一年の計は元旦にあり

(商品市況概況)
「まちまち」
 昨日のコモディティ価格はまちまちであった。ロシア問題、イスラエル/パレスチナ問題を背景に原油価格が堅調に推移していることや、懸念された年末の大規模破綻がとりあえず回避されたことが好感され、割安状態に放置されていた商品に買い戻しが入っている。AIGインデックスに含まれる原油やニッケル、銅等の投資比率が引き上げられたことも買いを誘う結果となっている。本格的な景気後退はこれからと考えられるものの、目先の信用不安の著しい拡大にはとりあえず歯止めが掛かった感があり、極端にコンタンゴ化したイールドカーブは期先の下落、期近の上昇といった形でフラット化が進むと考えている。
 但し、景気が回復しているわけではなく、引き続き景気悪化局面であることから上値は限られ、生産者の生産調整や価格上昇に伴う需要減少観測と相俟って、非常にボラティリティの高い相場展開になるものと見ている。
 
 今年も1年間、当ブログを宜しくお願いいたします。

(経済関連ニュース)
・11月韓国鉱工業生産 前年比▲14.1%(前月改定▲2.3%)、市場予想▲8.0%。
・米S&Pケースシラー住宅価格指数 前年比▲18.0%(前月改定▲17.4%)、市場予想▲17.9%。
・12月米消費者信頼感指数 38(前月改定44.7(速報比▲0.2)、市場予想45.5。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+0.3%の1,245.4、借換指数▲0.4%の6,758.6、購入指数+1.4%の320.9。
・米週間新規失業保険申請者数 ▲94千人の492千人(前週比改定586千人(速報比変わらず))、市場予想575千人。
・12月米ISM製造業景況指数 32.4(前月改定36.2)、市場予想35.4。
・米クライスラーGMに続き米政府からの融資受け取る。
イスラエル軍ハマス武装組織の殲滅を企図しガザ地区に地上侵攻。ガザ地区を包囲。
・11月米建設支出 前月比▲0.6%(前月改定▲0.4%(速報比+0.8%))、市場予想▲1.4%。
パパデモスECB副総裁「インフレ率を中長期的に2%前後に安定させるため、利下げが正当化される可能性がある」
オバマ次期米大統領、減税や公共投資を柱とする景気刺激策の審議を今月末か2月初めまでに終了させるよう、議会に呼びかけ。

・ドルは対ユーロで大幅に上昇。オバマ大統領の景気対策を急がせる発言や、パパデモスECB副総裁の利下げを示唆する発言を受けて。円も対ドルで大幅に下落している。
日本株は上昇し、9,000円台を回復。年初、欧米企業の大規模な破綻が発生しなかったことから買い戻しが優勢となった。米国株は下落。年初は上昇したものの、景気悪化が持続していることには変わりはないため、一旦利食い売りが入った模様。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に下落。200日移動平均線を上回る高値水準まで上昇していたが、ドルが対ユーロで大幅に上昇したことが嫌気され、利食い売りに押される形となった。一時200日移動平均線を割り込むレベルまで水準を切り下げたが、昨晩に関しては200日移動平均線を回復している。
 今後については、ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね120ドル程理論値から高い状態であることから、730ドル近辺まで下落する可能性があると考えているが、安全資産としての金の需要は高まっており下げ幅は限定されることとなろう。100日移動平均線である810ドルが目安になると考える。
 NY銀は小幅下落。金価格の大幅下落はあったものの100日移動平均線一目均衡表の雲の上限が重なる11ドルが意識され、比較的しっかりの展開であった。

・NYプラチナは小幅上昇。ドル高の進行や金価格の大幅下落はあったものの、年末に大規模な企業倒産が発生しなかったことが引き続き好感され、ジリ上がりの展開となっている。
 急速な実体経済の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な調整後、冴えない展開が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政府の救済策が一応好感されているようであり年末時点の危機的な状態からは脱しつつあると考えている。
 NYパラジウムは小幅下落。特段新規材料がない中小動きとなった。

・Chalco、需要減少に伴いアルミナの価格を23%引き下げると発表。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲4.1MB(市場予想▲2.3MB)、ガソリン+2.0MB(+1.5MB)、ディスティレート+0.6MB(▲0.6MB)、稼働率+1.3%(+0.5%)
・ロシア、ウクライナ向けのガス供給を停止。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。AIGインデックスへの投資比率引き上げや、年初からの原油価格、株価の上昇を受けて堅調な推移となっていたが、30日移動平均線を上抜けることができなかったことや、ドル高の進行、LME在庫の増加を受けて調整的に下落した。ファンダメンタルズは大幅に悪化している。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化している可能性が高いためだ。中期的には中国政府の経済対策や米政府の景気対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+1,500Mt増加、(FSCは6.8日)、(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は7,960枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に下落し、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は40ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。昨年も同様の展開であったが、AIGインデックスに含まれる亜鉛の比率引き上げに伴い、大幅に上昇することになった。年末に大規模な企業破綻がなかったことも投資サイドの買い安心感に繋がったようである。この結果亜鉛は50日移動平均線を固め、100日移動平均線を目指して上昇を始めている。繰り返しコメントしているようにコスト割れの生産者の減産圧力も強く、下値では相応に買いが入り易い地合いが続いているが、景気悪化に伴う需要の減少観測は根強く上値は限られると考えている。LME在庫は+1,050Mt増加、FSCは7.8日(キャンセルワラント率は1.4%)。売買高は6,074枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。米ビッグ3の政府による救済策が実行に移される中、冬場のピークシーズンでもあり買いが優勢となった前日の地合いを引き継いで堅調な推移となった。場中、ドル高の進行で水準を切り下げる動きもあったが、30日移動平均線を下値に堅調な推移となった。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは相対的に強い。年初から割安感が出ているコモディティには全般的に買いが入っているが、こうしたファンダメンタルズの強さが鉛が堅調になっている背景である。但し、基本的に景気が回復したわけではないため上値は限られると考えておいたほうがよさそうだ。LME在庫は前日比変わらず。(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は3.2%。)。売買高は1,702枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、手前はバックの形状となっている。C-3は15ドルバックと前日と変わらず。
 昨日のアルミ価格は下落した。原油価格の上昇やその他のコモディティの上昇を受けて高寄りして始まったものの、LME在庫の増加が継続していることや、AIGインデックスのアルミ比率の引き下げ、欧州時間のドル高の進行、Chalcoのアルミナ価格引き下げといったマイナス材料を受けて欧州時間からNY時間にかけて水準を切り下げる動きとなった。但し年末に回復した10日移動平均線は割り込んでいない。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落していることからそろそろ下げ止まると見ている。LME在庫は+6,925Mt増加、(FSCは21.3日)。(キャンセルワラント率は0.4%)。売買高は7,238枚。イールドカーブは略パラレルに小幅低下している。C-3は34ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。AIGインデックスへの比率引き上げや生産者による減産報道等を受けて年初から大幅に上昇していたが先週末に200日移動平均線を上回れなかったことやドル高の進行もあって調整的に売られた。引き続きコスト割れ生産者の生産調整が下値余地を限らせると見られるが、実態経済の悪化に伴う需要の著しい減少観測で上値も限られている。とりあえずは100日移動平均線が目処となろう。LME在庫は+96Mt増加、(FSCは20.3日)、キャンセルワラント率は0.5%。売買高は1,801枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は98ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。年初から非鉄金属全体に買い戻しが入る中、ファンダメンタルズの比較的強い錫にも買いが入って上昇していたが、昨日については30日移動平均線のサポートラインを固める展開となった。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善していると見られ、アジア域内の錫在庫は増加が続いていることに変わりはないが、同時に価格水準の低さが安値拾いの買いを誘発しているようである。但し、イールドカーブバックワーデーションの状態であることを見るに不況下においても需給が逼迫していることが伺えるが、アジア周りの在庫増加はイールドカーブのフラット化を進行させる可能性があるため、引き続きLME在庫には注目したい。LME在庫は前日比変わらず。(FSCは7.5日)、キャンセルワラント率は3.86%。売買高は344枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は230ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は続伸した。OPECの減産が1月から実施されることや、ロシアのウクライナ向けの天然ガス供給停止問題、イスラエルガザ地区進行といった有事の発生(同地区での紛争は、実際は原油供給に大きな影響を与えないが、今後この動きが拡大した場合は別)に伴い、思惑買いも含めて原油価格は上昇した。年初の米株価が上昇で始まったことも買い安心感に繋がったようである。またそもそもイールドカーブコンタンゴ化が異常なレベルまで達していたことから、スプレッド縮小を狙ったスプレッド取引(期近の買い)も活発であったと考えられる。年末に大規模な破綻がなかったことから信用不安が和らぎ、こうした裁定取引の機会が拡大していると見られる。結果、WTIは30日移動平均線を回復、50日移動平均線で頭を抑えられて引けることとなっている。イールドカーブは期近を中心に上昇しブルフラットニング。Brentも同様であった。直近限月の騰落率はWTIは+4.8%、Brentは+5.2%。
 石油製品も上昇。RBOBも寄り付きから前日引けレベルでの高寄りとなり、その後の原油価格の上昇を受けて水準を切り上げ、とうとう50日移動平均線を回復するにいたった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。直近限月の騰落率は+5.7%。ヒーティングオイルも上昇。材料は原油価格の上昇である。寄り付きから30日移動平均線を上回って寄り付き、原油の上昇を受けて水準を切り上げる展開となった。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+5.7%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+9.6%。

(ひとりごと)
一年の計は元旦にあり。

雑感でも多用している大辞泉で調べてみると

四計の一。その年の計画は元旦に立てるべきである。まず初めに計画を立て、事にあたるべきだ。
しけい 一日の計、一年の計、一生の計、一家の計の四つのはかりごと。

と、ある。
やはり、今年をどうやって過ごすべきか、はやはり元旦に考えるべき、なのだろう。

と、いうことで私も今年はどうやって過ごすべきか、元旦に考えることにした。
ここ数年は激動の年が続いてますからね。
やっぱりキチンと目標をたてておかないと。
と、思って年末から考えていたのだが
これがよろしくなかった。

結局、元旦に考えればよかったのに
年末から考えてしまい
結構眠れなくなって


首を寝違えました...。
相当出鼻をくじかれた感じ、である。
文字通り、首が回らなくなってしまいましたヨ。

皆さんはどんな元旦を過ごされましたか?