シフォンケーキ

(商品市況概況)
「久しぶりの買い材料に反応」
 昨日のコモディティ価格はエネルギー価格が下落、その他のコモディティは軒並み上昇した。継続的なドル高がコモディティ市場にとってマイナスに働く状態がが継続しているものの、NY時間に発表された米新築住宅販売が好調であったことから株価が上昇、そもそも安値圏に来ていることから買い戻しを狙っている市場参加者の買いを誘い、非鉄金属、エネルギーとも上昇するに至った。しかしながらその後、再び株価が下落に転じたことから遅くまでオープンしている取引所のコモディティ(例えば原油)は下落して引けた。LME非鉄金属はこの株価の下落を織り込みきれていない。
 様々なアナリストが指摘するように、現在の株価や商品価格は明らかに「行きすぎ」であり、どこかで反転するだろうとの見方をしている市場参加者が多いものの、以前の価格高騰時に「いつか下がる」と信じてその「切っ掛け」をつかめずにいたときと同様、反転の切っ掛けをつかめずにいるのが現在の商品市場である。確かに需要も減少し、株価も低迷していることから大幅な上昇はないだろうがそろそろ反発してそこが見えても良い頃なのではなかろうか。
 
 ただし、上記の議論(割り安なのでそろそろ買い戻される)は極めて正しい主張であると考えるが、それは「今までの経済や市場の理屈の範囲の中において」正しい主張であり、もし世界が新しい秩序を望むならばそのとき、この主張は100%正しいと言えなくなる可能性があることは念頭に置かねばならない。"

(経済関連ニュース)
・10月独Ifo企業景況感指数 90.2(前月改定92.9)、市場予想91.0。
・9月米新築住宅販売 前月比+2.7%(前月改定45.2万戸(速報比▲0.8万戸))、市場予想45万戸。

・ドルは対ユーロで続伸。継続的なドル資金不足を背景にドルの強含みが止まらない状態。ドルは対円では下落。G7で円高懸念が表明されたものの、将来実施されるかも知れない協調介入などの実効性も低いと見られたことから、海外市場の混乱を背景に相対的に円が強含み、かつ、キャリートレードアンワインドによる円高が継続している状態。
日本株は大暴落し、26年ぶりの安値水準まで下落した。三菱UFJFGの増資等を背景に、欧米他行比優位といわれていた日本の金融機関の業績懸念がクローズアップされた上、急速に進行するドル高が輸出企業の業績を直撃すると見られたことが嫌気された。米国株は続落。素材関連株を中心に売られた。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は大幅に上昇した。米住宅関連統計の好調を切っ掛けに株が反発したことが素直に材料視され上昇、10日移動平均線を回復するに至った。ただしNY時間後場にかけての株価の下落は価格に織り込まれていない。基本的にハーベスト・プレッシャーで売り圧力がかかり易い時期でもあり、上値余地は限定されると見ておくべきである。イールドカーブはパラレルに上昇。
・トウモロコシ価格も大幅に上昇。こちらもNY時間の株価の回復が材料視されて割安感から急速に買い戻しが入った。しかし基本的にはハーベスト・プレッシャーを受け易い時期でもあり、10日移動平均線を上回れずに引けた。イールドカーブはパラレルに上昇している。
・小麦価格も反発。材料は大豆、トウモロコシと同様である。イールドカーブはパラレルに上昇。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。ドルが対ユーロで大幅に上昇したものの、引き続き安全資産としての金の需要が高まっているため。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしており、このままの水準で行くと金は600〜620?まで低下してもおかしくない地合いである。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀は小幅下落。欧米景気が悪化していることから、工業品としての銀は需要減少の可能性が高く、ドル高が進行していることも相俟って下落が続いている。依然として10日移動平均線レジスタンスとして意識されている(9.75?)。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが125,951(前週比 ▲5,142)、ショートが26,749(前週比 +2,481)となったことから、ネットで99,202(前週比 ▲7,623)となった。銀はロングが27,104(前週比 ▲5,142)、ショートが13,463(前週比 +2,481)となったことから、ネットで15,945(前週比 +140)となった。
"・NYプラチナは小幅下落。ドル高の進行が続いていることと、経済統計の悪化が指し示す景気の悪化が材料視された。しかしながら価格の下落に伴う利益の減少を受けて生産減少懸念もあり、下げ余地は徐々に小さくなってきているようだ。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムは小幅高。特段新規の材料はなかったがそもそも売られすぎであることもあり、小幅なレンジでの推移が続いている。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+1.6MB、ガソリン+1.2MB、ディスティレート+1.0MB、稼働率+2.5%
リオデジャネイロ長官「ブラジル沖合油田開発、2年程度延期になる可能性」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。取引序盤は引き続きドル高が進行していることと、LME在庫が増加していることから下値を探る動きとなったが、夜間発表された米新築住宅販売が予想外に好調であったことから、絶対水準が低すぎることもあって買い戻しが進んだ。久しぶりの住宅関連の良い指標の発表を受け、安値での買いを模索していた市場参加者の買いを誘ったようである。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること(世に言われているほど、中国の経済指標が悪いとは思わない)から需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、足許の株価の急落等がセンチメントを悪化させている状態が続いている。LME在庫は+1,400Mt増加、(FSCは4.2日)、(キャンセルワラント率は1.8%)。売買高は13,181枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に上昇。C-3(Cash vs 3M Fwd)は8?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。銅と同じく、米国住宅関連指標が好調であったことから、買いのタイミングを模索していた消費者の買いが入ったため。詳細版でもコメントしているように亜鉛は現状売られすぎであり、買いが入り易い地合いにあったことも事実である。しかし10日移動平均線を上回って上昇するほどの力強さは感じられず、調整的に買い戻しが入ったとの印象は否めない。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲25Mt減少、FSCは5.3日(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は4,843枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は33?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。取引序盤はドル高の急速な進行や株価の下落が続いていることから下値を試したが、LME在庫が再び大幅に減少したことや、夜間に発表された米住宅関連統計が好調だったことを受けた銅の買い戻しに連れる形で鉛も買い戻しが進んだ。ただし10日移動平均線を上回って上昇する力がないのは他の非鉄金属と同様である。景気悪化の影響で鉛も調整しているが、LME在庫の減少が顕著であること、キャンセルワラント率も上昇していること、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは2.3日、キャンセルワラント率は19.4%。)。売買高は1,444枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は10?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。材料は他の非鉄金属と同様で、ドル高やエネルギー安が進んでいたものの、夜間に発表された米新築住宅販売が好調であったことから、そもそも2,000?割れの割安な水準まで価格が落ち込んでいたことから急速に買い戻しが入り、2,000?台を回復するに至った。久しぶりに発表された住宅関連の買い材料であったために、過剰に市場が反応した感がある。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。コストベースで見た場合、限界レベルまで価格が下がっていると見られるが、相場はオーバーシュートし易いためもう少し下値を探る可能性がある。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。LME在庫は+2,550Mt増加、(FSCは13.4日)。(キャンセルワラント率は1.1%)。売買高は10,054枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は56?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。ドル高、株安の影響で一旦下落したものの、亜鉛やアルミと同じくニッケルは売られすぎであるため、夜間の米住宅関連統計発表を契機に非鉄金属全体に買い戻しが入る中、ニッケルにも買い戻しが入った。LME在庫は+270Mt増加、(FSCは14.6日)、キャンセルワラント率は1.9%。売買高は1,663枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。C-3は180?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は急激に上昇した。ドル高の進行はあったものの、LME在庫が極端に減少したことを受けて欧州時間から強含み推移していたが、NY時間の新築住宅販売統計を受けた銅やアルミの買い戻しに連れる形で上昇し、一気に10日移動平均線を上回って上昇することとなった。錫は非鉄金属の中でも鉛と並んでファンダメンタルズが強い非鉄金属であるだけに、上昇時の上げ幅は特に大きくなり易い。LME在庫の減少傾向は継続しており、キャンセルワラント率も25%まで上昇しており、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、一本調子の価格下落になりにくい非鉄金属である。しかし、不安定な株価動向や経済統計の悪化等の影響で下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲500Mt減少、(FSCは4.0日)、キャンセルワラント率は25.98%。売買高は492枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は475?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は続落した。OPECによる減産効果が限定的なものに留まる一方で、需給逼迫によるドル高は進行しており原油価格の押し下げ材料となった。その後NY時間に発表された住宅関連統計が好調であったことからコモディティ全体に買い戻しが入り原油価格も反発したのだが、株価が後場にかけて下落に転じたことから地合いが悪化、結局前日比マイナスで引けることとなった。期先を中心に低下しフラットニングしている。直近限月の騰落率はWTIは▲1.5%、Brentは▲1.1%。
 石油製品も下落。RBOBはNY時間前場に上昇したのだが、後場の株価下落を受けて地合いが悪化し上げ幅を削る展開となった。イールドカーブは略パラレルに全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲0.1%。ヒーティングオイルも下落イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲1.7%。ICEガスオイルは小幅上昇。イールドカーブは期近のみ上昇し、期先は下落している。直近限月の騰落率は+0.2%。

(ひとりごと)
シフォンケーキは物の本によると、革命的なお菓子だったんだそうだ。
当然こういうケーキはフランスで作られたもの、だと思っていたんだが
実はアメリカが発祥の国らしい。
これを開発した会社はその製造方法を秘中の秘にしていたらしいが、ベーキングパウダーを用いず
食用油と卵白で生地を膨らまし、食感を柔らかにしたところが新しかったらしい。
さすが、常識を覆す、と言う意味で昔のアメリカは素晴らしい。

で。

シフォンケーキの素晴らしさはなんといってもあのやわらかさとしっとり感。
もしやわらかいだけでパサついていたら全く持って意味がない。
フォークを入れたときに、全く切れることなく、フォークで押さえたケーキの上側が皿まで達し
その瞬間に2つに断ち切れて切れた各々の断片が、またもとの形に戻っていくあの瞬間。
家で子供が遊んでいるのを見ていると、たとえばビニール袋をくしゃくしゃにして
そのくしゃくしゃにしたビニールがビニールの力で自然に元に戻っていく様をみて、彼は無邪気に笑っている。

そう。

シフォンケーキの楽しみは、はるか昔に捨ててきてしまった、子供感覚を実は呼び覚ましてくれるところ、
にあるのだ。
なので、シフォンケーキは横に寝かせて持ってきてほしくない。
倍のお金を払っても良いから、倍の厚さに切って、立てて持ってきてほしいのだ。
そうしたら、子供の気分に戻れるから。
やはりアメリカ発のものは、無邪気なものが多いな、と思う由縁である。