている事から、暫くはロスカットの売りが継続する可能性が高く、4月27日にマークしている12,600㌦程度までの調整はあると考えている。

(エネルギー)
 週末のNY原油は上昇した。FRB公定歩合引き下げにより、米国発の信用収縮の動きに一旦歯止めが掛かるのでは、との思惑が広がった事や「ディーン」が勢力を強めている事などが材料視された。といってもやはり株上昇の影響が最も大きいといえる。この上昇により50日移動平均線を回復して引けている。イールドカーブは期近を中心に上昇。Brentも公定歩合引き下げの影響で上昇したが、一目均衡表の雲の下限&10日移動平均線レジスタンスは上抜けずに引けている。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇。
 石油製品も上昇。RBOBは木曜日の下落局面でも10日移動平均線のサポートラインを下回らなかったことから、FRB公定歩合引き下げを受けて終始強含み推移した。イールドカーブは全ゾーン上昇。ヒーティングオイルも上昇。こちらもRBOBと同様、木曜日の下げの中で10日移動平均線を維持して引けていたことから、終始強含み推移した。とりあえず50日移動平均線が目先の上値になりそうである。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブも全ゾーンパラレルに上昇している。

 本日の原油相場は上昇するものと見ている。小職の予想よりも相当早いタイミングでFRB公定歩合を引き下げるという対応に出た事から、FF金利の引き下げといった更なる追加策への期待が高まるためである。同時にエネルギーは忘れられがちであるがファンダメンタルが強く、こうした需給要因でも上値を試し易い。尚、石油製品在庫水準が低く、製品供給に懸念の生じる可能性が高いハリケーンの発生は素直に買い材料となるためこのピークシーズンは要注意である。但し例年と環境が違うのは、景気が後退局面入りしている段階で巨大なハリケーンがメキシコ湾岸を脅かした場合、逆に大きなマイナスのインパクトをもたらす可能性があることである。エネルギーマーケットは大きな転換点に差し掛かっているのかもしれない。
 ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。
 イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、CFTCの統計に見られるように投機筋は概ねロングポジションを手仕舞い始めている。暫くは債券や金等の安全資産のほうが物色されやすい環境が続く事になるといえる。
 WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
 短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。また、ここ暫く横這っていた原油FSCは、昨日の稼働率の上昇により減少に転じている。OPECに増産の意向が今のところない以上、今後、稼働率が改善してもピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しいといえる。また、IEAの月報ではQ207の在庫水準が過去5年平均に満たない事が示されており、FSCの悪化も確認された。つまり最近高い価格に慣れてしまっているため忘れているが、ファンダメンタルの厳しい状況にはなんら変化がないのである。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは21.0日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は21.6日)。ガソリンの得率が限界的な水準(60%近辺)まで上昇していることを鑑みれば、ガソリンの供給は輸入に頼らざるを得ず、今後も非常にボラタイルな展開が予想される。
 供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日にウィーンで開催される総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう(日本は異常気象のため、夏入りが遅れている)。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
 尚、価格の目途となりやすいWTIオプションの建玉状況は、80㌦コールが18,043枚、75㌦コールが17,275枚、70㌦コールが12,644枚、75㌦プットが6,633枚、72㌦プットが6,148枚、70㌦プットが13,246枚となっている

(ひとりごと)
そろそろ暑くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ワインや日本酒よりもビール
といった時期でございますな。
蝉もどうやって気温を感じるのか、堰を切ったように鳴き始めた。
日本の夏であります。

さて。

この時期、やっぱり怪談ですよね。
でも、個人的に夏に怖い話っていうのは納得いかない。
というのも、よくある説明が

「暑い夏、怖い話で冷や汗をかいて涼しくなりませんか?」

というもの。
そんなはず無いでしょ。
汗かいたら、汗っぽくて気持ちよくないじゃないですか。
でも、夏はお盆の季節なので幽霊の目撃談が沢山あってもおかしく無いような気がする。
なので、結局のところ夏は怪談なのである。

で。

皆さんって、怖い体験した事あります?
私は幸いな事に決定的に怖い目にはあったことはないのですが、びっくりした事はありました。
今日はまだ夏本番じゃないのでさわりぐらいにしておきますが
結婚する前に2〜3回一緒に飲んだ女子大生がいたんですが
何だか霊能力があるらしく、見えちゃうらしいんですよね
どんな事が見えるかっていうと、合コンしている男の人の過去の歴史が全部見えちゃったりとか
その人の守護霊が突然見えちゃったりするらしいんですよ。
彼女いわく、子供の頃は花のところに妖精が見えたりしたんだそうだ。

まさか。
ウソじゃないの?
と思っていたのだが、彼女の言っていることを信じざるを得ない事が起きた。
そのとき六本木のバーで飲んでいたのだが突然彼女が凍りついたように動かなくなった
時間的には3分程度だったか。
で、彼女に何があったのか聞いたところ逆に質問をし返された。

「親族で死にかかっている人がいますよね?」

え?
そんな話は彼女に一回もした事がなかった(そもそも会うのは2回目で、前回あったときには彼女と全く話をしていない)が、
実際にそのときに私の祖父が病床に臥せっていたのだ。
更に聞いてみると、さっきから黒ずくめの女性がずっと私のことを見ていた、とのこと。
彼女も詳しい事はよく分からないが、直感的に死神風の人であったらしい。
理由はよく分からないが、私を対象として現れた、という感じではなかったようである。

うーん。
いるんだなぁ。そいう言う人。
死神も本当にいるのかも知れないすね。
その彼女に言われたのは

「油売りさん、運だけはものすごく良いみたいですね」

だ、そうです。
運だけ、ねぇ...頑張らないとなぁ。