ミスター

(商品市況概況)
「急速な資金の自国への回帰」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。注目のOPECは市場予想どおりの減産幅であったことから逆に失望売りが嵩み、大幅な調整となった。英GDPが15年ぶりに悪化したタイミングでもあり、OPECの減産効果が需要の減少を打ち消すには至らない、と市場が判断したためであろう。こうした環境化、経済統計の悪化を受けて株価は暴落を続けており、「お金になるものは全部売ったほうが良い」モードが今でも継続してしまっているようである。この「極端な金融不安」と「景気の先行き不安」が資産の現金化を進めている根源であるが、各国が各々対応するのではなく、主要国が全て終結し事態の打開策を見出す努力をしなければ、解決するには相当以上の時間を要することになるだろう。本当に選挙どころではなくなってきている。
 こうした中、海外に資産を持つことによるリスクを警戒し、レパトリの動きが加速している。さすがに金曜日の夕方〜夜間に掛けて円が90円台まで暴騰したときには驚きましたが...

(経済関連ニュース)
・Q308英GDP 前期比▲0.5%(前期改定±0.0%)、市場予想▲0.2%。92年以来はじめてのマイナスに。
・マレーシア中銀 政策金利を3.5%に据え置き。
・9月米中古住宅販売 前月比+5.5%の518万戸(前月改定491万戸(速報比変わらず))、市場予想495万戸。
・円一時90円台に。日経平均は8,000円を大幅に割り込む。
・銀行保有株の買取再開を政府が検討(日経新聞)。

・ドルは対ユーロで続伸。英GDPが15年ぶりのマイナスに転じたことから欧州景気の悪化観測が急速に強まり、折からのドル需給逼迫の影響もあってドルは続伸することとなった。但しドルは対円では急速に下落。欧米株価が英GDPのマイナス成長を受けて大幅に下落したことから、グローバルキャリートレードアンワインドが活発化した模様。円・ユーロは120円を大きく割り込み、一時114円台まで下落している。
日本株は大暴落し、バブル後最安値(7,607.88円)に迫る水準まで下落した。米国景気の悪化、欧州景気の悪化、急速に進むドル高の影響で輸出関連企業が売られ、株の下落を映じて銀行株も売り込まれた。トヨタのQ308世界販売が7年ぶりに前年比マイナスとなったことも嫌気された。米国株は英GDPのマイナス成長や、新興国株の暴落といったマイナス材料を受けて、週末を控えてさらに売りが加速した。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は下落した。アジア株・欧州株・米国株の暴落と、OPECの減産が市場予想の範囲内であったことからエネルギー価格が大幅に調整したため、大豆もそろって売られることとなった。結局10日移動平均線で頭を抑えられて引けている。基本的にハーベスト・プレッシャーで売り圧力がかかり易い時期でもあり、上値余地は限定されている。イールドカーブはパラレルに低下。
・トウモロコシ価格も下落。大豆と同様、株価の暴落や下落やエネルギー価格の下落、ドル高の大幅な進行が材料視された。基本的にはハーベスト・プレッシャーの影響で10日移動平均線を上回れずにいる状態。イールドカーブはパラレルに小幅低下している。
・小麦価格も下落。材料は大豆、トウモロコシと同様である。イールドカーブはパラレルに小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は反発。ドル対ユーロで大幅に上昇したものの、実体経済の悪化に伴い安全資産としての金の需要が高まった。しかし、現在のマーケットは金すらも安全資産とは余りみなしていない感じがするのは気のせいではなかろう。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしており、このままの水準で行くと金は600〜620?まで低下してもおかしくない地合いである。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀は下落。欧米景気が悪化していることから、工業品としての銀は需要減少の可能性が高く、ドル高が進行していることも相俟って大幅な下落となった。依然として10日移動平均線を上回って上昇する力強さはない。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが125,951(前週比 ▲5,142)、ショートが26,749(前週比 +2,481)となったことから、ネットで99,202(前週比 ▲7,623)となった。銀はロングが27,104(前週比 ▲5,142)、ショートが13,463(前週比 +2,481)となったことから、ネットで15,945(前週比 +140)となった。

・NYプラチナは大幅に下落。ドル高の進行が続いていることと、欧米経済指標、特に英国のGDPが悪化したことなどが嫌気された。貴金属ではあるが、金以外は基本、工業原料であるため、実態経済の悪化は価格の下落材料となる。プラチナ価格は10日移動平均線を上値として軟調な推移が続いている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムは小幅高。特段新規の材料はなかったがそもそも価格水準が十分低くなっていることから下げ余地も限られている。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。"

・Chalco、年生産を18%削減、需給の状態によっては更なる削減も。

(エネルギー関連ニュース)
OPECは1.5MBDの生産枠削減を決定。加盟国のうち11カ国に適用され、11月から実行。これにより生産枠は27.3MBDに。
・サウジ ヌアイミ石油相「需要は供給をはるかに下回っており、これが減産に踏み切った理由だ。」
OPECヘリル議長「減産は価格安定に向けて100%効力を発揮するだろう」
カタール アティーヤエネルギー産業相「価格の下落が続けば12月に追加減産も可能だ」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤は前日引けレベル程度であったが、アジア株が軒並み暴落する中急速に地合いが悪化、一気に4,000?を大きく下回る展開となった。また、LME在庫が欧州で増加しているほか、英GDPが15年ぶりのマイナスになるなどの実需材料や、それを受けた急速なドル高の進行を受けてさらに地合いが悪化し、さらに下値を探る動きとなった。しかし引けに掛けてはさすがに買い戻しが入る展開であったファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること(世に言われているほど、中国の経済指標が悪いとは思わない)から需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、足許の株価の急落等がセンチメントを悪化させている状態。消費の頼みは中国国内のインフラ需要、といった悲しい状態である。LME在庫は+2,725Mt増加、(FSCは4.2日)、(キャンセルワラント率は2.0%)。売買高は12,507枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは全体的に水準を切り下げている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は14?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。アジア・欧州株の大幅下落とドル高の急速な進行を受けてNY時間にかけて大幅に調整をしていたが、売られすぎであることも事実であり、NY時間に入ってかr買い戻しが入って下げ幅を削って引けている。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲275Mt減少、FSCは5.3日(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は6,676枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は30?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。取引序盤はドル高の急速な進行や、株価の暴落を受けて下落していたのだが、LME在庫の大幅減少というプラス材料を受けて欧州時間から切り返し、結局前日比小幅安で引けている。景気悪化の影響で鉛も調整しているが、LME在庫の減少が顕著であること、キャンセルワラント率も上昇していること、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲750Mt減少、(FSCは2.3日、キャンセルワラント率は19.0%。)。売買高は1,697枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は12?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤から、アジア・欧州株の暴落とドル高の急速な進行、OPECの減産が原油価格に下支え効果をもたらさなかったことが嫌気され、2,000?を割り込んで大きく下落した。しかしながらさすがに2,000?アンダーでは安値拾いの買いも入り、引けに掛けては下げ渋る展開となった。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+2,875Mt増加、(FSCは13.3日)。(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は10,862枚。イールドカーブの形状はほぼ変わらず。C-3は54?コンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のニッケル価格は上昇した。ドル高、株安の影響で小幅水準を切り下げたのだが、割安感からの買いが入り、NY時間にかけて大幅に上昇することとなった。この上昇で10,000?を回復して引けている。LME在庫は+282Mt増加、(FSCは14.5日)、キャンセルワラント率は1.2%。売買高は2,624枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく略パラレルに上昇。C-3は174?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。取引序盤からアジア株の下落、ドル高の急速な進行といったマイナス材料を受けて大幅に調整する展開となっていたが、LME在庫の大幅減少を受けて急速に下げ幅を縮小し、略行って来いであった。LME在庫の減少傾向は継続しており、キャンセルワラント率も25%まで上昇しており、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、一本調子の価格下落には余り賛同できない。しかし、不安定な株価動向や経済統計の悪化等の影響で下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲270Mt減少、(FSCは4.4日)、キャンセルワラント率は21.18%。売買高は337枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。C-3は275?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。注目のOPEC総会では、予想通り1.5MBDの生産枠削減となったが、1.5MBDの削減は既に市場が織り込んでいたため、削減発表直後から原油価格は大幅に下落、WTIは63?台まで水準を切り下げることとなった。その後はさすがに買い戻しが入ったが、夜間に発表された英GDPの悪化や株価の暴落を受けて戻りはきわめて弱いものとなった。イールドカーブは期近を中心に低下している。Brentも期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIは▲6.1%、Brentは▲6.7%。
 石油製品も大幅に下落。RBOBはOPECの減産幅が1.5MBDであったことを確認した後、暴落した。しかし原油と同様さすがに下げが大きかったことと、削減幅が市場予想通りであったものの生産の削減に変わりないことと、追加減産の可能性もあることから引けにかけては下げ渋る展開となった。イールドカーブは期近の下げが大きいが、全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲7.2%。ヒーティングオイルも大幅に下落し、とうとう200?を割り込むまで下落することとなった。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲4.5%。ICEガスオイルも大幅に下落。イールドカーブは期近の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲6.5%。

(ひとりごと)
我が子は本当にちゃっかりしている(最近あんまりこいつ以外のネタに出会うチャンスがないな...)
今日も外出するときに、一緒に出たのだが
自分で歩くようになってから、部屋を出るときは意気揚々と自分で歩いて飛び出すのだが
エレベーターを降りて1階にたどり着くと、そこで座り込みストライキが始まった。

私「いくよ、たっちしなさい」
子供「だっこ、だっこ」
私「置いてっちゃうよ、立ちなさい」
子供「パパ、だっこ」

急いでいたので仕方なく、抱き上げてあげるとすかさず我が子は

子供「あまえんぼうー」

...って、お前ちゃっかりしすぎだろう。
自分の子供だからなのだろうか、やはり許してやりたくなる。
でも、最近思うのだが、どうも彼はモノを壊したり、悪いことをしたときでも
不思議な間合いで皆を和ませる能力があるらしい。
そう、たとえて言うならば長嶋監督のような。

よって、我が家では彼のことをミスターと呼んでいる(ミスター・赤ちゃん)