スピード狂時代

(商品市況概況)
「景気悪化懸念に伴い、商品イールドカーブコンタンゴ化が進行」
 足許のコモディティ市場は非常に不安定ながらも高い水準を維持している。最近の動向として特筆すべきは、銅等の特定の商品を除き殆どの商品のイールドカーブコンタンゴ化している。このことは期近の需給がルーズになっていることを意味している。実際、銅や錫の需給は生産状況が不安定なことからタイトな状態である(精錬銅はルーズ、コンセントレートはタイト)。つまり現在の商品価格はファンダメンタルズを反映して決定されているということである。しかしコンタンゴになっている商品に関しても期先の価格は殆ど下落しておらず、期近の価格の下落に一定の歯止めを掛けているように見える。今後本格的に商品価格が下落する局面を迎えるとするならば、期先の価格の下落が必須であるといえよう。
 今後については、まずは金融不安の回避が本当に可能か、景気後退に歯止めを掛けることができるか、という相当根本のところに問題が移行しているように考えられ、日米欧政府の対応に注目が集まる。

(経済関連ニュース)
・9月独Ifo指数 92.9(前月改定94.8)、市場予想94.3。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲11%の591.4、購入指数 前週比▲10%の342.2、借換指数 ▲11%の2,043.4。
・8月米中古住宅販売 前月比▲2.2%の491万戸(前月改定502万戸(速報比+2万戸))、市場予想494万戸。
ゴールドマン・サックスに対し、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが出資との報道。増資の半分を引き受けか。
FRBバーナンキ議長「住宅価格の先行きは不透明。住宅価格の下落は純資産価格の目減りを通じて企業や消費者に悪影響」
「信用市場が現状のまま、あるいは悪化すれば企業は融資を受けられなくなるだろう。」
「金融安定化策が財政に影響を与えることは残念に思う。しかしこれ以外の方法ではさらに悪い状況になる。税制は私がとやかく言うことではない。」
「7,000億?は必ずしも消滅するわけではなく、かなりの部分は不良資産の売却や景気回復に伴い確実に取り戻せるだろう」

・ドルは対ユーロで安値水準でもみ合い。米金融安定化策の成立が難航しており成立に時間がかかると見られていることや、米中古住宅販売の低迷を受けてドルは低い水準でもみ合うこととなった。但し欧州経済の失速懸念も根強く、NY時間の午後から引けにかけてはドルは強含んでいる。円は対ドルで下落。
・日本市場は小幅上昇。三菱UFJ野村證券の米系証券への出資、買収報道が好感されて買いが入ったが、景気の先行きに不透明感が漂う中小幅な上昇に留まった。アジア株は金融株を中心に上昇。米株は高安まちまち。ポールソン、バーナンキ両氏による金融救済法の成立が難航するとの見方から。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は前日比変わらず下落。取引序盤は堅調な推移だったものの、NY時間の後場にかけてドルが反発したことから地合いが悪化し、米国内の大豆育成が順調であることを背景として売られた。昨日同様、これ以外の特段目立った材料はない。11?を下値として小動き、との印象。イールドカーブは期先が上昇している。

・トウモロコシ価格は続伸。ドル安の進行や原油の上昇を受けて堅調な推移となっていたが、NY後場にかけてドルが強含んだことやエネルギー価格が調整したことから水準を切り下げる動きとなり、結果前日比プラスであった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。
・小麦価格は下落した。価格の下落で冬小麦の作付面積が減少するとの見方が強まっていることから比較的堅調な推移となっていたものの、ドルがNY時間の後場にかけて強含んだことやエネルギー価格の下落といったマイナス材料を受けて10日移動平均線のサポートまで水準を切り下げて引けている。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅高。米金融安定化策の上下院での可決が難航するとの見方が広まる中、堅調に推移していたが、引けに掛けてドルが強含んだことから金は下落し、前日比小幅高で引けた。チャート的には一目均衡表の雲の上限でサポートされている。
 足許、米国の金融危機が収束する気配がなく、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることによる極端なドル安が修正される動きがあったのだが、再びドル安が進行している。今後、不良債権処理に関わる公的機関の設立とその詳細に焦点が当たる中、引き続き不安定な推移が続くことになろうか。また同時に地政学的リスクの高まり、原油価格が依然高止まっていることなどから安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は質への逃避で物色され易く、下値は堅いと見ておきたい。NY銀も小幅高。

・NYプラチナは小幅上昇。取引序盤はドル安の進行を受けて上昇していたが、NY後場にドルが強含むとそれにつれる形で力なく水準を切り下げた。足許10日移動平均線と30日移動平均線の狭いレンジでの推移となっている。
 中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。しかしながら南アフリカの生産が安定しない環境下、環境に配慮した自動車の需要は堅調であることも鑑みれば大幅な調整にはなりにくいと考える。また、プラチナ価格が大きく下落したことから、代替品としてのパラジウム需要の増加が期待ほどには増加しないことが予想されることも、プラチナ価格の下支え要因となろう。
 NYパラジウムも小幅高となった。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲1.5MB(市場予想▲2.5MB)、ガソリン▲5.9MB(▲3.6MB)、ディスティレート▲4.2MB(▲1.5MB)、稼働率▲10.7%(+1.3%)
・米キンダー・モルガン、火災によりタンクが爆発テキサス州の石油ターミナルを閉鎖。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤は10日移動平均線のサポートラインでサポートされたことを材料に堅調な推移となり、欧州時間のLME在庫の減少を受けてさらに上値を試す展開となったが、夜間の米中古住宅販売の低迷とNY時間後場からのドルの上昇を受けて下落に転じ、10日移動平均線のサポートを割り込んで引けた。米国発の景気悪化が続いている状況下、足許銅価格は下げ圧力を受けているが、同時にコンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調である等のファンダメンタルズの強さもあって、高い水準を維持している状態に大きな変化はない。引き続き各国政府の対応には要注意である。LME在庫は▲1,025Mt減少、(FSCは3.8日)、(キャンセルワラント率は3.5%)。売買高は9,125枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下しベアフラットニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は17?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。取引序盤から30日移動平均線をサポートラインに堅調な推移となり、LME在庫の減少やドル安の進行といったプラス材料を受けて上値を試す動きとなったが、夜間発表の中古住宅販売が不冴えな内容であったことから銅が下落、ドル高も進行したため亜鉛には売り圧力がかかった。しかしながらコスト割れの生産者も増加していると考えられることから下値も堅く、1,600?を下回る水準までの下落は現時点では考えにくい状態。景気悪化観測の影響もあって上にも下にも行きにくい相場展開である。LME在庫は▲250Mt減少、FSCは4.7日(キャンセルワラント率は3.9%)。売買高は2,809枚。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は28?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。取引序盤から100日移動平均線を上回って寄り付き、堅調な推移となり、その後、LME在庫がキャンセルワラント率を高い水準に保ちながら大幅に減少したことからさらに上値を探る動きとなった。チャート的には三角持合を上抜けしている状態。しかし、夜間に発表された米中古住宅販売の不冴えを受けて銅価格が調整したことや、ドルが買い戻されたことから引けに掛けては上げ幅を削る展開となった。今後も景気の悪化とともに自動車向け需要が減退すると予想される一方で、在庫の減少が続いていることから現状水準での高止まりが続くことになりそうだ。LME在庫は▲825Mt減少、(FSCは2.8日、キャンセルワラント率は10.3%。)。売買高は2,894枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下している。C-3は14?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。2,500?の節目に近づくレベルでは安値拾いの買いが入りやすく取引序盤から堅調な推移となっていたが、LME指定倉庫への現物搬入の動きが広がる中軟調な推移となり、さらに夜間に発表された米中古住宅販売の不冴え、NY後場のドル高の進行、原油の下落のトリプルパンチで結局前日比マイナスとなった。採算ラインの下限である2,500?ラインは維持して引けている。当面は景気悪化に焦点があたり下値余地を探る展開が続く可能性が高まってきたが、将来の中国からのアウトフローの明確な減少懸念もあって、下落局面では安値拾いの買いも入りやすく一本調子の下落にはならないだろうとのスタンスである。しかしいずれにしても米金融不安が拡大する可能性が高い中、予断を許さない状況が続くことになろう。LME在庫は+1,275Mt増加、(FSCは11.9日)。(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は9,149枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は53?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は前日比変わらずであった。LME在庫が欧州で大幅に増加していることや、ドルの反発、原油の下落といった売り材料を受けて下値を試す展開になったが、価格下落に伴う生産調整圧力も強く、今のところ大幅な調整とはなっていない。LME在庫は+606Mt増加、(FSCは12.4日)、キャンセルワラント率は2.4%。売買高は1,107枚。イールドカーブは期先が小幅上昇し、ブルスティープニングしている。C-3は207?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。取引序盤は買い戻しが優勢となり上昇していたのだが、NY時間に発表された米中古住宅販売の悪化を受けて商品価格に調整圧力が強まる中錫も下落し、その後のドル反発を受けてさらに水準を切り下げる動きとなった。しかし新規の目立った材料があったわけではないことや、LME在庫の減少が継続していることから錫に関しては下値も限られているとの印象である。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、ファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くと考えているが、足許のセンチメントは完全にベア転している。LME在庫は▲20Mt減少、(FSCは5.7日)、キャンセルワラント率は2.22%。売買高は87枚。イールドカーブはパラレルに低下。需給のタイトさを映じてバックは維持している。C-3は95?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。夜間に発表された米在庫統計は、明確に需給がタイト化していることを示す内容であったが、石油製品需要の落ち込みが市場予想を上回っていることから体系発表後しばらくして水準を切り下げる動きとなった。NY時間後場からドル高が進行したことも売り材料となったようだ。メディアでは余り言われていないが、現在石油製品・原油の米国在庫の水準は相次ぐハリケーンの影響で極めて低いレベルにある。こうしたファンダメンタルズ(需給)の強さが原油価格を高止まりさせているようだ。WTIは10日移動平均線を下値に、200日移動平均線を上値に、レンジ相場入りした感じである。さらに下落するには金融不安が再燃しないと難しかろう。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇し全ゾーンコンタンゴ化が進んでいる。Brentは期先の下げ幅が大きいようだ。直近限月の騰落率はWTIは▲0.8%、Brentは▲0.6%。
 石油製品は高安まちまちであるが総じて堅調。RBOBは統計発表直後に下落。需要が大幅に減少したことが嫌気されたのと、原油価格の低下、ドル高の進行が材料である。しかしながら統計の内容を精査すると、需要の減少はあるものの需給がタイト化していることが好感されて10日移動平均線を回復するまで買い戻された。イールドカーブは全ゾーン小幅低下している。直近限月の騰落率は±0.0%。ヒーティングオイルは上昇。こちらもRBOBと同様の相場展開であったが、冬場のピークを控えて在庫水準が著しく低くなっていることが相場の下支え材料となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+0.6%。ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期近ほぼ全ゾーンパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.7%。

(ひとりごと)
最近、道路交通法が変わって後部座席でもシートベルトをしなければならなくなった。
結構面倒くさがってやりたがらない人が多いのだが、私は結構喜んでシートベルトを締めている。

というのも。

シンガポールに住んでいたときに向こうは後部座席でもシートベルトがMustなので、その頃に癖がついたからなのだが。
と、言いたいとことなのだが本当の所は別にある。
タイに出張していたころ、あそこの国って移動手段は基本的に車しかないので
高速道路を車で移動するのだが、いく先にもよるが、移動に3時間かかることはザラである。
なので、交通渋滞の影響によっては30分や1時間の遅刻は当たり前で
お客さんも結構それが当たり前と思っているようなのだが

ほら、やっぱりねぇ
1時間も遅刻したくないじゃないですか。
なので、タイの運転手さんは異常に車の速度を上げて走るのだ。
そう。
時速200キロぐらい。
こんな普通の車でそんな速度が出るものなのかと恐ろしくなるが
周りの車も殆ど同じ速度で走っている。
というか、私が乗っている車よりもはるかに速かったりする
一体時速何キロで走っているのだろうか?

生まれてはじめてであるが、後部座席に座っていて体感速度の余りの速さに足が震えた。
なので、必然的にシートベルトが欲しくなるのだが
恐らくこの速度で事故ったら、即死であろう。

で、現在日本で道交法が変わっても私は進んでシートベルトをしている。
でも、シートベルトを締めるに当たり、一番気に食わないのが

「なかなか上手くはまってくれない」

こと。
特に後部座席の左側に座っている場合、真ん中の座席用のシートベルトホルダーにシートベルトの金具の部分を突っ込んでしまい
ちっともしまらないまま車が進み、結局締めないまま目的地に到着してしまうこともあったりする
(え?ないですか。そうですか)
でも、このときに警察に見られたら、違反切符を切られるんでしょうかね。
もしそうであれば、相当「無念」だと思うが...