統計速報(2009年7月29日発表分)

(商品市況概況)
済みません、諸般の事情でニュースと終値だけです。

(経済関連ニュース)
・7月ユーロ圏小売業景気指数 47.3(前月改定47.5)
・7月独失業者数 346万人(前月改定341万人)
・7月ユーロ圏景況感指数速報 76.0(前月改定73.2(速報比▲0.1))、市場予想75.0。
・米週間新規失業保険申請者数 584千人(559千人(速報比+5千人))、市場予想575千人。
・6月日本完全失業者数 5.4%(前月改定5.2%)。有効求人倍率 0.43倍(前月改定0.44)。
・6月日本コアCPI 前年比▲1.7%(前月改定▲1.1%)、市場予想1.7%。
・6月日本東京都区部コアCPI 前年比▲1.7%(前月改定▲1.3%)、市場予想▲1.7%。
・6月新設住宅着工 前年比▲32.4%、建設工事受注 前年比▲28.0%。

NY Dow  :9,154.46(+83.74)
S&P500   :986.75(+11.6)
NIKKEI225 :10,165.21(+51.97)
JPY/USD :95.79(+0.65)
USD/EUR :1.407(+0.0038)

Cbot Wheat :516.25(+4.75)
Cbot Corn :332.25(+11.5)
CSCE Sugar :18.75(+0.19)

Comex Gold :934.90(+7.7)
Nymex Platinum :1,189.0(+21.4)

Copper 3M :5,602.00(+187:2.5B)
Zinc 3M   :1,711.00(+67:25.25C)
Lead 3M   :1,820.00(+60:20.5C)
Aluminum 3M :1,879.00(+84:24.5C)
Nickel 3M :17,200.00(+925:36C)
Tin 3M   :14,500.00(+300:270B)

WTI :66.94(+3.59)
Brent :70.11(+3.58)


 今回の米在庫統計は原油ベア、ガソリンニュートラル、ディスティレートベアな内容であった。原油は生産調整と輸入の調整で過去5年レンジを維持してきたが、引き続き稼働率が低いことから5年レンジを上抜けてしまった。ガソリンは景気が低迷しているがドライブシーズンということもあって需要は小じっかり、ディスティレートは引き続き明確にベアな状態が継続している。秋口にかけての景気悪化(二番底付け)の裏づけはここにあるが、株価の上昇が継続し、マインドの改善が長期にわたり継続するのであれば「虚が実に」なる可能性はゼロではなくなってきた。詳しく見てみよう。
 原油は生産が小幅減少したが、輸入が大幅に増加し、稼働率が低下したことから市場予想を上回る大幅な在庫増加となった。生産は5,107KBD(▲69KBD)と過去5年平均レベルの生産を回復。輸入は10,024KBD(+821KBD)と先週減少したP3、P5での増加が顕著であった。しかしこれでも輸入は過去5年の最低レベルでの推移となっており、引き続き米国の石油製品需要の回復速度が緩慢であることを示している。結果、総供給量は15,131KBD(+752KBD、前週比5.3MBの在庫増加要因)となった。製油所の稼働率はP1,P4では回復したが、それ以外の地区では大幅な低下となり、全体で84.6%(▲1.6%、前週比1.6MBの在庫増加要因)。地区ごとの稼働率の変化はP1から順に、+6.9%,▲1.8%,▲2.0%,+2.0%,▲3.8%となっている。計算上在庫は前週比で+6.8MBの+5.03MBの在庫増加(先週の在庫増減は▲1.8MB)となるが、略計算どおりの+5.2MBとなった。結果、在庫水準は347.8MB(+5.2MB)となった。在庫は輸入が増加し、稼働率が低下したP3、P5が顕著である。在庫量の変化はP1から順に、+0.7MB, +0.8MB, +1.7MB, ▲0.3MB, +2.3MB となった。FSCは23.3日(+0.7日)と稼働率要因で上昇。この結果、原油在庫の水準はFSCベースで過去5年レンジを上抜けしている。過去5年の適正レベルを維持してきた原油在庫であるが、ここにきて5年レンジを上抜け「過剰在庫」状態に突入しつつある。今週もSPRは変わらず。イールドカーブの形状に大きな影響を与えると考えられるCushing在庫は32.1MB(+1.3MB)と大幅な増加、イールドカーブコンタンゴ化が進むこととなろう。統計としては明確にベアな内容であった。
 ガソリンは生産が稼働率の低下と得率の悪化で大幅に減少、輸入も小幅減少し、需要が若干持ち直したことから予想を上回る在庫減少となった。生産は稼働率が悪化し、得率が▲0.8%と悪化したことから8,977KBD(▲259KBD)となった。輸入は991KBD(▲35KBD)と減少、再び過去5年レンジの下限までレベルを下げた。結果、総供給は9,968KBD(▲294KBD、前週比2.1MBの在庫減少要因)となった。需要は4週平均ベースで9,968KBD(▲294KBD、前週比2.1MBの在庫減少要因)、直近需要ベースで9,205KBD(+29.5KBD, 前週比0.2MBの在庫減少要因。過去5年平均 9,458KBD, 過去5年最高 9,655KBD, 過去5年最低 9,212KBD)となった。需要の前年比での減少率は小幅な水準に留まっており、ドライブシーズン中でもあり需要は比較的堅調な推移を続けている。今週は前年比ベースの需要の減少は▲1.53%とマイナスの状態が続いているが、前週比での変化率は+0.32%(例年▲0.06%)と回復している。ここにきて景気の先行きに対する見方は分かれているが、価格水準が引き続きネックとなり需要の戻りは緩慢な状態が続いている。株価の急騰に伴うマインド改善効果による需要の増加は、株価が下落した場合、あるいはガソリン価格が急騰した場合にはなくなってしまう可能性が高いことから、引き続き株価動向は無視できない展開が続くことになると考えている。特に週末の米GDP、8月初の米雇用統計は注目材料である。以上を合計するとバランス上は在庫は▲2.3MBの▲1.5MBの在庫減少(先週の在庫増減は+0.8MB)となるが、計算を大きく上回る▲2.3MBの在庫減少となった。在庫変化の内訳は、Conventional84.2MB(▲0.5MB)、Blending127.4MB(▲15.0MB)となっている。この結果、FSCは23.1日(▲0.3日)と低下し、過去5年のレンジ内に戻った。統計としてはFSCの低下もあって市場予想比でブルな統計であったが、需要の戻りが引き続き緩慢なことを勘案すると略ニュートラルな統計であったと言える。

 ディスティレート在庫は市場予想を上回る在庫増加となった。生産は稼働率が悪化し得率が▲0.0%と悪化したことから3,987KBD(▲65KBD)と先週から減少。生産の内訳はULSD2,977KBD(▲23KBD)、ディーゼルオイル528KBD(▲38KBD)、ヒーティングオイル482KBD(▲4KBD)。尚、生産レベルは過去5年の最低水準近辺での推移が続いている。在庫の著しい積み上がりと需要の回復が緩慢なことから低水準の生産が続いているが、生産調整可能な範囲を超えていると見られ調整幅は限定されている。輸入は254KBD(+2KBD)と増加。在庫水準が高すぎるため海外からディスティレートを輸入する必要性は殆どなく、低水準である。この結果、総供給は4,241KBD(▲63KBD、前週比0.4MBの在庫減少要因)となった。4週平均需要は4,241KBD(▲63KBD、前週比0.4MBの在庫減少要因)、直近需要は3,300KBD(+2KBD, 前週比0.0MBの在庫減少要因。過去5年平均 4,056KBD, 過去5年最高 4,191KBD, 過去5年最低 3,893KBD)と、4週平均ベース需要は前年比▲21.26%と先週から減少幅を拡大。前週比ベースでは+0.06%(例年▲0.39%)と小幅な改善が続いている。しかし、需要は回復しているとは決していえない水準である。全体のバランスでは前週比▲0.5MBの+0.8MBの在庫増加(先週の在庫増減は+1.2MB)となるところであるが、+2.1MBの在庫増加となった。総在庫は163MB(+2.1MB, 過去5年平均 125.1MB, 過去5年最高 131.9MB, 過去5年最低 119.1MB)となり、過去5年最高レベル131.9MBを遥かに上回っている。世界的にディーゼルオイルの在庫水準は高く輸送需要は低迷しているといって良い。当面は、原油価格が上昇する以外にディスティレートの買い材料はなく、週末のGDPや、株価の上昇によるマインド改善効果で原油価格が上昇するか銅かがポイントとなる。しかし需要の戻りが弱いディスティレート価格は総じて頭重い推移が続くことになると考えている。製品毎の在庫の内訳はULSDが94.9MB(+9.7MB)、ディーゼルが21.3MB(+3.2MB)、ヒーティングオイルが46.4MB(+1.9MB)。FSCは49.3日(+0.6日)となった。これは過去5年の最高水準である31.8日をはるかに上回るレベルであり、多過ぎであることはコメントする必要もないだろう。統計としてはベアな統計であった。