誕生日おめでとう

(商品市況概況)
「景気後退懸念の拡大」
 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。グスタフが上陸後、急速に勢力を弱めたことから原油価格が電子取引で大幅に下落したことや、欧州地区の経済の先行きに対して欧州各国の財務大臣が「極めて悲観的な見方」を表明したことから、ドルが大幅に上昇したためである。米国の経済の見通しは引き続き不透明ではあるものの一応最悪期は脱したと見られているが、欧州の景気減速が恐らく市場予想を上回るペースで進んでいると見られ、コモディティ市場に大きな影響を与えている。米国経済失速後もコモディティ価格が堅調であったのは欧州地区の需要に支えられた面も大きい。そうした欧州の景気減速→需要減少が発生しているので価格の下落はある意味当然といえば当然である。そもそもG3のGDPは互いに高い相関関係にあるため、米国経済の影響は大きい。今後も同地区の経済動向や、LME在庫動向に注目が集まることとなろう。
 今後については長く言われている「新興国の買いが本当に下落時に入るのか」ということと「欧米経済の悪化が新興国まで波及しないかどうか」がポイントになると考える。但し原油高の影響で引き続き中東地区の経済は堅調であり、減速したとは言っても10%近い経済成長を続ける中国や、インドなどの需要は伸びが鈍化することがあっても減少することはなかろう。

(経済関連ニュース)
・8月中国PMI 48.4(7月48.4)。
・8月ユーロ圏製造業景気指数改定 47.6(速報比+0.1)。
・福田総理大臣 辞職を表明。

・ドルは対ユーロで大幅に上昇。夜間にフランスのラガルド財務相が「欧州経済が2008年に極めて著しい減速」をするだろう、との見方を示したほか、英ダーリング財務相が「英国はほぼ間違いなく過去最悪の経済危機に直面している」とコメントしたことなどが幅広く欧州通貨を下落させた。円は福田総理大臣の辞任問題で一時円安に触れていたものの、原油が大幅に下落したことを好感してドルが買われたようだ(余りこの考えは賛同できないんですけどね...)。
日本株は大幅に下落。週末の米国株の下落の影響を受けて水準を削る展開となった。アジア株も軒並み水準を切り下げている。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は小幅下落。特段の新規材料がない中、月曜日の米国休場を控えて積極的な売買が控えられたようだ。結局30日移動平均線ではサポートされて引けている。イールドカーブは期先が小幅低下している。
CFTC Non-Commercialポジションは、ロングが大幅に減少したことからネット買い越し幅は前週比▲7,928の65,923枚となっている。インデックスファンドの買い越しは前週比+36枚の140,604枚となっている。"
"・トウモロコシ価格は下落。International Grains Councilの見通しで、今年のトウモロコシの生産は774百万Mtと、前月見通しの759百万Mtと大きく上方修正されたことが嫌気された。またグスタフの影響に伴う降雨による土壌改善期待も相場の押し下げ材料となった。引き続き30日移動平均線ではサポートされている。イールドカーブは期先が低下している。
 CFTC Non-Commercialポジションは、ロング・ショートとも大幅に縮小し、ネット買い越し幅は前週比▲6,174枚の159,289枚となっている。インデックスファンドの買い越しは前週比+771枚の351,145枚。"
"・小麦価格は下落。International Grain Councilの生産見通しが、前回の662百万Mtから672百万Mtに上方修正されたことや、一大生産国であるオーストラリアの降雨による土壌改善期待も相場を下押しした。この6営業日連続の下落で30日移動平均線を割り込んでしまったため、8月5日の安値である7.46?が意識されることになろう。イールドカーブは期近が低下している。
 CFTC Non-Commercialポジションは、ロング・ショートとも減少し、ネット買い越し幅は▲226枚の6,432枚、インデックスファンドのポジションは+1,072枚の179,326枚となっている。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。欧州経済統計の悪化や欧州財務大臣のユーロ地区への極めて悲観的な見方、原油の下落といったマイナス材料が目白押しとなったためである。この結果10日移動平均線を割り込んだ。CFTC Non-commercialのポジションは欧州経済統計が悪化を始めた8月ごろから急速に買い持ちポジションを縮小している。
 足許、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに伴いドルの行き過ぎた下落が修正され始めているため、金は軟調な推移となっている。同時に地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的にドルの水準が安いことといった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されることから大幅な下落とはなっていない。同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く上値を追いきれないのも事実であろう。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しをニュートラルに引き下げている。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。尚、金価格とユーロドルの一次回帰分析の結果は、金価格=1,065.3×ユーロ-738.51となっており、現在の価格は略この一次回帰線上にある。
 NY銀も下落。材料は金と同じく、ドルの上昇と原油の下落。この結果10日移動平均線を割り込んだ。

・NYプラチナは休場。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから今までの強気姿勢は維持できないと考えている。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況。また、ドルがユーロ圏経済の鈍化懸念を材料にして反転上昇していることもプラチナ価格の下げ要因となりえる。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクである。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。しかしながらここまで価格が低下してくるとその動きも鈍化することとなろう。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから、アップサイドのリスクは意識せざるを得ないだろう。しかしそのリスクは以前に比して格段に低下していると考える。
 NYパラジウムも休場。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

(エネルギー関連ニュース)
・ハリケーン「グスタフ」、ルイジアナ州に上陸もカテゴリー「2」に勢力を弱める。
・熱帯性暴風雨「ハンナ」、勢力を強めハリケーンに発達。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。10日移動平均線を下回って寄り付いた後、欧州高官の欧州圏経済に対する極めて悲観的な見方を受けて大幅にユーロが対ドルで弱含んだことから手仕舞い売りが相次ぎ、相場水準を大きく押し下げることとなった。世界景気の悪化、特に今まで好調であった欧州景気の悪化懸念が急速に台頭し始めており、LME在庫も欧州地区での増加が顕著である。今後は需要要因で価格が下落するという経済にとって好ましくない形での下落が続いているが、この動きはしばらく続くと見られる。しかしながら引き続きコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば下値は限定されよう。7,000?を割り込むまでの下落にはならないだろう。LME在庫は+350Mt増加、(FSCは3.3日)、(キャンセルワラント率は6.2%)。売買高は5,418枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が低下しベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は25?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。欧州高官の発言や欧州経済統計の悪化を受けてドル高が進行したことが相場の下押し材料となった。原油価格が大幅に下落したことも下落要因。この結果、亜鉛価格は10日移動平均線を割り込んで水準を切り下げた。亜鉛は需要が強くはないのだが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っており、生産調整が継続する可能性があることから底堅い推移が続いている。LME在庫は▲125Mt減少、FSCは4.8日(キャンセルワラント率は4.2%)。売買高は2,220枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下している。C-3は18?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫がシンガポールを中心に減少を持続しており、キャンセルワラント率も高止まっていることから鉛は比較的堅調な推移となっているが、昨日の原油の下落とドル高の進行には抗えず、水準を切り下げることとなった。但し、50日移動平均線は引き続き維持している。これは中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、7月の統計ではとうとう中国は精錬鉛の純輸入国に転じてしまったことなどが相場の下支え材料となっているためだ。LME在庫は▲1,300Mt減少、(FSCは3.4日、キャンセルワラント率は15.7%。)。売買高は774枚。イールドカーブは期近が下落し、ベアフラットニングしている。C-3は11?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。原油価格が大幅に調整したことや、欧州高官の発言を受けてドルが非常に強含んだことから、力なく水準を切り下げることとなった。今のところこのコラムでは2,600?程度が現在のコストベースであると考えており、マーケットのセンチメント的に一時このレベルを試す可能性はあると考えている。しかしながら将来の中国からのアウトフローの明確な減少懸念もあって、やはり2,800?を下回るレベルでは安値拾いの買いが入りしっかりするとの印象。LME在庫は+275Mt増加、(FSCは10.2日)。(キャンセルワラント率は1.9%)。売買高は11,313枚。イールドカーブの形状はほとんど変わらず。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫が欧州で大幅に増加したことに加え、ドル高の進行や原油の下落、経済統計の悪化といったマイナス材料が目白押しとなったためである。ニッケル価格は50日移動平均線のサポートを割り込み、30日移動平均線まで水準を切り下げる展開となった。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するが、中国のステンレス需要が弱含み推移すると見られることに加えて、欧州景気が減速する可能性が高まってきたことからやはり上値は限られよう。LME在庫は+1,206Mt増加、(FSCは11.2日)、キャンセルワラント率は1.8%。売買高は1,033枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン大幅に低下。C-3は73?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。原油価格の大幅な下落や、欧州経済統計の悪化、欧州高官のユーロ地区経済への極めて悲観的な見方を背景にドルが強含んだことから、大幅な下落となった。錫は200日移動平均線を割り込んだところから下げが加速した。但し引き続き、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、やはりファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くことになろう。LME在庫は▲85Mt減少、(FSCは5.6日)、キャンセルワラント率は4.17%。売買高は729枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン低下している。C-3は80?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日はNYは休場であったが電子取引で大幅に下落した。勢力を強めていたグスタフがルイジアナ州に上陸したもののいきなり勢力を弱めたため、ハリケーンに備えてロングポジションを取っていた市場参加者の手仕舞い売りが急速に入ったためである。この結果、本日は200日移動平均線まで水準を大幅に切り下げてスタートしている。但し、既に熱帯性暴風雨ハンナがハリケーンに発達しており、FSCを5年平均レベルに維持するオペレーションが持続している以上、ハリケーンによる生産減少は端的に原油買い材料となりえるため引き続き警戒が必要だ。しかし、米国の需要が減少する中、更に上値を追うのは難しい環境にあるのも事実である。Brentのイールドカーブは期近を中心に下落し、略全ゾーンコンタンゴとなった。直近限月の騰落率はWTIは▲0.1%、Brentは▲4.4%。
 石油製品も時間外で下落している。ICEガスオイルはグスタフ懸念の後退で大幅に下落、再び200日移動平均線を割り込んでしまった。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下。直近限月の騰落率は▲4.6%。

(ひとりごと)
今日は何だかしらないが「ダイアナ靴の日」らしい。
ダイアナ?
靴の日?

靴の日は9月2日だから靴、ってことは分かるんだけど、ダイアナって??
ダイアナ妃がはいていた靴?
イメージなんか赤い靴のような気がする。

で。

調べてみると。
何だ、なんてことはない。
銀座の靴屋さんの「ダイアナ」が1992年に定めた日らしい。


...しかし。
こんなに簡単に〜の日、って決めちゃって良いんですかね?
俵万智の「この味が いいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日」とういのがあったけど
この短歌が売れたから7月6日はサラダ記念日になったらしいが、こういうのなら分かるんだけど。

と、思っていたら今日はカミさんの誕生日。
おめでとうございます。

(追記)
俵万智の短歌を書いているときに、漢字の変換、ロクなのが出なかった

いいね = 言い値
短歌 = 単価

特に、言い値、のところが引っかかるんですが...でも別に悪いことしてませんので。