でんじろう先生の館(科学技術館)

(経済関連ニュース)
・8月米住宅着工 前月比▲2.6%の133万戸(前月136.7万戸(速報比▲0.4万戸))、市場予想135万戸。
・8月米CPI 前月比▲0.1%(前月+0.1%)、市場予想±0.0%。コア指数 前月比+0.2%(前月+0.2%)、市場予想+0.2%。
・日銀 政策金利の据え置きを決定。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+2.4%の673.2、購入指数+0.9%の452.0、借換え指数前週比+4.6%の1,962.0。

非鉄金属関連ニュース)
・Iberian Mineralsは、Trafigura Beheerのペルーの銅山を購入。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲2.0MB、ガソリン▲0.8MB、ディスティレート+1.4MB、稼働率▲0.6%
・ExxonMobile Beaumont製油所(240KBD、テキサス、P3)、稼動停止。オイル漏れで。
・Valero Port Arthur製油所(325KBD、テキサス、P3)、一部の生産を再開。
・BP, ConocoPhillips, Chevronはトロピカルストームの襲来を控えて不要な労働者の非難を開始。

(商品市況概況)
「軒並み上昇」
 昨日の商品価格は軒並み上昇した。FOMCでの利下げを受けた金融市場の安定を受けて、略全ての商品に買いが入った。昨日もコメントしたが今のところ商品市場はFOMCでの「更なる」利下げを織り込もうとしている。しかし、小職は9月末、12月末の四半期決算をファンドや金融機関が無事に乗り越えることができるか、ということが最大のポイントになると考えており、現時点においてサブプライム問題が完全に解決したとは言い切れないと考えている。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。FOMCでの利下げの影響で、各国株式が上昇したことに伴うセンチメントの好転で買いが入った。特に銅はカーブがバックであることもあって、ファンダメンタルも強く投機筋の買い対象になり易い。一目均衡表の雲を上抜けて寄り付いた後、略一貫して水準を大幅に切り上げる動きとなった。LME在庫は+650Mt増加、(FSCは2.7日)、(キャンセルワラント率は4.0%)。売買高は10,485枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇。C-3は48㌦バックと前日と変わらず。 今後については深刻な供給不足を背景としてしっかりの展開を予想する。サブプライムローン問題が根本的な解決を見ない中、ファンドや金融機関の四半期決算となる9月末から年末に波乱がある可能性があるが、とりあえず今回のFOMCでの大幅利下げによってその可能性は以前に比して低くなったと考えられる。また昨日発表された米CPIもインフレの沈静化が確認されており、米FOMCの更なる利下げに動き易い環境になりつつあることも、健全なファンドの資金の商品市場への還流を促しているといえる。尚、銅をめぐるファンダメンタルはなんら変化しておらず、強い。買い材料の1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移していることである。先週発表された固定資産投資は市場予想を上回る伸びを示している。2つ目は生産国のストライキ懸念が継続していること、3つ目はLME在庫水準の低さである。FSCは2.7日分しかない。その一方売り材料は、1つ目は繰り返しになるが、株価動向が不安定な事から(一部商品市場に戻ってきてはいるが)投機筋も積極的には商品市場に手を出しにくい環境にあることである。また株価の低迷が長期化し、景気が減速した場合に「悪い形での」価格下落を引き起こす可能性があるため予断を許さない。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局の利上げ姿勢が持続している事である。これは欧米各国の金融当局が利上げを見送っているのとは別の観点からの利上げであり、過剰な設備投資を抑制せんとしているものであるため実際に需要減少を促すまでには暫く時間を要しよう。本日は昨日の上げ幅があまりにも大きかったことから一旦利食い売りに押されると見ている。7,600㌦ラインを固める展開となろう。
 尚、価格の目処となり易い10月オプションの建玉は8,000㌦コールが435枚、7,800㌦コールが2,095枚、7,200㌦プットが592枚、7,000㌦プットが1,212枚となっている。

 昨日の亜鉛価格は上昇した。材料は銅と同様、FOMCの利下げ。10日移動平均線レジスタンスラインを上抜けしたことから買いが先行した。CTA等の買いによる上昇であると見ている。LME在庫の減少やキャンセルワラント率の高さも相場の下支え材料となった。LME在庫は▲675Mt減少、FSCは2.2日(キャンセルワラント率は17.9%)。売買高は4,808枚。イールドカーブは期近を中心に上昇しブルスティープニング。C-3は2㌦バックとバック幅を拡大した。 今後についてはサブプライムローン問題に端を発する米国経済の先行き不透明感が強まっていることから、引き続き不安定な相場展開になると考えている。但し、今回のFOMCの大幅利下げと今後の追加利下げ観測の高まりから、一時期の極めて悲観的な状況からは脱したようだ。とはいってもサブプライムローン問題の解決にはまだ時間を要するため、上値は限られる事となろう。結果、比較的低い水準でのレンジワークになると考えている。以前からこのコラムで指摘している通り、年末に向けては中国からの生産増加で相場は下値を試し易い環境にあることも相場の下押し材料となると見る。中国当局が加熱する経済を冷やす目的で金利上げを行い、先々も検討していることも中長期的な需要の減少を引き起こす可能性がある。しかしながらファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国の固定資産投資が市場予想を上回る伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃、亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である(キャンセルワラント率も高い)。今回の信用収縮問題の落ち着きどころが見えるまでは下値を探る展開になると見ていたが、今回のFOMCでとりあえず一旦下値は確認できたと見ている。よって本日は、昨日の上昇幅があまりにも大きかったことから、一旦10日移動平均線を固める展開になると考えている。目先の上値は引き続き節目の3,000㌦、下値は切りのよい2,500㌦程度。尚、価格の目途となりやすい10月オプションは3,000㌦コールが900枚、2,900㌦コールが600枚、3,200㌦プットが400枚、3,000㌦プットが150枚、2,800㌦プットが123枚となっている。

 昨日の鉛価格は上昇した。LME在庫の減少と、利下げを受けた株価の上昇が材料である。LME在庫は▲500Mt減少、(FSCは0.9日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は6.5%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は1,574枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇。C-3は57㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き主要金融市場の動向に振らされ、不安定な展開が継続すると考えている。但しFOMCの大幅利下げによってしばらくは鉛をめぐるファンダメンタルを映じて、上昇余地を探る動きとなろう。CTA等の比較的足の速い資金も買いを入れてくると見られる。但し、今回のサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、この材料がある限りは上値ではそれなりに売りが入ると見られるため、引き続き四半期決算月となる9月末、12月末の動きには注意したい。ファンダメンタルは繰り返しになるが、非常に強い。中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないことや、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(7月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCは1.0日に)、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなど、極めて強い買い材料が目白押しである。よって金融市場の混乱、という波乱材料がなければ基本は上値を試し易い環境にあることは忘れてはならない。本日は昨日の上げ幅が大きかったことから一旦利食い売りに押される展開を予想している。50日移動平均線近辺となる、3,100㌦辺りが当面の下値の目処となろう。価格の節目となりやすい10月オプションの状況は、3,350㌦コールが600枚、3,200㌦コールが350枚、2,900㌦プットが440枚、2,700㌦プットが427枚となっている。

 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。LME在庫の大幅増加や米住宅着工の悪化はあったものの、FOMCの利下げの影響による株高、リスクマネーのリスク許容量増加を受け、投機の対象となり易い期近を中心に買いが入った。これにより10日移動平均線レジスタンスラインを上抜けて寄り付いた後、一気に30日移動平均線レジスタンスラインまで水準を切り上げて引けた。アルミは一旦底打ちしたと見てよさそうである。LME在庫は+4,350Mt増加、(FSCは9.2日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトではない。(キャンセルワラント率は5.0%)。売買高は12,679枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン上昇。C-3は55㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、主要金融市場動向に一喜一憂の展開が予想され、不安定な状態が続く事になると見るが、FOMCでの市場予想を上回る50bp程度の利下げによって株式市場が安定し始めたことから、リスクマネーの許容量が一時的にでも改善しており、しばらくは上昇余地を探る動きとなるか。但し、問題は9月のファンドや金融機関の四半期決算が無事に越えられるかどうかであり、この問題が解決しない以上は積極的に上値をトライする動きになりにくいのも事実である。ファンダメンタル的にはベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として今後も利上げを実施する可能性があること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。尚、7月の中国の輸出入統計では、前月比ベースではネット輸入が増加、前年比ベースでは減少しており、短期的にはブル、中長期的にはベアな内容であった。
 本日は昨日の上げ幅が大きすぎたこともあって、一旦下値を固める展開になると考えている。昨日までのレジスタンスラインであった10日移動平均線(2,440㌦)を探る動きになると見る。下値の目途は昨年2月にマークした2,258㌦を挙げておきたい。価格の節目となりやすい10月オプションの状況は、2,750㌦コールが585枚、2,575㌦コールが1,030枚、2,350㌦プットが505枚となっている。

 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。LME在庫が季節要因と異なり、大幅に減少したことや、各国株価が大幅に上昇していることからリスクマネーが還流してきたためと考えられる。一昨日10日移動平均線レジスタンスラインを上抜けしていたことから、この水準を上回って寄り付いた後にNY時間にかけて上げが加速、一目均衡表の雲を上抜けする勢いで上昇している。ニッケルは今年5月からの価格調整を終えた様子である(ファンダメンタルが変わらなければ25,000㌦が底値)。LME在庫は▲222Mt減少、(FSCは7.5日)、キャンセルワラント率は2.5%。売買高は2,523枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は260㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、サブプライムローン問題が解決しない中、不安定な状態が続くと考えているが、FOMCの利下げを受けた株価の上昇によるリスク許容度の改善や、米CPIの悪化といったインフレ懸念の後退に伴う更なるFOMCでの利下げ観測が相場を押し上げるものと考えている。ニッケルを巡るファンダメンタルは代替品の活用やLME在庫の増加等、決して強くはないものの、5月からの価格下落は行き過ぎの調整の側面も強く、25,000㌦までの下落で一旦底を見た、と考えられる(一連のサブプライムローン問題発生の過程においてもニッケル価格は25,000㌦を大きく割り込むことがなく、徐々に期先の価格が上昇していることも鑑みれば25,000㌦を下値としてイールドカーブコンタンゴ化する可能性が高く、概ねそのような状態となってきている)。よって上昇はするものの上値は限られるということになろうか。理論上は期近の価格が期先よりも安い状態は、供給が十分であることを示すが、同時に世界的な素材価格の上昇もあって生産コストも以前に比して上昇していることも示唆している。よって、期先が上昇を始めていることは生産コストの上昇を示しているといえ、期先が高止まった場合、期近は低下しにくくなると考えておきたい。引き続きイールドカーブの形状変化に注目する必要があろう。
 小職が目標に挙げていた昨年8月の25,350㌦を一旦割り込んだが、上記の通り株価の安定とともにニッケル価格は短期的には下値を固めた感がある。サブプライムローンに端を発する信用収縮の問題が完全に解決したわけではないため予断を許さない状況が続くと見るが、FOMCでの更なる利下げの可能性もあり当面は上昇余地を探る展開になると予想する。本日は、他のメタルと同様、上げ幅があまりにも大きかったことから一旦下値(10日移動平均線)を固める展開を予想している。尚、下値の目処は8月16日につけた24,800㌦。中期的にはLME在庫が春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすいことを考えると、年末に掛けて再び下値を探り易い地合いであると言えるが、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩が強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られると見ておいたほうが良い。"

 昨日の錫価格は大幅に上昇した。LME在庫の比較的まとまったロットでの減少が継続していることから、ファンダメンタルは強く、株価の上昇によりセンチメントも好転していることから、買いが入った。しかし昨日は一目均衡表の雲の下限で上値を抑えられた。やはり流動性の観点から、錫が投機資金の運用対象にはなりにくいことを示唆している。LME在庫は▲105Mt減少、(FSCは13.0日)、キャンセルワラント率は6.44%。売買高は330枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は100㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、各国金融政策とそれを受けた株価動向を受けて不安定な相場展開が続くと考えている。但しFOMCの利下げ&今後の追加利下げを受けて株式市場が安定すると見られることから、しばらく買い安心感が広がることになろう。ファンダメンタル的には、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと、インドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から需給はタイトになりやすく、何もなければ上値を試し易い地合いにあると考えておくべきである。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に上昇した。NY時間に発表された米在庫統計で予想を上回る原油在庫の減少が確認されたことや、FOMCの利下げの影響で株式市場が安定していることが材料視された。但し、ガソリンやディスティレート在庫の増加が予想を上回るものであったことや、高値警戒感から統計発表後に大幅に上昇した後に下落、引けにかけて買い戻しが入った。金利引下げに伴う安心感と明確にカーブがバックであることから、ファンドマネーが還流してきていると見られる。イールドカーブは期先を中心に上昇。Brentも略同様の相場展開で、統計発表後に上昇し、その後下落、引けにかけて買い戻しが入った。イールドカーブは略パラレルに上昇。
 石油製品も上昇。RBOBは統計がマイルドにベアであったものの、原油在庫が大幅に減少したことや在庫の絶対水準の低さが好感され上昇した。50日移動平均線レジスタンスラインを上抜けしていることやFOMCでの利下げを受けて買い安心感が広がっているようである。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。ヒーティングオイルも上昇。前日比大幅プラスで寄り付いた後、米在庫統計での在庫大幅増加が確認されたことから統計発表後に下落したものの、米株が堅調であることや原油の買い戻しもあり、引けにかけて買い戻しが入った。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン上昇。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。

(本日の見通し)
 本日の原油相場はFOMCの利下げや在庫統計はあったものの、高値警戒感が出始めていることから高い水準でのもみ合いになると見ている。石油製品はRBOBが調整していたことから上値余地はあると見られるため、RBOBは上昇、ヒーティングオイルはもみ合いになると考えている。FOMCの大幅利下げで危機は脱したが、サブプライムローン問題に端を発する資産内容の悪化したファンドの整理統合は終了しておらず、9月末、12月末の四半期決算は引き続きポイントになると見ている。
 ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、ナイジェリアの情勢不安が継続していることから供給は十分でない。OPECは市場の予想に反して9月11日の総会で500KBDの増産を決定したが、「時すでに遅し」の感は否めない。また、石油製品在庫の水準は極めて低く事から需給は引き続きタイトである。ハリケーンの影響を受けずにすんでいるが、ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、需要のピークを過ぎたとはいえ十分な在庫があるとは決していえない。これからのシーズンの主役であるディスティレートも在庫水準はFSCベースで過去5年の最低水準レベルの在庫しかない。また、イラン問題はまだ解決していておらず、下火になったが地政学的リスクは残存している。北朝鮮問題に進捗が見られた場合、重油等の人道支援が行われる可能性が高く、こちらは問題の進捗が域内需給の逼迫要因になり得ると考えている。CFTCの統計では、ほとんど全てのエネルギーでロングポジションが拡大している。各国金融当局の対応によって株式市場動向が落ち着きを取り戻していることが背景であるが、9月末を越えてもこのポジションが維持されるかどうかは疑問符がつく。
 短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いている。但し、ガソリンはピークシーズンを終えつつあるため、ハリケーンの直撃などの事故がなければ何とか無難にこのシーズンを乗り切ったと言ってもよさそうだ。但し、石油製品の需要が堅調である一方、石油製品の供給体制は脆弱である。稼働率が上がらないことが石油製品在庫の水準が増加しない最大の要因であるが、原油価格の高騰を受けてクラックマージンが縮小していることから、製油所の稼働率を引き上げにくい環境にあることがその背景にある。今後はハリケーンが来ないという前提に立てばディスティレートが石油製品の主役となるが、FSCは32.8日しか存在しない(過去5年の平均は34.3日)。今のところ、ガソリンの得率を引き下げ、ディスティレートの得率を引き上げることは可能であるが、ガソリンのFSCがわずか20.2日しかないことから、得率の引き上げは困難であろう。よって必然的に米国は国内製品供給を海外からの輸入に頼らざるを得なくなるが、同様の理由で欧州でも製油所の稼働率を引き上げにくい状態にあるため、非常にボラタイルな展開になろう。
 このように石油製品供給は増やしたくとも増やしにくい環境が続いており、当面下値は限られることになろう。石油製品価格が下落するとすれば、サブプライムローン問題の拡散による消費の減少であるが、今週の統計ではそれが確認された(例年の減少ペースを上回る需要減少)。しかしFOMCの大幅利下げに伴う資産効果によって、消費は持ち直すと見られる。尚、この時期の需要減少は季節要因である。"
 原油供給に関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日に増産を決定したが、500KBD程度の増産を11月のタイミングで実施したとしても「時すでに遅し」の感は否めない。稼働率が上がりにくい環境にあることから原油が足りない、ということはないと考えられるがひとたび稼働率が上昇した場合には現在の生産レベルでは原油供給は不十分であるといえる。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
 尚、価格の目途となりやすいWTI10月オプションの建玉状況は、80㌦コールが22,456枚、75㌦コールが18,437枚、70㌦コールが10,761枚、76㌦プットが7,111枚、73㌦プットが7,942枚、70㌦プットが14,925枚となっている。

(ひとりごと)
昨日、北の丸にある「科学技術館」に行ってみた。
皆さん、行ったことあります?
私も小学生の頃に行って以来、行っていなかったのだが、カミさんの勉強もかねて行ってみることにした。
因みに、でんじろう先生もこの科学技術館で時々実験をやっているようである。

入場料は大人600円と割かし高め。
ただ、すごいなと思ったのがほとんど全ての買いにアトラクションめいたものが設置されており
また全てのブースで毎日理科の実験を見せてくれるのだ。

まずカミさんと入ったのが、自転車のブース、「丸の内サイクル」。
ギア比によって速度が変わることを体験できる自転車がおいてある。
当然カミさんと競争。
心臓が飛び出しそうになったが、面白かった。
ギア比が高いほうが速度が速いことを実感。

ついでトライしたのが「空中自転車」
簡単に言うと、太いケーブルの上に自転車がぶら下がるように乗っており
下についた重りでバランスをとりながら進む、というもの。
当然トライ。
不思議なことに、自転車は細いケーブルの上に乗っていながらまったく落下することがない。
カミさんもトライ。
しかし、ペダルを踏み外し、足を負傷&流血。
流血しながら自転車をこいでいた。こんなことで30歳の主婦が務まるのだろうか。

4フロア程度展示が行われているのだが、とあるフロアでの展示は

ガスクエス

とか

デンキファクトリー

とか

鉄の丸公園

とか。
なんだか自分の仕事みたいで嫌であったが、「石炭クイズ」ってのがあってとりあえずトライ。
もちろん全問正解でしたが(自慢)。

その他、シャボン玉実験とか、放射能の実演(あ、別に放射能を本当に出しているわけではないですよ)とか
自動車運転のシミュレーターとかあって、非常に面白い。
但し行った時間が遅かったのでほとんど実験を見ることができなかった。
もう一回行ってみよう。
小学生のお子さんをお持ちの方は、結構オススメです。
確か駐車場もあったので。