貴金属??

(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲3.6%の681.7、購入指数 ▲2.0%の424.1、借換指数▲5%の2,199.9。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲11千人の330千人(前週改定341千人(速報比+2千人))、市場予想▲11千人。
・11月米消費者マインド指数確定 76.1(前月確定80.9)、市場予想75.0。
・10月米景気先行指数 前月比▲0.5%(前月改定+0.1%(速報比▲0.2%))、市場予想▲0.3%。マインドは明らかに弱くなってきている。
・米株は下落、基本的に日々振れを伴いながら水準を切り下げる展開となっている。エネルギー株や金融株が下げを主導。米金利低下を期待して円高が進行、ユーロも対ドルで強含んだ。米10年債は一時4.0%を下回った。質への逃避がより鮮明になってきているといえよう。

穀物市場サマリー)
・大豆は小幅安。新規材料のない中、ドル安もあって買われたが1,090㌣の心理的上値を抜け切れず、略同じ水準でもみ合い推移した結果、前日比マイナスであった。
・トウモロコシは上昇。とはいっても新規材料がない中10日移動平均線近辺でのもみ合いに終始した。
・小麦は上昇。そもそも一昨日10日移動平均線レジスタンスを上抜けしていたことから上昇する可能性が高かったが、ドル安の進行等のプラス材料もあり、買われた。但しテクニカルな買いであったと考える。

非鉄金属関連ニュース)
・貴金属は上昇。金は原油が100㌦をうかがう中、ドル安が進行したこともあって上昇したが、10日移動平均線に頭を抑えられて引けにかけてはもみ合いながら水準を
切り下げた。銀は10日移動平均線を下回って寄り付いた後、ドル安の進行はあったもののずるずると値を下げた。プラチナは3連騰の後小休止。
・BHP Billiton Cerro Colorado銅山(2007年生産量120KMt)は、14人の労働者を解雇したことに労働組合が反発、3時間稼動停止に。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲1.1MB、ガソリン+0.1MB、ディスティレート▲2.4MB、稼働率▲0.7%
・Pemex メキシコ湾の油田(5.8KBD)で火災続く。

(商品市況概況)
「比率の議論」
 昨日の商品価格はどちらかといえばベアであった。在庫統計の後100㌦をクリアできなかったエネルギーはクッシング在庫の増加もあって、下落、株価調整を受けたセンチメントの悪化により、在庫増加が継続している非鉄金属も下落、ソフトも軟調、貴金属も調整した。昨晩同業の友人と話をしたのだが、彼いわく「原油50㌦のときの1㌦上昇と、100㌦のときの1㌦の上昇では意味が違う。なぜなら投資家はそこから得られる利益率、で判断するからだ。」とのこと。確かにそのとおりである。ここに来て値幅の大きな展開になってもなんら不思議はないのだ。逆に、相場が下落して絶対水準が下がれば下げ幅も縮小する、ということだろう。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。日経平均が15,000円を下回り、インドSensex価格も暴落していることから、特に新興国株との相関の高い銅の押し下げ要因となった。また今年7月から継続しているLME在庫の増加がマインドを悪化させたようだ。一時期の強い上昇トレンドは見られずむしろトレンドはベアであり、相場展開は昨年の非鉄金属市場と同様との印象。LME在庫は+1,425Mt増加、(FSCは3.7日)、(キャンセルワラント率は2.3%)。イタリア・米国・韓国で在庫が増加している。売買高は12,743枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は42㌦コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は大幅に下落した。前日比プラスで寄り付いたが、ドル安や在庫減少といったプラス材料はあったものの、新興国株のみならず米国株・日本株も大幅に調整していることからセンチメントが悪化、下値を探る展開となった。LME在庫は▲275Mt減少、FSCは2.5日(キャンセルワラント率は6.2%)。欧州、ドバイ、マレーシアで在庫が減少している。売買高は4,941枚。イールドカーブはパラレルに全ゾーンが大幅低下。C-3は1㌦バックとコンタンゴからバックに転じた。
 昨日の鉛価格は下落した。銅や亜鉛と同様、インド株等の新興国株の大幅下落がマインドを悪化させたためと見られる。前日比マイナスで寄り付いた後、殆ど水準を切り上げることなく200日移動平均線のサポートラインを目指して水準を切り下げる展開であった。LME在庫は+200Mt増加、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は4.7%)。イタリアで在庫が減少、シンガポールで在庫が増加している。売買高は2,304枚。イールドカーブは期近を中心に下落し、ベアフラットニング。C-3は9㌦バックとバック幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。10日移動平均線レジスタンスをトライすると考えていたが、30日移動平均線を下回って寄り付いた後、各国株価が暴落する中水準を切り下げる展開となった。また、LME在庫が著しく増加したことも売りを誘った。非鉄金属全体のセンチメントが完全にベア転している中、ドル安の進行やエネルギー価格の高止まりは殆ど材料視されなかった。LME在庫は+5,100Mt増加、(FSCは9.0日)。在庫は米国での増加が顕著(+5,200Mt)であった。やはり米国の建材需要が減少していると考えてよさそうである。(キャンセルワラント率は3.2%)。売買高は6,178枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は51㌦コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫の大幅増加や株価の調整を受けて軟調に推移した。しかしながら一目均衡表の雲の下限でサポートされて他の非鉄金属に比べれば小幅なレンジでの推移となった。LME在庫は+306Mt増加、ロッテルダム・ドイツ・米国で増加している。(FSCは10.8日)、キャンセルワラント率は2.5%。売買高は968枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は302㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。特段材料がない中、ここ数日、とういか数週間同じであるが株価が大幅に調整したことに伴う市場参加者のマインド悪化が錫価格を下押しした。LME在庫の減少はあったが、略材料視されていない。LME在庫は▲10Mt減少、(FSCは13.0日)、キャンセルワラント率は1.19%。売買高は942枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は125㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油価格は下落した。アジア時間は100㌦の高値を目指して上昇する展開であった。夜間に発表された米在庫統計は予想に反してブルな内容であったものの、同日発表されているAPI統計がベアな内容であったこと、先物取引の現物デリバリーポイントであるクッシング在庫が大幅に増加したこと等が嫌気され、統計発表直後こそ上昇したものの、引けにかけて売られた。サンクスギビングを控えて取引薄い中、株価も手仕舞い売りで調整していることもあって、原油にも手仕舞い売りが出た模様である。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。Brentも同様にアジア時間で強含み、統計を受けて強含んだが、週末の連休を控えて手仕舞い売りに押された格好。イールドカーブWTIと同様、全ゾーンパラレルに低下。
 石油製品も下落。RBOBも統計発表直後に強含んだものの、原油の下落もあって引けにかけてだらだらと水準を切り下げる展開。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも下落したが、米在庫統計はディスティレートが明確にブルな内容であったことや、米北東部の気温低下、ヒーティングオイル在庫水準の低さも手伝って、下げ幅は限定された。イールドカーブは期先を中心にパラレルに小幅低下。ICEガスオイルは上昇。米在庫統計を受けて急上昇した後、原油が3連休を控えた手仕舞い売りに押される中、こちらも引けにかけて水準を切り下げる動きとなった。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下。

(ひとりごと)
カミさんと結婚するときに、当然婚約指輪を買ったのだがそのとき、外国人の友人に

友人「婚約指輪を作るなら、是非、銅で作るべきだ」
私「なぜ?」
友人「数年後には銅はきっと貴金属になっているぞ!」

...確かに。
と、思ったら下がってきた。やっぱり貴金属じゃあないのね。