もんじゃ

(商品市況概況)
「大幅に上昇」
 昨日の商品価格は軒並み上昇した。一昨日の統計データの悪化に伴い、株価の下落もあって商品価格が下落した環境から一変、昨日は殆どすべての商品に買い戻しが入った。商品市場は景気の先行きに対し楽観的な見方をする参加者の比率が上昇しているようである。私はそこまでまだ楽観的にはなれない。というのも景気回復(底打ち)の初期段階での価格上昇は、将来の景気腰折れに繋がる可能性があるためだ。但し各国のインフレ政策の影響で商品価格が上昇してもなんら不思議はないのも事実である。
 また、昨日の相場変動で特筆すべきはアルミの急騰であろう。露大手生産者の経営問題が先々アルミ市場に深刻な供給不安をもたらすのでは、との見方が広がったためとも考えられるが、そもそも価格上昇局面では、「銅・ニッケル・アルミ」は特に非鉄金属の中では上昇しやすい。ところがLME在庫の急増に伴い需給面でアルミは特に上昇することができなかったのだが、その他の非鉄金属が上昇する中で割安感が出てきたことも否めない事実であろう。繰り返しになるが、景気が回復する過程でインフレ率を織り込みながら商品価格が上昇していくことは健全であると言えるが、今はまだその時期ではないだろう。景気回復の可能性は高いが、そこまでの力強い価格上昇が訪れるには時期尚早であるといえる。

(経済関連ニュース)
・Q109仏質ギュ尾率 9.1%(前期改定8.0%)、市場予想8.6%。
・4月ユーロ圏小売売上高 前月比+0.2%(前月改定▲0.1%)、市場予想+0.2%。
BOE政策金利のレポ金利を0.5%に据え置きを決定。
・ECB、政策金利の短期買いオペ最低応札金利を1.0%で据え置きを決定。
・米週間新規失業保険申請者数 621千人(前週改定625千人(速報比+2千人))、市場予想620千人。
・Q109米労働生産性確定 前期比年率+1.6%(速報比+0.8%)、市場予想+1.2%。単位あたり労働コスト指数 前期比年率+3.0%(速報比▲0.3%)。
労働生産性=付加価値÷従業員数
・トリシェ総裁「現在の金利水準は適正」
・Q109韓国GDP改定 前期比+0.1%(速報比変わらず)。

・ドルは対ユーロで下落した。足許クローズアップされている欧州圏の景気後退懸念に伴う金融緩和観測が、昨晩のトリシェ総裁の「金利水準は現時点で適正」との発言を受けて後退したため。円は対ドルで下落。海外市場の安定を受けて。
日本株は下落。前日の米国株下落を受けて。引き続き海外が風邪を引けば日本も風邪を引く状態に大きな変化はなく、海外市況に振らされ易い展開となっている。米国株は上昇。金融機関株に買いが入った。


非鉄金属関連ニュース)
・NY金は大幅に上昇。続いていたドル高が反転、下落したことから買いが入った。株式市場は堅調な推移となっているものの、財政収支の悪化に伴うドル安進行懸念は根強く、加えて機軸通貨への信認低下に伴い、中国政府の金買い増し観測なども相場を押し上げる材料となっている。金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易い。但し過剰な質への逃避への動きが終了した後に、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくない。但しQ209の間は金価格の急落は想定していない。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 981.20(+16.7)。
 銀価格は金と同様、大幅に上昇した。コチラは株価が堅調に推移したことも買い材料となり、16ドルを試す動きとなった。ユーロドルとの相関を見ても徐々に回帰線から上離れしつつある状態で、現在の金のように理論値から乖離して上昇する可能性が出てきた。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,589.50(+58.5)。

・NYプラチナ価格は大幅に上昇。ドル安の進行や株高等が材料となった。大手自動車メーカーの経営問題が一旦終息したことから自動車向け脱硫触媒として用いられるプラチナには買い安心感が広がり、堅調な推移となっている。プラチナは比較的ドルユーロとの相関が高いが、今のところ一次回帰線上に価格が安定しており、投機的な買い、との印象はあまり受けない。昨日の引け(東京時間0:00)は1,293.3(+48.8)。
 パラジウムは上昇。10日移動平均線でサポートされ貴金属セクターの上昇を受けて上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は254.4(+12.65)。

Rio Tinto、Chinalcoからの出資を拒否。別途150億ドルの資金調達を検討。


(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫の減少が継続(欧州・米州)しており、株価が堅調に推移していることから10日移動平均線を下値に堅調な推移となった。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打ったと可能性が極めて高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないだろう。しばらくは5,000ドルを挟んでもみ合うものと見ている。LME在庫は▲3,325Mt減少、(FSCは64.3日)、(キャンセルワラント率は11.4%)。売買高は11,827枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が大幅に上昇し、ブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は19ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは5,025.00(+105:19.25C)。
 昨日の亜鉛価格は大幅に上昇した。10日移動平均線を上回って寄り付いた後、大幅な上昇となった。結局のところ株価が堅調に推移していることがセンチメントを好転させているようだ。やはり一昨日の下げは上げピッチが急であったことに伴う調整売りとみている。需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、更なる上昇にはやや材料不足の感は否めないものの、当面は現状の高い水準でのもみ合いが継続しそうだ。LME在庫は+1,300Mt増加、FSCは10.9日(キャンセルワラント率は3.3%)。売買高は5,062枚。イールドカーブは期近を中心に上昇ブルフラットニングしている。C-3は25ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは1,575.00(+40:24.5C)。
 昨日の鉛価格は大幅に上昇した。足許、値動きの相関が高まっている銅価格が上昇したことから、LME在庫の増加が継続してはいるものの鉛も物色されて上昇することとなった。そもそもLME在庫の水準は決して低くなく現在の価格水準はファンダメンタルズ的観点からは正当化できないレベルであるが、商品市場の上げトレンドをフォローしての上昇となっている。尚、この状況においても大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから、上値は限られるとの見方は変更したくはないのだが、相場がオーバーシュートする中で大幅に上昇することは多く、1,700ドル程度まで上昇することは否定できない。LME在庫は+350Mt増加、(FSCは3.6日、キャンセルワラント率は0.2%。)。売買高は2,298枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は21ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは1,666.00(+56:20.5C)。
 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。各種経済統計の好転や株式市場の堅調推移、増加一辺倒であったLME在庫が世界各地で減少を始めたことが材料となった。今後はGMのChapter11申請後の関連業種への影響、大手生産者の生産動向を見極めながら神経質な動きが予想される。しかしながらアルミの主要用途である輸送機器や住宅セクターの戻りが緩慢な中、急速に価格が上昇する可能性は低いと考えている。とはいえ、景気底打ち期待感から多くの商品価格が上昇している環境下、コストベースとして一般に意識されている1,750ドル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)までの価格上昇は、金融市場の安定もあってその可能性はあると考えている。LME在庫は▲6,900Mt減少、(FSCは41.7日)。(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は24,008枚。イールドカーブは期近の上げ幅大きくブルフラットニングしている。C-3は32ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,564.50(+80.5:32C)。
 昨日のニッケル価格は上昇した。季節要因でLME在庫の減少が継続、株価が再び上昇に転じたことが材料となった。ニッケルは銅と並び、景気回復局面で価格が上昇し易い非鉄金属であり、景気の底割れ回避への期待感が高まっていることが地合いを好転させ大幅な上昇が続いていたが、さすがに上げピッチが早すぎたことから一昨日調整売りが入ったが、10日移動平均線でサポートされたことから買いが入り易い地合いとなった。LME在庫は▲420Mt減少、(FSCは29.2日)、キャンセルワラント率は4.3%。売買高は2,854枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は77ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは14,700.00(+495:77C)。
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の増加、ドル高進行はあったが、株が堅調推移したことで幅広く商品が買われる中、錫も上昇した。錫は流動性の観点から投機資金が入りにくく比較的現在の純粋な需給を反映した価格で取引されやすいのだが、足許のバック形状が示唆する需給のタイトさを反映して堅調な推移となっている。LME在庫は+725Mt増加、(FSCは15.0日)、P596は9.26%。売買高は575枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルスティープニング。C-3は168ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,700.00(+200:168B)。

(エネルギー関連ニュース)
OPEC バドリ事務局長「原油相場は年内に70〜75ドルに達する可能性がある。代替エネルギーの最低コストは70ドル」
・GS 2009年原油価格見通しを大幅に修正、65ドルから85ドルに引き上げ。2010年は95ドルに。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。一昨日の下落時に10日移動平均線でサポートされたことから、夜間の経済統計の好転や一部投資銀行の商品価格見通し修正報道を受けて買い安心感が広がった。但しやはり70ドルは心理的レジスタンスとして強く意識されるため、この水準は上抜けできなかった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.8%。昨日の引けは68.81(+2.69)。 Brentも同様の相場展開で上昇し、一昨日の下げ幅を上回った。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+4.0%。昨日の引けは68.71(+2.83)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは縮小。
 石油製品も上昇。RBOBも10日移動平均線を上回って寄り付いた後、原油高を受けて略終始一貫して上昇している。コチラは200セントが心理的な上値として意識されている。FSC水準が低い状態に大きな変化はなくドライブシーズンであることもあり、堅調な推移となっている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.0%。昨日の引けは196.21(+6.05)。 ヒーティングオイルも上昇。原油上昇が材料となった。200日移動平均線レジスタンスとして強く意識されていたが、昨晩とうとう上抜けして引けている。ただ、ヒーティングオイル在庫の水準が極めて高い状態が続いており積極的に上値を狙える環境にない。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+2.5%。昨日の引けは178.40(+4.56)。 ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニング。直近限月の騰落率は+2.0%。昨日の引けは554.25(+11.5)。

(ひとりごと)
以前、関西のお好み焼きの話ばかり書いていたが、「広島はどうした?」との意見も聞かれる(聞かれてません)ので、
もんじゃの話にしましょうか(なぜ?)
東京人のくせに、あんまりもんじゃを食べに行ったことがない。
浅草にあるもんじゃ焼きの名店、染太郎にも浅草寺の初詣の行きがてらにちらりと見ただけである。
申し訳ないのだが、お好み焼きはわざわざ食べに行っても良いかな、と思うのだがもんじゃはその気持ちが起きないのだ。
家で作れるものでもないのに、である。

と、いいつつ何かの折に食べると、結構美味しいのだ。
生まれて初めてもんじゃを食べたのは、大学生になってから、駒場の貧弱な学生街の中にある「三島」というお店が初めてであった。
もう20年近く昔のことなので詳細はもうおぼろげにしか覚えていなかったが
駒場キャンパスの近くでソースっぽいものを食べれるのが、学食と、三島と、あとはもっと学校の側にあったキッチン南海しかなかった。
なので、昼休みの時間があるときに時々食べに行ったのだが、カロリーと濃い味に飢えた学生が群がっていて間違いなく並ばねばならなかった。
ここで初めてもんじゃを食べたのだが、頼んで暫くして後悔。
なんか、どろっとしたモノが乗っかっていて、その上に生卵なんか乗っかっていたりして(注:後で知ったがこういったタイプのもんじゃはノーマルなタイプではないらしい)


「やめとけばよかった」


と、わずかな昼休みに飛び出してきたのに、とがっかりしてしまうのだ。
折りしも私が学生だった頃はバブルの真っ盛り。
そんなときにあえてこんな貧しいものを食べずとも、と思いつつ食べてみると


「美味しい」


のである。
あのどろっとしたのが、鉄板の縁から徐々に水分を失いながら形を現し始め
「すくってくれ」と言わんばかりに鉄板の熱さで上下に踊っていたのが、うっすらと煙を上げ始めている。
この頃が食べごろ。
「ハガシ」という小さいヘラみたいなのでこそげ取ってちまちまと食べるのだ
(ちなみに、三島は1名ずつ鉄板が出てきていたので、徐々にこうした固形物の生成能力が落ちていったが...)
ちまちま食べるがゆえに、終了までに時間がかかる。

なんと罪な食べ物か。

同じ鉄板の上にありながら、食べられる状態になるまでの時間差が生じているのだ。
言いたいのは、凄い勢いで食べると、まだ食べごろになっていない部分が大量に存在する、と言うことなのである。
そう。もんじゃを食べる人々は、常にじりじりしてなくちゃならないのだ。
そんなこともあって、じりじりするのが嫌いな私は、あんまりもんじゃが好きじゃないんだろう。
え?お好み焼きも焼けるまで待つから同じじゃないかって?
いえいえ。違うのです。いったん焼けて目の前に供されると、どこの部分でも食べられるじゃないですか。キチンと焼けているし。
もんじゃはリアルタイムの完成の過程を楽しむ食べ物なのである。
言ってみれば、野球の生中継を見ているような。