ドライカレー-その2

(商品市況概況)
「市場に蔓延する景気悪化観測」
" 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。ここ数週間立て続けに発表されている「政府・中央銀行による景気悪化懸念の表明と、景気悪化を認める発言」が市場参加者のマインドを著しく悪化させているようである。一方で商品価格の大幅な下落が個人消費の下支え材料になるとの期待感から株が持ち直しているところが特徴的である。景気拡大局面におけるコモディティ価格はデマンド・プルインフレの影響によって上昇するが、年初からの6ヶ月間は需給逼迫などのマイナス材料の影響によるコストプッシュ・インフレであった。しかし足許、本当に景気が悪化してきたため、需要が減少する可能性が高まりコモディティ価格を押し下げることとなっている。偏に世界中が景気悪化を意識し始めたためであろう。
 ではこの先どうなるか?ということであるが、?新規の電力を欲する新興国がいくらのレベルで再びエネルギーを買い始めるのか、?電力を求める国民のためにどれだけの電線を引く必要があり、購入できる銅やアルミのレベルはどの水準か、?新興国の人口増加に伴う食料需要の増加はどの程度であり、どの価格水準であれば穀物を購入することができるのか、という新興国の下支えがどの価格帯で入るのか?ということであろう。皆、新興国の需要は堅調であると考えているが、「どこのレベルならば購入できるのか」は不透明である。
 
 上記とは別に、ここから数週間はお盆や夏休み、北京オリンピック、といったマーケットが閑散となる材料が多く、場合によっては取引薄い中値を飛ばす動きになる可能性が高いと見ている(特にオリンピックの中継のない、日本時間の夜間。)。ここ数週間、というか数ヶ月間、米国時間に相場が大きく動くことが多いため夜間は要注意である。"

(経済関連ニュース)
北京オリンピック開催。
・ロシアとグルジア、実質戦争状態に突入。
・Q208米労働生産性速報 前期比年率+2.2%(前期改定+2.6%)、市場予想+2.5%。単位労働コスト 前期比年率+1.3%(前期改定+2.5%)、市場予想+1.4%。
・6月米卸売在庫 前月比+1.1%(前月改定+0.9%(速報比+0.1%))、市場予想+0.6%。在庫比率1.06ヶ月(前月改定1.08ヶ月)。

・ドルは対ユーロでおおh場続伸。ユーロ圏経済がとうとう鈍化を始めたとの見方が市場を支配する中、ECBは追加利上げに動けないとの見方からユーロが弱くなったことを受けて相対的にドルが上昇する結果となった。ユーロは一時、1.4台まで低下している。株高の進行もあって対円ではキャリートレードが復活していると見られ、ドルは上昇している。
日本株は上昇。原油価格の下落を受けて米株価が上昇していることから輸出関連株が物色された。新興国株も株全体の戻りを受けて上昇している。米国株は大幅に上昇。原油の下落が続いていることから、小売株や製造業株が相場を押し上げることとなった。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は下落した。米大豆週間輸出検証高が大幅に減少したことや、原油価格の下落に伴う生産コストの低下、生産地の気温上昇と降雨の影響といったマイナス材料を受けて力弱く水準を切り下げる動きとなった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。チャート的にはきりの良い12?のサポートラインを割り込んでしまった。
・トウモロコシ価格も下落。材料は大豆と変らず、生産地の気候好転に伴う育成の進捗期待や米輸出の大幅減少、エネルギー価格の続落が嫌気された。結果的に5?が下値として意識されていたのだが、この水準をとうとう小幅下回ってしまった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。
・小麦価格は大幅に下落した。ドル高の進行やパキスタンの購入量が当初予想の40%に減少したことなどが嫌気され、週末を控えた利益確定の売りに押される形で前日の上げ幅を全て吐き出して下落することとなった。イールドカーブの形状はパラレルに低下。


非鉄金属関連ニュース)
・金は続落。ユーロ圏の景気後退観測に伴う相対的なドルの上昇がドル建て資産である金を押し下げることとなった。足許5月のドル高局面につけた846?の安値をトライする展開となっている。
 足許金価格のトレンドは変化している。米国のみならずユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに伴うドルの行き過ぎた下落が修正され始めているためだ。同時に地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的にドルの水準が安いこと、株式市場のパフォーマンスの悪化、といった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されることから大幅な下落とはなっていない。尚、一次回帰分析の結果では現在の金価格は一次回帰直線を下回る水準にあり、テクニカルな買いが入ってもおかしくない環境にある(金価格=1,151.4×ドル・ユーロ-868.74)。同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く(WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる)上値を追いきれないのも事実であろう。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しを若干ブルからニュートラルに引き下げることにした。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。もし金の見通しをベアに転換するには今しばらくドルのトレンドを経済統計とともに見定める必要があろう。
 NY銀も大幅に続落。今年複数回トライしている16?のサポートを割り込んだところから下げが加速した。

・NYプラチナ価格は小幅下落。南アフリカの1日ストが終了したことや、トリシェ総裁発言を受けたドルの続伸が材料視された。しばらくは10日移動平均線を上値に、1,500?を下値に推移する見込み。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから強気姿勢は維持できないと考えている。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況だ。また、ドルが行き過ぎた下落から反転し上昇しつつあることもプラチナ価格の下げ要因となりえる。しかしこれは金同様、ドルの上昇トレンドが持続的なものになるかどうか不透明であるため現時点においてはドルの絶対水準の低さに着目し先々相場に与える影響は今時点ではニュートラルであるとしておきたい。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから、アップサイドのリスクは意識せざるを得ないだろう。しかしそのリスクは依然に比して低下していると考える。
 NYパラジウム価格も下落。金価格の下落が嫌気されほぼ終始一貫して水準を切り下げた。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える(見通しの変更)。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。"

(エネルギー関連ニュース)
・ロシア、グルジアの戦争発生に伴い、BTCパイプラインが非常に不安定な状態に(今回の先頭地区の近くを通過するため)。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。ユーロ圏経済の減速感が強まる中、歴史的高値にあったユーロが対ドルで大幅に調整し、1.5台を割り込んだことからドル建資産である銅も下落した。もちろん世界景気の減速懸念が高まっていることが市場のセンチメントを悪化させていること、北京オリンピック期間中の経済停滞が嫌気され、銅は7,500?の節目を大きく割り込むこととなった。足許、世界景気の悪化観測が意識されており、供給よりも需要要因で価格が下落するという、経済にとって好ましくない形での下落となっている。但しコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば底堅く推移することになろう。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは2.9日)、(キャンセルワラント率は6.2%)。売買高は10,627枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下しベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は123?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫がマレーシアで減少したが、ドルが大幅に対ユーロで下落したことや銅価格の下落を受けて始終弱含み推移することとなった。結果、とうとう7月4日の安値1,750?を大幅に下抜けすることとなった。亜鉛は需要が強いというわけではないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年非で増加傾向を辿っており(亜鉛、鉛はオリンピック期間中は10%の生産量削減)、1,800?ラインを割り込んだことから実際に生産調整が行われる可能性がでてきたことから一本調子の下落にはならないだろう。LME在庫は▲2,250Mt減少、FSCは4.9日(キャンセルワラント率は6.0%)。売買高は5,393枚。イールドカーブは全ゾーン低下している。C-3は12?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。10日移動平均線を下回って寄り付いた後、原油価格の下落や銅価格の下落を受けて大幅に水準を切り下げる動きとなった。しかしながら50日移動平均線でサポートされて引けており、予想していたレンジの範囲内での推移となった。中国のオリンピック期間中の生産減少を受けて中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、早晩中国が精錬鉛の輸入国に転じる可能性が高くなってきたことが相場の下支え材料となろう。当面は50日移動平均線〜10日移動平均線のレンジワークになると考える。LME在庫は+75Mt増加、(FSCは3.8日、キャンセルワラント率は8.8%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は3,008枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は10?バックとバック幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。エネルギー価格が大幅に続落したことやドル高が急速に進行したことからこれらの影響を強く受けるアルミ価格は大幅な調整となった。足許200日移動平均線のサポートラインをトライする動きが続いている。今のところ節目となる2,800?でかつ200日移動平均線を下回るには材料不足の感は否めないが、もしこのレベルを下抜けすると、現在のコストベースと考えられる2,600?程度までの下落はあってもおかしくない地合い。LME在庫は▲1,150Mt減少、(FSCは9.8日)。(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は12,997枚。イールドカーブの形状は期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。特段個別の材料のない中、ドルが上昇したことや銅・アルミなどの価格が調整したことから前日比マイナスとなり、再び10日移動平均線を下回って引けることとなった。10日移動平均線が18,000?を下回ると更に下を見ざるを得ないだろう(2006年6月14日につけた17,050?が意識されようか)。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するが少なくとも現時点においてはニッケルに関して明確に相場が反転するような材料が出てきていない。LME在庫は+6Mt増加、(FSCは10.5日)、キャンセルワラント率は4.7%。売買高は910枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下し、ベアフラットニング。C-3は75?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。錫固有の新規材料に乏しい中、景気の悪化懸念とドル高の進行、特にドル高の進行を受けて大幅な下落となった。一次回帰分析の結果、錫価格はドル・ユーロ相場との相関性が極めて高いことが分かっているが、昨日はほぼこの動きに添った形での下落となった。結果この下落によって200日移動平均線のサポートラインをとうとう割り込むに至った。中期的な上げ相場が終焉を迎えた可能性が出てきた。LME在庫は▲130Mt減少、(FSCは5.4日)、キャンセルワラント率は10.45%。売買高は548枚。イールドカーブは期近が低下しベアフラットニング。C-3は70?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は大幅に続落した。ドルが対ユーロで大幅に強含んだことや、ユーロ圏の景気悪化に伴う同地区の需要減少観測が台頭してきたことが材料である。今週初めに10日移動平均線が100日移動平均線を下回り、チャート的にも中期的な調整局面入りしたことを示しており、オリンピック期間中の経済が停滞する可能性が高いことを鑑みれば当面200日移動平均線のサポートラインをトライする動きとなろう。特に価格が動き易い夜間はオリンピックが開催されていない時間、ということもあって中国勢の積極的な市場参加が見送られると予想される中、商い薄い中値を飛ばし易い展開になるのではなかろうか。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下し、ベアフラットニング。Brentも同様の相場展開で下落。イールドカーブはほぼフラットな状態に。直近限月の騰落率はWTIは▲4.4%、Brentは▲4.2%。
 石油製品も大幅に下落。RBOBは景気後退観測に伴うセンチメントの悪化に加え、ドル高の進行の影響で原油価格が大幅に調整を続けていることに連れる形で大幅な下落となった。原油と同様、10日移動平均線が100日移動平均線を上から下に抜け、中期的に下値を追い易い地合いに入っている。イールドカーブは期近を中心に低下している。直近限月の騰落率は▲3.5%。ヒーティングオイルも下落。材料はRBOBと同様であるが、200日移動平均線のサポートラインが目前に迫る中、下げ渋った。そもそもディスティレートはピークシーズンが終了しており在庫の積み増し時期に入っていることから、需給の逼迫懸念が後退していることがさらに下げを助長しているようだ。イールドカーブは期近を中心に低下している。直近限月の騰落率は▲3.5%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.8%。

(ひとりごと)
Smoking Room = 横綱控え室

さて。

ドライカレー。
私カレー大好きなんですが、ドライカレーも大好きなんですよね。

で。

以前、このコラムでドライカレーに2種類あることを紹介したと思うが
この前の夕飯、カミさんがいつも作ってくれる「ミートソースみたいなドライカレー」ではなく、
チャーハンみたいなほうのドライカレーを作ってくれた。

いつもの方が良かったのに...

と、正直思った。
一口食べてみる。

いつもの方がいいのに...

と、思いながら食べていると不思議なものでだんだん美味しくなってくるのだ。
要は「全く別の食べ物」である、ということを体が受け入れるまでに時間がかかるということなのだ。
考えてみると、皆、食べ物がやってくるとその食べ物を一通り眺めて楽しみ
きっとこういう味に違いない、と思って口にすると

「何か、予想と違って甘い味」

だったりすると、全然美味しく感じない。
世に「サプライズ」という言葉を使う料理店が沢山あるが、私は余りこのサプライズなるものが好きではない。
だって、予想に反した味が口に飛び込んできた場合、上記の通り自分の感覚を修正するのが困難だからだ。

で、半分食べたところでやっと体が慣れてきたため、美味しいと思うようになる。
やっと体が「このカレーは全く別のものなのだ」と認識した結果である。

これによって自分の食べ物の引き出しが1個増えたので、次回からは美味しく食べられるんだろうな。