偏食

(商品市況概況)
「本気で底を打ったかも知れない」
 昨日のコモディティ価格はま大幅に上昇した。価格上昇の材料は、中国の需要回復・株価の上昇が挙げられるが、挙げ材料というよりも「底割れするような材料が見当たらなくなってきた」というのが適当かもしれない。発表される経済統計は「過去最悪」といったような内容のものも多いのだが、そうした発表が出るたびにそろそろ材料出尽くし、の感が強まりむしろ買い材料になるケースも多い。景気が回復過程に入ったわけではないため、持続的に価格が上昇するか否かに関しては疑問符が付くが、下げしろが少なくなってきているのは事実であろうし、多くの市場参加者がそのように感じ始めていると予想される。

 日本は加工貿易を生業とする国であるため、良くも悪くも海外市場の影響は時間差を持って顕現化するのだが、海外は一足先に最悪期を脱した可能性が高まってきた。それは同時に商品相場が「本当に底を打った」可能性が高まっていることを意味する。国内景気の先行指標である機械受注も好転しており、昨年秋からベア一辺倒だったマインドをそろそろ転換させるべきタイミングになったのではなかろうか。価格上昇局面では「まず銅が」上昇するのだが、銅の年初からの上昇率は40%を超えているのだ...

(経済関連ニュース)
・2月独製造業受注指数 前月比▲3.5%、市場予想▲2.1%。
・2月米卸売在庫 前月比▲1.5%(前月改定▲0.9%(速報比▲0.2%))、市場予想▲0.7%。卸売売上高 前月比+0.6%。在庫比率1.31(前月1.34)。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+4.7%の1,250.6、借換指数 前週比+3.2%の6,813.5、購入指数 前週比+11%の297.7。
・韓国中銀、政策金利を2%に据え置き。
・3月日本工作機械受注速報 前月比+7.7%(前月改定+7.2%)。
・英中銀 政策金利のレポ金利を0.5%に据え置き。国債の買取も継続。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲20千人の654千人(前週改定674千人(速報比+5千人))、市場予想660千人。
・2月米貿易収支赤字 260億ドル(前月改定362億ドル)、市場予想360億ドル。
・3月米輸入物価指数 前月比+0.5%(前月改定▲0.1%(速報比+0.1%))、市場予想+0.9%。

・ドルは対ユーロで上昇。欧州圏経済の悪化に伴い、金利の更なる引き下げや国債買い入れといった資金供給オペが活発化する可能性があるとの見方から、ドルが物色される流れが続いている。円は対ドルで下落。一時は、キャリートレードアンワインドや消去法的に円が物色されていたようであるが、各国の景気対策に伴う金融市場の環境好転を受けて再び円からドルへの資金シフトが起きている。日本の総花的な景気対策は余り市場から評価されていないようだ。
日本株は大幅に上昇。朝方発表された機械受注統計が大幅な改善となったことから、製造業株が積極的に物色された。米株は続伸。金融機関の業績動向が株価を大きく変動させているが、大手ウェルズファーゴの好決算見通しを受けて金融株が買われた。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。株価が続伸したことと、ドル高の進行の綱引きとなり、100日移動平均線でサポートされたものの小幅下落した。株価が底堅くなっていることから安全資産としての金ニーズが以前よりも弱まっており、積極的に上値を狙うような相場環境ではなくなりつつある。またSPDRの金保有量が減少し始めたことも、調整色が強まってきたことの証左である。仮に株からの逃避需要が消滅し、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくないが、景気の底割れが回避された可能性が高いだけであり、今年上半期の金物色の流れはしばらくは変らないものと考えている。銀も小幅下落。3月18日の暴落時もサポートされた12ドルが意識され、底堅い推移。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。金価格の下落はあったが、株価の大幅上昇と、200日移動平均線をとうとう上抜けしたことに伴うテクニカル面の両面から物色された。切りの良い12ドルが意識されているようだ。パラジウムは200日移動平均線に迫る水準では売り圧力強く、ドル高の進行もあって水準を切り下げる動きに。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫の大幅減少、キャンセルワラント率の上昇、株価の上昇を受けて大幅に上昇し、遂に4,500ドルを回復するに至った。中国の現物需要が引き続き旺盛であることから徐々に下値を切り上げる展開が続いている(この動きはGWまで続く見込み)。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は一旦底を打った可能性が高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないと考える。目先は200日移動平均線(5,000ドル)が次のターゲットになろう。LME在庫は▲7,425Mt減少、(FSCは10.3日)、(キャンセルワラント率は12.6%)。売買高は12,320枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は30ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。引き続き、10日〜200日移動平均線の間でのレンジワークとなっているが、昨晩もLME在庫の大幅減少や株価の上昇といったプラス材料を受けて、200日移動平均線をトライした。但しこの水準は上抜けできずに引けている。亜鉛価格は、50パーセンタイルコスト近辺まで価格が低下していたことから割安感も強く、加えて中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて下値がきりあがってきている状況。LME在庫は▲1,450Mt減少、FSCは11.8日(キャンセルワラント率は3.3%)。売買高は3,480枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。LME在庫の減少と株価の好転に伴う非鉄金属物色の流れを受けて、鉛も大幅な上昇となった。豪州生産者が生産・輸出再開していることに伴う需給緩和で50日移動平均線近辺まで水準を切り下げると予想していたが、市場全体のセンチメントの好転が買いを誘ったようだ。他の非鉄金属と同様、200日移動平均線レジスタンスラインをトライする動きとなっている。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは2.7日、キャンセルワラント率は3.2%。)。売買高は2,189枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルフラットニングしている。C-3は5ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫は増加したものの、100日移動平均線レジスタンスを上抜け、この3日間このラインを下回らなかったことから、足許の株価の大幅上昇を受けてアルミもとうとう1,500ドル半ばを回復するに至った。長らく続いた在庫調整もアジア周りでは終了したと見られ、中国中心に新規の物色の流れが出始めているようだ。今後はFOMCや米政府による金融システム対策、信用不安対策が進捗していることで相場の雰囲気が好転しており、実際発表される経済統計も「最悪期を脱した可能性」を示唆する内容のものが多く、コストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を固める動きになると考えている。LME在庫は+4,800Mt増加、(FSCは35.0日)。(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は16,340枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫の減少、株価の上昇といったプラス材料が目白押しであったことから小幅上昇した。しかしながらステンレス需要の回復は遅く、上値余地は限られている。コストベース(2009年のニッケルの限界生産コスト予想は7,289〜9,729ドル)を下回って下落するのは難しいと考えており、金融市場の安定化とともに下値は徐々に切り上がっていくことになろう。LME在庫は▲168Mt減少、(FSCは28.5日)、キャンセルワラント率は1.5%。売買高は1,215枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は98ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の減少や株高を受けて100日移動平均線レジスタンスを試す動きとなったが、このラインを一旦上抜けはしたものの、引けでは抜けきれなかった。需給はバックになっていることからも分かるようにタイトであり、10,000ドルの節目を意識しながら堅調な推移となっている。LME在庫は▲45Mt減少、(FSCは11.6日)、キャンセルワラント率は7.46%。売買高は298枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は160ドルバックとバック幅を縮小した。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+1.6MB(市場予想+1.5MB)、ガソリン+0.6(▲1.4MB)、ディスティレート▲3.4MB(▲0.6MB)、稼働率±0.0%(+0.6%)。
・イランで核燃料プラントが稼動。アフマディネジャド大統領は非軍事目的を強調。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に上昇した。前日の在庫統計を受けて下落したものの30日移動平均線でサポートされ下げ幅が限定されたことから、昨日の株価の大幅上昇を受けて50ドル台を再び回復した。各国の経済対策の効果もあって、極端な悲観論が後退、OPECの減産がボディブローのように効きはじめており、徐々に水準を切り上げる展開となっている。イールドカーブはブルフラットニング。直近限月の騰落率は+5.2%。Brentも上昇。10日移動平均線のサポートが確認されていることから、株の上層を受けて大幅な上昇となった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+4.4%。WTI/Brentのネガティブスプレッドは縮小。
 石油製品も上昇。RBOBは在庫統計でFSC水準が高くはないことが確認されたこともあり、昨晩の原油高に連れる形で上昇することとなった。但し需要の回復が鈍化してきていることもあって上値は重くなっている。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニング。直近限月の騰落率は+2.7%。ヒーティングオイルも上昇。原油高に連れる形となった。足許100日移動平均線でサポートされており、こちらも徐々に水準が切り上がってきている。週半ばの在庫統計で在庫が大幅に減少したことも支援材料となった。イールドカーブイールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニング。直近限月の騰落率は+2.1%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+2.8%。

(ひとりごと)
カミさんが我が子を連れて外に出ていて
外でおにぎりを食べさせていたところ
横にいたおばあさん2人が、話しかけてきた
(以下、カミさんからの情報に基づく、再現会話)


ばあさんA「可愛いわね」
カミさん「ありがとうございます」
ばあさんB「何歳?」
カミさん「2歳です」
ばあさんA「あらそう、良く食べて偉いわね」

ここでカミさんとの会話は終了。
その後、カミさんが耳をそばだてるとばあさんA・Bは以下の会話をしていた

ばあさんA「偉いわねぇ、たくさん食べて」
ばあさんB「そうねぇ」
ばあさんA「ウチの孫なんか、同じ年ぐらいだけど全く何にも食べないのッ!!」
ばあさんB「あら、そう」

ばあさんA「そうなのよ。ウチの孫は、ゼンマイもワラビも食べないし、シソの実も食べないのよッ!!栄養があるのに」
ばあさんB「まぁッ!!」


....そんなもの、2歳児は食べないと思うんですが....