ロケット噴射

(経済関連ニュース)
・2月独製造業新規受注 前月比▲0.5%(前月改定▲0.7%(速報比+0.8%))、市場予想+0.9%。予想外のマイナス。
・3月米非農業部門雇用者数 前月比▲80千人(前月改定▲76千人(速報比▲13千人))、市場予想▲50千人。失業率5.1%(前月4.8%)、市場予想5.0%。
 米国経済がリセッション入りしている可能性が窮めて高いことを示す内容。
・アルゼンチン農民、ストライキは中止したが政府との話し合いのテーブルにはついておらず。

・ドルは対ユーロで下落。注目の米雇用統計が大幅に悪化、米景気がリセッション入りしている可能性が高まったことからドルが売られた。対円でも同様の材料でドルや下落している。
日本株は下落。夜間に発表予定の米雇用統計を控え、4営業日ぶりに下落した。米国株はまちまち。雇用統計の悪化を受けて金融中心に売られたが、ドル安の進行を背景にした素材価格の上昇で素材関連株が上昇し、全体を支えた。

穀物市場サマリー)
・大豆は続伸。雇用統計を控えて前日比プラスでもみ合い推移した後、米雇用統計の悪化を受けたドル安の進行や、進捗しないアルゼンチンのストライキの状況を受けて堅調な推移となった。CFTC Non-Commercialポジションはロング幅が大幅に縮小、インデックスファンドのロング幅も大幅に縮小している。
・トウモロコシは下落。作付け面積予想から一貫して上昇を続けてきたが、週末の雇用統計でとりあえず目先の材料が出尽くしたことから一旦利食い売りに押される形で下落した。CFTC Non-Commercialポジションはロング幅・ショート幅とも拡大(但しショート筋の方が枚数多い)し、ネットロング幅を縮小した。インデックスファンドは買い越し幅を拡大。
・小麦価格は上昇。グレートプレーンズの南部・西部で降雨がないことから収穫が減少するとの見方と、雇用統計の悪化を受けたドル安が相場を大きく押し上げることとなった。CFTC Non-Commercialポジションはロング・ショートとも枚数が増えているが買い越し幅の方が大きく、ネット小幅買い越しとなった。インデックスファンドは売り越し。

非鉄金属関連ニュース)
・金は上昇。時間外は雇用統計を控えて小動きであったが、米雇用統計が予想を大きく上回る悪化となったことから米追加利下げ観測が台頭、質への逃避の復活もあり金価格は上昇した。CFTC Non-Commercialポジションは、ロング・ショートとも縮小しているが、ロング筋の手仕舞いの方が大きく、ネットで大幅な買い越し幅減少となた。銀価格も上昇。
・プラチナは続伸。時間外は前日の高騰を受け、夜間の雇用統計を控えた手仕舞い売りに押されたが、雇用統計後にドルが軟調に推移したことから水準を切り上げる展開となった。パラジウムは下落。
・Southern Copper Corp(世界第5位の銅生産者)は、金属価格は今年上昇し、史上最高値を記録するだろう。供給が十分でない上、米国外の需要が堅調だからだ。

(エネルギー関連ニュース)
OPECバドリ事務局長「OPECによる原油供給は十分であり、9月以前に緊急会合を開く計画はない」
OPECノザリ石油相「原油価格100?を維持するため、現行生産枠を維持する方針」
・ExxonMobile Torrance製油所(150KBD、カリフォルニア、P5)、火災のため稼動停止。

(商品市況概況)
「やはり為替は強かった」
 週末の商品相場は軒並み上昇した。注目の雇用統計は上記のとおり市場予想を大きく上回る悪化となり、これで3ヶ月連続の大幅マイナスとなった。このことは米国経済が失速し始めていることを裏付けており、多くの素材の大手消費国である米国経済の減速は、商品相場にとって当然マイナスの材料になる、はずであった。
 しかしながら現実はそうではなく、市場はむしろ、雇用統計悪化後のドル安進行や、統計発表後も株式市場が堅調に推移したことを材料視し、大幅な上昇となった。弊社は米国経済と世界経済は引き続きデカップリングする、とのスタンスを取っている(米国経済の影響が新興国に与える影響は限定)が、週末の商品相場の上昇は、?このデカップリングの議論で買われた、?ドル安の進行で買われた、との2通りの見方ができよう。但し引き続き、Q108の各国GDPの内容を見極めてから方向性は判断すべき、とのスタンスに変更はなくそれまでは為替が材料に取引される相場展開が続くと考えておいたほうがよさそうである。

(非鉄金属)
 週末の銅価格は上昇した。LME在庫の大幅増加(欧州韓国)を受けて軟調な推移となっていたが、注目の雇用統計が発表され、予想以上の悪化となったことからドル安が進行、非鉄金属価格と連動性の高い株価が余り下落しなかったことから、大方の予想に反して大幅な上昇となった。商品市場のメインドライバーが個別需給よりも為替レートの動向になっていることを意識させる相場展開であった。LME在庫は+2,575Mt増加、(FSCは2.2日)、(キャンセルワラント率は19.8%と上昇している(下グラフのオレンジ色の部分参照))。売買高は6,882枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は139?バックとバック幅を拡大した。
 週末の亜鉛価格は上昇した。取引序盤は銅が軟調に推移していたことなどもあって下値を探る展開であったが、夜間発表された雇用統計を受けてドル安が進行、銅が上昇したことから亜鉛も連れ高となった。但し亜鉛は需給が緩和傾向にあることから上げ幅も限定された。LME在庫は▲300Mt減少、FSCは3.8日(キャンセルワラント率は3.4%)。売買高は3,593枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は23?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 週末の鉛価格は下落した。取引序盤は夜間の雇用統計を控えて100日移動平均線のサポートを試しつつ水準を切り下げる動きとなったが、雇用統計が結局事前予想を上回る悪化となったことからドル安が進行、同時に株価が余り調整しなかったことから買い安心感が広がり上昇、しかしながら3,000?の節目に近づくレベルでは売り圧力も強く、結局前日比マイナスで引けることとなった。LME在庫は+125Mt増加、(FSCは2.1日、キャンセルワラント率は1.5%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は1,180枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は12?コンタンゴと前日と変わらず。
 週末のアルミ価格は上昇した。上海在庫の増加やドル高の進行でここ数日間水準を切り下げる動きが続いていたが、週末の夜間発表になった米雇用統計が予想を上回る悪化となりドル安が進行、加えて株価が余り下落しなかったことや先々のFOMCでの利下げ観測といった「アルミにとってのプラス材料」が山積したことから上昇することとなった。但し10日移動平均線を上回る上昇とはなっていない。LME在庫は▲850Mt減少、(FSCは9.0日)。(キャンセルワラント率は4.6%)。売買高は8,408枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は51?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 週末のニッケル価格は上昇した。取引序盤は夜間の雇用統計を控えて小動きであったが、NY時間に発表された雇用統計が予想を大きく下回る内容であったことを受けたドル安の急速な進行と、雇用統計の悪化にも関わらず株価が余り調整しなかったことから結果的に上昇して引けている。LME在庫の大幅減少も多少は支援材料となったようだ。LME在庫は▲72Mt減少、(FSCは11.6日)、キャンセルワラント率は1.2%。売買高は374枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルスティープニングしている。C-3は225?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 週末の錫価格は上昇した。錫は投機の対象になりにくい商品であることは繰り返しコメントしているが、週末は為替のドル安進行を好感して上昇することとなった。但し10日移動平均線が結果的にレジスタンスラインとなり、この水準は上抜けできずに引けている。LME在庫は▲20Mt減少、(FSCは8.7日)、キャンセルワラント率は7.86%。売買高は128枚。イールドカーブは期先が小幅上昇。C-3は108?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。

(エネルギー)
 週末の原油価格は上昇した。アジア時間〜欧州時間は注目の雇用統計待ちで小動きであったが、雇用統計が予想を上回る悪化となったことで株価が調整、ドルが対主要通貨で売られたことから買われた。小職予想では雇用統計の悪化に伴い下落すると考えていたが、雇用統計発表後も株の下落が限定されたこと等が買い安心感を誘ったものと見ている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。Brentも同様に上昇した。直近限月の騰落率はWTIが+2.2%、Brentが+2.2%。
 石油製品も上昇。RBOBも雇用統計発表後の原油価格の上昇を受けて上昇余地を探る展開となった。そもそも景気が低迷すれば石油製品価格は下落してもおかしくないのだが、ドル安を背景にした原油価格の高騰が製品価格を下支えしているようだ。また著しく高い原油価格も稼働率を低迷させる原因の一つになっているといえる。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。直近限月の騰落率は+1.2%。ヒーティングオイルも上昇。NY時間に入ってからのドル安の進行が相場の支援材料となった。この上昇で心理的な節目である300?まで上昇して引けている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+2.3%。ガスオイルも上昇。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下している。直近限月の騰落率は+0.7%。


(ひとりごと)
鉄人28号とか、ジャイアントロボとか
古い昔のヒーローものを見ていると思うことがある。

彼らは当然、強いので
陸地を走るばかりでなく、空も飛ぶことができるのだ。

しかし、である。

良くよく見てみると彼らは飛ぶための装置として背中に、ロケットエンジンみたいなのを2つ付けているだけであり
「まっすぐ上に飛ぶことはできるが、水平飛行は不可能」
なのだ。

もしこの仮定が正しいとするならば
彼らは空中に上がった後、水平飛行に移ろうと体を傾けると
その瞬間ものすごい勢いで落下を始め、ロケットの加速と合わせてものすごい勢いで地面に激突

することになるはずである。
これらの仕組はアトム等も同じであるが、アトムは足の先にロケットエンジンがついているので
片方の足を下に向けていれば水平飛行は可能である。

不思議なのはどうしてこういったロボットは皆、押しなべて背中にロケットを積んでいるのか?
ということなのだ。
なぜ腹側にもロケットを付けなかったのだろうか?

ま、そこまで深く考えていなかったんでしょうね。