長生きクラブ-その1

(商品市況概況)
「年金資金が手仕舞っている、という報道が流れているが、本当だろうか?」
 昨日のコモディティ市場は概ね上昇している。夜間に発表された米ADP統計が好調な内容であったことから買い戻しが優勢となり、エネルギー、非鉄金属穀物は上昇、貴金属はドルの強含みで下落している。
 さて、よく「株から資金が逃げてきて、コモディティの価格が上昇し」とか「コモディティ流入していた資金が株に戻って」というコメントが聞かれるが、果たしてそうなのであろうか。現状のCFTCがNon-Commercialと分類している市場参加者のポジションはこの3週間でロングが減少しているが、略同じ枚数分ショートが増加している。資金が退場しているのであればロング・ショートともポジションが減少しなければならないはずであるが、そうなっていない。資金が流出している可能性があるとすればインデックス運用を行っている年金資金が手仕舞い売りを行って株の比率を上げる、というオペレーションが考えられるが少なくともそうした目だった動きは見られていない。いずれにしてもCFTCの最終報告を待ちたいところである。

(経済関連ニュース)
・7月独消費者物価指数速報 前年比+3.4%(前月改定3.4%)、市場予想3.4%。
・米S&Pケース・シラー住宅価格指数 前年比▲15.8%(前月改定▲15.2%(速報比+0.1%))、市場予想▲16.0%。
・7月米消費者信頼感指数 51.9(前月改定51.0(速報比+0.6))、市場予想50.1。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲14.1%の420.8、借換指数▲23.0%の1,074.4、購入指数▲7.8%の309.5.
・7月米ADP民間雇用者 前月比+9千人(前月改定▲77千人(速報比+2千人))、市場予想▲60千人。
・米クラフト、市場予想を上回る好決算。最終価格の引き上げとデリバティブによる価格上昇リスクヘッジ取引の成功が貢献。

・ドルは対ユーロで上昇。ADP雇用者数が市場予想と裏腹に増加となったことが好感され上昇した。対円でドルは小幅高となっている。
日本株は反発。原油価格の下落とドル安の進行等が好感され、輸出関連株、金融株が物色された。アジア株は上海A株は小幅下落、インドSensex、ブラジルBovespaといった新興国株、Dax、FT250は軒並み上昇。同様に原油下落に伴うインフレ懸念の後退が好感された様子。米国株は大幅上昇。ADP雇用統計が予想以上の良い内容であったことから。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇。アルゼンチンの輸出制限の可能性や、米農務省シェーファー長官の土壌保全計画指定地を年内に開放することはないとコメントしたことなどが好感された。しかしそれよりも昨晩に関してはADP統計の内容が良かったことと原油価格の上昇がより、材料視されたと見ている。イールドカーブは期先を中心に上昇している。
・トウモロコシ価格も上昇。ADP統計を受けたエネルギー価格の上昇が好感された。結果長らく下回っていた10日移動平均線を回復堅調な推移となっている。結果的に5月29日の安値である573?が意識されこの水準を下値として堅調な推移となっている。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。
・小麦価格は下落。小麦の世界在庫がこの5月に113.1百万Mtに達する見通しであることがUSDAから発表されているように、在庫の増加に伴う需給緩和観測が根強い(この動きは3月から続いているが...)。小麦は昨晩の米経済統計の好調にもかかわらず、10日移動平均線を上値として頭重い推移となった。イールドカーブは略変わらず。

非鉄金属関連ニュース)
・金は大幅に下落。ADP統計を受けてドル高が進行したことが端的に嫌気された。この結果金価格は尾幅に水準を切り下げ、900?の節目をトライする動きとなったが、原油が急反発したことからこの水準を維持して引けている。
 短期的に金価格は堅調に推移すると考えている。地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的なドル安傾向、株式市場のパフォーマンスの悪化、といった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されると見ておくべきである。但し今のところ一次回帰分析の結果では現在の金価格はほぼ一次回帰直線状に位置し、テクニカルな売買が行われるような環境にはない(金価格=1,188.3×ドル・ユーロ-924.75。これはもしユーロが1.6?まで下落して場合には977ドルに相当)。但しまた同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く(WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる)。価格上昇局面での下押し圧力となりえるため、金価格は当面高値で安定推移すると見ておくのが妥当であるといえよう。
 NY銀は小幅反発。ドル高、原油安、といったマイナス材料を受けて軟調に推移していたものの、原油の急反発を受けてプラスサイドに切り替えして引けた。

・NYプラチナ価格は小幅下落。原油価格の下落やドル高の進行を受けて軟調な推移となっていたが、原油価格が急反発したことから反発した。しかしながら原油価格の上昇は同時に自動車販売の足枷となる可能性があることから銀等に比して戻り幅は限定された。下値の目処は目立ったチャートポイントがない中、強いて挙げるなら1月30日の1,682?、ということになろうか。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから依然程の強気姿勢は維持できないと考えている。このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなりつつある状況である。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから当面、高い水準で堅調な推移が続くことになると考えている。
 NYパラジウム価格は下落。下落材料は金やプラチナと同様であるが、米ADP統計の好調を受けて引けにかけて上昇し、下げ幅を削る展開に。
 今後パラジウムの価格は上昇すると考えている。プラチナ価格の高騰に伴う代用品需要の高まりが期待されるためだ。プラチナのところでもコメントしているように、プラチナ触媒がパラジウム触媒に置き換わることによる需要増加や、宝飾品にパラジウムが用いられる可能性がある。しかしながら非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。
・Mexico Grupo Mexico「Cananea銅山の再開の日程は決まっていない」。同銅山はストライキの影響でこの1年生産されていない。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲0.1MB、ガソリン▲3.5MB、ディスティレート+2.4MB、稼働率+0.1%

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。前日の流れを引き継ぎ軟調な推移となっていたが、夜間に発表された米ADP統計が予想外に良い内容であったこと、Grupo MexicoのCananea銅山の再開の見通しが立たないこと、原油統計発表後に原油価格が急反発したことも材料視された。但し50日移動平均線を上抜けすることはできず、このラインは引き続き上値として意識されることになりそうだ。今後は、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば需要に大きな変更はなく堅調であるといえ、コンセントレートの供給不足もあって大幅な調整の可能性は低いとの見方は変更しない。LME在庫は+1,225Mt増加、(FSCは2.6日)、(キャンセルワラント率は10.3%)。売買高は10,773枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略パラレルに全ゾーン上昇している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は200?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。取引序盤は10日移動平均線近辺でもみ合い推移していたが、LME在庫がマレーシアで大幅な増加となったことが嫌気され、軟調な推移となった。その後夜間に発表された米ADP統計の好調、原油の反発を受けて上昇に転じたが結局前日引けを上回れずに引けている。需要が強いというわけではないが、大生産国であるはずの中国の輸入が増加傾向を辿っており(亜鉛、鉛はオリンピック期間中は10%の生産量削減)、LME在庫も減少傾向となっていること、1,800?のコストラインに近づくレベルでは生産減少の可能性が根強いことから下値も堅のも事実であろう。LME在庫は+3,375Mt増加、FSCは4.6日(キャンセルワラント率は6.8%)。売買高は2,429枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は7?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。夏場を控えた中国のバッテリー需要の高まりを受けてシンガポール在庫が減少しているが、昨日に関してはシンガポールで在庫が増加していることが嫌気され、軟調な推移となった。他の非鉄金属と同様、NY時間の原油価格の上昇を受けて値を戻す局面もみられたが、結局前日比マイナスで引けている。LME在庫は+1,450Mt増加、(FSCは3.8日、キャンセルワラント率は5.7%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は3,051枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下している。C-3は19?バックとバック幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は前日比変わらずであった。原油価格の下落とLME在庫の増加傾向持続で軟調な推移となっていたが、NY時間に発表された米石油在庫統計やADP統計を受けて原油価格が大幅に反発したことからアルミニウムも反発、下げ幅を削る展開となったが、結局行って来いで前日比変わらずで引けている。LME在庫は+725Mt増加、(FSCは9.8日)。(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は9,162枚。イールドカーブの形状は殆ど変化していない。C-3は51?コンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のニッケル価格は上昇した。ステンレス需要の頭打ちが指摘され、LME在庫が再び増加に転じている中、ずるずると水準を切り下げる動きが続いていたが昨晩に関してはNY時間の原油価格の上昇や株の上昇が好感されて上昇することとなった。一応18,000?でサポートされた格好である。この後目立ったチャートポイントは存在せず、強いて挙げれば2006年6月14日につけた17,050?が意識されようか。LME在庫は+498Mt増加、(FSCは10.4日)、キャンセルワラント率は2.5%。売買高は988枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は125?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。原油価格の低下が継続していることを受けて下落する局面もあったものの、LME在庫の減少が続いていることや、夜間の米統計を受けた原油価格の反発を受けて結果的に100日移動平均線でサポートされることとなった。供給環境に大きな改善が見られない中、下値も限定されると考えるものの、もし今年1月から維持し続けている100日移動平均線を割り込んだ場合には、まずは20,000?、次は200日移動平均線となる19,400?が意識されることになると考えている。LME在庫は▲145Mt減少、(FSCは5.2日)、キャンセルワラント率は5.29%。売買高は183枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。C-3は10?バックと前日と変わらず。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は大幅に上昇した。夜間発表された米在庫統計でガソリン在庫の減少が確認されたことに加え、米ADP統計での民間雇用者数が市場予想と裏腹に増加したことが好感され、買い戻しが優勢となった。結果WTIは一昨日下回った100日移動平均線を回復、10日移動平均線まで値を戻して引けている。WTIイールドカーブは期近の上場幅が大きくブルスティープニングしている。Brentも殆ど同じ相場展開で100日移動平均線を回復、10日移動平均線で頭を抑えられて引けた。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIは+3.5%、Brentは+3.3%。
 石油製品も上昇。RBOBは夜間のADP統計が好調な内容であったことや、米在庫統計が予想外の在庫減少となったことから上昇した。結果原油と同様に100日移動平均線を回復10日移動平均線も回復して引けている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+3.9%。ヒーティングオイルも同様に上昇。材料は原油・RBOBと変らず、ADP統計と在庫統計である。しかし、100日移動平均線は回復せずに引けている(そもそもピークシーズンではない)。クラックスプレッドも徐々に縮小し始めており、一時期の異常な需要の高まりは在庫水準が落ち着いていることから緩和されているようである。イールドカーブは期間ごとまちまちであるが概ねパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.3%。ICEガスオイルも下落。アジア時間は軟調に推移していたが、夜間の統計を受けて下げ幅を削る展開となった。しかしながら結果的に前日比マイナスで引けている。イールドカーブの形状は略変わらず。直近限月の騰落率は▲0.6%。



(ひとりごと)
この前国内出張で飛行機に乗った。
また飛行機ですかい、ということなかれ。何でか知らないがいろいろおきるんですよね。



で。



一緒に「長生きクラブ」なる老人ご一行が控えのところに溢れていた。
ぱっと見ほっておいても全然長生きしそうな人々である。
暫くすると優先搭乗の案内。



「お年寄りや、介護の必要な方、お子様をお連れの方の優先搭乗のご案内です」



とのアナウンス。
そしたら待ってましたとばかり、老人が全員



「俺は老人だ!!」



の大合唱。
それをとめるツアコンの男性。



「すみません、団体なので優先搭乗の対象にならないんです。暫くお待ちください」
「何を言うんだ、俺は老人だぞ!!」
「そうだッ!!」



いや、そんなに元気だったら、乗りたいと思って待っている車椅子のおじいちゃんと、妊娠中の女性を先に乗せてあげなさいっての。
と、いったやり取りがあった後、老人たちはしぶしぶ応諾。
結局優先搭乗の人が乗り終えるのを待つことになった。



で。



次にグレードの上の人々の登場になった。
ああ、そうです。
皆さんが期待しているとおりですよ。



「あいつは若いぞ!!」
「先に乗る必要があるのかッ!!」
「俺は老人だ!!」



だから、そんなに元気ならもうちょっと待ちなさいっての。
と、思っていたら分別のある老人がこういった。



「あれは、俺たちよりも高いお金を払っている人だから先に乗るんだよ」
「ああ、そうかなるほど」
って、これで収まってしまっては面白くないですわね。
(続く)