カミさん日本人になる

(商品市況概況)
「Buy Rumor Sell Fact」
 昨日のコモディティ価格はまちまちであった。景気後退に伴う需要の減少観測と、企業在庫の調整圧力の高まりに伴う統計上の在庫の増加といったマイナス材料に対し、生産者の大幅な生産調整、各国の経済対策、といったプラス材料が混在していることが材料である。

 先週諸般の事情で全くレポートを出せなかったのだが、ガイトナー長官の発表した景気安定化法案が市場の失望を誘い、株の大幅調整を受けて殆ど全ての商品価格が小幅下落し、安全資産として貴金属が暴騰するという動きが加速することとなった。まさに、米国の景気対策への期待、経済統計が予想よりも良くなるのでは、との期待、株も底値まで下がっており、そろそろ反発するのではとの期待、といった期待感で上昇していた相場が現状を突きつけられた格好である。しかし、である。先週の景気安定化策は確かに市場の「過剰な」期待にこたえるものではなかったとは思うが、それをもって100%マイナスに捉えるのもいかがなものか、と思うのだ。事実、商品市場は生産コストわれの水準であることを意識して比較的「小幅」な調整に留まっており、総じて経済対策が打たれていることを市場もネガティブには捉えていないと私は考えている。エネルギー価格の指標としてWTIの価格が用いられているが、現在北海Brentの価格はWTIよりも7ドル近く高く、WTIのみを見ていて景気の悪化が加速し、需要が減少していると判断してはならない。
 いずれにしても各国政府は市場の過剰な要求にめげることなく、経済対策や金融政策を着実に前進させて欲しいと思う。

(経済関連ニュース)
・12月米卸売在庫 前月比▲1.4%(前月改定▲0.9%(速報比▲0.3%))、市場予想▲0.7%。売上高在庫比率 1.27ヶ月。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲24.5%の600.6、借換指数▲30.3%の2,722.7、購入指数▲9.8%の235.9。
・12月米貿易収支赤字 399億ドル(前月改定416億ドル(速報比+12億ドル))、市場予想357億ドル。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲8千人の623千人(前週改定631千人(速報比+5千人))、市場予想610千人。
・1月米小売売上高速報 前月比+1.0%(前月改定▲3.0%(速報比▲0.3%))、市場予想▲0.8%。
・Q408独GDP速報 前期比▲2.1%(前期改定▲0.5%)、市場予想▲1.8%。
・Q408ユーロ圏GDP速報 前期比▲1.5%、市場予想▲1.3%。
・2月米消費者マインド指数速報 56.2(前月改定61.2)、市場予想60.2。
・サマーズ米国家経済会議委員長「米景気の後退はしばらく続く。日本や中国等の経済対策は恐らく不十分であろう」
・G7声明草案「2009年一杯まで景気後退が続き経済の安定が最優先課題に。景気対策の効果は時間の経過とともに顕現化。成長と雇用を支援。金融セクターの強化に向けて、政策手段を総動員していくことを各国と確認」
オバマ大統領、18日に住宅差し押さえ対策を発表。


・ユーロは対ドルで上昇。週初めにガイトナー長官が発表した景気対策法案が不十分であるとの見方から週初めはユーロが強含んだが、その後発表される欧州圏の経済指標悪化もあって、消去法敵にドルが選好されることとなった。ドルは対円では上昇している。
日本株は4日ぶりに上昇。オバマ大統領が発表を予定している米住宅対策への期待などから売られてた銘柄に幅広く買い戻しが入ったが、戻りは弱い。米国株は下落。米ウェルスファーゴの決算が悪化したことや英ロイズの不良債権引き当て増加等が嫌気され、金融株が売られることとなり、全体的な地合いが悪化した。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は4営業日連続で下落することとなった。週初めの米景気安定化法案が期待はずれなものになったことを受けて株価が大幅に調整したことや、乾燥気候が続いていたアルゼンチン・ブラジルといった生産国での降雨が大豆の育成を促進させるとの見方が強まり、100日移動平均線を目指して水準を切り下げる動きとなった。しかしながら輸出関連統計はブルな内容であり、大幅な下落にはなっていない。イールドカーブは期近を中心に低下。
・トウモロコシ価格は3日連続で下落した。最大の材料は景気対策への失望感から株価が大きく調整、各種商品の需要が再び減少する可能性が意識されたことと、大豆が生産国の降雨を受けて調整したことの2点であろう。但し米エネルギー関連統計ではガソリン等の輸送需要が回復しつつあり、トウモロコシの価格下落には一定の歯止めが掛かるものと見ている。イールドカーブはパラレルに小幅低下している。
・小麦価格は4営業日連続で下落。大豆とトウモロコシの価格下落が地合いを悪化させたようだ。足許100日移動平均線レジスタンスを上抜けできなかったことも売りを誘ったようである。但し、最大生産国中国は深刻な干ばつが続いており、生産減少に伴う需給悪化の可能性は高い。イールドカーブは小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅下落。米景気安定化法案が市場の期待を下回る内容であったことを受けて株価が急落していることから、再び安全資産としての金選好の流れが加速しているが、週末はドル高が進行したことから一旦手仕舞い売りが入ったようだ。金価格はETFを通じて大量に資金が流入しており、この流れに大きな変化はない。目先1月30日にマークした930ドルが意識されていたのだが先週あっさりこの水準を上抜け、950ドルが次のシーリングとして意識された。銀は大幅に上昇。金価格の上昇の影響もあって同様にETFが取り扱われている銀も上昇することとなった。これによりとうとう200日移動平均線を上抜け、異常なまでの上昇となっている。10日移動平均線が200日移動平均線を下から上に抜けるゴールデンクロスは目前である。銀は工業品としての色彩が強いものの、足許は明らかに投資資金の流入で上昇しているといえる。

・NYプラチナ価格は下落。こちらも銀と同じく工業品としての色彩が強く、株価との連動性が高いのだが、週初の株の大幅下落に伴い貴金属セクターが強く選好される中、プラチナも連れ高となる動きになっていたが、1,100ドルがシーリングとして意識されたようで、この水準を下回って引けている。結果、ドル/ユーロとの関係を見るに、略理論値と考えられる水準に落ち着いた。パラジウムは上昇。貴金属セクターが選好される動きが波及した。但し220ドルが事後的に上値として意識されているようだ。

・Chinalco、Rio Tintoに対し195億ドルを出資することで合意。米Alcoa, Rio Tinto株をChinalcoへ売却。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+4.7MB(市場予想2.8MB)、ガソリン▲2.7MB(+0.5MB)、ディスティレート▲1.0MB(▲1.5MB)、稼働率▲1.9%(+0.0%)
・IEA月報 2009年石油需要84.7MBD(前回発表時比▲570KBD)、IMFが経済見通しを大幅に下方修正したことで。
 2009年1月の石油供給は85.2MBD(前月比▲520KBD)に。OPECの大幅な減産が主因。2009年のNon−OPEC生産は前年比+400KBDの50.9MBDの見込み。
 2009年1月のOPEC生産は29MBD(前月比▲950KBD)、OPECの実効スペアキャパシティは4.4MBDに。2009年のCall on OPECは28.8MBD(前年比▲1.7MBD)。
 2008年12月のOECD在庫は2,673MB、FSCは57日と前年比+4.5日。 Q109の製油所の稼動は71.9MBDに。
アルジェリア ヘリル エネルギー相「原油40ドルを下回る状態が続けば減産を行う」。
ベネズエラ ラミレス エネルギー相「3月の総会で追加的措置を取る」
・ロシア シェマトコ エネルギー相「政府が開発や探鉱の支援策を行わなければ、2013年までに原油生産は8%減少する可能性がある」


(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。米経済統計が市場予想よりもよかったことなどもあって比較的堅調な推移となったが、LME在庫や上海在庫の増加が地合いを悪化させており、決め手に欠ける中10日、30日、一目均衡表の雲の下限でサポートされながら小動きに終始した。週初の強いモメンタムは、ガイトナー長官の景気対策法案への失望感からなくなってしまっている。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、企業や生産者の在庫調整圧力を受けてLME在庫が増加、短期的な需給がルーズになってきていることや中国政府や米国の経済対策が実体経済に影響を及ぼし始めるのは春先以降になると見られることから急速に上昇することは考えにくいが、チャート的には4,000ドルを見てもおかしくない環境になっている。LME在庫は+2,875Mt増加、(FSCは10.4日)、(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は5,918枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は38ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。中国の貿易統計悪化や週初めの米景気対策法案への失望感から下値を探る動きになっているが、結局のところ生産者の生産調整圧力もあって比較的狭いレンジでのもみ合いが継続している。チャート的には一目均衡表の雲の薄い部分を結局上抜けできず、しばらくは1,200ドルが上限として意識されることになると考える。LME在庫は▲275Mt減少、FSCは11.2日(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は1,810枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は25ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。特段目立った個別新規材料がない中、年初から維持し続けている30日移動平均線のサポートラインを確認しながら比較的小動きの中、上値を試す動きとなった。電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は引き続き旺盛であると見られ、他の非鉄に比べてファンダメンタルズは相対的に強く、クライシス後も水準を大きく変えずに堅調な推移となっている。LME在庫は+600Mt増加、(FSCは2.4日、キャンセルワラント率は1.6%。)。売買高は362枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は7ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。米政府の景気対策発表前迄の力強い上昇から一変、下値を探る動きが続き、10日移動平均線を下回っての推移となっているが、同時にこの水準であれば割安感も根強いため、買い戻しが入ったためである。但し力強い上昇にはなっておらず、各国の経済対策発表待ち、の状態になってしまった。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れするのではなかろうか。LME在庫は+3,925Mt増加、(FSCは27.3日)。(キャンセルワラント率は0.5%)。売買高は8,115枚。イールドカーブは期近のみ小幅上昇している。C-3は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。週初めの米経済安定化法案への失望感から株が大幅に調整する中で、ニッケルにも売りが入り50日移動平均線を割り込む動きとなっていた。但し4日間の下げ幅が大きかったことや、ニッケルの生産調整が比較的進んでいることから一旦買い戻しが入ったようである。但し、LME倉庫への現物搬入の動きが続いていると見られ、LME在庫が急増していることから上値も重かった。LME在庫は+600Mt増加、(FSCは24.5日)、キャンセルワラント率は0.4%。売買高は797枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下している。C-3は70ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。錫もご多分に漏れず週初から軟調な推移であったが、ここ数日のキャンセルワラント率の上昇もあって、比較的堅調な推移が続いている。週末も特段の材料はなかったものの上値余地を試す動きとなった。イールドカーブバックワーデーションの状態が続いていることが、需給が逼迫していることを示しているが、アジア周りの在庫が増加を続けており以前程の力強さは感じられない。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは8.6日)、キャンセルワラント率は13.32%。売買高は241枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は280ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は期近のみ大幅に上昇し、期先は低下した。来週初のNY休日を控え、限月交代に伴う買い戻しが入ったためであると考えられる。NY原油価格は先週初の米景気安定化法案が市場の失望感を誘ったことから株が下落したことの影響を顕著に受け、さらに週半ばに発表された米在庫統計がベアであったこと、IEAの需要見通しが下方修正されたこと、クッシング在庫のスペアキャパシティが略なくなったとの報道を請けて、下落せざるを得なかった。しかしながらOPECの減産の影響もあって足許下値余地は限られており、大騒ぎするほどの下落になっていない。特にWTIは繰り返しコメントしている通り、構造上の問題から期近の下落幅が大きく、原油需給の実情を表していないため余り参考にはならない。いずれにしてもWTIは12月19日の安値である32.40?が意識される展開が予想される。直近限月の騰落率は+8.6%。Brentは小幅上昇。OPECの減産等の効果によって、Brent価格は週初の株価下落時から見ても対して水準を切り下げていない。その代わり先々の需要減少観測を映じてか、期先の下げが大きくなる展開となっている(イールドカーブはツイストする形でフラットニング)。直近限月の騰落率は+0.4%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは大幅に拡大。
 石油製品は下落。RBOBは週半ばの在庫統計が比較的ブルな内容であったものの、クラックスプレッドが拡大し、ヒーティングオイルのクラックスプレッドの水準と並ぶところまで回復していたことや、チャートとしてここ数週間維持してきた10日移動平均線を割り込んだところから下げが加速し、一旦30日移動平均線を試す動きとなった。しかしながら在庫統計での需要増加が確認されていることもあって、下値は堅かった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲4.5%。ヒーティングオイルは小動き。相場展開は引けに掛けてジリ安の動きとなった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲1.7%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブはまちまちな動き。直近限月の騰落率は▲0.2%。

(ひとりごと)
この前、カミさんとそばを食べに行った。

突然だが、私はカミさんのそばの食べ方が気に入らない。
何が気に食わないかって音を立てて食べられないんですよね。そば。
そばなんて、音を立てて食べなきゃ美味しくないし、第一ああやって勢い良くすすりこむことで
そばつゆが一緒に口の中に入る仕組になっているのだ。

ところがカミさんときたら唇を使って、もちょもちょ口の中に手繰り寄せている。
日本人じゃないなら仕方ないが、こればっかりは許せない。
音を立ててそばを食べることが理由で、女性に嫌われて婚約破棄されたた人がいたが
そんなには明らかに間違いだ。
音を立てて食べねばそばなんて美味しくないのだ。
こうした曲がった感覚が、日本の伝統文化をゆがめていくのだ。

ま、それはいいとして。

感動的なことに、今年からカミさん、音を正してソバを食べられるようになったんですよ。
昔はすするとむせてしまって食べられなかったのに。

勝因は、「口をそばちょこに近づけることによって」すすったこと。

である。
彼女たちは、そばを跳ねさせないように唇で手繰り寄せていたためにこのそばちょこと口の適正距離の測定を
生まれてこの方行ったことがなかったのだ。

目からウロコの一瞬。
やっとカミさんが日本人の仲間入りをした日であった。