(経済関連ニュース)
・5月独PPI 前年比+6%、市場予想+5.8%。
・全農Q308の配合飼料供給価格をQ208から1,500円/Mt引き上げると発表。
・ドルは対ユーロで大幅に下落。米景気の減速懸念を背景として米金利の利上げが据え置かれる可能性が高まる一方で、欧州圏では金利引き上げにタカ派的な発言が多く、欧米金利差拡大懸念からドルた売り込まれた。ドルは対円でも下落している。
・日本株は大幅下落し14,000円を割り込んだ、素材高の継続や米金融不安の再燃等、先行きの不透明感が強まる内容のニュースが相次いだことから大幅な下落となった。アジア株も総じて下落。上海A株は小幅反発、Sensexは大幅に下落した。米国株は下落。中東情勢の緊迫を受けて原油相場が反発したことが嫌気された。シティグループの海外業績悪化懸念も売り材料視されたようだ。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は下落。気候の乾燥と温度の上昇が土壌を改善するとの期待感から売られた。しかしながら10日移動平均線のサポートラインを割り込むまでには至っていない。やはり引き続き生産地には雷雨の可能性があり、加えて作柄状況も良〜優の比率が56%(前週57%、前年65%)と低いことも相場を下支えする材料となろう。CFTC Non-Commercialポジションはロング幅が大幅に拡大し、ネット買い越しポジションを拡大、インデックスファンドも買い越し幅を拡大している。
・トウモロコシ価格も下落。生産地の気温上昇や乾燥予報等を受けて土壌改善の期待感から売られた。しかしながら大豆と同様、生産地には引き続き雷雨の可能性も高くUSDAの作柄報告でも良〜優の比率が57%(前週60%、前年70%)と低いことなどが下支え材料となっている。結局10日移動平均線のサポートラインを割り込むには至らなかった。CFTC Non-Commercialポジションはロング幅が大幅に縮小、ショート幅が拡大し、ネット買い越し幅は縮小している。一方インデックスファンドは買い越し幅を拡大している。
・小麦価格も下落。今年の小麦生産が増加するとの見方やトウモロコシ、大豆価格の下落に押された。今年の穀物年度の小麦生産は662.9MMt(前年比+8.5%)となる見込みであり、需給緩和の可能性が高い。これにより小麦価格は下落し、10日移動平均線のサポートラインでサポートされて引けた。CFTC Non-Commercial ポジションはロング幅が縮小、ショート幅も縮小しネットショートポジションは略先週と変わらず。インデックスファンドも8,484枚と大幅な売りこしとなり、ネットロング幅を縮小させた。
(非鉄金属関連ニュース)
・金は小幅下落した。ドル安の進行を受けて堅調な推移となっているが、ドル安防衛の観点から金融当局のドル防衛に関するコメントが出ていることから上値も追いにくい状態。基本、年末に向けて一度は利上げがあるのではないかとの見方は根強く、ドル安傾向が持続しているものの上値を追いきれていない状態である。また価格上昇が需要を減らすのではとの見方も根強い。結果小幅な下落となり50日移動平均線でサポートされて引けている。
著しい金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませたようだ。WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる。このことは価格上昇が需要を減少させることの証左であり、著しい価格上昇に伴う需要減少の可能性は視野に入れておくべきである。足元年内のFRBによる金利引き上げが予想される中、ドルのトレンドが反転する可能性が高く、金は相対的に割安に推移することとなろう。しかしながら、米国の実質金利はマイナスの状態に突入していること、構造的なバランスがドルにとってはマイナスに働き易いことからこのドル高→金安のシナリオは長期間続かないと考えている。尚、今のところ一次回帰分析の結果では現在のドル価格は比較すると引き続き割安なレベルにあるため、テクニカルな買いは入り易い(金価格=1,255.2×ドル・ユーロ-1,023.8)。
銀価格も下落。こちらはドル安の進行を受けて上値をトライする動きとなったが金価格の下落もあり、週末ということもあってポジション整理の売りに押される形で水準を切り下げて引けた。結果、50日移動平均線を維持して引けている。
・プラチナ価格は下落。2,100?ラインをトライしながら上昇していたが、ドル高の進行や原油の急落といったマイナス材料を受けて水準をジリジリと切り下げる展開となった。チャート的には一目均衡表の雲の上限でサポートされて引けいてる。南ア労働者のスト懸念やESKOMの電力料金引き上げといった足許のプラス材料もあり、大幅な下落とはなっていない。
中期的な見通しについてプラチナは、為替・ファンダメンタルズの両要因で堅調な推移になると考えている。2008年の需給は711キロオンスの、2009年に関しても458キロオンスの供給不足になると考えられ、年内については米金利低下を背景としてドル安傾向が持続すると見られるためである。価格上昇に対するリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し、代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。
パラジウム価格は続伸。ロシアの戦略備蓄枯渇懸念を受けて先週から値を飛ばしている。
・4月チリ銅生産、427,200Mt(前年454,900Mt、▲6.1%)。
・4月Escondida銅山生産量、113,600Mt(前年117,100、▲3.0%)。
(エネルギー関連ニュース)
・OPECは加盟国全体でこの5年間に2,200億?の生産能力増強、油田開発投資を行う計画をまとめた。
・三井物産、ペトロブラスと共同で超深海鉱区掘削サービス事業を開始。
・OPECヘリル議長「増産は非論理的な要請。ジッタ会議では増産への反対を主張。OPECは増産を決定するべきではない」
・イスラエルは軍事演習を実施。報道によれば「イランの核施設への攻撃を想定したものだったようだ」
・ナイジェリア 武装勢力の攻撃により940KBDの生産停止に追い込まれている状況(生産能力の30%に相当)。
・サウジアラビア ヌアイミ石油鉱物資源相「7月に200KBD増産し、産油量が9.7MBDとなる。必要ならば7月以降も増産する用意がある」
「サウジは来年末までに生産能力を12.5MBDまで拡大、更に必要であれば2.5MBDまで生産量を拡大する用意がある」
(商品市況概況)
「勝ち組負け組」
週末のコモディティ市場はまちまちであった。エネルギーは中国の国内石油製品価格引き上げ報道を受けて軟調に推移していたが、やはり下値では買い意欲が旺盛であり非常に堅調な推移となった。ドル安の進行やイスラエルの軍事演習といったし支援材料も、流動性の高い商品の価格を押し上げることとなった。非鉄金属は銅・アルミ以外は概ね軟調な展開。相場の転換点が差し掛かっている可能性が出てきている中、いつでも手仕舞い安くファンダメンタルズの強い銅・アルミが積極的に物色されている状況である(これは投機の動きもあろうが実際にファンダメンタルズによるところが大きい)。穀物は買い疲れから一服、貴金属類も一服、という感じであった。
このように足許、「コモディティならば何でもかんでも上昇します」という地合いでは、明確になくなってきている。よりファンダメンタルズの強い商品が流動性の高い順番に物色されているようである。やはり景気が後退し需要が本当に減少するまではこの動きは続くことになるのだろう。
(非鉄金属)
週末の銅価格は上昇した。ドルの急落や生産国のスト、エネルギー価格が再び上昇したことなどが材料視され、大幅な上昇となった。チャート的に50日移動平均線のサポートをトライする動きとなってもおかしくなかったが、前日比プラスで寄り付いた後下値が堅いことを確認後、大幅な上昇となった、株が調整色を強めていることから相関性の高い非鉄金属はベアに推移しやすいのだが、ここ数日はややテクニカルに上昇している。CFTCのNon-Commercialポジションを見るに、ロングポジションが拡大、ショートポジションが縮小、ネットロング幅を拡大している。Comex銅のポジションは長らくネットショートの状態であったが、上昇サイドにBetしている投資家が多いようだ。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは2.4日)、(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は6,953枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が上昇、期先が小幅低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は165?バックとバック幅を縮小した。
週末の亜鉛価格は上昇した。取引序盤は10日移動平均線を割り込む局面も見られたがドル安が進行したことや銅価格が急騰したこと、から買い戻しが優勢となり結果的に10日移動平均線を下値としてしっかりの展開となった。亜鉛の生産コストと考えられる1,800?に近づくレベルで安値拾いの買いが入るため、底堅い推移となっている。週末に関してはLME在庫の減少、上海在庫の減少もあって支援材料になったようである。LME在庫は▲375Mt減少、FSCは4.5日(キャンセルワラント率は4.2%)。売買高は1,769枚。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニング。C-3は295?バックとバック幅を縮小した。
週末の鉛価格は上昇した。取引序盤から10日移動平均線をトライする動きとなり、LME在庫の小幅減少(シンガポール)や、ドルの対ユーロでの下落、銅の急騰等に連れる形で物色され上昇し、10日移動平均線を辛うじて回復して引けている。ダウンサイドは1,800?が意識されてきたが、結局この水準を下値として底堅い推移が続いている。LME在庫は▲850Mt減少、(FSCは4.0日、キャンセルワラント率は3.6%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は1,292枚。イールドカーブは期先を中心に大幅に上昇し、ブルスティープニング。C-3は22?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
週末のアルミ価格は上昇した。寄り付きから前日比大幅なプラスで寄り付いた後、上海在庫の減少やLME在庫の減少、中東情勢の緊迫を材料に原油に大幅な買い戻しが入ったことなどが材料視され、欧州時間のドル安の進行も手伝って大幅な上昇となった。目先の上値の目と思われていた3,100?を上抜けしたインパクトは大きく、この水準を抜けてから一気に上昇した。流動性の高い銅・アルミはドル安等の周辺材料で変動し易い。特にアルミ生産コストに直結するエネルギー価格の反転上昇は買い材料視されよう。株が調整色を強めていることから、(基本アルミは高値で推移する、という我々の見通しに変更はないものの)ここまでの高騰は長く続かないと見る。LME在庫は▲350Mt減少、(FSCは9.4日)。(キャンセルワラント率は4.1%)。売買高は15,523枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は47?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
週末のニッケル価格は上昇した。取引序盤はドルの対ユーロでの弱含みを背景に買い戻しが優勢となったが、欧州時間に発表されたLME在庫の増加を受けて地合いが反転、軟調に推移しながら小動きのまま引けることとなった。先週半ばまでのドル高の進行や原油価格の急落による地合いの悪化を受けてニッケルも22,000?のコストレベルまで大幅に水準を切り下げる動きとなったが、BHPの豪鉱山の停止報道を受けて今年度の需給逼迫の可能性が出てきていることや、Pig Ironとの比較感で意識される22,000?を割り込めなかった。このように下値は堅いが上値も同様に重いことが確認されたため、当面はレンジワークが継続する見込みである。LME在庫は+84Mt増加、(FSCは10.9日)、キャンセルワラント率は2.2%。売買高は636枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は145?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
週末の錫価格は上昇した。取引序盤からドル安が進行したことや銅・アルミの上昇といった支援材料を受けて上値を試す動きとなった。しかしながら50日移動平均線と30日移動平均線が請うsする22,800?は下回って引けている。今のところ、100日移動平均線〜50日移動平均線の新しいレンジでのレンジワークが継続しているが、そもそも生産国の生産動向が不安定な中LME在庫の減少傾向に歯止めが掛からず地合いは堅調である。LME在庫は▲35Mt減少、(FSCは0.0日)、キャンセルワラント率は15.34%。売買高は310枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は25?バックとバック幅を拡大した。
(エネルギー)
昨日の原油価格は上昇後、下落して引けた。欧州時間からドル安が進行したことや、イスラエルがイランを想定した軍事演習を行ったことなどが材料視された。中国の石油製品価格引き上げの動きは需要の減少要因となりえるもののこの動きが周辺新興国に拡大していくかどうかは現時点では不透明であり、その一方で原油増産を巡る産油国の足並みに乱れが見えることから買い戻しが優勢となったようだ。但し、10日移動平均線のレジスタンスラインは下回って引けることとなった。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに上昇している。Brentも同様の相場展開でありこちらも10日移動平均線のレジスタンスラインを下回って引けた。直近限月の騰落率はWTIが+2.0%、Brentが+2.1%。
石油製品も上昇。RBOBは中国の当該ニュースを受けて大幅に水準を切り下げて30日移動平均線のサポートを確認していたため、イスラエル問題等の中東不安やナイジェリアの生産減少といったファンダメンタルズ材料を受けて大幅な上昇となり10日移動平均線を回復して引けた。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+2.5%。ヒーティングオイルも上昇後下落し、前日比プラスで引けた。取引序盤からドル安の進行や中東情勢不安といった買い材料を受けて上昇していたが、原油がNY時間に下落に転じたことからヒーティングオイルも上げ幅を削る動きとなった。先週半ばの統計で在庫が大きく増加していたことが上げ幅を限定させたようだ。結局10日移動平均線がレジスタンスラインとして意識されることとなった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.5%。ICEガスオイルは上昇後、原油価格の下落を受けて下落した。NYMEXヒーティングオイル同様、10日移動平均線が結果的に上値として意識されたようである。イールドカーブの形状は略全ゾーンパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+0.9%。
(ひとりごと)
すみません。まだまだエスカレーターです。
いろいろと含蓄の有る意見がありました。
一番感じ入ったのが、「日本は武士の文化なので、刀が当たる可能性のある左側には人を立たせない」
ことから、京都と東京では左側に立ち
商人の文化である大阪は、逆にこの文化がなかった
というもの。
この仮説が正しければ、商人の町は左側通行、ということになる。
現在の調査で返信いただいた情報をまとめると今のところこんな感じ。
北海道 左
東京 左
神奈川 左
名古屋 左?
大阪 右
兵庫 右
京都 左
福岡 左
沖縄 どっちもない
ニューヨーク 右
ロンドン 右
香港 右
シドニー 左
ってことは、ニューヨークとロンドンと香港は商人の町。
うむ、確かに。でもシドニーだけ左ってのは?武士の町!?
追加情報を待っております。あと2〜3日やろうかな。