飲んだ翌日

(商品市況概況)
「再び下落」
 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。ロシア軍がグルジアから撤退し、地政学的リスクが後退した上、BPがBTCパイプラインを再稼動させたことやユーロの弱含みを材料にドルが堅調に推移したため、エネルギー価格が大幅に調整したためである。エネルギー価格は全てのコモディティ価格にコスト要因として影響を与えるため、エネルギー価格の下落は素直にコモディティの下落材料となりえる。
 しかし引き続き、?新規の電力を欲する新興国がいくらのレベルで再びエネルギーを買い始めるのか、?電力を求める国民のためにどれだけの電線を引く必要があり、購入できる銅やアルミのレベルはどの水準か、?新興国の人口増加に伴う食料需要の増加はどの程度であり、どの価格水準であれば穀物を購入することができるのか、という新興国の下支えがどの価格帯で入るのかが問題になると考えるが、小職はエネルギーは110?、銅は7,000?、アルミは2,800?程度がその水準であると考えている。恐らく現在の価格水準は新興国も買いを入れても良いと考えるレベルであると予想され、オリンピック終了後の中国勢の買いが本格化すると見られることからしばらくは堅調な推移になるのではなかろうか。但し、価格が極端に上昇した場合には需要が減少し価格が下落するのはこの春から夏場に掛けて確認済みであるため、以前ほどの力強い上昇にはならないと考えている。

(経済関連ニュース)
・Q208英GDP改定値 前期比±0.0%(速報比▲0.2%)、市場予想+0.1%。
・Q208台湾GDP 前年比+4.32%(前期改定+6.25%)、市場予想+4.54%。

バーナンキ議長講演)
中期的な物価安定に向けて必要に応じて行動する。商品相場とドル相場はインフレを抑制する可能性が高い。
FF誘導金利は比較的低水準に設定されている。金融市場の混乱はまだ沈静化していない。こうした金融市場の混乱が経済成長の鈍化や失業率上昇の要因となっている。金融政策当局者は規制の徹底的な見直しに向けてその方法を検討する必要がある。困難に直面している投資銀行財務省が支援しつつあることを改めて支持する。

・ドルは対ユーロで反発した。米リーマンブラザーズの資金調達が難航していたが、韓国産業銀行が同社への出資を検討している、と報じられたことが一定の買い材料になったものと見られる。ドルは対円でも大幅に上昇している。
日本株は下落。米金融不安や米国の景気後退懸念を受けて金融や輸出関連株が売られた。上海株は続落。中国政府の景気対策が限定的な効果しかない、との見方から売られている模様。米国株は大幅に上昇。リーマンブラザーズの資金調達が達成されれば投資家の金融機関に対する有形無形の不安を和らげる効果が期待できることから金融株が買い戻された。一方でエネルギー価格が下落したことから消費関連株が物色された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は小幅下落。ドル高の進行やエネルギー価格の下落に押される形となった。現在米中西部の乾燥予報、アイオワイリノイ州の洪水の影響で作付が遅れ、霜害の影響を受ける可能性が高まっていることなどが材料視され、10日移動平均線を下値に比較的狭いレンジで堅調な推移が続いている。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。
・トウモロコシ価格も小幅低下した。エネルギー価格がBPのパイプライン再稼動報道を受けて大幅に調整したことや、ドルが対ユーロで強含み推移したことが嫌気された。しかしながら、霜害や乾燥気候の影響といったファンダメンタルズの買い材料も多く、比較的小幅な下げに留まったとの印象である。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。
・小麦価格も下落した。材料は同じくドル高の進行やエネルギー価格の下落である。しかしファンダメンタルズが強い大豆・トウモロコシに比べてファンダメンタルズの弱い小麦は下げ幅を限定することはなかった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅下落した。ドルが対ユーロで強含んだことや、ロシア軍のグルジアからの撤退報道、原油価格の下落といったマイナス材料が重なったためである。
 足許金価格のトレンドは変化している。米国のみならずユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに伴うドルの行き過ぎた下落が修正され始めているためだ。同時に地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的にドルの水準が安いこと、株式市場のパフォーマンスの悪化、といった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されることから大幅な下落とはなっていない。同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く(WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる)上値を追いきれないのも事実であろう。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しをニュートラルに引き下げることにした。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。もし金の見通しをベアに転換するには今しばらくドルのトレンドを経済統計とともに見定める必要があろう。
 NY銀も下落。ドルが対ユーロで強含んだことが最大の材料。結局10日移動平均線を上抜けることはできなかった。

・NYプラチナ価格は前日の大幅上昇から一転、下落に転じた。ロシア軍の撤退報道を受けて原油価格が下落、ドルも対ユーロで強含んだことが材料視された。この下落により10日移動平均線を若干下回るレベルで引けている。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから今までの強気姿勢は維持できないと考えている。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況。また、ドルがユーロ圏経済の鈍化懸念を材料にして反転上昇していることもプラチナ価格の下げ要因となりえる。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクである。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。しかしながらここまで価格が低下してくるとその動きも鈍化することとなろう。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから、アップサイドのリスクは意識せざるを得ないだろう。しかしそのリスクは以前に比して格段に低下していると考える。
 NYパラジウム価格も下落。しかしそもそも価格調整幅が大きかったことから、昨日の下げ幅は限られた。足許10日移動平均線を上値に頭重い推移が続いており、じりじりと水準を切り下げる動きとなっている。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。"

・米アルコア クラウスCEO「アルミ相場は向こう5年間上昇基調を維持。電力の確保が不十分であることや、北京五輪後の中国の経済活動再開の影響で」

(エネルギー関連ニュース)
・ロシア軍、グルジアから撤退(グルジア政府はこれを否定)。
・BPはBTCパイプラインの再稼動を発表。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。ロシア軍の撤退やパイプラインの再開で原油価格が再び大幅に調整したことやLME在庫が米国で7,000Mt近く増加したことやLMEが英国休日のため3連休になることから手仕舞い売りに押されたため。また、リーマンブラザーズの資金調達が前進したと見られたことから米株が上昇、対ユーロでドルが強含んだことも売り材料となったようだ。これにより前日回復した200日移動平均線を再び割り込むこととなった。ここ数ヶ月、世界景気の悪化観測が意識され需要要因で価格が下落するという経済にとって好ましくない形での下落となっているが、7,000?が視野に入る中で一旦調整が終了した可能性は高い。コンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば底堅く推移することになろう。LME在庫は+7,275Mt増加、(FSCは3.1日)、(キャンセルワラント率は7.2%)。売買高は8,459枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下しブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は105?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。原油価格の急落や銅価格の下落、ドル高の進行を受けて小幅安となった。この下落で50日移動平均線を割り込んでしまったが、30日移動平均線は維持している。亜鉛は需要が強いというわけではないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っており(亜鉛、鉛はオリンピック期間中は10%の生産量削減)生産調整が継続する可能性があることからやはり底堅い推移となっている。LME在庫は▲325Mt減少、FSCは4.9日(キャンセルワラント率は5.1%)。売買高は5,749枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下しベアスティープニングしている。C-3は19?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。50日移動平均線近辺でもみ合い推移していたが、原油や銅価格の急落、ドルの上昇といったマイナス材料が重なり小幅安となった。但しLME在庫の大幅減少(主にシンガポール)やキャンセルワラント率の上昇といったかいざい量の影響で下げ幅は限定された。また、中国のオリンピック期間中の生産減少を受けて中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、7月の統計ではとうとう中国は精錬鉛の純輸入国に転じてしまったことも相場の下支え材料となっている。LME在庫は▲3,325Mt減少、(FSCは3.7日、キャンセルワラント率は15.9%。)。売買高は1,429枚。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニングしている。C-3は2?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は大幅に下落した。エネルギー価格がロシア軍の撤退やパイプライン再稼動報道を受けて大幅に調整したことや、来週月曜日がロンドン休日であることから手仕舞い売りが優勢になったため。しかし2,800?近辺での買い意欲は旺盛であり、10日移動平均線を下回らずに引けている。現在のコストベースと考えられる2,600?程度までの下落はあってもおかしくない地合いであるがやはり2,800?を下回るレベルでは安値拾いの買いが入りしっかりするとの印象である。LME在庫は+750Mt増加、(FSCは10.2日)。(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は8,720枚。イールドカーブの形状は期近が低下し、ベアスティープニングしている。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。Xstrataがドミニカでコスト上昇とニッケル価格の下落を背景に生産調整を行うとの報道や、地政学的リスクの高まりでエネルギー価格が上昇していたことが材料で上昇していたが、週末原油価格が急落したことなどが嫌気されてニッケルも小幅な下落となった。中国のニッケル輸入が大幅に増加したこともニッケル価格下落に伴う代用品需要が減少している可能性があることを示唆している。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するが、中国のステンレス需要も弱含み推移すると見られることからやはり上値は限られよう。LME在庫は+498Mt増加、(FSCは10.9日)、キャンセルワラント率は2.4%。売買高は1,196枚。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニング。C-3は35?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。ロシア軍の撤退やBPのパイプライン再稼動の報道を受けてエネルギー価格が大幅に調整したことを受けて、来週月曜日のLME休日を控えたポジション調整の売りに押されたためである。またLME在庫が大幅に増加したことや、ドル高が進行したことも売り材料となった。中期的な上げ相場が終焉を迎えたと考えられるものの、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中、やはりファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くことになろう。LME在庫は+370Mt増加、(FSCは5.6日)、キャンセルワラント率は15.64%。売買高は320枚。イールドカーブは全ゾーンほぼパラレルに低下している。C-3は120?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は一転、大幅に下落した。ロシア軍のグルジアからの撤退報道や、これを受けたBPのBTCパイプラインの再開報道が足許の原油供給不安を払拭、来週月曜日の英国休日を控えて手仕舞い売りに押される形で下落したと見られる。また、米リーマンブラザーズに対し、韓国KDBが出資を検討していると報じられたことも売り材料視された。一昨日とまったく正反対の材料(ロシア侵攻、パイプライン停止、ドル安進行)でポジション整理の売りが入ったようだ。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン大幅に低下している。Brentも同様の相場展開で下落。イールドカーブはほぼフラットな状態となっている。直近限月の騰落率はWTIは▲6.1%、Brentは▲5.8%。
 石油製品も大幅に下落。RBOBも同様にロシア軍の撤退とBTCパイプライン再開報道を受けて原油が大幅に調整したことから連れ安となった。寄り付きは30日移動平均線レジスタンスラインをトライする動きが見られたが、新規の買い材料に乏しい中上抜けできずにいたところ原油が上記の材料を受けて欧州時間に大幅に調整を始めたことから一気に水準を切り下げ、10日移動平均線のサポートラインをまた割り込んでしまった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいが全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲6.6%。ヒーティングオイルも下落。材料は同じであるがこちらも10日移動平均線を割り込み、200日移動平均線をトライする動きとなった。結局200日移動平均線は割り込まず、313.11?で引けている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きいが全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲5.7%。ICEガスオイルも低下。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.9%。

(ひとりごと)
私は常々カミさんに

「飲みすぎた翌日に濃い味の食べ物を食べたがるのはおかしい」

と、言われている。
そう。深酒をした翌日は必ずといっていいほど、カレーとか、すごくこってりしたラーメンとかステーキとか焼肉とか
そういった体育会系の食べ物を摂食してしまうのだ。
カミさんいわく、飲んだ翌日は雑炊とかうどんとかそういった比較的さっぱりしたものを食べるのが普通、なんだそうだ。
しかし、我がチームのアメリカ人、A君も飲んだ翌日はHeavyな食べ物が食べたい、という。
果たしてどちらが正しいのだろうか(まぁ、こんなことに正しいも正しくないもないんだけど)

昨晩一緒だった別の外国の方に話を聞いてみると、彼もやはり飲んだ翌日、ないしは飲んだその日の最後はどうしてもラーメン
しかも濃いのが食べたくなるんだそうだ。
つまり、国籍を問わず飲んでいるときとその翌日は濃いものが食べたくなる、というのは3名のサンプル調査では正しいということだ
(え?少なすぎって?調べる時間がなかったのッ!!)
サンプルが少ない、という批判には完全に耳をふさぎ、話を続ける。

で。

なぜ濃い味のものが良いか、というと飲んでいるときは恐らく酒のせいで感覚が鈍くなるので濃い味が欲しくなり
飲んだ翌日は恐らく飲んだアルコール、いやアルコールが分解されてできるアセトアルデヒドを更に分解させるためにエネルギーを使うので
カロリーの高そうなものを体が欲しがるのだ。多分。
何か物の本で読んだ記憶があるが、フランス人がコニャックやブランデーを飲むときにチョコレートを食べるのは
アルコールを分解する作業で肝臓に負担がかかるために糖分を補給するため、なんだとか。

ということで、カミさんの負け。
と、思うけど、どうでしょう。