自意識過剰

(商品市況概況)
「政治への比重の高まり」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。各国株価の大幅調整に伴うセンチメントの悪化が材料である。特に北米の自動車産業が極めて良くない状況であることが市場参加者のセンチメントを著しく悪化させている。このコメンタリーで「ダウンサイドへのセンシティビティが低下してきている」と説明したが株価の調整が進む場合にはこの限りではない。しかし、株価がここまで下げているのに引き続き商品価格の下げ幅は比較的限定されている。これは先々上流部門への設備投資が不十分なことに伴う価格の上昇がある、と考える市場参加者がまだ多く、期先の価格が調整していないことが材料である。今のところこの考え方に間違いはないと思うのだが、「価格の低迷が長期化」した場合には、期先への調整圧力が高まるため注意せねばならない。
 特に、こういった景気の著しい悪化局面では政治の舵取りに景気の先行きが左右されることが多いため、各国の政策動向には十分に注意を払う必要があると考える。

(経済関連ニュース)
・10月ユーロ圏生産者物価 前年比+6.3%(前月改定+7.9%)、市場予想+7.0%。エネルギー価格の下落が押し下げ。
GMとフォード、最大で270億ドル(2兆5,000億円)の融資を米議会に要請。クライスラーの計画はまだ発表されていない。
FRB 3種類のターム物緊急融資制度の貸し出し期限を来年の4月30日まで延長。対称となるのが、プライマリーディーラー向け連銀貸し出し(PDCF)、ターム物証券貸与ファシリティー(TSLF)、MMFからABCPを購入する制度(AMLF)

・ドルは対ユーロで下落。総じて米国経済の回復基調が弱いと見られていることから、結果的にドルが売られることとなった。ドルは対円では小幅上昇。
日本株は大幅下落。前日の米国株大幅下落を受けて輸出関連株に売りが入り、再び8,000円を割り込むこととなった。米国株は反発。前日の下落幅が大きかったことや、FRBの緊急融資制度の期限延長が好感された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は続落。株価の下落に伴う景気悪化懸念が強まっていることから続落となった。足許、10月16日の安値825セントが意識されている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。
・トウモロコシ価格も下落。景気悪化に伴う需要減少観測に加え、Pilgrim's Pride(米最大の鶏肉メーカー)が穀物価格の上昇を受けて破綻の懸念が出てきたと報じられたことがトウモロコシ需要の減少観測を想起させ相場下落となった。しかし現在の水準の低さから下げ余地も小さく、引けにかけては買い戻しで下げ幅を縮小している。イールドカーブは期先のみ小幅低下。
・小麦価格は変わらず。大きな材料はないがこの2ヶ月間複数回トライしている5ドルの節目でサポートされた格好。イールドカーブの形状は略変わらず。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は反発。前日の下げ幅が大きかったことや、ドル安の進行世界的な金融危機が長引くとの見方から買い戻しが優勢となった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀も反発。同様に前日の下げ幅が大きかったことから欧州時間に入って買いが入り、上昇。但し10日移動平均線を上回ることはできなかった。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが115,014(前週比 +3,951)、ショートが33,142(前週比 ▲13,092)となったことから、ネットで81,872(前週比 +17,043)となった。銀はロングが24,915(前週比 +3,951)、ショートが10,756(前週比 ▲13,092)となったことから、ネットで14,484(前週比 ▲8,653)となった。

・NYプラチナは下落。GM等の北米自動車販売が落ち込んだことから、自動車向けの需要が減少するとの見方から下落したが、金価格がドル安の進行で反発したことから下げ幅は限定された。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政策の遅れなども手伝いその可能性が出てきた。
 NYパラジウムも小幅下落。
 今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強いためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+0.9MB、ガソリン+1.5MB、ディスティレート+1.0MB、稼働率+0.3%

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。欧州時間にかけては株の大幅下落に伴うセンチメントの悪化やドル高の進行で売られたが、欧州時間以降はドル安が進行したため反発、下げ幅を削る展開となった。ファンダメンタルズにも徐々に変化が見られている。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化し始めている可能性が高まってきている。中期的には中国政府の経済対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+1,825Mt増加、(FSCは5.8日)、(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は7,230枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先を中心に低下し、ベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は20?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。欧州時間にかけては株安の進行もあって調整が続いていたものの、欧州時間以降はドル安が進行したため、買い戻しが優勢となり反発して引けている。生産者がコストわれの状態になっていると考えられることから下値も限られ、しばらくは現状レベルでのもみ合いとなろう。LME在庫は+375Mt増加、FSCは6.0日(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は3,312枚。イールドカーブは全ゾーン小幅上昇。C-3は?フラットとFALSE
 昨日の鉛価格は下落した。ドル高の進行を受けて欧州時間までは下値を探ったが、NY時間にかけてはドルが下落したことから買い戻しが優勢となり下げ幅を削った。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強い。しかしながら、足許、中国が課してきた精錬鉛の輸出関税が撤廃されるのではとの憶測記事が市場参加者を疑心暗鬼にさせており、じりじりと値を下げる動きとなっている。LME在庫は+250Mt増加、(FSCは1.8日、キャンセルワラント率は3.0%。)。売買高は1,000枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は10?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。原油価格が大幅に続落したことや、自動車会社の北米での販売が大幅に減少していることなどがセンチメントを悪化させた。LME在庫の増加傾向が続いていることも下げ材料となっている。但しNY時間にかけてドル安が進行したため下げ幅は比較的限定された。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750?程度)まで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。ただ、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+2,725Mt増加、(FSCは16.6日)。(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は10,805枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は46?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。10,000?を割り込んでいることから安値拾いの買いが入って下げ渋ったものの、LME在庫の増加が継続していることや株価の調整といったマイナス材料が重なり、続落となった。10,000?の節目を割り込んでの推移が続いており、当面は心理的な10,000?をめぐる攻防が続くことになろうか。LME在庫は+156Mt増加、(FSCは16.4日)、キャンセルワラント率は1.3%。売買高は832枚。イールドカーブは期近を中心に低下している。C-3は117?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。取引序盤から軟調な推移となり、10日移動平均線を割り込む展開となった。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めているようであり、アジア域内の錫在庫は増加傾向にある。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。LME在庫は+50Mt増加、(FSCは4.5日)、キャンセルワラント率は7.98%。売買高は321枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は130?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は続落。OPEC総会での減産が見送られたことや、不況が長引く可能性が高まってきたことからセンチメントが著しく悪化しており、NY時間後場にかけて下げ幅を拡大する動きとなった。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率はWTIは▲5.2%、Brentは▲5.9%。
 石油製品も下落。RBOBはNY時間の前場にかけては買い戻しが優勢となり一時10日移動平均線を回復したものの、NY時間の後場原油が調整したことから連れ安となり、10日移動平均線を下回ることとなった。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲5.3%。ヒーティングオイルも下落。こちらも前場は上昇し、後場原油下落に連れる形で水準を切り下げた。足許、FSCが5年平均を大きく上回るレベルまで上昇していることから、10日移動平均線が上値として強く意識されている。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇。直近限月の騰落率は▲2.1%。ICEガスオイルも低下。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.6%。

(ひとりごと)
朝、会社に行くときに
我が子とカミさんがベランダにでて、見送ってくれる
二人そろって私に手を振ってくれるのだ
カミさんには申し訳ないが、我が子が手を振ってくれる方が100万倍嬉しい。

で。

そしたらですね。
前を歩いていたウチのマンションの下に住んでいる女の子(小学校1年生か2年生ぐらい)が
自分に手を振ってくれていると勘違いして
一生懸命我が子とカミさんに手を振っているんですよね

なんと微笑ましいことか

で。

そしたら別の日
私の部屋よりも下の階に住んでいる奥様が、洗濯物干してたんですが
私が彼女に対して手を振っているものと勘違いされ
遠くから見ても分かるぐらいイヤな顔されたんですよね

なんと自意識過剰なことか

朝の挨拶にも、微妙な人間ドラマあり。