パン

(商品市況概況)
「大幅下落」
 昨日のコモディティ価格は大幅に下落した。週末発表された米雇用統計が市場予想を大きく下回る悪い内容になったことから市場のセンチメントが著しく悪化、デフレ懸念の台頭と、景気悪化に伴う商品需要の減少観測と相俟って、大幅な下落となった。景気悪化と資金繰りの悪化から、投機筋の資金は相当早い段階で市場から殆ど退場していると考えられる中、足許の下落は明らかに実需の減少観測に伴うものであるといえる。この状態は12月の欧米企業決算を終了するまでは残念ながら続くことになろう。

 つい半年ほど前は「著しいインフレ」がリスク要因として挙げられていた。しかし我々日本人が過去に経験したように、インフレよりもデフレのリスクの方がはるかに怖い。そのことを各国の金融当局ならびに市場参加者は知っていることから、なおさら狼狽売りを誘っているものと見られる。各国政府・金融当局の矢継ぎ早の対策で金融危機が本格化するリスクは辛うじて回避されているが、各国の足並みがそろわなければこの限りではない。

(経済関連ニュース)
・11月米雇用統計 前月比▲533千人(前月改定▲320千人(速報比▲80千人))、市場予想▲335千人。失業率6.7%(前月改定6.5%)、市場予想6.8%。
オバマ次期米大統領「雇用拡大を目指した景気刺激策を迅速に打ち出す考え」
・米ビッグ3、カナダ政府に対し60億カナダドルの支援を要請。カナダ政府が発表。

・ドルは対ユーロで上昇した。夜間発表された米雇用統計が予想を上回る大幅場悪化となったことから資金の逃避先としてドルが選好されたため。各種メディアで質への逃避でドルが選好という見出しがでるが、比較相対感で見た場合ドルは他通貨よりも強い状態が続いている(但し対円では弱い)。ドルは対円では大幅に下落。
日本株は小幅下落。金融・輸出関連株を中心に下落した。夜間に発表される米雇用統計を控えて小動きであった。米国株は大幅に反発。取引序盤は米雇用統計の大幅悪化を受けて軟調な推移であったが、保険大手ハートフォード声明が2008年通期の営業利益見通しを引き上げたことなどが好感された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は続落。夜間発表された米雇用統計が予想を上回る悪化となったことからエネルギー価格が下落。輸出検証高が大幅な減少となったことや、ドル高の進行と相俟って大幅な下落となり、とうとう8ドルの節目を割り込むに至った。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。
・トウモロコシ価格は大幅に下落。夜間に発表された米雇用統計の悪化を受けたエネルギー価格の下落、ドル高の進行を受けて大幅に水準を切り下げ、目先の心理的な節目であった3ドルをとうとう下回るに至った。イールドカーブは略パラレルに低下。
・小麦価格は大幅に続落した。USDA発表の輸出統計での輸出量大幅減少や夜間の雇用統計の悪化に伴う需要減少観測が相場を大きく押し下げることとなった。イールドカーブは略パラレルに低下。


非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に下落。米雇用統計後にドル高が進行(質への逃避でドルが選好される。円を除けばドルは相対的に優位なポジション)したことや、デフレ圧力の高まりを受けて商品価格全体に下押し圧力が掛かる中、金価格も調整を余儀なくされた。但し弊社がコメントしているように現在の金の水準は割安であり、この下落に余り違和感はない。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね120ドル程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600ドル〜620ドルまで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀も下落。米雇用統計の悪化に伴うセンチメントの悪化で、銀価格も調整した。しかし米株が上昇したこともあって下げ幅は比較的限定されたようだ。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが111,592(前週比 ▲3,422)、ショートが27,223(前週比 ▲5,919)となったことから、ネットで84,369(前週比 +2,497)となった。銀はロングが24,263(前週比 ▲3,422)、ショートが8,210(前週比 ▲5,919)となったことから、ネットで13,767(前週比 ▲1,524)となった。

・NYプラチナは小幅下落。北米自動車産業を中心に景気の減速懸念が強まる中、触媒需要の減少観測が強まり調整圧力が掛かっている。昨晩についてはドル高が進行したことも地合いを悪化させる要因となったようだ。
 急速な実体経済の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な調整後、冴えない展開が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政策の遅れなども手伝いその可能性が出てきた。
 NYパラジウムも続落。パラジウム価格は割安、とのスタンスに変りはないものの株価の長期低迷と、ドル高の進行、昨晩については10月16日の安値を下回ったことから下げが加速したようだ。今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強いためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250ドルを上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。"

(エネルギー関連ニュース)
・IEA2009年世界石油見通しを下方修正。86.37MBD(前回調査時比▲170KBD)。2013年の需要見通しは91.25MBD(▲2.9MBD)に下方修正。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。夜間にドル高が進行したことや、米雇用統計が市場予想を大きく下回る悪い内容であったことからセンチメントが著しく悪化、銅価格は殆ど反発することなく水準を切り下げることとなった。ファンダメンタルズは少なくとも短期的は大幅に悪化している。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化し始めている可能性が高まってきているためだ。中期的には中国政府の経済対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+4,325Mt増加、(FSCは5.9日)、(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は8,560枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は26ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。材料は略同じであるが、ドル高の進行と夜間に発表された米雇用統計の著しい悪化に伴う、センチメントの悪化である。生産者がコスト割れの状態になっていると考えられることから下値も限られると考えていたが、さすがにここまで経済統計が悪いと、無視できないようである。LME在庫は+3,200Mt増加、FSCは6.4日(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は5,784枚。イールドカーブは期近の下げ幅大きく、ベアスティープニング。C-3は10ドルコンタンゴとバックからコンタンゴに転じた。
 昨日の鉛価格は下落した。米雇用統計の悪化やドル高の進行といったマイナス材料はあったものの、在庫水準の低さを背景としたファンダメンタルズの「相対的な」強さから下げ幅は比較的限定された。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強い。しかしながら、足許、中国が課してきた精錬鉛の輸出関税が撤廃されるのではとの憶測記事が市場参加者を疑心暗鬼にさせており、じりじりと値を下げる動きとなっている。LME在庫は+325Mt増加、(FSCは1.8日、キャンセルワラント率は3.3%。)。売買高は1,478枚。イールドカーブは略パラレルに低下。C-3は14ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は大幅に下落した。米雇用統計の大幅悪化、ドル高の進行、原油価格の下落、欧州、米州、上海在庫の大幅増加というマイナス材料の積み上がりで、1,500ドルを割り込むに至った。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)まで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。ただ、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+8,125Mt増加、(FSCは17.0日)。(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は11,445枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン低下している。C-3は46ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。雇用統計の悪化やドル高の進行が材料視されたが、LME在庫がひさしぶりに減少したことから下げ幅は若干限定された感がある。Valeの生産調整に代表される生産者の生産調整が下値余地を限らせているようだ。LME在庫は▲204Mt減少、(FSCは16.6日)、キャンセルワラント率は1.7%。売買高は1,148枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は116ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。個別の新規材料に乏しい中、NY時間の米雇用統計の大幅悪化や、ドル高の進行がセンチメントを悪化させ、錫価格も調整を余儀なくされた。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めているようであり、アジア域内の錫在庫は増加傾向にある。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと考えている。イールドカーブバックワーデーションの状態であることを見るに不況下においても需給が逼迫していることが伺える。LME在庫は+15Mt増加、(FSCは4.5日)、キャンセルワラント率は6.85%。売買高は196枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は155ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に下落した。夜間に発表された米雇用統計の大幅な悪化を受けて需要の減少観測が台頭、週末を控えたポジション調整の売り等と相俟って大幅な下落となった。週半ばに発表された在庫統計は原油の需給がルーズであることを示す内容であり、年末に向けて原油市場のセンチメントはベアに傾くものと見られる。しかしながら先々の供給懸念(上流部門への投資不足に伴う景気回復時の需給逼迫懸念)を受けて期先は引き続き高止まりが続いており、極端なコンタンゴが持続している。WTIイールドカーブは期中の下げが大きく、Brentは期先の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIは▲7.5%、Brentは▲6.8%。
 石油製品も下落。RBOBもは米雇用統計発表後から大幅に調整し、100セントの節目を大きく割り込むに至った。そもそもの自動車需要の減少に加えて燃費の観点からガソリン車の需要が低迷しており、ガソリンには調整圧力が掛かっている。イールドカーブは期近を中心に低下している。直近限月の騰落率は▲8.2%。ヒーティングオイルも下落。こちらも米雇用統計の悪化を受けて軟調な推移となり、150セントの節目を下回った頃から下げが加速、殆ど反発することなく下落して引けている。週半ばの統計でFSCが過去5年平均を上回っていることが確認されたこともあって地合いは弱い。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲6.1%。ICEガスオイルは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲11.0%。

(ひとりごと)
カミさんの先輩が卒業旅行に行ったときの話

旅先でレストランに入り、食べ物を注文
しかし、パンが全く運ばれてこない
そこで、パンをギャルソンにオーダーすることにした
(日本語で書きます)

先輩A「パンを下さい」
ギャルソン 「パンですか?」
先輩B「そう、パン」
ギャルソン 「すみません、良く分からないのですが」

先輩A「パンなんだけどなぁ」
先輩B「発音が悪いんじゃないか」
ギャルソン「何をお持ちすれば良いですか?」
先輩A「だから、パァン」
ギャルソン「パァン!?」
先輩A「もう、どういったら通じるんだッ!! そう、パァン!ペァン!ピァン!!!」
ギャルソン「!?!?!?」

そしたら、パンを運ぶギャルソンを発見。

先輩B「あ、あれあれ!」
ギャルソン「ああ、ブレッドね」
二人「...」

英語で「パン」といったら「フライパン」のことで
いわゆるパンは「ブレッド」と言わなければ出てきません
当たり前といえば当たり前だが

ベタだけど、この手の話は面白い。